箱入り息子の恋(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『箱入り息子の恋』とは、2013年公開の日本の恋愛映画。この物語の主人公、天雫(あまのしずく)健太郎、35歳は市役所勤務で性格は内気。そして、彼女いない歴=年齢という持ち主。結婚願望がない健太郎を見て、心配した両親は代理見合いに出席する。代理見合いをきっかけに健太郎は奈穂子と出会うが、奈穂子は目が見えなかった。健太郎との恋愛を反対する奈穂子の父と、立ちはだかる障害という壁。もどかしい恋と2人の純粋な気持ちに胸を打たれた人が続出。日本映画監督協会新人賞を受賞した市井昌秀が送る感動のラブストーリー。

『箱入り息子の恋』の概要

画像左側が健太郎(演:星野源)、右側が奈穂子(演:夏帆)

『箱入り息子の恋』とは、2013年公開の日本の恋愛映画である。配給は、キノフィルムズ。原作はノベライズ本で、著者はこの映画の監督でもある市井昌秀と妻の今野早苗である。本作は、ミュージシャンとしても活躍している星野源の初主演映画となる。共演者に夏帆、黒木瞳、大杉漣、森山良子、平泉成と豪華俳優陣達が出演。星野源はこの映画で"第37回日本アカデミー賞新人俳優賞"、"第68回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞"、"第23回日本映画批評家大賞新人賞・南俊子賞"と数々の賞を総なめにした。監督の市井昌秀も、この映画で"第54回日本映画監督協会新人賞"を獲得している。
市役所勤務、35歳、実家住まいの天雫(あまのしずく)健太郎は、一度も恋人ができた事がなく童貞だった。このままでは、天雫家の家系が途絶えると心配した両親は、健太郎の代わりに代理見合いへ参加する。そこで出会ったのは、同じく盲目の奈穂子の将来を心配し、代理見合いに参加した今井家。今井家に健太郎を紹介するも、特に進展のないままお見合いは終わる。しかし、ある日偶然にも雨に打たれている奈穂子に、健太郎は出会う。美しい奈穂子の姿が気になった健太郎は、盲目だと知らずに話しかけ、傘を貸す。傘を貸した相手が健太郎と気付いた奈穂子の母・玲子は、天雫家とお見合いをする事を決める。このお見合いで初めて天雫家は、奈穂子が盲目だと知る。天雫家に戸惑いはあったものの、お見合いは順調に進んでいく。しかし、奈穂子の父・晃は仕事に対し野心のない健太郎の全てを否定するという事態に。晃の態度に怒った健太郎の母・フミは健太郎の父・寿男と健太郎を連れて部屋を出て行こうとする。二度と奈穂子と会う事はないと思った健太郎。だが、奈穂子と玲子は健太郎の事が気に入り、晃に内緒で奈穂子を健太郎に会わせる事に。何度かデートを重ねる内に、交際に発展する2人。そのうち、健太郎は奈穂子の交際を晃に認めてもらいたいと思うようになる。そして、野心を見せる為、昇給試験を受ける事に。2人の交際は進んでいくが、偶然デート姿を晃に見られてしまう。当然、晃は2人の交際に反対する。しかし、玲子が晃に交際を許すよう促すも気持ちの変わらない晃。ついに玲子と晃は取っ組み合いのケンカに発展する。道路でケンカをする2人。その声に驚いた奈穂子は、車道に出てしまう。奈穂子の後ろには車が。間一髪で、奈穂子を助ける事に成功した健太郎だが、代わりに車にはねられ、重症を負う。この事がきっかけでフミは、奈穂子との交際に反対する。その後、無事に健太郎は退院するも、奈穂子との交際を諦める事にしたのだった。奈穂子の事を忘れようとする健太郎だが、偶然入った牛丼屋で奈穂子を発見してしまう。デートをした思い出の牛丼屋で泣きながら、牛丼を食べる奈穂子。奈穂子も健太郎の事が忘れられなかったのだ。その姿を見た健太郎も号泣する。健太郎は、奈穂子を牛丼屋で見たその日に奈穂子の部屋に忍び込む事に。そこで2人は愛し合うのだが、その姿を玲子と晃に見られてしまう。どんな困難があっても、一途に奈穂子を思う健太郎の素直な恋愛模様が書かれたラブストーリーとなっている。

『箱入り息子の恋』のあらすじ・ストーリー

心配する健太郎の両親

健太郎の将来を心配する両親

市役所の記録課に勤務する35歳の天雫健太郎。仕事は定時で帰るきっちりとした性格の持ち主。そんな健太郎は彼女いない歴=年齢の持ち主だった。全く女性の影がない事に心配した両親は、このままでは自分の家系が途絶えてしまうのではないかと不安になる。家系を守る為、両親は健太郎の代わりに代理見合いに参加する事に。そこで出会ったのは、同じく娘の将来を心配して、代理見合いに参加した今井家だった。天雫家は、今井家の娘、奈穂子の写真と育ちのよさを見て、健太郎とお見合いをさせようとする。しかし、今井家は健太郎の年齢の高さと地味な風貌の為、奈穂子と見合いをさせる事はなかった。失敗に終わった代理見合いに、またも両親は家系が途絶える事に恐怖を感じる。

