金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』とは、株式会社コーエーテクモゲームス発売の女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』の続編タイトル。
『2』『2 アンコール』の順で発売、『2f』『2f アンコール』『2ff』は移植版。
季節は秋、前作の半年後のストーリー。
ヴァイオリン奏者の主人公のもとに、アンサンブルコンサートのお誘いが舞い込んでくる。そんな中、突如おとずれる学院の危機。
主人公は学院のため、仲間たちとコンサートの成功に向けて協力し、恋や絆が芽生えていく。

王崎 信武(おうざき しのぶ)

ヴァイオリンの国際コンクールで演奏している王崎。

教会のコンサート後、ヴァイオリンの国際コンクールに出場するためウィーンに旅立つ王崎と、連絡先を交換する。
その日から主人公と王崎のメールのやり取りが始まった。

ある日王崎から、落ち込んでいる内容のメールが届く。
彼はコンクールの一次予選で、うっかりヴァイオリンの弓を落としてしまったという。
王崎は、演奏には支障はなかったけれど、情けないことに自分が緊張し気持ちで負けてしまっていたのかも、と気を落としていた。
そこで主人公は直接話をして元気づけようと、王崎に電話をかけた。
電話にでた王崎は突然の連絡に驚いていたが、主人公の声を聞き、「なんだか肩の力が抜けてこわばりが溶けたよ」と喜んでくれたのだった。

数日後王崎から、この間の電話のお礼と、一次予選に通過したとのメールが届いた。
王崎はレベルの高いライバルたちに囲まれ緊張しながらも、落ち着いて練習できているという。
「この機会に恵まれたことを感謝してめいっぱい楽しむね」という王崎に、主人公は頑張ってほしいとの願いを込めてメールを返信したのだった。

無事セミファイナルを通過し、ファイナルへ進んだ王崎から興奮したようなメールが届く。
なんと国際コンクールで優勝を勝ち取ったというのだ。
王崎は優勝できた理由について、「舞台の上は孤独でもうだめだと思ったが、誰かにむけて音楽を伝えたいという気持ちで演奏した、だからいつも以上の演奏ができた」という。
そしてメールには続けて、「君に向けて演奏を伝えたかったんだ」と王崎の気持ちがつづられていた。

最終コンサートに向けて主人公が練習に明け暮れるなか、王崎からメールが届く。
彼は最終コンサートの開催時期に一度日本に帰国し、コンサートを見に来てくれるというのだ。
国際コンクールで優勝した王崎は、ヨーロッパで音楽を勉強しないかと誘われているが、それも一度帰ってゆっくり考えようと思うという。
「日本に帰ってただ君に会いたい、俺がウィーンにいるのを君は寂しいと思ってくれてるのかな?」
そんな王崎の気持ちにときめきながら、主人公は王崎の帰りを待つのだった。

最終コンサートが終わると、見に来てくれた王崎が「クリスマスらしい心温まるコンサートだったね」と褒めてくれた。
そして主人公との再会を喜んだ王崎から、「遠いヨーロッパの空の下で一人でで過ごすうちに、きみのことを強く思う自分に気づいた」と告白される。
「クリスマスという一年の中でも特別な時期だから、大切な君と一緒に過ごしたいな」と言う王崎に主人公はそっと寄り添い、2人はクリスマスの夜をともに過ごすのだった。

吉羅 暁彦(きら あきひこ)

主人公の手を取る吉羅。

コンサートの練習で慌ただしい中、主人公が校内を歩いていると屋上からヴァイオリンの演奏が聞こえる。
それはとても綺麗な音で、誰が演奏しているのか気になった主人公は屋上へ向かう。
するとそこには吉羅が1人いるだけだった。

主人公は吉羅に、先程ヴァイオリン演奏で「ジュ・トゥ・ヴ」という曲が聞こえてきたが吉羅が演奏していたのかと尋ねると、吉羅は自分ではないと否定する。
「ジュ・トゥ・ヴ」は、日本語では「あなたが欲しい」という意味の愛の歌。
否定した彼だがその曲に思い入れがあるようで、「かつて「ジュ・トゥ・ヴ」を、甘やかに清らかに美しく弾く人がいたんだ」と悲しい目で語った。

