薄桜鬼の聖地まとめ

『薄桜鬼』とは、女性向けゲームブランド「オトメイト」から発売されている乙女ゲームシリーズである。題材は実在した浪士隊「新選組」。激動の時代「幕末」を駆け抜けた彼らと繰り広げる歴史恋愛アドベンチャーゲームとなっている。多くの後続シリーズに加え、Switch版 リメイク『薄桜鬼 真改 風華伝』の発売、さらには小説、アニメ、映画、OVA、舞台、ミュージカルと様々なメディア展開も行われている、乙女ゲーム界を代表する人気作である。
そんな人気ゲーム『薄桜鬼』と「新選組」に縁のある聖地についてまとめた。

元治2年(1865年)3月10日、隊士の数が増え屯所が手狭になってきた事から、新選組は屯所を新たな場所へ移す事にする。それが京都市下京区にある「西本願寺」。浄土真宗本願寺派の本山とされている寺院である。

西本願寺は、戦国時代、本願寺は織田信長と抗争をした歴史を持っており、その際に寺院を援助してくれていたのが武家「毛利家」だった。その縁から寺院は、毛利家が藩主を務める藩「長州藩」や長州系志士を支援していた。この長州藩というのが、新選組の敵にあたる「討幕派の攘夷浪士」が居る藩だった。その為討幕派の者達の動向を探る意も含めて、新選組はこの場所を新たな屯所先に選定したとされている。

西本願寺境内にある「北集会所」と「太鼓楼」を屯所とした新選組だったが、砲撃の訓練として境内で大砲を轟かせたり、肉食を忌む仏教信徒の前で食用の豚を育て肉食を行うなどした為、僧侶や信徒達から不満の声を集める事となってしまった。その結果、慶応3年(1867年)6月、西本願寺の近くの村「不動堂村」へ屯所を再び移す事になる。なお、この屯所は西本願寺側が彼らを寺院から退去させる為に作った、新設の屯所であったという。

新選組副隊長「土方歳三」、最期の地に建てられた「地碑」

京都から遠く北に離れた地「北海道函館」。そこは新選組副隊長、土方歳三が最期の戦いを繰り広げた地である。
旧幕府vs新政府によって始まった戦「戊辰戦争」。各地で様々な戦争が行われ、函館の地はその局面となる「箱館戦争」が行われた場所である。
土方歳三は旧幕府軍の1人として軍を率いていた。函館市街の「弁天台場(弁天岬)」にて戦う新選組の仲間を助けに向かうその最中、新政府軍から総攻撃を受け、銃に撃たれて亡くなったとされている。

土方歳三が銃弾に倒れた正確な場所は不明だが、一説では「一本木関門(現在は「一本木関門跡」)」がその場所であったのではないかといわれている。この一本木関門跡は函館市総合福祉センター「あいよる21」の敷地内に存在し、そこには土方歳三最期の地として地碑が建立されている。どんな人でも自由に訪れる事ができる他、毎年5月中頃に行われる「戊辰戦争」の最後の戦いの歴史を伝えるイベント「箱館五稜郭祭」の初日には、当時の衣装を身に着けた一行による碑前祭が行われているという。

ミュージカルの宴会場所にも使われた、新選組行きつけの料亭「角屋」

『新選組』には行きつけの料亭があったとされている。それが「角屋」。現在の京都市下京区にあった酒屋である。

この京都市下京区は、かつては京の花街「島原」があった場所となっている。角屋はその島原において、「揚屋(現代でいうところの高級料亭)」として営まれている店だった。
新選組がこの店に通っていた理由は、壬生の屯所(八木邸)に近い場所にあったからだとされている。

しかし「角屋」にとってはあまり上客ではなかった模様。文久3年(1863年)6月には、新選組初代筆頭局長の芹沢鴨が乱暴狼藉を働いたという史実が残されている。その他にも慶応2年(1866年)、新選組がお代を払わなかった事により、一ヶ月間の営業休止に陥るという事態も起きている。
また通常来店時も新選組の隊士達は、玄関に設置された刀掛に刀を置かず室内に持ち込んでいたという。角屋での新選組と浪士達による乱闘の記録はないが、店内の至るところに新選組のものだと思われる刀傷が残っているとのこと。

明治に入ってからは揚屋からお茶屋になり、昭和60年(1985年)までは宴会場等に使われていた模様。また昭和昭和58年(1983)には、角屋が所蔵していた江戸時代中期の文人画家、与謝蕪村筆「紅白梅図屏風」が重要文化財に指定された。その事が起因してか、平成元年(1989)には財団法人「角屋保存会」が設立。角屋に関わる文化財建造物や美術品等の保存が行われるようになった。それからさらに10年が経った平成10年(1999年)、「角屋もてなしの文化美術館」が開館される。角屋の建造物をそのまま美術館とし、所蔵美術品等の展示や公開を行っている。

『薄桜鬼』本編には登場しないが、メインキャラクターである原田左之助、藤堂平助、永倉新八の3人が共に島原まで出かけようとしているシーンが存在する。行き先は角屋であった事が予想できるだろう。
その他にもミュージカル『薄桜鬼』の宴会場所としても使用されたようである。

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