異世界おもてなしご飯(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『異世界おもてなしご飯』とは、原作忍丸、漫画目玉焼き、キャラクター原案ゆき哉によるグルメファンタジー漫画。主人公の小鳥遊茜は両親が死んだ後、祖父母の家で妹と愛犬と暮らしてたが、ある日突然、異世界へ家ごと召喚されてしまう。聖女として召喚された妹のひよりの巻き添えをくった茜は姉の料理大好きな妹の為、異世界で料理をすることになる。異世界召喚ものと料理のコラボレーションのほっこりほのぼのファンタジー。美味しい料理で交流を広める中で成長していく優しい気持ちになれる漫画である。

『異世界おもてなしご飯』の概要

『異世界おもてなしご飯』とは、原作忍丸、漫画目玉焼き、キャラクター原案ゆき哉によるグルメファンタジー漫画。『小説家になろう』サイトにより連載されていた小説のコミカライズである。『ヤングエースUP』にて連載されていた。異世界召喚ものと料理のコラボレーションのほっこりほのぼのファンタジーである。物語の主人公小鳥遊茜は妹ひよりの聖女召喚に巻き込まれて家ごと異世界に召喚されてしまう。ひよりとは違いやることもなく日々を過ごし、暇を持て余していた。つまらない日々を送っていた茜はひよりの「お姉ちゃんのご飯が食べたい」というわがままによってやりがいを見つけ異世界で料理を作ることになる。茜の下には、王子様から姫様、エルフに精霊などの異世界住人が次から次へと、トラブルを抱えてやってくる。美味しいごはんで周りをお腹一杯笑顔にしていく中で笑いながら成長していく物語である。

『異世界おもてなしご飯』のあらすじ・ストーリー

異世界召喚編

クリスマスイブの夜、小鳥遊茜と妹のひより、そして愛犬のレオンは茜のご飯を食べ終えて寛いでいた。

家の外には見たことがない景色が広がり、見たこともない人たちがいた。

そんな時、大きく家が揺れ慌てて外へ出るとそこは日本ではなかった。見慣れない人の中から青年が出てきて茜とひよりに向かって「聖女さま!」と呼びかけ、周りにいた人たちと一緒に膝をつき頭を下げる。何が何だかわからない茜とひよりは話を聞くため王城に連れていかれ説明を受けることになった。今いる世界は日本ではなく異世界であり、数100年周期で噴出する人間を滅ぼす大量の邪気を止めるため、聖女を召喚したという事だった。聖女であるひよりだけを召喚するはずが、茜を含め家ごと召喚してしまったのは何か手違いがあったようだ。邪気を払い終われば元の世界に戻してもらえるようなので一安心する茜。一方、自分が聖女だと聞かされたひよりは自分の時代が来たと喜び第2王子のカインの手を取り飛び出して行ってしまう。茜は突飛な行動をとった妹を申し訳なく思いながら王様に妹の事を頼むのであった。
あっという間に1ヵ月が過ぎ、ひよりは聖女としての訓練をしていたが、客として部屋を与えられている茜は暇を持て余していた。暇なので茜の護衛騎士として傍にいるジェイドに話しかけるが、会話が続かずさみしく思っていた。このまま何もせずにいてもいいのかと悩んでいると、頑張って聖女の訓練をしていたはずのひよりが泣きながら部屋に飛び込んでくる。茜は大泣きしている理由をひよりに聞くと、聖女の役目が嫌になったわけではないが大好きな茜のご飯が食べられないことに耐えられなくなったようだった。理由を聞いてびっくりしたが、茜は自分の出来ることが見つかり嬉しくなる。そして自分の家に戻りさっそくひよりの好きなプリンを作ることにしたのだった。

料理を作るところを初めて見たジェイド。

物珍しそうに茜の料理している姿を見るジェイドに茜は手伝いを頼んでみると、緊張しながらも手伝ってくれる。いつもは真面目な顔をしているジェイドの新たな一面を見れて楽しくプリンを作り上げる茜。そして出来たプリンを食べたひよりは久しぶりの茜の料理に舌鼓を打つ。何もできることがないと憂鬱になっていた茜だったが、ひよりの茜のプリンが1番という言葉で、妹の為に毎日ご飯を作るという目的を見つけたのだった。
茜ははじめての夕食作りのためジェイドと一緒に市場に来ていた。ひよりの食事を作るにあたってカイン全面協力の元、王宮の調理場から食材を提供してもらえるという事になっていたが、用意された食材で作るだけより食材から選んで料理したいと思ったからだった。だがここは異世界の為見た目は地球の物に似ていても味は全く別物という事がある。そこで茜は異世界から召喚された人間しか使えない魔法である鑑定魔法を使い食材を選ぶことにした。鑑定魔法はそこそこ魔力を使うため、魔力の少ない茜が何度も使うにはジェイドに魔力を融通してもらう必要があった。魔力を融通するためと言いながらずっと手を繋ぎたがるジェイドに茜は自分に気があるんじゃないかと変な妄想が湧いてきそうになって慌てて鑑定を繰り返し食材を集めたのだった。
ジェイドに手伝ってもらいながら夕食作りをしていると、訓練が終わったひよりが家に飛び込んでくる。小学生のようなひよりについ母親のように注意してしまう茜。ひよりに手を洗いに行かせてふと顔を上げるとそこには居心地悪そうに視線を彷徨わせてたカインが遠慮がちに立っていた。まさか王族に家庭料理を食べさせることになるとは思っていなかった茜は断るのを諦め夕食作りを再開するのだった。料理ができたので、茜は料理運びを手伝うようにひよりに声をかける。するとひよりはカインにも容赦なく手伝わせる。王族に手伝わせるという衝撃的な光景に茜は思わず白目を剥きそうになった。慌てる茜とジェイドをよそに、カインは少し困った顔をしつつも慣れたことのようにひよりの言う通りに従っている。ひよりの行動に茜は申し訳ない気持ちになったのだった。

