トリニティ・ブラッド(トリブラ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『トリニティ・ブラッド』とは、著者・吉田直/キャラクター原案・THORES柴本による長編ダークファンタジー小説、及びそれを原作としたドラマCD、コミックス、アニメ作品である。
舞台は、中世のヨーロッパの啓蒙時代を彷彿とさせる世界観の遠未来。突如現れたヴァンパイアと人間は、互いの生存権をかけて戦いを続けていた。そんな中、ある神父がイシュトバーンと呼ばれる地に訪れ、レジスタンスとして活動するシスター見習いに出会う事から物語は大きく動き始める。

『トリニティ・ブラッド』の概要

『トリニティ・ブラッド』とは、著者・吉田直/キャラクター原案・THORES柴本による長編ダークファンタジー小説、及びそれを原作としたドラマCD、コミックス、アニメ作品である。
世界中を巻き込んだ核兵器、細菌兵器などが飛び交った大厄災/アルマゲドンと呼ばれる大戦争後の地球を描く。
大厄災後、人類が持つ文明はほとんどが破壊され生存圏はヨーロッパ周辺にまで狭められる中、人々の生活は中世の水準まで後退していた。
そんな中、追い討ちをかけるように現れたヴァンパイアと戦う事になる人類。
ローマ教皇の流れを汲む、ヴァンパイアに抵抗する人類の国家機構教皇庁を中心にしてかろうじて勝利する。
その後も、生き残った吸血鬼達との小さな小競り合いを続けていた。

長編シリーズ『Reborn on Mars』(通称:R.O.M)6巻と、短編集シリーズ『Rage Against the Moons』(通称:R.A.M)6巻の計12巻が、角川スニーカー文庫より発刊されている。
それを原作に、『R.M.A』の小説3巻分がドラマCDになり『月刊Asuka』2003年10月号より九条キヨ作画にて、コミックス版の連載が開始される。
途中2004年7月15日に、原作者である吉田 直氏が病により急逝してしまった。
そのため新たな展開を迎える所で、未完結という形の連載終了を迎えてしまう。

コミックス版は、著者の死後も『R.O.M』と『R.A.M』のストーリーを織り交ぜながら物語が展開されている。
主人公をエステル・ブランシェに設定したストーリー展開がなされている。
コミックス版は『月刊Asuka』連載から、2016年11月より電子版雑誌コミックニュータイプに連載の場を変える事となる。
Web連載になるが、原作の物語のコミックス化はついに、2018年4月24日に最終話配信まで辿り着き完結となった。

2005年4月28日よりWOWWOWノンスクラブ放送にてアニメーションも全25話編成放送されている。
原作とは異なり、同じ時系列の編成になっているため違った展開が見られる作品である。
また、DVDも販売されている。

『トリニティ・ブラッド』のあらすじ

嘆きの星編

アベルとエステルの出会いのシーン

世界中を巻き込んだ核兵器、細菌兵器などが飛び交った大厄災/アルマゲドンと呼ばれる大戦争後の地球。
大厄災後、人類が持つ文明はほとんどが破壊され生存圏はヨーロッパ周辺にまで狭められる中、人々の生活は中世の水準まで後退していた。
また、追い討ちをかけるように現れたヴァンパイアと人類は戦う事になる。ヴァンパイアに抵抗する人類の国家機構教皇庁を中心にして人類はかろうじて勝利。
その後も、生き残った吸血鬼は自分達のことを長生種/メトセラ、人類のことを短生種/テランと蔑みを込めよび、人類と小さな小競り合いを続けていた。

そんな中、砂漠の街「イシュトバーン」そこに君臨する吸血鬼であるジュラ・カダール/ハンガリア侯爵を撃つために、レジスタンスが暗躍していた。その1人、エステル・ブランシェは、街教会に住む見習いのシスターだった。ある日、街に出ていたエステルはカラスに襲われている1人の神父に出会う。彼こそが、物語のもう1人の主人公、アベル・ナイトロードである。
アベルは、エステルの住む聖マーチャーシュ教会に派遣された神父だった。2人は教会で再会し、物語の歯車は大きく音を立てながら動き始める。

