雲のように風のように(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『雲のように風のように』とは、第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品『後宮小説』を原作としたスペシャルアニメ。
架空の古代中国の王朝「素乾国」の後宮に焦点を当てた作品で、原作が持つ斜陽の国家の中で展開する人間達の浅ましさや残酷さ、男女の哲学等といった難しいテーマを含めながらも、個性的なキャラクター達による小気味良いコミカルなシーンを雰囲気を壊すことなく多く含み、約80分間の制限の中子供でも楽しめる全年齢向けのエンターテインメントとして仕上がっている。

声の出演:佐野量子
物語の主人公。緒陀県出身の田舎娘。原作の記述によれば14歳(後宮入りした時点)。
「正妃になれば三食昼寝付き」という村人の噂話を聞きつけ宮女募集に応募する。
心身ともに童女のような娘だが聡明な頭脳を持ち、勉強好きで裏表のない天真爛漫な性格から双槐樹や角先生の信頼を得て、物語中盤正妃になる。
何事にも物怖じしない胆力と柔軟な対応力から、賊に襲われている双槐樹を煉瓦を以て助けたり、後宮に攻め入ろうとする幻影の軍に対抗して女達をまとめ上げて素乾国始まって以来の宮女達による防衛戦を繰り広げる等といった活躍も見せた。
正妃になって以降、双槐樹とは夫婦の間ながら茶飲み友達のような付き合いをしていたが、初潮を迎えてから徐々に大人の女性としても成長し、物語終盤には双槐樹が囚われた馬小屋で夫婦の契りを結び、後に乱世を終わらせる人物となる黒耀樹を生んだ。

双槐樹(コリューン)

声の出演:市川笑也
素乾国の正式な王太子であり、間もなく新皇帝となった。即位の際の年齢は17歳。
清廉潔白な人物で国と民を心から想い、皇帝の座に着いてまもなく起きた幻影達の反乱でも銀河達の疲弊を見て城と自らの命と引き換えに停戦交渉に出向いたほどであった。
女性と見紛う程の美貌の持ち主で、度々双槐樹と顔を合わせた銀河も彼が皇帝として寝室に赴く時まで男だとは気づかなかった。
義理の母に当たる琴皇太后から命を狙われており、宦官を始めとした殆どの城の者達も自らの欲のためにしか動かず四面楚歌となっており、信用できる味方は同腹の姉である玉遥樹と角先生、そして銀河のみであった。
最期は銀河達を守るため幻影達に囚われの身となり、馬小屋で銀河と契りを交わした後自害する。

江葉(コウヨウ)

声の出演:井上瑤
銀河の娥舎のルームメイトで、茅南州出身。
西方出身もあって白い肌と青い目を持つ美少女で、寝間着のような独特な民族衣装を着ている。
喫煙者であり、度々煙管をくゆらせるシーンがある。
言葉少なで非常にマイペースな性格をしており、宮女候補生の中で一番の頭脳の持ち主でもある。
官職は才人。物語終盤では突貫であるものの後宮軍の将軍として書物を片手に大砲や鉄砲、投石器を用いて沈着冷静に防衛の指揮を執っていた。

世沙明(セシャーミン)

声の出演:麻上洋子
銀河の娥舎のルームメイト。
貴族の出ということもあり非常に気位が高く、初めの頃は銀河達を見下して相手にしないようにしていたが、個性的なルームメイト達に次第に感化され態度がやや軟化した。
美しく長い髪が自慢で娥舎の鏡台を常に占領して髪を梳いており、それを玉遥樹に(悪口の仕返しとはいえ)からかわれるシーンもある。
官職は嬪妃。反乱軍防衛戦では自らのプライドを脇に置き、的確な銃捌きと場の適応力を見せる程の人間的な成長を見せた。

玉遥樹(タミューン)

声の出演:高畑淳子
銀河の娥舎のルームメイト。
双槐樹の同腹の姉であり、彼によく似た美貌を持つ文武に長けた大人の女性。
名実ともに相当位の高い人物でそれに見合う上品な器量の持ち主だが、銀河達には親しみやすい態度で接する。
弟の命を守るために宮女候補生として後宮に入り込み、有事の際は着物の両袖に常に隠し持っている双頭の短刀で戦う。
反乱軍防衛戦の際は唯一の戦闘経験者として防具を身に着け矛で白兵戦をこなしていたものの、圧倒的な敵の数に息を切らしていた隙に男たちに胸を貫かれて絶命した。

角(カクート)先生

声の出演:田村錦人
後宮の女大学で銀河達の教師を務める高齢の大学者。フルネームは瀬戸角(セト・カクート)。青い瞳を持つ。
男女や生命の真理を追究する哲学者でもあり、部屋を埋め尽くす蔵書の内の半分量に相当する多数の著書を出している。
一般教養、医学、歴史への造詣が深く、皇帝・双槐樹の信頼に篤い人物。

菊凶(キッキョウ)

声の出演:三ツ矢雄二
角先生の助手で、銀河達の授業では生理学と運動を担当していた。原作では「菊凶(きくきょう)」とも読む。
容姿端麗で女性的な言葉遣いもあって若い女生徒に人気だったが、実際は己の野望のために手段を選ばない野心家で、国を窮地に陥れることになった張本人の一人となる。
琴皇太后と結びつき双槐樹に度々刺客を送りこんだり、遂には反乱軍を招き入れようと幻影と渾沌の元に出向いたが、その腹黒い精神を見抜かれて斬首される。

真野(マノ)

声の出演:北村弘一
緒陀県に派遣された素乾国の宦官で、銀河を宮女候補生として引き入れた人物。出世欲とプライドは高いが、憎めない性格をしている。
初めは見るからに田舎娘の「泥付き大根」である銀河に不安を抱いていたが、磨けば光る宝玉だと自分に言い聞かせ、無事銀河が正妃になった際には自分の目に狂いはなかったと喜んでいた。
銀河が正妃となった後でも今まで通りの話し方で接し、後宮の防衛戦においては妃たちのサポートとして渋々ながらも鉄砲隊の弾込め係を担っていた。

亥野(イノ)

声の出演:秋元羊介
後宮の官女の面倒を担当する宦官。
作中では後宮候補生達の娥舎への案内や言伝、授業前のオリエンテーションを担当した。

7pjunkichi610
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