今晩のご飯はオムライスとコーンスープ。

オムライスなどを居間に並べ終え食べ始めると、美味しそうに食べるひより。ひよりに喜んでもらえて嬉しくなった茜と手伝ったジェイド。カインはオムライスを気に入ったようでこちらの世界にはないケチャップに興味津々。ひよりが茜の手作りケチャップの話などをしているとあっという間に皆食べ終わり、食後のお茶の時間になるとカインは国を守るためとはいえ自分たちの都合で呼び出したこと、慣れない異世界での負担を強いていることを真摯に謝る。邪気を祓うのにも危険が伴い、それに備えてひよりは必死に勉強や訓練をしている。天真爛漫で元気だけが取り柄なひよりが、追い詰められた挙句に茜に泣きつく程、責任重大で辛さを伴うものだ。泣いていたひよりのことを思うと茜は簡単に許すとは言えなかった。それに、親代わりにひよりを育てた茜はひよりに危険なことはさせたくないのが本心だった。するとひより泣くのを我慢して震えながらも茜のご飯があれば頑張れると言い切る。辛くても聖女としての役割を全うしようと決意しているひよりを見て茜はカインにむかって食事でのサポートを茜がすることと、ひよりを守ることを頼んだ。カインはお互いを思い合う茜とひよりを見て、眩しいものを見るように目を細めてひよりを守ることを誓ったのだった。

秘密の晩酌編

茜の祖父は縁側でお酒を飲むのが好きで、茜もよく一緒に飲んでいた。

茜の祖父は縁側でお酒を飲むのが好きで、茜もよく一緒に飲んでいた。茜は祖父が亡くなってからは飲むのをやめていたが、自宅に戻り、異世界での生活でできることを見つけたからか久しぶりにこっそり晩酌をすることにした。縁側で炬燵に入り、火鉢で炙ったつまみと貯蔵してあったビールを楽しんでいると、突然鎧を着た男が現れる。びっくりした茜は逃げようとするが、男は図々しく自分にも酒を出すように言って炬燵に入ってくる。どこか憎めない様子の男に茜はビールを渡し、つまみを勧めて一緒に晩酌をすることに。男の姿が若い頃の祖父に重なって懐かしい気持ちになった茜は、夜遅くまで晩酌をしたのだった。翌朝、茜はひよりに知らない人とお酒を飲んだことを注意される。ひよりは夜中に晩酌をしていた相手がダージルという騎士団長だと言い、ダージルから夜中に一人で晩酌は危ないからまた呼ぶようにと伝言を預かってきていた。前から晩酌をしていることを知っているような口ぶりのひよりに、秘密にできていると思っていた茜は驚く。2人の大切な時間だと感じて知らないふりをしていたひより。茜が思っていたよりも大人だったひよりに感心する茜なのだった。

山の主編

ある日、ひよりが大量の日本の山菜をもって家に来た。茜は異世界にある日本の山菜に疑問を持ち鑑定魔法を使い鑑定してみると、「山の主より奪いし恵み」とでる。茜は山菜をどうやって手に入れたのかひよりを問い詰めるがなかなか白状しない為、カインに話を聞こうとそちらに目を向けるとカインの足元から可愛らしいうり坊がこちらを見つめて立っていた。