エステルが過ごした教会が、市警軍によって破壊される

レジスタンス活動を察知したハンガリア侯により、教会に住む聖職者が殺される事件が起こる。
居合わせた神父アベルの活躍で、犠牲者が出たものの壊滅的被害は免れた。
悲しみを抱えながらエステルは、生き残った司教ローラ・ヴィテーズに今までのことを打ち明ける。
レジスタンスとして活動していた事、これからハンガリア侯の元に向かうため教会を出ることを告げた。
そんなエステルを司教ローラは受け入れ、必ず無事に戻るように告げ送り出した。

エステルは仲間のディートリッヒと神父アベルたちと、出発しようと背を向けた教会から爆発音が響き渡る。
育ての親と共に燃える教会の前に立ちすくむエステル達。
爆発の際、エステルを庇う形でアベルは背中に爆風により負傷を負ってしまう。
一旦体制を整えるため、アベルはディートリッヒにエステルを託し、ここからひとまず離れるように告げたのだが、再びピンチが訪れる。
イシュトヴァーン市警軍が待ち受けていたのだ。
今度こそ絶体絶命のアベルだったが、市警軍に潜入調査していたトレス・イクス神父の機転により事態は好転する。
その場にいる市警団の制圧に成功する二人。
少し離れたところで、教会を見ていたエステルは泣き崩れてしまう。
そこへ、やってきたアベルは「私は、あなたの味方ですから」とエステルを励まし、再びジュラの元を目指すのだった。

ジェラの居城に辿り着こうとした瞬間、嘆きの星が背後の山を轟音と共に破壊した

再び、一路ハンガリア侯の元へ向かうアベルとエステル・ディートリッヒ達。
ハンガリア侯の居城を目前にした3人は、嘆きの星が山を破壊する場面を目の当たりする。

急ぎ向かった城内で待ち受けていたのは、ジュラ・カダール/ハンガリア侯 本人だった。
怒りに任せてエステルは、一体何をしたのかとジュラに詰め寄る。
ジュラは「亡き妻が復旧したロストテクノロジー、はるか高みーーー宇宙から愚民どもに下す制裁、妻が残した希望の星だよ。」と告げた。
それを聞き、エステルは手に持っていたボウガンを撃ち放つのだが、ジュラに届くことはなく受け止められ逆にエステルを狙って矢を投げ返されてしまう。
アベルはボウガンの矢を受け止めてエステルを守ると、ジュラに嘆きの星を止めるよう説得する。
ジュラの妻は短生種だった。しかし、同族であるはずの教皇庁の人間に夫が吸血鬼だという理由だけで殺された事をジュラは語った。
そして、アベルの提案は到底受け入れられるものではないとはね退けたのだった。

ジュラは嘆きの星の次の照準がどこに向いているか、ディートリッヒに確認する。
レジスタンスの仲間だと思われていたディートリッヒは、実はジュラの協力者であり、嘆きの星をプログラミングし直したプログラマーだったのだ。
笑顔で次の目標はローマのヴァチカン本部の座標であると伝えるディートリッヒは、怒りと混乱のさなかにあるエステルに銃を持たせる。

ディートリッヒの話に混乱しながら、エステルはジュラに向かって銃を構え、弾丸を放つのだった。
しかし、ディートリッヒの特殊な能力に操られ、誤ってアベルを攻撃してしまう。
エステルは、ディートリッヒに裏切られた怒りと悲しみ、アベルを撃ってしまった罪悪感から放心する。
ジュラの魔の手がエステルに伸びようとしたその時、死んだかと思われたアベルがジュラに向かって銃を放つ。
エステルをなだめながら、「ディートリッヒが嘆きの星の自壊コードを知っているはずだから、後を追うように」とアベルは告げたのだった。
エステルの姿が見えなくなったことを確認したアベルは、ナノマシン・クルースニクを起動させ、ジュラを倒す。
その頃、自分を追いかけてきたエステルに、ディートリッヒは嘆きの星の自壊コードを伝え、どこかへと姿を消した。
それは、自壊コードではなく目標をイシュトバーンに変更するコードだった。

