メタルギアソリッド3 スネークイーター(MGS3)のネタバレ解説・考察まとめ

メタルギアソリッド3スネークイーター(MGS3)とは2004年に発売されたPlayStation2用ソフトであり、メタルギアシリーズの第5作目にあたる。2011年、2012年にはリメイク版が出される程メタルギアシリーズ屈指の人気を誇る。メタルギアシリーズの中で、時系列として『最初』の作品にあたる。ビックボスと呼ばれた男とその師をめぐり展開されるストーリー。国、そして歴史を背負い、時代に翻弄される兵士が生々しく描かれている。

『メタルギアソリッド3スネークイーター』の概要

メタルギアソリッド3スネークイーター(METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER、MGS3 以下MGS3とする。)は、1987年にMSX2用に発売された「メタルギア」をはじめとするメタルギアシリーズで、第五作目にあたる作品である。「メタルギア」は、のちに(2020年)「デス・ストランディング」(PS4、PC用ゲーム)で多数の賞を受賞する、小島秀夫の監督デビュー作である。小島監督は映画や小説を嗜み、さまざまな音楽に触れる文化人であり、SNSでの活動も活発である。SNSで見せるお茶目な一面は、ファンの注目の的である。メタルギアシリーズをより楽しむために、小島監督のSNSを覗いてみてはいかがだろうか。
メタルギアシリーズは、ストーリーの時系列順に作られているわけではない。ナンバリングタイトルであっても時系列が前後する。メタルギアシリーズの時系列順に並べたときにストーリーの『最初』に当たるのがこの作品、MGS3である。日本だけでなく世界から評価されるメタルギアシリーズであり、タイトルも多いシリーズであるが、「メタルギアシリーズで一番好きな作品、印象に残った作品」として挙げられることの多い作品がMGS3である。なぜ、MGS3がこんなにも高く評価されるのか。それはこの作品の「完成度」にある。映画のような臨場感のあるムービー、散りばめられた伏線をはじめに、事細かく描かれる世界観は他のゲームでは味わうことのできない「完成度」がある。
今回は、世界中で人々を惹きつける「メタルギアソリッド3スネークイーター」の概要を簡単に書いていきたいと思う。

登場人物

壮大なストーリーをもつメタルギアシリーズであるが、その完成度を支えるのが『登場人物のキャラクター』である。各人物は生年月日から出生、生い立ちなど細かく設定されている。また、話し方や性格、人間関係までもが詳細に映し出される。
「MGS3の仕様」で触れるが、MGS3には「無線」システムがある。これは、単独で敵地に侵入する兵士「スネーク」をサポートするためにスタンバイしているチームと連絡を取るためのものである。一見、プレイヤーへの単なる補助システムに見える。しかし、ここに注目することで、MGS3における人間関係をより鮮明に感じることができる。単なる会話の発言、スネークへの接し方、スネークの返答などから、隠された背景を窺い知ることができる。
それでは、ストーリーを形作る登場人物を、それぞれの背景を含めて覗いてみよう。

ネイキッド・スネーク

言わずと知れた、今作の主人公である。本名は「ジョン」。ザ・ボスやゼロからは「ジャック」の愛称で親しまれていた。混同しがちではあるが、ソリッド・スネークとは別人である。メタルギアシリーズのストーリーの、その戦いを産んだ人間とも言えるだろう。
元はアメリカ軍の従順な兵士であった。コロンビアの戦場にてザ・ボスと出会い、二人でCQC(近接戦闘術)を完成させる。米国のビキニ環礁における水爆実験に巻き込まれ、被爆。生殖機能を失うこととなる。ザ・ボスが姿を消したのち、グリーンベレーに入隊。祖国のために命を捧げる。その後、ゼロ少佐と特殊部隊「FOX」を設立し、今回のミッション「ヴァーチャスミッション」を行うこととなる。
ヘビースモーカーであり、HALO降下直前まで葉巻を吸い、最低限の装備の中にも葉巻を忍ばせるほどである。あまり映画等は見ないが、ヴァンパイアが大の苦手。悪夢を見てしまうことも。怪我の治癒速度が常人ではなく、戦うために生まれてきたと言っても過言ではない。EVAとの絡みでは淡白な態度をとっているが、初対面の際は胸に釘付けになる一面も見せる。

エヴァ

スネークイーター作戦の手助けとして送り込まれたKGBのスパイとしてスネークと接触する。しかし本当は中国のスパイであり、賢者達のスパイとして米ソへの諜報活動を行なっていた。作中で明かされるが、ザ・ボスはこのことに気付いており、それを理由に彼女を殺さなかった。
スリーサイズは88-62-86。これは小島監督の理想とするプロポーションとされており、他作品にも用いられている。妖艶な見た目で、スネークに好意を抱く。謎の多い女性。

ゼロ少佐

特殊部隊「FOX」の創設者の一人。ザ・ボスと同期であり、関係も深い。そのため、彼女によるCIAへの正式加入の進言があった。
この時点では謎の多い人間であるが、スネークは信頼を置いており、無理のある任務にも手厚いサポートを行ってくれる。無線上での彼とスネークの軽妙な掛け合いは、その絆の強さを示している。

