カミーユ・ビダン（機動戦士Ζガンダム）とは【徹底解説・考察まとめ】

カミーユ・ビダンのプロフィール・人物像

誕生日：宇宙世紀0070年11月11日
年齢：16歳（物語開始時）
身長：168.2cm
体重：59.5kg
血液型：AB型
星座：さそり座
得意科目：物理・工学
趣味：機械いじり

初出はテレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』であり、同作品の主役を務めた。
また、劇場用アニメ『機動戦士Ζガンダム A New Translation』でも主役を務める。

生まれ故郷は地球の日本、東京近郊とされている。
物語開始時の年齢は16歳。
この時点ですでに宇宙へ移住しており、スペースコロニー群サイド7「グリーンノア」へ居住していた。
両親は父にフランクリン・ビダン、母にヒルダ・ビダンを持つ。どちらも地球連邦軍（以下連邦）の技術士官であり、家庭よりも仕事を優先する人間であったため、孤独な少年時代を過ごしている。
同時にフランクリンは不倫をしており、ヒルダはそれに気付かないフリをしている事にも強い不満を抱いており、これらの事情から、世を斜めに見る性格になったが、本来は心優しい少年である。

また、ガンダムシリーズで最高のニュータイプ（宇宙進出によって超感知能力を得た人種）であるとされ、その力が高まった時には、死者の魂とも交信する様子が描かれている。

容姿が中性的で、ともすれば女性にも見まごうような美少年だが、本人はこれを非常に嫌う。
特に名前が「カミーユ」という、女性にも使われるものである事に極度のコンプレックスを感じており、そのためにハイスクール時代は空手や飛行機操縦、ジュニア・モビルスーツ操縦（簡易的な作業用モビルスーツ）など彼の考える「男性的な趣味や活動」に没頭したが、コンプレックスが解消される事はなかった。

そして運命の分岐点となるのが、宇宙世紀0087年3月2日であった。
この日、一年戦争（地球連邦とジオン公国の戦い）で連邦の軍艦ホワイトベース艦長として勇名を馳せたブライト・ノアに会うべくグリーンノアの宇宙港へ向かうが、この時に連邦のジオン残党狩り部隊ティターンズの将校ジェリド・メサに遭遇。
そして「女の名前なのに、なんだ男か」と侮蔑された事に激昂してジェリドを殴り倒した結果、MPに逮捕されてしまう。しかし、その後にジェリドの操縦するガンダムMk-IIが墜落した際に騒ぎに紛れて脱走し、ついにはガンダムMk-IIを強奪して反連邦組織エゥーゴに参加する。

その後はエゥーゴのパイロットとして、戦艦アーガマのクルーとしてグリプス戦役（エゥーゴ・ティターンズに加えて、ジオン残党組織アクシズも参加した三つ巴の戦争）を戦う事になる。
また、途中で自身も設計に参加した新型モビルスーツ・Ζガンダムを受領して、その専属パイロットとなった。
そんな最中、強化人間（薬物投与等で感知能力を強化した人間。人造ニュータイプ。ただし強化によって情緒が不安定になる問題をはらむ）フォウ・ムラサメと出会い、彼女と恋仲になるもフォウが連邦の兵士であったために敵対し、その中で彼女を失ってしまう。

やがてカミーユはパプテマス・シロッコの事も知る。この男は、ティターンズを掌握し戦乱を拡大させるための具体的行動を取っておきながら、自身は傍観者を気取る卑劣漢であり、彼を許しておけない存在と見なすようになる。

そして最終決戦でシロッコの乗る「ジ・O」と決着をつけるも、その時に精神を崩壊させる。
カミーユはシロッコを倒すために、Ζガンダムに搭載されたニュータイプの力を引き出すバイオセンサーを通して、心の力をオーバーロードさせ、宇宙をさまよう死者の魂をも自身の内へ取り込んで味方につけたのだ。しかし、これに精神が耐えられず、廃人となってしまったのである。

その後は『機動戦士ガンダムΖΖ』で、パートナーとなった（結婚という意味ではない）少女ファ・ユイリィから献身的な介護を受けて、少しずつだが回復する様子を見せている。

なお、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』においては結末が異なり、この精神崩壊を起こさずにシロッコを撃破する事に成功している。同時にその変更のため劇場版から『機動戦士ガンダムΖΖ』にはカミーユの存在含めて物語が繋がらないようになっている。