再びディートリッヒに裏切られ怒りをあらわにするエステルの隣で、アベルは大厄災前の身分証明書を音声入力する。
全く意味がわからず混乱するエステルを尻目に、嘆きの星は自壊することとなった。
それを見届けたジュラは、「やはり、御身は…。俺の考えていた通りのお方だったな。」と意味深な言葉を発するのだった。

そしてエステルがアベルに先程のことを問おうとした時、軍の生き残りが雪崩れ込んできた。
その銃口がエステルに向いた時、なんとジュラがエステルを庇ったのだ。
そんなジュラの行動に混乱し、人間と吸血鬼の争いに疑問を抱いたエステル。

数日後、アベル、トレスは一連の顛末を報告するためローマ行きの列車に乗り込もうとしていた。
そこにはエステルの姿もあった。

熱砂の天使〜夜の女王編

ラドゥの行動に感じていた違和感の正体に気づいたエステル

嘆きの星の事件後、トラブルに巻き込まれながらもローマにたどり着いてはや5ヶ月。
エステルは、見習いシスターを卒業し正シスターとしてヴァチカン本部にて、日々任務に明け暮れていた。
まるで、イシュトバーンでの出来事は、遠い昔のようにエステルは感じていた。
一方、アベル達の直属の上司であるミラノ公ことカタリーナ・フォルツァは、兼ねてから短生種と長生種の和平を心から願い秘密裏に尽力していた。
ある日、ミラノ公は長生種の支配する新人類帝国の勅使がカルタゴにやってくる為、カルタゴでミサを行う事を表向きの理由とし、帝国からの勅使と直接面会するために移動することを秘書であるシスター・ケイトに内密に告げていた。
エステル達は、カルタゴに逃げた元ヴァチカン職員のプログラマーを現地にて逮捕した際、気になることを耳にする。
「魔法使いに頼まれて、砂嵐を作った。」
その事を、アベルに告げると、アベルは意味深な表情を浮かべるのだった。
そんなアベルに何か引っ掛かりを感じながら、エステルはトレスと共に捕まえたプログラマーの牢へ向かう。
牢獄の前まできた時、中の異変に気づいたトレスが牢をこじ開け急ぎ確認する事になる。
中では、捕らえたプログラマーが焼死体となっていた。
その首には吸血痕があり、吸血鬼の仕業であるとわかった。犯人はまだ近くにいると推測した二人に緊張が走る。

牢獄内で息を潜めていたイフリートと呼ばれる発火能力をもつ吸血鬼と交戦。この戦いで神父トレスは目を負傷してしまった。
途中、騒ぎを聞きつけたアベルの参戦によりイフリートは退却する。

カルタゴに移動を終えたミラノ公の居室には、帝国からの勅使であるイオン・フォルトナ/メンフィス伯が密かに訪れていた。

突然の訪問に驚き、声を荒げてしまったミラノ公。
そこに訪れたトレスは、勅使であるイオン・フォルトナを攻撃する失態を犯してしまう。

その場を退却する事になった勅使を内密に保護するため、単身任務に向かうアベル。
待機命令を出されていたエステルは、命令に反きこっそりとアベルを追いかけてきていた。
エステルはアベルよりも先に、先日トレスから受けた怪我を静養しているイオンと出会ってしまう。
事情を知らないエステルは、再び交戦してしまう。
しかし、イオンの補佐として一緒にカルタゴに訪れていたラドゥ・バルフォン/ルクソール男爵とアベルの介入により事なきを得ることができた。

