バタフライ・エフェクト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『バタフライ・エフェクト』とは、2004年に公開されたアメリカ映画。
「バタフライ・エフェクト」とはカオス理論の一つで「小さな蝶の羽ばたきが、地球の裏側で台風を起こすこともある」と表現される。
幼い頃の悪戯に運命を狂わされたエヴァンとケイリー。愛するケイリーを救うためエヴァンは何度も過去に戻るが、必ず悲劇的な運命を辿ってしまう。まさに小さな羽ばたきが台風に変わるように。人生を操るという神にも許されない行為をしたエヴァンがたどり着いた最後の人生とは。全米映画史上最も切ないハッピーエンド。

『バタフライ・エフェクト』の概要

『バタフライ・エフェクト』とは2004年にアメリカで公開されたサスペンスラブストーリー映画。カオス理論の一つ、バタフライ効果をテーマにした斬新なアイディアとこれまでにない切ないラブストーリーが大ヒットし、初登場全米No.1と5週連続トップ10入りを記録。監督・脚本はエリック・ブレスとJ・マッキー・グルーバーが担当。緻密な作風のコンビ監督として近年注目されている。主役のエヴァンを演じたアシュトン・カッチャーは、2003年にはピープル誌の選出する「世界で最も美しい50人」2003年度版男性部門の第1位に輝いている。ケイリー役のエイミー・スマートはTVドラマ『フェリシティの青春』で準レギュラーとして出演し、人気を集めている。

アメリカの田舎町で、父親に問題を抱えた者同士、幼いエヴァンとケイリーはお互いに支え合って生きてきた。しかし思い付きから悪戯をしたことが大きな事件に発展し、運命の歯車が狂い始める。事件をきっかけに別々の人生を歩んでいた二人だったが、ある日エヴァンは自分には過去に戻る能力があることに気付く。そしてケイリーが悲劇的な人生を送っていることを知り、彼女を救うために運命に抗うことを決意する。エヴァンはケイリーのため何度も何度も過去に戻る。しかしエヴァンが起こした小さな出来事がその後のケイリーの人生にまた大きな悲劇をもたらしてしまう。意を決したエヴァンは、ケイリーが幸せな人生を送るためにある悲しい決断をする。

『バタフライ・エフェクト』のあらすじ・ストーリー

記憶を失くす少年

記憶を失くし包丁を持って立ち尽くすエヴァン少年

アメリカのブライアヴィルという町で、7才のエヴァン少年は母アンドレアと二人で暮らしていた。父は精神を病んで入院しており、学校の参観にも来てもらえないことをエヴァンはとても寂しがっていた。そんなある日、アンドレアは学校の先生に呼び出される。学校の課題で子供達に絵を描かせた時に、エヴァンはナイフで人を殺す残虐なシーンを描いたからだった。しかも絵を描いた時のことをエヴァンは全く覚えていないというのだ。父親の病気が遺伝しているのではと悩み苦しんだ母は、エヴァンの父親が入院している病院のドクターにエヴァンを診てもらう。検査の結果に異状はなく、ドクターから原因は父親が不在であることのストレスかもしれないと告げられる。そして経過観察のため一日の行動を日記に書かせることをドクターから勧められる。

ある日、朝食を食べながら穏やかに日記を書いていたエヴァン。しかし突然包丁を持ち出し、キッチンで仁王立ちしていた。尋常でない状況に母が恐る恐る声をかけると、やはり覚えていないとエヴァンは不思議そうな顔で答えた。不安を押し隠し、母はエヴァンをそっと抱きしめた。

アンドレアはエヴァンを心配しつつも、病院で働く間は近所に住むジョージにエヴァンを預かって貰っていた。ジョージにはトミーとケイリーという子どもがおり、エヴァンと一緒に遊ばせていた。しかしジョージはカメラで映画を撮ると称して子供達を裸にし、ポルノビデオを撮っていたのだ。そこでもエヴァンは記憶を失くしてしまう。

記憶喪失が続くことを心配したアンドレアは、ドクターの助言に従って、エヴァンを精神病院に入院している父、ジェイソンに会わせる。手錠に繋がれ、薬で朦朧とした状態のジェイソンと面会したエヴァン。最初は他愛もないことを穏やかに会話していた。しかしハッと気が付くと父に馬乗りにされ、首を絞められていた。ここでもエヴァンは記憶を失くしていたのだ。ジェイソンは「この子は死ぬしかない」と暴れ怒鳴り散らす。病院の警備員が慌ててこん棒で頭を殴ったため、ジェイソンは重傷を負い、そのまま帰らぬ人となってしまう。父を亡くしたエヴァンに幼いケイリーがそっと寄り添った。

