百万円と苦虫女（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

鈴子が山間の村でお手伝いをした桃農家・絹の息子。春夫も絹と一緒に桃農家として働いている。絹と春夫の住む家に住み込みで働く鈴子を気遣い、鈴子とのコミュニケーションを図るが、風呂場の外で風呂に入る鈴子に話し掛けたり、朝寝ている鈴子を部屋に勝手に入って起こしに来たりと、距離感が近すぎて逆に鈴子に警戒されてしまう。

後日、「めんこい子が桃農家でアルバイトをしている」と聞きつけた村長が、「鈴子が桃娘として村の桃をPRする」という企画を鈴子に押し付けられたことを知り、「ここの人たちは強引だから嫌なら断ったほうがいい」と鈴子を心配してアドバイスする。

村長が勝手に「鈴子が桃娘として村の桃をPRする」という企画を会議で通してしまった後で、春夫の助言から鈴子が「桃娘をやりたくない」と辞退を申し出たことから、村人から企画中止の理解を得るために村民を集めた会議を開くことになる。集会所で行われた村民を集めた会議では、「桃娘をやりたくない」「テレビに出たくない」と言う鈴子や、「白石から受けた恩を返せ」「テレビくらい出たらいいべ」とまくし立てる村民たちを、集会所の後ろに座って黙って見つめていた。結局鈴子が「自分は前科持ちである」と大声で言い、集会所を出て行ってしまった後、村民たちが騒然とする中、春夫が村民たちの前に出て「外から来た人に頼るのではなく、自分たちで村をどうにかしないといけない」と真面目な話をする。最初は「鈴子に惚れたのか」と春夫をからかって、話半分に聞いていた村民たちも、春夫の熱意に耳を傾け、皆が桃娘の企画を中止することに納得し、会議は終了した。

会議の翌日、村を出ることにした鈴子に「餞別」と言って桃がたくさん入った袋を渡す。その後、春夫は自身の運転する軽トラックで、鈴子をバス停まで送り届けた。

上田村長（演：石田太郎）

鈴子が2か所目として訪れた山間の村の村長。「めんこい子が桃農家で働いている」という噂を聞きつけて、白石の案内で藤井絹の元を訪れ、鈴子に会いに来る。そして、鈴子に「桃娘として村の桃をPRしてほしい」とざっくりとした内容を依頼する。鈴子が「PRは苦手だ」と言うのも聞かず、「用事があるから」と自分の言い分だけを言って帰ってしまう。

後日、村長が勝手に会議で「鈴子扮する桃娘が村の桃をPRする」という企画を通していたため、「桃娘をやりたくない」と鈴子が辞退したことを受け、企画中止の理解を得るための村民を集めた会議を開くことになった。その会議で、鈴子が「何をやるのか聞かされていない」と言うと、村民から「具体的な内容が分かれば鈴子の気が変わるかもしれない」という意見が出る。そこで、村長が桃娘が何をするのかを話し出したが、「若い子に村の桃をPRしてもらえば関心が高まる」「ちょうど来週テレビの取材が来る予定になっている」「PRがうまくいけば来年の村の予算も増えるかもしれない」と都合の良いことばかりを言い、村民たちをその気にさせてしまう。そのせいで、鈴子は村民たちから「白石に世話になったくせに何も返さないのか」「都会の人間は村を馬鹿にしている」「テレビくらい出たら良いじゃないか」と桃娘を半ば強制されそうになる。結局鈴子が「自分は前科持ちである」と大声で言い、集会所を出て行ってしまった。
その後、春夫が村民たちに「外から来た人に頼るのではなく、自分たちで村をどうにかしないといけない」と話をしたことで、皆が桃娘の企画を中止することに納得し、会議は終了した。

村民（演：青木和代）

村長が鈴子の意向を無視して会議で通した「鈴子扮する桃娘が村の桃をPRする」という企画について、中止の理解を得るための村民を集めた会議に出席していた村民。最初は鈴子をおだてて桃娘をやってもらおうという魂胆だったが、頑なに拒む鈴子に対して「白石に世話になったくせに何も返さないのか」「都会の人間は村を馬鹿にしている」「テレビくらい出たら良い」と言い、半ば強制的に桃娘をやらせようとした。

地方都市

中島亮平（演：森山未來）

鈴子が3か所目として訪れた地方都市に住む大学生。鈴子と同い年の21歳である。鈴子がアルバイトをするホームセンターで、一緒にガーデニングコーナー担当としてアルバイトをしている。仕事に慣れていない鈴子に、商品のことを教えたり、小暮に叱られているところを助けたりする。また、アルバイト同士の飲み会で、早く帰りたかった鈴子に、中島が助け舟をだしてくれたことで飲み会を抜け出すことが出来た。様々な面で優しくしてくれる中島に、鈴子はだんだんと惹かれていく。