そして、前回トレスが勅使を攻撃したのは、その直前に吸血鬼と交戦していたせいで敵だと勘違いしたからだと、アベルから聞かされる。
それを聞いた2人は、帝国内にある強硬派の存在を口にする。
そんな話をしている中、ヴァチカン本部より吸血鬼が潜伏しているという通報を受け、審問官であるブラザー・ペテロはイオンとラドゥの潜伏先に強襲をかけてくる。
アベルは、2人の保護をエステルに託し、足止めを行う為その場に残ったのだった。
異端審問局の襲撃から逃げる中、エステルとイオンは待ち伏せていた特務警察に囲まれ絶体絶命を迎える。
しかし、そんな危機もラドゥにより脱することができた。
エステルはラドゥの能力を目の当たりにし、監獄を襲撃してきた吸血鬼とラドゥが同一人物であると確信する。
「ルクソール男爵、あなたがさっきおっしゃった強硬派とはあなたのことですね。」
そう告げたエステルの言葉を聞き、そんなはずはないと否定するイオン。
それを尻目に、ラドゥは不敵な笑みを浮かべながら肯定するのだった。

そして語られるイオンを助けた真の目的に絶望する。
特務警察は捕らえた吸血鬼を生かしたまま拷問しようとしていたが、それはラドゥの目的に反していた。
「皇帝からの勅使が話をする間もなく短生種に殺された」という事実を作ることで、帝国内の強硬派が実権を握る口実を得ようとしていたのだ。
目的とは違っていたから、イオンを助けただけだったのだ。
全ては長生種の未来のため、短生種との対話を望む皇帝の目を覚ますためだと語るラドゥに、絶望を通り越して困惑するイオン。
そんな中ブラザー・ペテロが乱入し、その場は混乱を極めることになる。
それに乗じてアベルは、イオンとエステルと共に再び姿を隠すことに成功する。
だが、異端審問局に見つかってしまい3人は再び追撃を受ける。そこへ見計らっていたようにラドゥも襲いかかる。
頼みのアベルも、体の一部を大きく失う怪我をしてしまう。今度こそ絶体絶命だと思われたその時、アベルはこう告げる。

「ナノマシン"クルースニク02"80パーセント限定起動承認。」

クルースニク02を起動させたアベルの驚異的な回復と攻撃により、ラドゥは深い傷を負い退却を余儀なくされるのだった。
しかし、そんなアベルの姿を見たエステルは、アベルのことを化け物と言い恐れ気絶してしまう。

ナノマシンクルースニクを80%起動したアベルの姿

負傷者達は、国務聖省特務分室/通称Axの保有する飛行戦艦アイアンメイデン号に収容されていた。
対外トラブルの処理や外交工作を行う部署の飛行戦艦であるため、船内には応急的な医療処置を受ける施設がある。
その施設内で休養するエステルは、現実を受け止めきれずにいた。

短生種の用意したロストテクノロジーによる決戦兵器イブリース/砂漠の天使の起動を、エステルたちは飛行戦艦の中で目の当たりにする。
混乱を極める飛行戦艦内にラドゥからの通信が入る。
「イブリースを止めたければ、イオン・フォルトナの首を差し出せ」という要求を告げ通信は切れてしまう。
イオンは、かつての親友ラドゥと決着をつけるため、ブラザー・ペテロに自分の首を差し出す条件で共闘を依頼したのだ。
ブラザー・ペテロはそれを受け入れる。
長生種同士の激しい戦いの末、イオンはラドゥに勝利した。
その頃、アベルはイブリースを止めるため単身飛行戦艦を降り、管制コンソールである動画を見ることになる。

イブリースを止めようとした際、再生された動画には懐かしい想い人の姿があった

かつて、アベルが恋心を抱いていたリリスと呼ばれる女性は、動画の中でこう告げたのだった。
「アベルがチュニス(カルタゴ周辺の地名)攻略に来た時だけ使えるように、イブリースの停止コードを条件付きで残しておきました。」
コードは、短生種を連れてきて掌紋認証をすることで表示されるとのことだった。
「ここに居るのは、自分とゾンビだけだ。」と告げたアベル。

