レディ&オールドマン(LADY and OLDMAN)のネタバレ解説・考察まとめ

『レディ&オールドマン』とはオノ・ナツメが『ウルトラジャンプ』で連載していた男女バディ・エンタテインメント漫画作品。連載時期は2015年~2019年までで全8巻で完結。オノ・ナツメ原作の『ACCA13区監察課』や『BADON』とはまた違ったかなりハードボイルドな内容だ。舞台は1963年のロサンゼルス郊外。父親譲りのおせっかいな性格のシェリー・ブライトと100年間刑務所に入っていたというロバート・ウィンツ。この二人の出会いが全ての始まりだった。

『レディ&オールドマン(LADY and OLDMAN)』の概要

『レディ&オールドマン』とはオノ・ナツメが『ウルトラジャンプ』で連載していた男女バディ・エンタテインメント漫画作品である。連載時期は2015年~2019年までで、全8巻で完結。オノ・ナツメ原作のほかの作品『ACCA13区監察課』や『BADON』とはまた違った、かなりハードボイルドな内容となっている。オノ・ナツメが描く大人な雰囲気をまとったキャラクターたちは魅力的だ。『リストランテ・パラディーゾ』などを見てもわかるようにオジサン好きのオノ・ナツメが、100年の刑を終えて出所してきたロブを若い設定にしたことにはファンも驚いたようだ。さらに、一本の洋画を観ているような内容の濃さに圧倒されたという声もある。それこそがオノ・ナツメが作り出したこの『レディ&オールドマン』の魅力ともいえる。

作品の舞台は1963年のロサンゼルス郊外。父親譲りのおせっかいな性格のシェリー・ブライトと100年間刑務所に入っていたという不老不死の男ロバート・ウィンツ。偶然出会ってしまった二人だったが、ある女性からの配達依頼をきっかけに二人は運び屋としてあちこちを駆け巡ることに。こうして「レディ&オールドマン」が結成されたのである。これはそんな運び屋二人の男女バディエンタテインメントストーリーだ。

『レディ&オールドマン(LADY and OLDMAN)』のあらすじ・ストーリー

1巻「レディ&オールドマン結成」

1963年のロサンゼルス郊外。好奇心旺盛な19歳のシェリー・ブライトはある日、刑務所から出所したばかりの男ロバート・ウィンツと出会った。シェリーはその場で立ち尽くしているロバートを連れて帰り「サムズダイナー」のオーナーで自身の父親サミュエル・ブライトに居候させてほしいと頼み込んだ。そしてサム(愛称)は仕方なく自宅のガレージにロバートを居候させることにしたのだ。翌朝、ガレージで一夜を明かしたロバートに友人の家に泊まっていたシェリーが声をかける。「名前はシェリー・ブライトで19歳、苦手なものはハサミ」と自己紹介をし、そこで初めてロバートも自分の口で「ロバート」と名前を明かした。それからは「ロブ」という愛称で呼ばれることになった。

ある日「サムズダイナー」にやってきた女性・マダムは、かつて運び屋をしていたサムに封筒を届けてほしいと依頼をする。しかし引退したサムは依頼を断ってしまう。するとシェリーはマダムが置いていった封筒を見て「自分がこれを届ける」と言い出した。シェリーは、かつて父親が「ジャッカル」という通り名で仕事をしていたように自分たちも何か通り名をつけようと提案する。シェリーがレディ(淑女)でロブがオールドマン(おじいさん)。こうして「レディ&オールドマン」が結成されたのだった。

一方、マダムの息子アンドリューとその婚約者リアは「パパ」と呼ばれる人物が雇っている掃除屋ジョニー&クレイグに追われていた。

ロブをサムズダイナーに連れてきたシェリー

シェリーたちがマダムから依頼された手紙には、義母のもとにいるアンドリューに向けたメッセージが書かれておりさらに現金も入っていた。「引き取ってくれた母親に感謝するように、お金を将来のために役立ててほしい」というものだった。これからの身の振り方についてリアとアンドリューはお互いに話し合うことに。リアは「パパ」のもとに戻ることになり、そしてアンドリューもリアとの結婚を認めてもらえるように義母を説得することにしたのだった。