運命の爆弾事件

郵便箱に爆弾を仕掛けるレニー

それから6年後。幼馴染のエヴァン、ケイリー、トミー、レニーはケイリーの自宅の地下室でたばこを吸いながらたむろしていた。その地下室でトミーは父親、ジョージの持ち物を漁り、父が隠し持っていた爆弾を見つける。そこでトミーはレニーに近所の住宅の郵便箱に爆弾を仕掛ける悪戯をするように命令する。嫌がるレニーにトミーは無理やりやらせ、4人は爆発を待った。爆弾の音を怖がらないように、エイリーの耳を優しく覆うエヴァン。しかし次の瞬間、4人は森でパニック状態に陥っていた。またエヴァンの記憶が飛んでしまい、爆弾がどうなったかまるで覚えていなかったのだ。レニーはショック状態で救急車に運ばれ、心配した大人達にトミーは「森で遊んでいたら、レニーが急に変になった」と嘘をついた。

また記憶を失くしたことを心配した母、アンドレアはかつて父とエヴァンを診察してくれたドクターを訪ねる。ドクターはエヴァンに催眠療法を施し、記憶がない間に何が起こったのか探ろうとした。しかしエヴァンはケイリーを守ろうと耳を覆ったことまでは覚えていたが、その先を思い出そうとすると激しい拒否反応を示し、鼻血を出して痙攣してしまった。

エヴァンは結局何があったのか思い出せないままであったが、ある日ケイリーとトミーの3人で映画『セブン』を見に行くことになった。そこでエヴァンはトミーに郵便箱がどうなったか尋ねると、恐ろしい剣幕で「二度と口にするな」と脅されてしまう。気まずい雰囲気で映画を見ていたが、ケイリーは映画の残虐なシーンに耐えかねて途中で席を立ってしまう。心配したエヴァンが彼女を追いかけていくと、ケイリーは今回の救急車騒ぎに腹を立てた父親のジョージに暴力を振るわれたことを告白する。落ち込むケイリーを励まし、二人は初めてのキスをする。その現場を見て逆上したトミーがエヴァンに掴み掛かろうとした時、居合わせた客の一人に足を引っかけられ転倒してしまう。激怒したトミーはその客を徹底的に殴り倒してしまう。ケンカを止めに入った映画館の職員に抱えられながら、トミーは不敵な笑みを浮かべるのであった。

そんな中、ニュースで爆弾事件のことを知ったアンドレアは引っ越すことを決意する。

飼い犬・クロケットの惨殺

麻袋に入れた飼い犬・クロケットに火を着けようとするトミー

爆弾事件からしばらく経って、救急車で運ばれたレニーが退院することになった。
エヴァンとケイリーはレニーを心配して訪ねた。森を散歩しながら3人は久しぶりに話をしていると、トミーに出くわす。トミーはエヴァンの飼い犬のクロケットを麻袋に入れ、閉じ込めてからライターオイルをぶっかけていた。止めようと駆け寄ったエヴァンとケイリーをトミーは近くにあった角材で滅多打ちにする。ケイリーは顔に大きな傷を負い、気を失ってしまう。トミーは非情にもクロケットに火を着けようとした瞬間、エヴァンはまた記憶がなくなってしまう。気が付くとクロケットは無残に焼け焦げ、ケイリーとレニーは泣きながら途方に暮れていた。

そしてエヴァンの引っ越しの日が来る。エヴァンが乗った引っ越しのトラックに駆け寄るケイリー。エヴァンはノートに「君を迎えに来る」と書き、窓越しにそれをケイリーに見せた。トラックは出発し、絶望した表情のケイリーがどんどん小さくなっていく。エヴァンは泣きながら習慣になっている日記を書いた。

自分の能力に気付くエヴァン

大学生活を楽しむエヴァン(左)とガールフレンド(右)