可愛いうり坊はただのうり坊ではなかった。

しっぼが蔦のような植物でできているうり坊はカインによると山の主という事だった。カインによると、聖女の勉強で山の恵みをくれるという山の主の存在を知った茜が、山の主を聖女の魔力で調伏し別世界から山菜を呼び出させたことで山の主は魔力を使いすぎ弱ってしまったということらしい。カインとしてはこのままでは山の実りや生態系に影響が出てしまうかもしれないので山の主が呼び出した魔力が含まれている山菜を調理し、供物として捧げて欲しいようだ。茜はひよりのとんでもない行動を申し訳なく思いながら料理を作ることを承諾したのであった。早速料理に取り掛かる茜とジェイド。せっせと料理の手伝いをするジェイドを見てカインは、ひよりを止められなかったことに責任を感じ手伝いを申し出る。どうしてもというカインに茜はおにぎりを握ってもらおうとするが、炊き立ての米に慣れていないカインには熱すぎておにぎりを握ることはできなかった。カインを放っておいて茜は祖父母との思い出の味に思いをはせながらもくもくと山菜を料理し続け沢山の料理が出来上がった。

出来上がった料理を供物として山の主に捧げる茜達。

茜達は出来上がった料理を供物として山の主に捧げた。茜は山の主が料理を気に入るか心配していたが、山の主は気に入ったように夢中で山菜料理を食べはじめほっとする。夢中で食べる姿はかわいらしく、つい山の主だと忘れそうになってしまう茜。

魔力が戻り本来の姿を取り戻した山の主。

料理を食べ、魔力が戻った山の主は本来の姿を取り戻したのか部屋ぎりぎりまで大きくなっていた。先ほどまでの可愛い姿になごんでいた茜はその姿にびっくりする。そして山の主は身動きできない茜を見つめ笑うように目を細め突然目の前から消えてしまう。ちゃぶ台の上を見るとそこには配膳したときのまま手つかずの料理だけが残っていた。食べていたように見えたが料理を気に入らなかったのかと焦る茜にカインが山の主のような精霊への人からの供物とは料理に含まれる魔力を食べるもので実際に食べているわけではないらしい。その証拠に出した料理に含まれていた魔力はすっかりなくなっていた。カインは山の主の問題は解決したと外で家を守っていた騎士たちに宣言し、供物として作った料理を皆で食べることになった。茜もひよりやジェイド、カインとともに山菜料理を堪能する。するとひよりは料理を食べながら泣き出し、沢山の人に迷惑をかけたことを謝る。ひよりは毎年春に食べていた祖母の味が無償に恋しくなって山菜欲しさに行動したようだ。茜はひよりを抱きしめ慰めるのだった。その日以降、山の主からの贈り物の山菜や果物などの山の恵みが届くようになった。日本の山菜もあったのでありがたくいただくことにしたのであった。

薬草売りと梅仕事編

とある日、茜はお酒や食料の在庫チェックをしていた。たまに顔を出すバージルは食道楽らしい国の宰相であるルヴァンを連れてきては大いに食べて飲んでいくため、ビールなど一部のお酒は心もとなくなっていた。茜は毎年漬けていた梅酒と梅干しを今年も漬けたいと考えていたが市場で探しても梅らしきものは見つけられていなかった。
市場への買い出しの日、茜とジェイドは市場の奥の方まで足をのばしていた。そこで怪しげな露店で売られている干し梅にそっくりのものを見つける。その店を出している薬草売り曰くそれは「チコの実」といって生の実だと毒があるが燻製にして薬にするとさまざまな効果があるという。生の実に毒があるというのも梅の特徴なのを知っていた茜は干し梅のようなものを鑑定してみることにした。鑑定魔法によると思った通り梅であった。今年も梅酒や梅干しが漬けられると興奮した茜は生の実を買えないか薬草売りに交渉する。毒がある生の実の使い道を気にする薬草売りに、茜は日本での食べ方を教える。すると興味を持った薬草売りから値段を安くする代わりに少し分けて欲しいと頼まれる。茜は大量に仕込む予定だった為、後日出来上がったものを持ってくることを約束し、交渉は成立したのだった。
後日、箱詰めされたチコの実が大量に届いた。状態の良いチコの実に今から出来上がる梅酒などに思いをはせ異常にテンションの高い茜。ジェイドはそんな茜に若干引き気味であった。ジェイドの視線も気にならない茜は気合を入れて梅の下ごしらえを始めることにした。そこへ先日茜のとっておきのつまみを食べてしまったダージルとルヴァンからお詫びとして酒精の強いドワーフ謹製の火酒、この国では貴重な氷砂糖や粗塩が届いていた。ジェイドに手伝ってもらいながら梅シロップと梅酒を漬け終わった茜は、薬草売りから聞いたまだ青いチコの実を簡単に熟成させる魔法を使うため、チコの実の下ごしらえで疲れて一休みしていたジェイドを呼ぶ。ジェイドに魔力を融通してもらい1粒試してみることにした2人だったが、お互いに手を握り合うような形になってしまいドキドキして顔を上げられなくなってしまうジェイド。茜はそんなジェイドを見て瞳の色がきれいなことに気づき、口に出してしまう。びっくりしたジェイドは初めていわれた言葉に照れながら茜の瞳のことも褒めようと頑張るが、チコの実の熟成具合に気をとられている茜にその声は届かなかった。

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