薄桜鬼の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話まとめ

『薄桜鬼』とは、女性向けゲームブランド「オトメイト」から発売されている乙女ゲームシリーズである。題材は実在した浪士隊「新選組」。激動の時代「幕末」を駆け抜けた彼らと繰り広げる歴史恋愛アドベンチャーゲームとなっている。多くの後続シリーズに加え、Switch版 リメイク『薄桜鬼 真改 風華伝』や小説、アニメ、映画、OVA、舞台、ミュージカルと様々なメディア展開も行われている人気作だ。
そんな人気乙女ゲーム『薄桜鬼』に関する裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話をまとめた。

「本編」とは違う、気兼ねなくプレイできる作品として作られた『随想録』

『薄桜鬼』本編では語られなかった物語や、本編後日談を描いた『薄桜鬼 随想録(通称:随想録)』。この作品は、『薄桜鬼』を一度プレイした事があるプレイヤーに向けて作られたファンディスクとなっている。

本編『薄桜鬼』では、主人公の雪村千鶴が京都にやってきた文久3年(1863年)から、新選組副隊長土方歳三最期の戦いが行われた年、慶応4年(1868年)の5年間を描いた物語となっている。経過時間が長い為、本編では「史実上の出来事を追いかけるだけでギリギリであった」事がプロデューサー藤澤経清により明らかにされている。

そんな本編ではできなかった、史実上の出来事の隙間隙間にある隊士達の日常の光景などを描く為に生まれたのが『随想録』であったという。また幕末という激動の時代を描く為、どうしても殺伐とした空気になりがちだった本編『薄桜鬼』とは異なり、隙間の時間や後日談という題材から、肩の力を抜いて気兼ねなくプレイできるゲームにしたかったとのこと。その為、全体的に『薄桜鬼』よりも糖度が高めの雰囲気をイメージして作られもしたという。

『随想録』主題歌のテーマは「愛」

『薄桜鬼』シリーズの主題歌を多く務めているシンガーソングライターの吉岡亜衣加。

『随想録』は、PS2用ディスクで発売後、PSP版やDS版など様々なゲーム機版で発売が行われている。
それらの主題歌を務めるのが、シンガーソングライターの吉岡亜衣加だ。『薄桜鬼』シリーズの主題歌を多く務めているアーティストであり、このシリーズを通してデビューをはたしたアーティストでもある。

吉岡亜衣加は『随想録』の主題歌は、「愛」をテーマに制作を行っている事を明らかにしている。吉岡亜衣加曰く、『随想録』は殺伐とした本編以上に「愛」を多く感じる作品だったという。本編『薄桜鬼』は、史実に沿い新選組の隊士達の生き様を描いてる事から「命」をテーマに作曲をする事が多かったが、対し『随想録』は、本編の隙間に転がっている些細な時間や全てが終わった後の時間を描いている為、それらの光景から吉岡亜衣加自身が感じた「愛っていいなぁ」という感想を基に楽曲を作りあげたそう。

DS版『随想録』の主題歌「響ノ空」のリリースが決まった際に行われた、Webサイト『アニメイトタイムズ』でのインタビューにて吉岡亜衣加は「温かいものなんだけど、時に辛くもあり、切なくもあり……そういうイメージが凄く膨らんだので、今回は"愛"をテーマにしたいなって。」と語っている。

『薄桜鬼 黎明禄』に関する裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『薄桜鬼』シリーズ初の男主人公が選ばれた理由

本編『薄桜鬼』の前日談を描いた作品『薄桜鬼 黎明録(通称:黎明録)』。『薄桜鬼』シリーズの外伝として制作されたこの作品は、シリーズ初の男主人公が器用された事でファンを騒然とさせた1作である。

男主人公が起用された理由について、プロデューサー藤澤経清は「『黎明録』は千鶴が京に来るより以前の物語だから」という事を明らかにしている。本編『薄桜鬼』の主人公、雪村千鶴が登場できない物語である以上、新たな主人公を据え置かなければならない。しかし藤澤経清は雪村千鶴以外の女性主人公は考えられなかったのだという。そこで、騒がれる事を覚悟して男主人公を起用する事を決めたのだという。

そうして生まれたのが『黎明録』主人公、井吹龍之介である。

ファンだけではなく、社内でも騒がれた男主人公「井吹龍之介」

井吹龍之介が騒然とさせた相手は『薄桜鬼』ファンだけではなかった。『オトメイト』社内もまた、乙女ゲームでありながら男主人公という彼の存在に騒然となったという。

さらに井吹龍之介は、「新選組」という刀を持ち戦った男達の生き様を描こうとしていたこれまでの『薄桜鬼』シリーズに反するように、「武士が嫌いな人間」として設定が作り込まれていた。この事が起因し、社内では井吹龍之介に対し、さらに色々な意見が飛び交う事になった模様。

何度も何度も意見を交換し合い、その結果「武士が嫌いな龍之介と、武士になりたい人たちとの反発と認め合い」という『黎明録』のストーリーの大筋が生まれたのだという。

『黎明録』で書きたかった物語

(古武道流派「天然理心流」時代の近藤勇(左男性)と沖田総司(茶髪の少年)と土方歳三(右の青年))

プロデューサー藤澤経清は『黎明録』の物語について、「近藤や土方たちが、本物の武士の道を突き進んでいく物語でもあるんです」と語っている。この「本物の武士」というのは、新選組隊士達の出自と深い関連のあるものとなっている。

そもそも新選組はもともと、近藤勇率いる古武道流派「天然理心流」の集まりである。文久3年(1863年)2月、江戸幕府第14代将軍、徳川家茂が上洛(京へ入る事)の為に必要な警護を務める「浪士組」を募集しているのを耳にした彼らが、その募集に応募した事をきっかけに新選組の前身である「壬生浪士組」が誕生。後に活躍が認められ、「新選組」に名を改める事となった。つまり新選組発足当時の隊士の大半は、武士でない者達だったのである。
浪士(主のいない武士)として活躍をお上に認めて貰えれば、正式に国から認められた武士になれる。そのような考えから、近藤勇らは浪士組に志願したといわれている。

『黎明録』で描かれる「藤や土方たちが、本物の武士の道を突き進んでいく物語」というのは、そういった史実上の新選組の経緯を描いた物語なのである。主人公の井吹龍之介が武士嫌いな人間になったのも、自らが目指す「武士の道」を進む新選組の姿を際立たせる為であったようだ。本編『薄桜鬼』では絶対に描けなかった物語を詰め込む為に作られたものが、『黎明録』だったのである。

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