こうして無事、マダムからの配達依頼を終えたシェリーとロブ。そしてサムズダイナーに戻ってきたシェリーはダイナーの常連客であるミッチからロブの罪状が「殺し」と「放火」だったことを聞かされる。さらにミッチから「レディ&オールドマンに仕事を頼みたい」と告げられ、その配達依頼も無事に済ませた。その帰り、シェリーとロブはドーナツ店にやってきた。ロブはドーナツを食べながら「双子なんだ」と明かし、かつて双子の弟と住んでいた時のことを語り出しのだ。

家は町外れの山の中にあって、弟は17,8歳ぐらいの時に家を出て行ってしまった。しかし突然その弟が帰ってきて、ロブに夕食を作ってくれたのだという。何が入っていたのか分からないけれど、何か香辛料のせいか肌寒い夜だったのにすごく体が熱かったと言うロブに対して、シェリーは「弟も食べたの?」と尋ねた。するとロブは頷きシェリーは弟は生きているかも、と告げるのであった。

2巻「弟捜し開始」

夜中、眠れずに起きてきたシェリーはリビングで寝ていたロブに少し驚いた様子。ミルクを温めるシェリーにロブは「オールドマンは作れるかな?」と尋ねてみる。手元にないバーボンのボトルを熟睡中の父親の元から拝借しようとしたが、どうやら起きていたようだ。シェリーとロブは、双子の弟を捜し出したい、と父親のサムに伝え二人は「レディ&オールドマン」として一緒に捜すことになったのだ。そしてシェリーはロブに「運び屋をやりながら各州を回れないかしら」と提案する。

その後ハイスクール時代にシェリーの隣の席だったケン・ミルズからハリウッドにいるリータという女性のもとに届け物をしてほしいと依頼されたシェリーとロブ。リータに花束を渡したまではよかったが同じくハリウッド俳優のロレンスが麻薬所持で捕まったことで、リータから「ジミーからもらったプレゼントを返してほしい」と依頼を受ける。マッチ箱のようなものを渡されたシェリーとロブだったが、その中にはなんと麻薬が入っていたのだ。リータは自分も捕まってしまうかもしれないと思い、以前ジミーからもらったマッチ箱を返すように依頼をしてきたのだった。麻薬の売人であるジミーのもとへ向かった二人だったが、強盗に襲われジミーは床に伏していた。ジミーは死に際、麻薬が大量に入ったバッグを「親父」に渡してほしい、と告げたのだった。

双子の弟について「捜したい」と伝えるシェリー

シェリーとロブは、「親父」と呼ばれる者の部下たちから麻薬が入ったバッグと引き換えに大量の現金が入ったバッグを報酬として受け取ったが、父親のサムにバレないようにシェリーの自室に隠すことにした。一方、二人のこの仕事ぶりを部下から聞いた裏社会で名の知れたビッグアイと呼ばれる男は「レディ&オールドマン」の噂を広めることに。この噂が広まったのをきっかけに、レディ&オールドマンはビッグアイから「ナット運送会社」のボス・ナットを紹介される。ビッグアイは、二人にいい仕事が舞い込むようにと今後の運び屋としての依頼を斡旋してくれることになったのだった。

帰りが遅いとサムに咎められたシェリーはダイナーの掃除をすることになったが、ガレージに居候していたロブはサムに出ていくように言われてしまう。結局行きついた先は「ナット運送会社」で、ナットの好意で運送会社に住まわせてもらうことになった。そしてシェリーも「いつまでも父親を頼ってウェイトレスをやってちゃいけない」と思い、家を出てロブとナットとともに運送会社に住むことに。

