ラフ(漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ラフ』とは、1987年~1989年にあだち充が週刊少年サンデーで連載していた、高校競泳をテーマとした漫画作品。栄泉高校水泳部員・大和圭介と二ノ宮亜美を中心に、同じ寮で生活する男女の交流を描くスポーツ青春群像劇。コミックスは全12巻、ワイド版は全6巻、文庫版全7巻で、累計発行部数は1500万部を記録している。2006年には、長澤まさみと速水もこみちが主演を務めた実写映画『ラフ ROUGH』が公開された。

木下理恵子が自分と行くために苦労して手に入れたライブのチケットを、緒方は「おれはブスとメガネはきらいなんだよ」と言って、理恵子と久米の目の前で破り捨てる。二人の仲を取り持つためにあえて憎まれ役を買って出ているのだ。

大和圭介「二ノ宮。忘れるなよ、今日のあいつを…」

病気療養の母親についていくため、2年夏の大会を最後に転校することを決めた緒方。故障の不安をおして優勝候補との大一番に挑む緒方の姿を見せるため、圭介は強引に亜美を連れ出して「二ノ宮。忘れるなよ、今日のあいつを…」と念を押す。

大和母「まだ”まいった”とはいってませんよ」

亜美と仲西の結婚話を止めるため、柔道三段の憲次郎と賭けをする康介。勝負の内容は、康介が「まいった」をするか、憲次郎から一本取るかだった。何度投げられボロボロになりながらも、しつこく食い下がる康介にしびれを切らす憲次郎だが、康介を見守る妻はまったく動じることなく、「まだ”まいった”とはいってませんよ」と微笑む。

二ノ宮亜美「きこえますか?あなたが好きです。こちら二ノ宮亜美。大和圭介、応答せよ」

日本選手権開幕前、圭介に試合前に聞く曲のカセットテープへの収録を頼まれた亜美。
目当ての曲を入れた後に、録音ボタンのスイッチを押す。決勝戦直前になり、聞いていたテープが故障して途中で止まってしまう圭介と、放り出されたプレイヤーを意味ありげな表情で眺める仲西。二人がスタートした直後、テープが再び回り出す。そこには亜美から圭介へのメッセージが吹き込まれていた。「きこえますか?あなたが好きです。こちら二ノ宮亜美。大和圭介、応答せよ」という告白の言葉で物語は幕を閉じる。

『ラフ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

あだち充の最高傑作

websunday.net

大ヒットしたタッチ,H2を始めとして"野球漫画"のイメージが強いあだち充だが、12巻という長さで綺麗に畳まれたコンパクトさ、一話ごとの完成度の高さや主要登場人物以外にも魅力的なキャラクターが多いことなどから、ファンの間では「ラフこそが最高傑作」という声も根強い。

レアな「ツンデレヒロイン」二ノ宮亜美

物語開始初期段階から主人公に対して好意的な事がほとんどな、あだち充作品のヒロインの中にあって、二ノ宮亜美は異色の「主人公を憎んでいる」ヒロインである。
圭介に対し事あるごとに突っかかり、のちに打ち解けるようになると「私も…好きよ」とストレートに好意をぶつけてくる様子は、それまでのあだち作品には珍しい、典型的なツンデレヒロインとなった。なお、サブヒロインとしては『タッチ』の新田由加がツンデレの先駆者。『ラフ』には亜美の飛び込み&恋のライバルとして登場する小柳かおりも、同じく圭介に印象は最悪から始まっており、ツンデレの競演となっている。

賛否両論の実写映画

www.toho.co.jp

出世作となった『ナイン』『みゆき』以降『タッチ』『スローステップ』『陽あたり良好!』『H2』『クロスゲーム』『MIX』と、多数アニメ化されたあだち充作品だが、『ラフ』はアニメ化はされておらず、代わりに連載から20年近く経ってから『ラフ ROUGH』のタイトルで実写映画化された。

主演は、長澤まさみと速水もこみち。原作では中肉中背だった主人公の大和圭介を186cmで10等身と言われるモデル体型の速水もこみちが演じる、群像劇が魅力の本作でキャラクターの何人かが出番が無くなり登場しないなど、原作との差が随所に見られ、2006年文春きいちご賞8位にランクインするなど、賛否両論の映像作品となった。

『ラフ ROUGH』の主題歌・挿入歌

主題歌:スキマスイッチ「ガラナ」

作詞・作曲・編曲・歌:スキマスイッチ

挿入歌:スキマスイッチ「奏(かなで)」

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@fksw1224j3

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