じん(自然の敵P)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話まとめ

じん(自然の敵P)とは、日本のミュージシャン、ボカロP、作曲作詞家、音楽プロデューサー、小説家、シナリオライターである。2011年にニコニコ動画に投稿したボカロ曲『カゲロウデイズ』が大ヒットした事をきっかけに、大人気ボカロPとなる。その後同曲を中心とした楽曲シリーズ『カゲロウプロジェクト』を開始。音楽のみならず、小説や漫画、アニメ様々なメディア展開を見せ、ボカロ音楽界に新たな旋風を巻き起こす事となった。そんなじん(自然の敵P)に関する裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話をまとめた。

楽曲「カゲロウデイズ」がヒットをした時のじん(自然の敵P)の状況

じん(自然の敵P)のヒットソング「カゲロウデイズ」。

じん(自然の敵P)を人気ボカロPにさせるきっかけとなった楽曲『カゲロウデイズ』。この楽曲がボカロ界を騒然とさせたのは2011年頃の事である。色々な解釈ができる物語性のある楽曲が反響を呼び、大ヒット。ニコニコ動画で行われているボカロ曲のランキング「週刊VOCALOIDランキング」でも1位を獲得する事となった。
だが、じん(自然の敵P)本人はこの結果を喜べない事態に陥っていた。なぜならその頃じん(自然の敵P)は医師から「肺に穴があいている」と言われている状況にあったからだ。周囲から多くの賛辞が送られてくる中、彼本人は自身の身体の治療に専念している途中であり、ゆっくりとその余韻に浸っている暇がなかったのである。
なお、後にアニメや声優などのニュースを取り扱うWebサイト『アニメイトタイムズ』で行われたインタビューによると「当時は自分の中で納得のいく作品が完成したら、VOCALOIDで楽曲をつくるのをやめようと思っていた」という思いも語られている。しかし多くの反響があった事が逆に彼のやる気に火をつけたらしく、ボカロ曲の制作を続けてみようという意思が固まったのだという。

じん(自然の敵P)の祖父は「小説家」だった

小説版『カゲロウデイズ』の表紙。

2013年頃から開始された『カゲロウプロジェクト』。楽曲「カゲロウデイズ」を中心に同世界観を舞台とした楽曲達を集めた楽曲シリーズ『カゲロウデイズ』を基に開始されたこのプロジェクトは、音楽だけではなく、小説やアニメ、漫画といった様々な展開のさせ方で『カゲロウデイズ』シリーズの世界観を表現する大きなプロジェクトとなった。
そのプロジェクト内においてじん(自然の敵P)は、楽曲制作以外にも小説やアニメ脚本の執筆を手掛けていたりする。じん(自然の敵P)曰く「このプロジェクトを通して初めて小説を書いた」とのこと。しかし後に『アニメイトタイムズ』のインタビューにて「実は祖父が小説を書いていた」という驚きの話を明かした。じんの祖父は北海道の原住民「アイヌ民族」の研究を行っていたらしく、その研究のかたわらで私小説も書いていたのだという。そんな祖父の孫である自分が小説を書く事になったという事態は、じん(自然の敵P)にとっても予想外で驚きの出来事だったようだ。

『カゲロプロジェクト』の音楽は2ndアルバムで終わる筈だった

『カゲロウデイズ』シリーズ、2ndアルバム『メカクシティレコーズ』のジャケット。

音楽としてだけではなく、小説やアニメ、漫画と様々な媒体を通して行われ続けた『カゲロウプロジェクト』。しかしプロジェクトが進行していく最中、じん(自然の敵P)は一度は音楽としての『カゲロウデイズ』を終わりにしようと考えていたのだという。
プロジェクトの最中に発売された2枚のアルバム『メカクシティデイズ』と『メカクシティレコーズ』。どちらも『カゲロウデイズ』シリーズの楽曲を集めたアルバムとなっており、この2枚を発売した後に、じん(自然の敵P)は音楽編『カゲロウデイズ』に区切りを付ける予定だった模様。そうしてあとは小説と漫画版の『カゲロウデイズ』に力をいれていくつもりだったらしい。事実、この2枚のアルバム発売後、音楽編の『カゲロウデイズ』の活動は一旦の終幕を迎えている。しかし、予定通りに小説と漫画に力をいれ始めたところ、次第に「また『カゲプロ』の音楽を創りたいな」というじん(自然の敵P)の意識が生まれ始める。周囲の人々からも「もう音楽はやらないんですか?」という声を貰っていた事もあり、音楽編『カゲロウデイズ』終幕から5年後、再び音楽編『カゲロウデイズ』再会させる事を決意した。そうして音楽編『カゲロウデイズ』の新たな楽曲を集めた3rdアルバム『メカクシティリロード』が発売されるに至ったのである。