運び屋をしながらロブの双子の弟を捜していたシェリーとロブが運送会社に帰ってくると、ナットから「君たちがここに来て1か月だから記念パーティーをしよう」と提案された。ピザやビール、ポテトなどを買って3人はパーティーを開催していたが、突然シェリーがナットに「ここを出たら?」と尋ねる。ある事故が原因でトラウマを抱えていたナットは「倉庫を出たら車にひかれて死んじゃう」という理由で外に出ず引きこもっていたからだ。

3巻「凶弾」

いつものようにレディ&オールドマンとして運び屋の仕事をしていたシェリーとロブ。届け先のアンティークショップでロブは「壊れているから安くしよう」と店員から言われ懐中時計を一つ手に取った。ロブは時計が好きだとシェリーに告げ「苦手なものは知っているけれど何が好きなのか」とシェリーに尋ねる。そしてシェリーとロブがサイドカーに乗りながら走っていると、かの有名なスティーブ・マックイーンとすれ違ったのだ。ハリウッドスターとすれ違ったとテンションが上がるシェリーに「好きなものはマックイーンやプレスリー、そしてホットオールドマン」とつぶやいたロブ。ロブは自分の中で足されていくシェリーの好きなものに思いを巡らせていた。

翌日、壊れていたはずの時計が直っていることに気づいたナットとシェリー。ロブは、かつては時計専門の修理をしていて手も器用、頼まれれば他のものも直せるという。ナットはロブに「倉庫の山の中に壊れて使えないガラクタがたくさんあるから好きに直してもいい」と告げた。

壊れた時計を安くしてもらうロブ

その頃ケイティという女性が経営している「K's BAR」にやってきたロス市警の警部補ビル・ミルズは、ケイティの背後にある棚に貼ってあったシェリーとロブ、そしてリア三人の写真をもらい、自身が持っている一人の男の写真と照らし合わせていた。

ある日シェリーとロブはレベッカという一人の少女から、父親のところに自分を運んでほしいと依頼を受けていた。そして州境のモーテルへレベッカを届けナット運送会社に戻ろうとサイドカーを走らせていると、同じスピードで後をつけてくる1台の車に気づいた。ロブがシェリーと運転を変わろうとしたとき、サイドカーの横まで来た車の中からミルズ警部補が突然発砲したのだ。凶弾を受けて瀕死の重傷を負ったロブをなんとかナット運送会社に連れて帰ってきたシェリーは、ナットに「手を貸して」というが「僕は血がダメだ」そう言って机の下に隠れてしまう。

4巻「ナットの過去」

ミルズ警部補に撃たれたロブ。レディは血が止まらないと動揺していたが、そこへ一人の医者がやってきた。ミルズ警部補にロブとシェリーの居場所を教えたのはビッグアイで、それもあってか医者を送ったと手紙に書かれていた。そして3日後、ナットは重傷を負ったにもかかわらずすでに起き上がっているロブを見て驚いた。そして「オールドマンが死んだ」という偽の情報はビッグアイが噂を流したことによって掃除屋ジョニー&クレイグやリア、そしてロス市警にも広がっていたのだった。

裏社会の仕事から逃げようとしたわけではないのにロブは撃たれてしまったとシェリーは沈んだ気持ちになっていたが、ナットから「君たちは裏社会の仕事なんてやっていない」と聞かされる。危険な仕事なんて何一つしていなくて、やばい仕事が舞い込んできた時にはナットが「レディ&オールドマン」専用のトレイから荷物を取り出して他の仕事と変えていると明かしたのだった。さらに「オールドマンが目覚めたら出ていくといい」とシェリーに言い放ったが「ここを出て行く気もないし仕事も受けない」と返した。シェリーは自分たちが、やばい仕事を含め運び屋としてなにもせずに動かないことで、ほかのだれかが動き情報が入ってくるかもしれないと考えたからだ。