先日の憂いに沈んだ吉羅が気になり、主人公は彼を探し声をかける。
「学院の中はファータでうるさい」と言う吉羅とともに、学院の近所にある先日コンサートを開いた教会へ移動した。
そこで主人公はまず、「なぜ演奏者ではない吉羅がファータを見えるのか」を尋ねた。
吉羅は創立者の血筋のため子供のころからファータが見える体質で、ファータには魔法のアイテムの実験台として苦労や迷惑をかけられてきたらしい。
彼がファータを毛嫌いしていたのはそのせいだった。
しかし彼はファータだけでなく音楽も嫌っている、そこにはもっと根深い理由がありそうだと考えた主人公はさらに彼を問い詰める。
すると吉羅は主人公に厳しい目を向け、「音楽の道を進むなら大きな代償を払うことになる」脅し、自分と音楽の過去を語りだした。

吉羅が音楽を愛せなくなった理由、そこには彼の姉が関わっていた。
彼女は今、この教会の裏手にある墓場に眠っている。
彼の姉は音楽家として、音楽に生き音楽に身を投じて死んでしまったというのだ。
星奏学院の創始者の一族として、吉羅たち姉弟は音楽中心の生活を送っていた。
彼の姉は音楽をこよなく愛していたが、彼女が音楽に身を焦がし死んだことで、吉羅は姉が音楽によって奪われたと考えていた。
吉羅は、姉が音楽家ではない別の道を選べば、音楽に全てを捧げなければもっと長生きできたのではないか、という気持ちを捨て切れていないのだった。
先日吉羅が語ったヴァイオリン奏者も、実は彼の姉のことだった。
「恋の曲をこの上もなく美しく奏でながら、自分は恋も知らずに死んでいったよ」
彼は姉の死を音楽のせいだと恨み、音楽を憎しみ愛することができなくなっていたのだ。
音楽により苦しんだ吉羅から「そんなにまで音楽は大事か」と突き詰められ、主人公は返す言葉が見つからないのだった。

主人公は学院分断を阻止するためコンサートへ向けて奔走する中、吉羅が現れ主人公へコンサートを止めるように言ってくる。
彼は「コンサートを開いたとしても音楽は必ずしも幸せをもたらさない」と言うが、主人公は止める気は毛頭ない。
そんな主人公を見て、吉羅は「音楽の祝福など二度と必要ない」と言い捨て立ち去ろうとしたが、その後ろ姿に向けて主人公は「ジュ・トゥ・ヴ」を弾いた。
吉羅は思わず立ち止まり、主人公の奏でるヴァイオリンの音色を聞き、「この音色はまるであの頃の姉と私のようだ」とつぶやいたのだった。

最終コンサート後、主人公は吉羅を追いかけ教会へ向かう。
吉羅は主人公に「学院の計画を中止する」と言い、「コンサートの演奏を聞いて自分が音楽を愛していたことを思いだした」と言ってくれた。
吉羅は屋上で聞いた「ジュ・トゥ・ヴ」の演奏について、自分の心の奥に存在していた音楽を学院全体が楽器の代わりとなって演奏してくれたのではないかと言う。
彼の心の奥底に仕舞い込まれていた音楽への情熱を、主人公は見事取り戻すことができたのだった。
吉羅は姉の死後、音楽に不幸の色だけしか見いだせず、音楽は代償を要するものでその道は困難だ、と背を向けてきた。
しかし彼は今日の演奏を聞き、主人公ならばその険しい音楽の道も楽しげに歩いていけると想像したという。
吉羅は音楽をこんなふうに思えたのは主人公のおかげだ、と感謝し、主人公へ「音楽の祝福があらんことを」と願ってくれたのだった。
そして「私と姉に聞かせてほしい」と吉羅が主人公に演奏を願い、主人公はヴァイオリンの音色を響かせたのだった。

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』のゲームシステム

遊び方

ゲームのスタート画面。

ゲームの目的は、星奏学院の仲間たちとアンサンブルを組み、数回のコンサートを経て、12月に行われる最終コンサートで優れた演奏をすること。
そして意中の相手との恋愛を成就させることである。

ゲームの大まかな流れは、まずアンサンブルを組み、そこから4回のコンサートを成功させていく。
各コンサートには課題や目標動員数があり、先に進むごとに難しくなっていくシステムとなっている。
最終コンサートが無事成功するように、アンサンブルをまとめていくのがプレイヤーの役目となる。

コンサートまでの流れ

コンサートで演奏する月森。

「演奏曲」を決める

リリの店でコンサートの楽譜を買う。

「アンサンブルメンバー」を集める

楽器を弾ける人に練習を聞かせて仲間にする。

「アンサンブル」を結成

楽曲とメンバーを選んで、アンサンブルを結成する。

「1人練習」をする

「練習」の「1人練習」で楽曲の習熟度を上げる。

「アンサンブル練習」をする

「練習」の「アンサンブル練習」で楽曲の完成度を上げる。

動員数を増やす

生徒に練習を聞かせてコンサートの動員数を増やす。

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