難波金融伝 ミナミの帝王（ミナ帝）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『難波金融伝 ミナミの帝王』の登場人物・キャラクター

原作版

萬田銀次郎（まんだ ぎんじろう）

シリーズを通しての主役。通称「銀ちゃん」で、ミナミに限らず大阪においてその名は知れ渡っている。
トイチの高利貸しを行う闇金融「萬田金融（萬田銀行と称する事もある）」を営み、返済できない者にはどんな手段を用いてでも取り立て（キリトリ）を行うため、金貸しとしての通称は「ミナミの鬼」や「ミナミの帝王」とされる。
その威光は大阪中に降り注いでおり、一般人はもちろんの事、生半可な会社経営者や政治屋、やくざ者程度では頭が上がらない。

押し出しの強い性格だが、人なつっこい部分も多分に持ち合わせ、そして大阪的義理人情をよく理解して体現する。
特に悪人によって金銭的に陥れられ、借金を返済できなくなった、もしくは借金しに来なければならなくなった善人には優しい。そのような人間に対しては、単純に金を貸すだけではなく、取られた金を取り戻す協力をしたり、大金を儲けるチャンスを提供したり、あるいは取り立て対象を（善人を陥れた）悪人側に切り替えるなど、水戸黄門的善行を施す。

そういう存在のため、鬼と恐れられつつも「銀ちゃん、銀ちゃん」とミナミの人々から親しまれている。
また、金にまつわる問題がミナミに発生した時には「い」の一番に頼りにされる、生業と人間的立ち位置が噛み合わない不思議な人物である。

実写版での俳優は竹内力、千原ジュニア。人物設定は基本的に原作版に準拠するが、俳優のカラーにも引っ張られ、原作版よりも寡黙な人物として描かれる。

愛車は黒のベンツSLクラス。
なお、同じ愛称を持つ存在としては『銀魂』の「坂田銀時」の大先輩にあたる。

坂上竜一（さかがみ りゅういち）

銀次郎の舎弟。
元やくざだったが、銀次郎の取り立てに見惚れて「これからの世界はゼニや」と確信し、萬田金融の社員となった。作品初期の頃は問題行動が多く、一度は破門を銀次郎に言い渡されもしたが、乗り越える。
その後は少しずつ成長し、銀次郎の右腕としてよく働くようになっている。

杉本達也（すぎもと たつや）

二人目の銀次郎舎弟。
借金が払えなくなっしまい、労働で返却するという形で萬田金融の社員となった。
ただし脇役であり、登場からしばらくはよく登場したものの、やがて出番がなくなりフェードアウトした。

沢木大樹（さわき だいき）

暴力団「沢木組」の組長。
同時に広域暴力団「浜口組」配下の「黒沢組」で若頭も務める（画像のナレーションでは簡略化して「浜口組の若頭」とされているが、厳密にはこちらの設定が正しい）。

銀次郎とは若い頃に知り合っており、二人で大金を稼いだ経験から彼を「銀ちゃん」と呼び親しんでいる。
あまり頭脳聡明とはいえないが、腕っ節は確かであり、組長になった後も「久しぶりに二、三人ばっさりと斬りたいのう……」とぼやく、バリバリの現場派かつ武闘派。
大阪的義理人情にも厚いが、自身の思いが通らないと暴れ出す難儀な部分も多く持ち合わせている。
「やくざはやくざ」という言葉がもっとも似合う人物となっている。

竹井葉子（たけい ようこ）

銀次郎内縁の妻。
ミナミの高級クラブでホステスをしており、本人は金回りが良いが、銀次郎の男気に惚れ妻となった。
ただし物語が進むと登場しなくなってしまい、銀次郎も独身のキャラクターとして描かれるようになる。

黒崎千里（くろさき せんり）

自身も金貸しだった女性。銀次郎と同じようにトイチの闇金融を営んでいたが、やくざによって強姦されてしまう。
そんな自分に対して、銀次郎がやくざすら頭が上がらない存在としてミナミに君臨している事から、舎弟入りを決意した。
非常に有能であり銀次郎からも目をかけられるが、萬田金融が社内恋愛禁止を掲げているにも関わらず、社員の杉本達也と恋愛関係になってしまった。
これに激怒した銀次郎が「どちらか使えない方（つまり杉本）を破門にする」と銀次郎に言い渡された際、自ら破門を申し出た事で、登場人物としても出番を終える。

実写版

萬田銀次郎（まんだ ぎんじろう）

演：竹内力、千原ジュニア

原作版と同じ人物。
原作版より寡黙な性格に描かれ、ひょうきんな所はなりを潜めている。その他はおおむね原作版と同じ。

坂上竜一（さかがみ りゅういち）