それから7年が経ち、エヴァンは州立大学に通う学生になっていた。大学で心理学を専攻し、成績も良く教授とも信頼関係を築きながら、記憶に関する研究に取り組んでいた。また親友でルームメイト・サンパーとも気が合い、充実した学生生活を送っていた。ある日エヴァンは7年間記憶喪失がないお祝いとして、サンパーと酒場に繰り出す。バーでひとしきり盛り上がり、エヴァンは寮に女の子をお持ち帰りする。おしゃべりしながら女の子は偶然日記を見つけ、エヴァンに「読んで」とお願いする。おねだりされて満更でもないエヴァンは、たまたま目についたページを読み始める。それは犬のクロケットがトミーに殺されてしまった日の文章だったが、読んでいるうちに急に日記の文字がガタガタと揺れ動き出す。不審に思いながら女の子を見ると、彼女もガタガタと揺れ出し、一瞬光に吸い込まれたかと思うと、なぜか目の前にはトミーがいた。飼い犬のクロケットが殺された場面にエヴァンはいたのだ。トミーもエヴァンもケイリーもレニーも13歳のあの時のままで、ちょうど記憶のなくしていた場面であった。レニーは必死にクロケットが入れられた麻袋のロープをほどこうとした。しかしトミーに恫喝され、恐怖のあまり固まってしまう。トミーはエヴァンに「おれの妹に手を出すな」と脅して、麻袋に入ったクロケットに火をつけた瞬間、エヴァンは大学の寮で目を覚ました。一緒におしゃべりしていた女の子から「デートの度に気絶するの?」と聞かれ、自分が悪夢を見ていたのだと思う。しかしあまりに衝撃的な出来事だったため車を飛ばし、幼い頃暮らしたブライアヴィルを訪ねる。そこでレニーを訪ねると、彼は引きこもり、プラモデルばかり作る生活をしていた。エヴァンは犬のクロケットが焼き殺された時のことを聞くと、レニーは「ロープが切れなかった」とぽつりとつぶやいた。エヴァンは自分の見た悪夢が現実であると気付く。

書いてある日記の文章を読むと、その時点の過去に戻れるかもしれないと思ったエヴァンは、爆発事件の日の日記を読むことにした。案の定、日記の文字がガタガタと動き出し、次の瞬間過去に戻っていた。レニーが爆弾を近所の住宅の郵便箱に入れた後で、ちょうどエヴァンが記憶を失くしていた場面だった。すると住人である赤ちゃんを連れた母親が帰宅し、郵便箱にむかっていったのだ。そして赤ちゃんが郵便箱に手をかけた瞬間、大爆発。その瞬間エヴァンはまた現代に戻っていた。

エヴァンはあまりに衝撃的な真実にショックを受けたが、自分の過去に戻れる能力は父親と関係しているかもしれないと思い、母アンドレアに探りを入れてみることにする。やはり父はエヴァンと同じく記憶を失くすことがあり、「失った記憶を取り戻す方法を見つけた」と言っていたと母は打ち明けた。父のその言動が精神を病んだせいだと思われ、精神病院に入院していたのだ。父も自分と同じ能力があったのだとエヴァンは気付く。

ある日、エヴァンは思い切ってケイリーを訪ねる。ケイリーは故郷のブライアヴィルでウェイトレスをしていた。店主にミスを叱られ、客にお尻を触られるケイリーを見て、エヴァンは居たたまれない気持ちになる。仕事が終わるのを待って、エヴァンはケイリーに話しかけた。そして記憶がないケイリーの父の映画撮影のことを聞いてみる。するとケイリーは取り乱し「わざわざ私に嫌な思い出を思い出させにきたの?」とエヴァンをなじった。ケイリーは「私が好きならなぜ連絡くれなかったの?ここで腐る前に」と泣きながら訴えた。エヴァンは何も言えず足早に立ち去るケイリーをただ見送った。そして次の日、トミーから電話でケイリーが自殺したことを知らされる。エヴァンはケイリーの棺に花束と共に、引っ越しの日に書いた「君を迎えに来る」というメッセージのメモをそっと置いた。

2度目の人生

チャラい大学生になったエヴァン(左)とケイリー(右)

自分が過去に戻ればケイリーの心の傷を消すことが出来るかもしれないと思ったエヴァンは、映画撮影の日の日記を読み始める。すると文字がガタガタと揺れ、目の前の景色が歪み始めた。そして気が付くと映画撮影の日の幼い自分に戻っていた。ケイリーの父、ジョージが子供達を地下室に連れていき「これからロビンフットがマリアンと結婚する。大人のようにキスや何かをするんだ」とエヴァンとケイリーに命令する。そこでエヴァンは、このままでは娘にトラウマを植え付け自殺に追いやることになるとジョージを怒鳴りつける。そしてケイリーに「二度と私に触らないで」と宣言させる。ジョージは驚き、神妙な顔で「わかった」と約束をする。