曲に関する裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

楽曲「アディショナルメモリー」は『カゲロウデイズ』を知らない人でもわかるように作られていた

じん(自然の敵P)、23作目の楽曲『アディショナルメモリー』。『カゲロウデイズ』シリーズに登場するヒロイン楯山文乃(愛称:アヤノ)をモチーフにして作られた楽曲となっている。『カゲロウデイズ』シリーズにおいて重要な位置にいるアヤノは、最終的には学校の屋上から飛び降り亡くなってしまう。これはそんな彼女の飛び降りてから、地につくまでの「数秒間」を表現した楽曲である事が、楽曲公開後のじん(自然の敵P)のTwitterにて明かされている。
しかし『Real Sound』で行われたインタビュー内でじん(自然の敵P)は「別に『カゲロウデイズ』を知らなくてもいいと思ってもらえる曲にしたいなって考えてました」と語っている。そんな思いからか、歌詞も「小難しい歌詞なんかいらない」という考えで作り上げたという。
実際、「アディショナルメモリー」のMV公開後は、「『カゲロウデイズ』とか知らないけど、すごくいい」という言葉も多く貰えたとのこと。「アディショナルメモリー」は、今までの『カゲロウデイズ』シリーズにはなかった、新たなイメージを基に作られた楽曲であるようだ。

楽曲「マイファニーウィークエンド」の編曲を担当したのは、じん(自然の敵P)が尊敬するボカロP

『カゲロウデイズ』シリーズ、3rdアルバム『メカクシティリロード』の音楽配信サイト版のジャケット。

3rdアルバム『メカクシティリロード』の話の4曲目に収録された楽曲「マイファニーウィークエンド」の編曲は、実はじん(自然の敵P)が尊敬するボカロPが担当している。
そのボカロPというのがsasakure.UKである。sasakure.UKはかわいいピコピコサウンドを中心としたチップチューンに、転調と変拍子を多用する作風に定評があるボカロPである。その独特なメロディーは、彼が持つ「ささくれP」というP名を取って「ささくれ節」と呼ばれてもいる。じん(自然の敵P)曰く、彼が初めて真剣に聴いたボカロ曲がsasakure.UKの「*ハロー、プラネット。」や「タイガーランペイジ」だったのという。
この曲の編曲をsasakure.UKに頼むにあたりじん(自然の敵P)は、初期プログレッシブ・ロックの空気を作り出したかった事を後に音楽や映画などのエンタメ情報を取り扱ったサイト『Real Sound』でのインタビューにて語っている。そのじん(自然の敵P)自身がイメージした空気とsasakure.UKの作風が近しい事があり、編曲をsasakure.UKにお願いする次第になったのだという。
また楽曲の後半は、名作RPG『MOTHER2 ギーグの逆襲』をイメージしたものになるように依頼した事も、同じインタビュー記事内で明かされていたりする。

人気ボカロPとコラボして作りあげた隠れた名曲「僕らに喜劇を見せてくれ」

『カゲロウデイズ』シリーズの楽曲ばかりに注目されがちなじん(自然の敵P)だが、『カゲロウデイズ』シリーズ以外の楽曲の制作も多く手掛けている。そらる、鹿乃、ジェルといった人気歌い手、さらには『鬼滅の刃』の主題歌を通して大注目される事になったアーティストLisaへの楽曲提供も行っていたりする。
その中でも隠れた名曲として、ボカロファンの間で話題にされているのが「僕らに喜劇を見せてくれ」という楽曲だ。「ゆるふわ樹海ガール」や「浮かれた大学生は死ね」等で有名なボカロP石風呂とのコラボ楽曲である。
楽曲のテーマは「平成」。平成という時代の中で生きる人々の悩みや葛藤、それでも頑張って生きようとする、そんな人生のさまを描いたバンドサウンドの楽曲となっている。「平成」から「令和」に元号が切り替わる事になった2019年には、この楽曲を聴きたくなる人々が続出し、YouTube、ニコニコ動画に公開されているMV集うまでとなった。正しく、2人の有名ボカロPが生み出した「隠れた名曲」といえる1曲だろう。

アルバムに関する裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

2ndアルバム『メカクシティレコーズ』のモットーは「強い曲を作る」

2ndアルバム『メカクシティレコーズ』の中身。画面下が歌詞カードであり、上右がCDケース。上左がそれらを収納する為のケースとなっている。

3rdアルバムで『メカクシティリロード』出揃った、じん(自然の敵P)の思う「いいメロディの基準」

3rdアルバム『メカクシティリロード』のジャケット。

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