ザ・ボス

この作品の最重要人物である。国の歴史を背負い、自身の名前を穢してもなお祖国のために任務を全うする姿には、全てのプレイヤーが感銘を受けたのではないだろうか。
賢者達の一人を父に持ち、賢者達の真実を知る。それを契機に深い愛国心を抱くようになる。第二次世界大戦下、「コブラ部隊」を創設し、ノルマンディ上陸作戦に参戦した。その作戦中に、コブラ部隊の一人であるザ・ソローとの子供を出産。野戦病院での帝王切開による出産であったため、その傷跡が腹部にS字を描くように残っている。その時生まれたのが、アダムスカ(オセロット)である。スネークと同じように、ネヴァダ核実験場で被爆し、白血病となる。また、スネークの前から姿を消す理由であった、米国の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」に参加した。しかし、不完全な宇宙線遮断技術が原因で再度被曝してしまう。国、時代に翻弄され、任務を遂行するという強い信念の末、コブラ部隊の一人であり愛する人であるザ・ソローを自身の手で抹殺することとなった。
無線にてスネークの喫煙を咎めるも自身も喫煙者である。「私はいい」というが、そこには自身が被爆している悲しみも含まれているのではないだろうか。

オセロット

幾度となくスネークに挑み、そして敗れた男である。しかし、最後にはスネークを恨むのではなく、戦いを通して深い友情を形成していた。
正々堂々と戦うことを好み、卑怯なやり方や過剰な暴力を振るうヴォルギンには抵抗を感じている。
ザ・ボスとザ・ソローの子供であるが、出生してすぐに愛国者達に攫われ、以降愛国者達とヴォルギンの元で育つ。その事実を知っているかはこの時点では謎であるが、ヴォルギンへの反感が垣間見える瞬間はある。

ジョニー

重要人物の中でも重要な人間しか説明しないのにも関わらず、なぜこの男を紹介するのか。この男はいわゆる「メタルギアの名物」なのである。シリーズ通して登場しており、その性格もさまざまである。しかし、どのジョニーも兵士らしい兵士ではなく、心優しい人間であることが伝わってくる。MGS3では、スネークが牢に入れられている時に見張りをしている一人の兵士、彼がジョニーである。話を聞いてみると、彼の家系では代々長男にはジョニーと名付けるらしい。彼との会話もユーモアがあり、緊迫した状況を和らげてくれる、癒し系の存在である。筆者が最も好きなキャラクターの一人である。

ゲームの仕様

メタルギアシリーズの醍醐味は「ステルスアクション」というシステムである。実は、この発想には「技術の限界」が関係していた。メタルギアシリーズ第1作目「メタルギア」をプレイする機械はMSX2である。しかし、MSX2は「激しく動く描写」に限界があった。これは迫力のあるアクションゲームを作るにあたり致命的な欠点である。そこで、小島監督の「戦闘シーンが少ないゲームを作れば良い」という発想のもと、この「ステルスアクション」が生み出されることになった。
本題に戻ろう。ステルスアクションの良さは「緊張感や焦燥感」にある。敵に発見されないよう慎重に行動する一方、大胆に走り抜けることが必要な場面があるなど、単にボタンを連打するだけのゲームでは味わえない感覚を感じることができる。このシステムが、いわゆる「やり込み要素」を実現している。
メタルギアシリーズはステルスアクションを元に作られているが、一つ一つ異なる細かいシステムも存在する。そんな細かいシステムも含め、MGS3のゲーム仕様を見ていこう。

カムフラージュ

ステルスアクションを支える重要な要素が、この「カモフラージュ」である。MGS3においてカモフラージュをあげるために変更する点は、「フェイスペイント」と「迷彩服」である。どちらも初めから複数個の選択肢があり、潜入地点によって変更することができる。これらの要素はムービーに登場するスネークの外見にも影響を与える。「エンドコンテンツ」にて触れるが、クリア後の報酬や特定の条件を満たすことで手に入れられるユニークな服を着ると、風変わりなムービーを楽しむことができる。

サバイバル

ネイキッド・スネークのコードネームが与えられるように、スネークは最低限の装備で潜入を行うこととなる。武器や弾薬だけでなく、食料、変装用の服などの現地調達を求められる。裸(ネイキッド)で潜入するスネークにとって、自身のサバイバルスキルは生命線となる。
健康状態を保つのもサバイバルの一部であり、MGS3では各部位の怪我を治療することを求められる。骨折、炎症などに対して当て木などのアイテムを用いて治療することになる。ダメージが無条件で回復しない、怪我のポイントが表示されるという点も、メタルギアのサバイバルにリアリティをもたらしている。
サバイバルといえば、食料である。MGS3のジャングルにはさまざまな食材が生息している。蛇やカエル、そしてワニまでを食材としていただくことができる。それぞれにスタミナ回復量が決められているが、その回復量は「味」できまる。「食えたもんじゃない!」というものから「なかなかいけるな」「うまい!」など、それぞれの食材でスネークの反応を楽しむことができる。しかし、ジャングルには危険なものも存在する。毒を持つものも多く、食事の際には注意が必要だ。

無線

キャラクターのリアルな人物像を垣間見ることができるのが、このシステム「無線」である。無線では、ヴァーチャスミッションから連絡を取れるゼロ少佐、パラメディック、そしてザ・ボス、スネークイーター作戦からはシギントを追加される。この無線を通した隠し要素も多く、さまざまな場面で無線連絡をしてみると面白い。
任務に関連することから、趣味、歴史、人物像、そして喫煙の有無までを窺い知ることができる。二週目以降の迷彩服であるタキシード(カモフラージュ率が著しく下がる)を着て無線連絡をすると、スネークの容姿に関する感想を聞くことなどもできる。ぜひ、試してみて欲しい。

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@T_aoki

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