その瞬間、エヴァンはハッと気が付く。現在に戻り大学生のエヴァンはなぜか裸でベットに横たわっていた。すると突然ひどい頭痛がし、頭にフラッシュバックのような映像が浮かび始めた。流れてきた映像は、エヴァンは一旦引っ越しするが、ケイリーは家出をしてエヴァンの元を訪れ、一緒に青春時代を送るという人生の走馬灯のようなものだった。エヴァンの鼻からは血が流れ、混乱していると同じベットの中から声を掛けられる。なんとそれは裸のケイリーで、エヴァンは大学の女子寮のケイリーの部屋にいたのだ。エヴァンが過去を変えたことで現在が変化し、エヴァンとケイリーは恋人同士で仲良く大学生活を送っていた。最初の人生では勉学に取り組む真面目な学生だったが、今度の人生では派手なファッションに身を包み、社交クラブの仲間とテストもカンニングで乗り切るというようなチャラいキャラクターに変わっていた。

あまりの激変ぶりに最初は戸惑ったエヴァンだったが、ケイリーと共に過ごせる幸せに喜びを感じる。その夜エヴァンはケイリーをロマンチックなディナーに誘い「一生涯君と共に過ごしたい」と告白する。しかし告白をしている間に、エヴァンの車がめちゃくちゃに壊されてしまう。そこにはケイリーの兄・トミーのネックレスが置いてあった。トミーは犬を惨殺した罪で少年院に入っていたが、釈放されエヴァンとケイリーの仲を裂こうと嫌がらせをしてきたのだ。「兄を責めないで」と懇願するケイリー。ケイリーの話によると、父、ジョージはケイリーへの虐待はしなくなったが、トミーがその分殴られたというのだ。不安にかられながら帰宅の途につくと、トミーが暗がりから突然現れる。恵まれた環境で幸せに過ごすエヴァンに嫉妬し、唯一の味方である妹まで奪われると思い込んでいたトミーは、エヴァンに金属バットで殴りかかり、ケンカになってしまう。そしてエヴァンは飼い犬のクロケットを殺された恨みで逆にトミーを殴り殺してしまう。

3度目の人生

悪党グループのリーダー(右)に脅されるエヴァン(左)

刑務所に入ることになったエヴァンは所内を牛耳る悪党グループに執拗ないじめを受ける。殺人犯になってしまった人生に絶望しつつも、母に日記を届けてもらう。しかし日記さえも悪党グループのリーダーに破られ奪われてしまう。辛うじて日記の切れ端だけは手に入れるが、リーダーから日記を返してほしければ自分の間男になれと屈辱的な交換条件を出される。そこで日記を奪い返すために、エヴァンは一計を案じる。同じ檻で、ぶっきらぼうだが優しく信心深いカルロスに「意識を失ったら手と顔を見てくれ」と伝え、エヴァンは日記の切れ端の文章を読み始めた。それは7歳の時に学校の課題で残虐な絵を描いたことを母が心配しているという日記だった。またガタガタと目の前が揺れ始め、一瞬にして自分は小学校で絵を描いている時に戻っていた。そこでエヴァンは残虐な殺人シーンを描き、自分の両手を文具で傷つけた。そこで現代に戻ると、エヴァンの両手には傷跡が浮かび上がった。それを聖痕だと勘違いしたカルロスは、エヴァンを神の申し子だと思い、日記を奪う計画に協力してくれることになる。エヴァンは悪党グループのリーダーの檻を訪ね、仲間に入ると見せかけ安心させた隙に、隠し持っていた刃物でいきなりリーダーを刺した。そして騒ぎに駆け付けてきた悪党メンバーをカルロスが制した。その間にエヴァンは慌てて日記を読んだ。

一瞬にして過去に戻ったが、ちょうど犬のクロケットが殺される前、エヴァンとケイリーとレニーで森を歩いている場面だった。エヴァンはレニーに近くに落ちていた金属の破片を握らせ「今日こそ償うんだ。あの親子にしたことを」そして「ロープを切れ」と必死に訴えた。そしてクロケットを焼き殺そうとしているトミーの元に急いだ。エヴァンは「殺したら少年院に入れられるぞ。妹が取り残される」とトミーを説得した。トミーは手にしていた火を落とし、クロケットを逃がした。しかしレニーが金属の破片でトミーを刺してしまう。ケイリーは悲鳴を上げ、頭を抱えるエヴァン。