翌朝、シェリーは唐突に「髪の毛を切る?」とロブに声をかける。母親に幼いころ誤って耳を切られたトラウマからハサミが苦手はシェリーは手を震えさせながらもロブの髪を切っていく。そしてロブもレディの髪の毛の先端だけを切っていく。そして「自分は苦手なものを話したからナットの苦手なものの話を聞かせて」とシェリーがナットに告げると、お酒を飲みながら話してくれるという。

危険な仕事からロブとシェリーを遠ざけていたと明かすナット

かつてこの倉庫に出入りしていたゴードンという一人の男がいた。彼も運び屋の仕事をしていたが、ある時からストレスによって胃の調子がおかしくなってしまった、とナットに打ち明けた。そしてある日ゴードンは「俺は行く。消える。サヨナラだ」とナットに告げ、倉庫がある敷地内から足を踏み出した瞬間ゴードンは車に轢かれてしまった。ナットは床に血が広がっていく様をじっと見つめ、それ以来血を見るのが苦手になったのだという。

その話を聞いたシェリーは、ナットと一緒に外に出られたらいいなと言葉をこぼす。ナットと外に出られたらと言う反面、今は仕事をせずただ待っているというシェリーにロブは「君は外には?」と問いかける。そしてラスと同じように所在が分からないという母親についても「君のお母さんは?」と尋ねる。今は何も仕事を受けずに待っている状態が続いているが、再び動くことになればその時は弟捜しと並行して母親を捜すことにしようと二人は決めたのである。

ある日、新聞に「レディへ、いつもの場所で待っています。Mより」と書いてある事に気づいたシェリーは「いつもの場所」がケイティのお店だと察しお店へ行くことに。そこにはアンドリューの母親で、新聞にあったイニシャル「M」つまりマダムがいた。そして、自分のことを追えば会いたい人に会えるかもと言いマダムは店を後にする。それから何度かマダムを尾行していたシェリー。そしていつものようにシェリーがバイクにに乗ったマダムを追っていると、ロブにそっくりな男と一緒にいるところを目撃する。シェリーは驚いて倉庫へ戻りロブに、弟が生きていることを告げたのだった。

5巻「母親との再会」

今日11月22日はナットとロブの誕生日。当日はシェリーが買ってきたバターケーキにろうそくを立てビートルズのレコードを流しながら3人で過ごしていた。そして自分が出所してもうすぐ1年になる、とつぶやくロブ。弟は消えたままだが自分と同じように死なないから、一日でも早く家を出て行ったシェリーの母親を捜しに行こうとシェリーに声をかける。

時は過ぎ2月9日。ナットとロブ、シェリーは中古のテレビでザ・ビートルズが出演している番組を見ていたが、初めて彼らの姿を見たナットは興奮して、外に置いてある木箱の上を危なっかしく歩き回っていた。すると突然ナットはシェリー宛に届いていた手紙を読んだことを二人に明かした。

その手紙とはサムズダイナーに届いたレベッカからの手紙で、シェリーの母親の所在地がわかるということが書かれていた。「今からでも母親に会いに行ったほうがいい」とナットに説得され、夜も更けていたがシェリーとロブは休憩をはさみながら手紙に書かれている住所へサイドカーを走らせることにした。そして到着して早々シェリーの母親が経営しているという店をレベッカに案内され、シェリーは母親のエマと久しぶりの再会を果たしたのだった。

ビッグアイから電話を受けるナット

そしてレディ&オールドマンを送り出したナットは、一人倉庫の敷地から足を踏みだしていた。シェリーがビッグアイから「ナットは外に出ても轢かれない」と言質をとり、シェリーから外に出るように説得されたからだ。カツカツと音を立てながらナットは外を歩いていたが「どん」という鈍い音ともにトラックに轢かれてしまったのだった。

一方別の場所では、ジョニー&クレイグがカリフォルニア州の共和党議員ハリスから人探しをしてほしいと仕事を依頼されていた。ミルズ警部補に依頼していた仕事だと言うが、彼があまりにもやる気がないのでというハリス。そして捜してほしいのは50年前に行方不明になったハリスの祖父だという。

6巻「不老不死」

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