カミーユ・ビダンの関連人物・キャラクター

ファ・ユイリィ

同級生。
カミーユがガンダムMk-IIを強奪してエゥーゴ入りした後に、それを追う形で自身もエゥーゴ入りを果たす。
エゥーゴでは、宇宙艦アーガマのクルーとして所属。
同時にアーガマ配備のモビルスーツ・メタスのパイロットを務めつつ、常にカミーユをサポートし続けた。

クワトロ・バジーナ

一年戦争時「赤い彗星」として名を馳せた元ジオン軍エースパイロット、シャア・アズナブルその人。
当初はジオン残党組織たるアクシズに所属していたが、そのトップに立つ女、ハマーン・カーンとの確執によりアクシズを離脱し、現在はエゥーゴに所属するようになった。
エゥーゴでは金色のモビルスーツ「百式」を愛機としており、非常に目立つ存在となっている。

カリスマ性のある人物だが、一年戦争で恋人ララァを失った傷が癒えておらず、その時のショックをいまだに引きずる心の弱さも垣間見せる。
また、そういう過去も手伝って再びシャアを名乗る事をためらっている節がある。

大人としてカミーユに接するものの、ある時には、そんな心の弱さを見透かされ殴られた。
最終決戦時、ハマーンと戦場で遭遇して戦闘になるも敗北。その後に行方不明となった。

フォウ・ムラサメ

連邦傘下のニュータイプ研究組織「ムラサメ研究所」所属の女性で、強化措置を施されて強化人間となっている。
40m級の大型モビルアーマー「サイコガンダム」のパイロット。
当初はカミーユと敵対するものの、その高い感知能力で共鳴して恋仲になる。
しかし、その後に再強化を施され、錯乱に近い状態でカミーユと戦う事になってしまう。最後は正気を取り戻し、その盾となって死んだ。

ロザミア・バダム

連邦のニュータイプ研究組織、オーガスタ研究所で強化措置を受けた少女。
エゥーゴを敵と憎むように洗脳に近い精神調整を施され、モビルスーツパイロットとして極めて高い技量を持つものの、目覚ましい戦果を挙げられなかった。
そのため、後に記憶を再操作されてカミーユを兄と認識させスパイとしてアーガマへ送り込まれる。

その後、アーガマ配備のモビルスーツ「ネモ」を強奪して離艦、行方不明になりティターンズに回収される。
さらにその後、カミーユの前に姿を現した際には、またしても記憶を操作された事で発狂状態となっていた。サイコガンダムMk-IIでアーガマに襲いかかってきたため、カミーユのΖガンダムに乗機を撃墜され戦死した。

ジェリド・メサ

ティターンズのモビルスーツパイロット。
悪人ではないが、エリート教育を施されており、そのエリートの集団すなわち地球居住者（アースノイド）によって、宇宙居住者（スペースノイド）は支配されて当然であると思いこんでいる節がある。

非常に高圧的な物言いをする性格が災いし、カミーユの名前を侮蔑したためその怒りを買って殴られた上、自身がパイロットを務めるはずだったガンダムMk-IIをを奪われる原因を作ってしまった。
その後、カミーユに幾度となく戦いを挑むも敗れ続け、最終決戦でもカミーユを狙うが、Ζガンダムの反撃を受けた結果、機体のコントロールを失って戦死した。

パプテマス・シロッコ

物語の途中からティターンズに参加する事になる男。
独特の哲学を持っており「これからの時代を支配するのは女だ」だとしつつ、自身は戦争の傍観者を気取っている。
しかしその実、裏から糸を引いて戦乱を拡大し続け、ティターンズを掌握。
その戦力でエゥーゴ、アクシズなどの各組織を破壊し、世の中の権力構造の再編を企んでいる節が見られる。

とはいえ、それすらもどこまで本気でいるのかいまいちはっきりとせず「戦後は恒星間旅行に出る」などとも発言し、他人に真意を掴ませない。
カミーユからは「戦いを楽しんでいる」と指摘された。
最終決戦では、そのカミーユ操るΖガンダムの特攻を受けて死亡した。
しかし死の直前、カミーユの魂を道連れにすると呻いており、彼の怨念もまた、カミーユ精神崩壊の要因のひとつになったかのような描写がなされている。

カミーユ・ビダンの関連組織

エゥーゴ