その瞬間、エヴァンは現代に戻り、大学の寮に立ちすくんでいた。すると突然頭痛が襲い、鼻血を出して白目を剥き気絶してしまう。頭にはまた人生の走馬灯が浮かび始める。今度はトミーのお墓が見え、絶望したケイリーは悪い連中と付き合い始める。レニーは精神病院のベットに繋がれたまま空虚な目を天井に向けている、という悲しいストーリーだった。血だらけで痙攣しているエヴァンをサンパーが見つけ、救急車で病院に運ばれる。病院で検査を受けたエヴァンの脳は、記憶の倉庫である大脳皮質の表層で脳内出血が起こっていたことが判明した。しかし同時に大量の神経再生が認められたのだ。エヴァンの脳は1年で40年分の記憶を詰め込んでパンクし、脳を作り替えたというのだ。すっかり回復したエヴァンはドクターからこっそり病院のIDカードを拝借し、入院棟に侵入する。そこにはトミーを刺し殺して、精神に異常をきたしたレニーが入院していた。エヴァンが話しかけても虚ろな目で天井を見つめるレニー。その場を立ち去ろうとするエヴァンにレニーは「僕と代われ。お前がここにいるべきなんだ」と泣きながら訴える。

どうしたら上手く過去を変えられるのか悩んだエヴァンは、同じ能力を持つ父親のことを思い出す。エヴァンは自分の父親と精神病院で面会した日の日記を読むと目の前にあの日の父親が現れた。そして父親に過去を正しくやり直すにはどうしたらいいか問いかける。父親は「神様の真似をしてはいかん」と辞めるように必死に説得する。しかし全く耳を貸さないエヴァンに父親は突然飛び掛かり首を絞めた。父親は気がふれて自分を殺そうとしたのではなく、過去に戻る行為をやめさせようとただただ必死だったことがわかったエヴァン。ここでは過去を何も変えられなかったエヴァンは現実に戻り、ケイリーを探し始める。ケイリーは治安の悪い地区のボロボロのアパートに住み、娼婦に成り下がっていた。ケイリーに今までのことをすべて話したエヴァン。過去に戻る度に事態が悪化し、疲れ果てたエヴァンに「あんたのお陰で散々よ。過去に戻って赤ちゃんと母親を助けたら?」とケイリーは怒りをぶつける。意を決したエヴァンは爆弾事件の日の日記を読み始める。

4度目の人生

両手を失ったエヴァン

いつものように過去に戻り、ダイナマイトを入れた郵便箱に駆け寄り、帰宅した母親と赤ちゃんに「近づかないで」とエヴァンは必死に訴えた。慌てたトミーが親子に駆け寄って覆いかぶさった瞬間、エヴァンは爆風で吹き飛ばされた。気が付くと現代に戻り、エヴァンは大学の寮のベットに横になっていた。そして隣のベットには元気そうなレニーの姿があった。安堵して見回すとなんと自分の両腕が下から半分失くなっていたのだった。また頭痛が起こり、これまでの人生が頭を巡る。爆弾で両手両足を失ったエヴァンは車いす生活をしていた。レニーとケイリーに面倒を見て貰いながら仲良く青春時代を送っていたが、そのうちにレニーとケイリーが愛し合い、付き合い始めるという人生だった。障害者となったエヴァンは周囲にバカにされながらも、ケイリーとレニーに庇われ、3人で大学に通っていた。しかもトミーも同じ大学に通い、ユダヤ教の活動を手伝うような慈悲深い人間になっていた。親子を爆弾から救い、信仰に目覚めたというのだ。自分の状況に辟易とし、やさぐれてしまったエヴァンは、ある時ふと状況が違ったらどうだったかをケイリーに問いかけた。ケイリーはエヴァンが初恋の人だったこと、そして両親が離婚した時に父親と暮らすことを選んだのはエヴァンと離れたくなかったからだと思い出を話した。しかし今はレニーを愛してると言うケイリーにエヴァンは「この世の誰よりも愛してる」と思い切って告白する。しかしケイリーは困った顔をするだけだった。

自分が変えた運命に絶望したエヴァンは、風呂に水を貯めて自殺を図ろうとする。しかし訪ねてきたトミーに命を救われる。「自殺もできやしない」と嘆くエヴァンをトミーは励ますように抱きしめた。そしてトミーはいつものことのように病院にエヴァンを連れて行った。そこにはエヴァンの母・アンドレアが肺がんを患って入院していたのだ。一人息子が障害者になり、悩んだ末タバコの量が増えたことが原因のようだった。エヴァンが母に「救ってあげるよ」と告げると、アンドレアは「あなたの言動、お父さんに似てきたわ」と苦しそうに呟く。父もまたエヴァンと同じように何度も過去に戻り、不幸な運命を辿ることになったのだった。そんな父の姿を見てきたアンドレアはエヴァンにやめるよう懇願する。しかしエヴァンは寮に戻り、また日記を読み始める。

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