アウターゾーン(THE OUTER ZONE)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アウターゾーン(THE OUTER ZONE)』とは、光原伸によるホラー・ファンタジー漫画。
連載雑誌は『週刊少年ジャンプ』であり、同誌掲載の漫画作品としては珍しい一話完結のオムニバス形式と、登場する美女キャラクター「ミザリィ」の強いインパクトとで、注目を浴びた。
また、続編として世界観をまったく同一にする『アウターゾーン リ:ビジテッド』が『コミック特盛』で連載され、同誌休刊後はホーム社Webマンガサイト『画楽ノ杜(がらくのもり)』にて残りのエピソードが発表されている。

目標:月世界!!

反重力を発生させる不思議な合金、ケイバライトを入手した二人の少年は、これを使って打ち棄てられていた車に宇宙船に仕立て、月へ上がった。
しかし着陸した月で昆虫型異星人に捕らえられてしまう。
少年の内、一人が脱出に成功し地球へ戻るも、もう一人の少年は月に取り残されたままだった。

時が経ち、宇宙飛行士になった元少年は、かつての友人を助けるため月へ赴く。
そこでは少年のままの姿の友人が彼を出迎えた。
あの昆虫型異星人は実は友好的な種族で、友人を仲間に迎え入れてくれていたのだった。
友人は地球へ戻る理由はないと助けを拒むが、しかし二人で友情を再確認すると、お互いに別れの言葉をかけるのだった。

英雄(ヒーロー)

かつてヒーロー番組で主役「早川郷」を演じた石沢は、今や落ちぶれの身になっていた。
金が必要なあまり銀行強盗にまで手を出す石沢だったが、その最中に銀行の中に居た少年の涙に心を揺り動かされ、強盗を中止。
そして強盗仲間と相打ちになって、銀行を結果的に救うのだった。
石沢は最後の最後に、自分がヒーロー「早川郷」だった事を思い返し、正義のヒーローへ戻ったのだ。

石沢は、その事を死ぬ前に少年に語る。しかし少年の姿は他の人間からは見えない。
どうやらこの少年は、石沢をかつて「早川郷」として愛してくれたファンの思念が集まった、生き霊であるようだった。

マンハント

ある廃ビルの所有者の男が、そこのエレベータを使うと別世界へ行ける事を発見した。
別世界は現実と同じ風景に見えるが、実は別世界に居る人間は、現実の人間と一切触れあえず、お互いが認識できない。
殺人狂だった男はこれを利用して、別世界へ追い立てた人間へあえて逃げる手段を与えつつ、最終的に追い詰め猟銃で撃ち殺す「マンハント」を楽しんでいた。

しかし、そのエレベータはミザリィが自分の店を畳む時に、ふさぎ忘れていたアウターゾーンへの入り口だった。
けじめを付けにやってきたミザリィに、男は自慢の猟銃も破壊され、そしてエレベータも使用不能にした。
男はそれまでの罪を罰せられるかのように、別世界へ永遠に閉じこめられてしまったのだ。

恐竜時代

ミザリィの開催する恐竜博覧会に訪れた一組の夫婦と、その息子+ガールフレンド。
恐竜博覧会は、アウターゾーンにある白亜紀の世界だった。
白亜紀でのサバイバルに明け暮れる一行だったが、なんとか現実世界へ戻る事に成功した。
その時の体験は、夫婦の絆を強め、息子とガールフレンドを将来の婚姻へと結ぶのであった。

対決

新興宗教ホワイト教団の教祖、ミスター・ホワイトは人々の邪心を吸う事で悪魔になった人間だった。
ミザリィはミスター・ホワイトに接触するも、正体を見抜かれて攻撃され、その上ダメージを負ってしまう。
自分に傷をつけられる存在を看過できなくなったミザリィは一旦引き下がるも、ミスター・ホワイトと再戦しこれを撃破した。

珍しく案内人であるはずのミザリィが物語の主人公となる話である。

恐怖の研究

心理学を専門とする教授が、人の恐怖心を実験するために生きた人間を暗闇に閉じこめ、死ぬまでの恐怖を計測するという実験に及んだ。
しかし失踪した被害者の捜索をする警察に自宅に踏み込まれ、これを阻止される。

『アウターゾーン リ:ビジデッド』

ラブドール・マリア

ある青年がミザリィのショップからラブドール(ダッチワイフ)を譲り受けた。
しばらくラブドールに夢中になる青年だったが、本物の恋人ができた事でこれを封印。
しかし、ラブドールは青年の子どもを孕み、出産までしていたのだった。

どら猫マグ

捨て猫マグは、公園で老人と出会う。
餌をよこせ、撫でろ、抱いてと一方的に要求するマグだが、老人はその全てに応えてくれる。
しかし、ある時マグはふと気づく。老人は人間のはずなのに、猫語を完全に理解して会話する、と。
じつは老人の正体は、アウターゾーンの住人だったのだ。
やがてマグは老人に連れられ、アウターゾーンに住む猫として生きる事になるのだった。

月に一度、血を

あるさびれた場所にある館に、強盗犯が逃げ込んだ。
館では一人の男とその娘がいたが、やがて男は死んでしまう。
実は娘は吸血怪物だったのだが、時々人間の血を吸うだけで無垢な少女のままでいられるという事が解った。
強盗犯は、男の代わりに娘と生きる道を選ぶのだった。

魂の墓標

人を殺して創作物のオブジェに埋め込む、殺人芸術家がミザリィに目を付けた。
芸術家はミザリィをオブジェに「生き埋め」にして作品を仕立てるのだが、一ヶ月後、生き埋め状態に飽きたミザリィがオブジェを破って現れる。
これに狂乱した芸術家は、やがて死亡するのだった。

幻の夏

ある寂れた場所にあるボロ家を買いたいという青年が現れる。
青年は、少年時代にミザリィに心を奪われた結果、孤独な人生を歩んだが、それでもミザリィが忘れられなかったのだ。
買おうとしたボロ家は、ミザリィがかつて居た別荘であった。
青年は、そのボロ家でミザリィと再会。彼女の手心で少年時代に戻るのだった。

侵略生物X

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