たまたまスーパーで会った時に、中島が鈴子をお茶に誘い、鈴子は喫茶店で百万円を貯めては移動をする生活をしていることや、前科があることなどを中島に話す。自分の過去を話過ぎたことを後悔した鈴子は、喫茶店を飛び出してしまい、中島は鈴子を自転車で追いかける。鈴子に追いついた中島は、過去の話をしたことで勝手に「嫌われた」と思い逃げようとする鈴子に「好きです」と告白をする。鈴子も「中島君のことが好きだ」と返事をし、その日から鈴子と中島は付き合うことになる。

しかし、もうすぐ鈴子の貯金が百万円に届きそうになってきた頃、中島は鈴子に頻繁にお金を借りるようになる。加えて、鈴子たちが働くホームセンターに新しくアルバイトに入った宮本と中島は、同じ大学の同じ専攻ということも相まって、急速に仲良くなっていき、鈴子はその様子を見て「自分のことを本当に好きなのか」と心配をするようになる。心配がピークを超えた鈴子は、「中島のノートを返しておいてほしい」と宮本から頼まれ、中島の家を訪れた際、「本当に私のことが好きなのか」「お金のために私と付き合っているのか」と中島の本音を問いただす。中島は、本当は鈴子が百万円を貯めて町を出て行くのが嫌でお金を借りていたのに、その場で本当の気持ちを言うことが出来ず、鈴子に別れを切り出されてしまう。

中島の様子に「中島はお金のために鈴子と付き合っていたのだ」と考えた鈴子は、拓也から届いた手紙を読んで奮起し、中島を忘れて「次の町で今度こそ自立する」と決意し、翌日にはアルバイトを辞めるためにホームセンターへ行く。ホームセンターで中島は鈴子にこれまで借りていたお金を返すが、そこでも本当の気持ちを言うことが出来ず、鈴子はホームセンターを去って、町を出るために駅に行ってしまう。中島が鈴子にお金を借りる理由を知っていた宮本に「このままでいいのか」と言われた中島は、急いで駅まで鈴子を探しに走るが、すれ違いで会うことが出来ずに終わってしまった。

宮本ともよ（演：悠城早矢）

鈴子と中島が働くホームセンターに、後から入ってきたアルバイトの女性。
中島と同じ大学、同じ専攻であり、中島のひとつ後輩である。
アルバイトの仕事を優しく教えてくれ、しかも同じ大学、同じ専攻の中島のことを慕っており、アルバイト以外でも中島とお茶をしたり、中島に大学のノートを貸してもらったりと、鈴子がその仲の良さを心配するほどだった。
しかし実際には、中島は宮本に「鈴子が百万円を貯めたら次の町へ行ってしまうのが嫌だ」という相談をしており、宮本も鈴子と中島の仲を応援していた。すれ違いによって別れてしまった鈴子と中島を見て、宮本は中島に「百万円貯めて町を出て行かれるのが嫌でお金を借りていたのに、勘違いされたままで良いのか。」と言う。誤解を解くために、中島は鈴子を追いかけるが、結局すれ違いにより2人は会うことが出来ず、鈴子は町を出て行ってしまった。

小暮（演：堀部圭亮）

鈴子と中島が働くホームセンターの主任の男性職員。
上司から怒られるのが嫌で、部下の少しのミスも許すことが出来ず、しつこく叱ってくる少し嫌な存在。鈴子がアルバイトに入った初日にも、鈴子が客に間違った商品を案内したことを、長々と注意していた。
しかし、アルバイトたちの様子を見守っている側面もあり、新しいバイトの宮本と中島が仲良くしている様子を不安そうに見ていた鈴子に「中島君はもてるからね」とからかって声を掛けるなどしていた。鈴子が中島と別れたことで急にアルバイトを辞めることになった時も、「幸い人では足りているから、頑張って」と温かく鈴子を送り出してくれた。

ホームセンターのアルバイト（演：松嶋亮太）

鈴子と中島が働くホームセンターで働くアルバイトの男性。鈴子がアルバイトに入ったばかりの頃、アルバイトが集まる飲み会を企画し、中島と鈴子を飲み会に誘いに来た。飲み会中は、大きな声で盛り上がり、二次会にも行く気満々で楽しく飲んでいた。

ホームセンターのアルバイト（演：山本剛史）

鈴子と中島が参加した、ホームセンターのアルバイト同士の飲み会に出席していた。

ホームセンターのアルバイト（演：山中崇）

鈴子と中島が参加した、ホームセンターのアルバイト同士の飲み会に出席していた。

ホームセンターのアルバイト（演：中村靖日）

鈴子と中島が参加した、ホームセンターのアルバイト同士の飲み会に出席していた。

『百万円と苦虫女』の用語