一度は諦めかけたアベルの手を添えて、イブリースに小紋認証をするエステル

その時、背後からエステルの声が響き渡る。
アベルが振り返ると、そこにはエステルの姿があったのだ。
あんなに怯えていたエステルが、なぜ自分の前に姿を現したのかと疑問を投げかけるアベル。
それは、アベルが飛行戦艦を降りる前に遡る。
エステルの居室のドア越しにアベルの持つナノマシン・クルースニク02を起動させて怖がらせてしまった事の謝罪。
そしてナノマシン・クルースニク02の膨大な力をアベル自身も恐れ、苦悩していることを語っていたのだ。
それを聞いていたエステルは、アベルに対して怯え拒絶した自分を恥じ彼を受け入れる覚悟ができたため、アベルの後を追う形で飛行戦艦を降りていた。

そして、エステルはアベルにこう告げたのだ。
「大丈夫。神父様、言ったでしょ?あたし、あなたなんか全然怖くないって。」
そう言いながら、短生種であるエステルの掌紋認証をして提示されたイブリースの停止コードを入力し、アベルと共にイブリースを止めたのだ。

帝国に向かう船の甲板で語り合うイオンとエステル

それから数日後、イオンはアベルとエステルと共に真人類帝国に向かう船の中にいた。
ミラノ公は、帝国へのヴァチカンからの使者を同行させることに成功したのだ。
その船内にて、エステルと会話を重ねる度日ごとに彼女が可愛く見えてしまうイオン。
短生種であるエステルに対して、可愛いという感情を抱く事にイオンは戸惑っていた。

帝国に帰国後すぐにイオンは、自身の祖母である モルトヴァ公に挨拶に向かっていた。
その途中、感じた違和感は、祖母の部屋に着くと現実のものとなっていた。
モルドヴァ公が、自室にて殺害されていたのだ。

襲撃を受けた際、重傷を負ってしまうエステル

祖母を殺されたことに動揺するイオンとアベルにエステルの3人。
そこに追い討ちを掛ける様に、皇帝直属の軍隊である禁軍兵団/イェニチェリが現れ、イオンをモルドヴァ公殺害の容疑で捕縛しようとする。
圧倒的に不利な状況を3人はなんとか逃れ、一旦、アベルと親交のあるアスタローシェ・アスラン/キエフ侯の元に向かい、助力を乞うことにした。
そして、イオンとエステルはアベルと別行動をとり市中に潜伏する事に成功する。
しかし、その潜伏先で今度は強硬派の送り込んだ刺客と交戦し、エステルは大きな怪我をしてしまう。
そこへ潜伏中、街で出会った冷茶売りの少女セスが現れ、エステルの怪我の治療を行いセスは2人の前から姿を消した。
回復を待つ2人は再び強硬派の襲撃を受けるがなんとか逃れる。

一方、アベルはキエフ侯が参加している貴族会議の最中にいた。
帝国の有力貴族の1人であるティグリス公スレイマンは、会議場でモルドヴァ候を殺害したイオンを糾弾する。
しかしこの殺害事件を画策した黒幕こそが他でもないスレイマンだったのだ。
この事件とイオンへの糾弾に端を発する前から、スレイマンの手によって反乱が静かに確実に進められていた。
800年君臨し続けた女帝へと忍び寄る危機は、モルドヴァ公を葬送する式典中、女帝ごと会場を爆破するという方法で表に出てくる。
この事件をきっかけに、再び貴族会議は紛糾し混迷を極める中、事件の黒幕であるスレイマン卿はこう告げたのだった。
「今こそ新たな指導者を決めるべきだ!」そう言いながら、彼は指導者として名乗り出ていた。
そんな時、キエフ侯より彼の策略の全てが明かされる。
告発を握りつぶそうとするスレイマン卿がキエフ侯を追い詰めようとした時、ついに女帝が訪れる。

決して素顔を晒す事のなかった女帝が、900年の時を経て初めてその素顔を晒す事となる

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