健太郎と奈穂子の出会い

夕立の中、奈穂子と初めて会った健太郎

今井家では、目が見えない奈穂子の見合い相手を決める事に必死になっていた。特に父・晃は見合い相手の見た目や学歴、就職先に厳しく、高学歴、高収入を選ぶ傾向にあった。母もそんな晃の意見に従い、見合い相手を探す事に。2人が見合い相手を探している中、奈穂子は自分の部屋で趣味のピアノを弾いていた。玲子が奈穂子の部屋に入り、今度の日曜日に見合いをする事を告げる。しかし、奈穂子は学歴重視で選んだ相手との見合いに嫌気がさしていた。「私、どうしても誰かと会わなきゃダメ?」と玲子に聞く奈穂子。玲子は、ずっと奈穂子と一緒にいられないから、お見合いを進めていると答える。玲子と奈穂子は天気がいい為、ショッピングに出かける事に。しかし、途中で夕立にあってしまう。玲子は奈穂子をその場に待たせ、車を取りに行く事に。その時、偶然奈穂子の前に健太郎が通りかかった。目が見えない奈穂子の目線の先には健太郎が。奈穂子が目が見えないという事を知らない健太郎は、自分を見つめていると勘違いしてしまう。傘を持っていない奈穂子に、傘を渡し健太郎は、その場を立ち去る。車で奈穂子を迎えに来た玲子は、奈穂子が傘を持っている事を不思議に思う。傘の名前を見ると、先日代理見合いをした天雫家の息子・健太郎の名前が書かれていた。健太郎の人の良さに惹かれた玲子は、奈穂子に健太郎との見合いを勧める。天雫家は、まさか今井家からお見合いの声がかかると思っていなかった為、笑顔で健太郎に「お前に会わせたい女性がいる」という事を伝える。その女性の写真を見た健太郎は、先日傘を渡した女性だと気づく。そして、両親は健太郎に内緒で代理見合いをしていた事を告げる。勝手に代理見合いをしていた事に戸惑った健太郎は、見合いを断る。素敵な女性の写真を前に見合いを断る健太郎。その為、両親は健太郎がホモではないかと疑う。ホモ疑惑に怒った健太郎は自分の部屋にこもってしまう。健太郎の父・寿男はどうしても健太郎にお見合いをしてほしいと懇願する。しかし、中々OKを出さない健太郎。健太郎がしていた格闘ゲームのボスに勝ったら、お見合いを受けるように伝える。結局ボスを倒す事はできなかった寿男だが、朝まで頑張った父に根負けをして、お見合いを受ける事に。今井家では、玲子が天雫家とお見合いをする事を晃に告げる。天雫家との見合いを反対をしていた晃は、相手に奈穂子が盲目だと思う事を告げているのかと玲子に聞く。目が見えない事は、内緒にするように奈穂子に言われていると伝える。

お見合い開始

お見合いを始める両家

見合い当日、両家一同は初めて顔合わせをする。しかし、天雫家は奈穂子が盲目だと事前に知らされておらず、この時初めて知る事になる。奈穂子は、生まれつきの盲目ではなく、8歳の頃にかかった病気のせいでだんだん視力が衰え、見えなくなってしまった。その事に、最初は驚いた健太郎の両親は、遺伝性の病気ではないか心配する。晃は奈穂子の病気に遺伝性はない事を説明。その事に安心する健太郎の両親。何事もなかったかのようにお見合いは進んでいく。晃は健太郎に職業について、いくつか質問をするが、全て寿男が答えてしまう。内容は、健太郎は市役所に勤続して13年経つ事や所属する課は入社当初から変わっていない事だ。晃は寿男に「お父さんじゃなくて、健太郎さんに聞いているんです」と伝え、健太郎に答えさせる。健太郎は父の言った通りですと晃に伝える。学歴や職歴に厳しい晃は、今まで昇進した事があるか、健太郎に聞く。健太郎は気まずそうに、昇進した事はないと答える。晃は、最低限の大卒という学歴しかない相手に奈穂子の面倒を見れるとは思えないと告げた。その答えに納得のいかないフミは、学歴や職業だけで、娘さんのサポートができないと決めつけるのはいかがなものかと反論。しかし、晃も黙っておらず健太郎からは野心が感じられないと伝える。そして、そんな人間に奈穂子を任せられるはずがはないと一蹴してしまう。玲子は、天雫家に謝るも、フミの怒りは頂点に。お見合いを中止し、寿男と健太郎に帰るように促す。しかし、健太郎は奈穂子の本当の気持ちを聞きたい為、この見合いについてどう考えているか聞く事に。奈穂子は、学歴や職業など関係なく、気が合う人ならいいと健太郎に伝える。それを聞いた健太郎は、晃に奈穂子が障害者だからという理由で奈穂子の気持ちを否定しているように見えると説明する。奈穂子を思う健太郎の優しい言葉でこの見合いは幕を閉じる。

秘密のデート

晃に内緒でデートをする2人

晃に野心がないと言われてしまった健太郎は、お見合いがあったその夜、自分の部屋で暴れてしまう。そして、奈穂子との恋は終わったと思った健太郎だが、翌日健太郎の職場に玲子が訪ねてくる。奈穂子は、自分を思ってくれる健太郎の事が気に入ったのだ。玲子は、奈穂子の気持ちと健太郎の人柄を尊重し、晃に内緒で2人を会わせる事に。そして、初々しい2人のデートが始まる。2人は食事をしに移動しようとする。しかし、目が見えない奈穂子の手を握って移動しないといけない事に健太郎は気づく。真面目な性格の為、初めてのデートで手を繋いでもいいか迷った健太郎は、玲子に奈穂子と手を繋いでもいいか確認をする。無事にOKをもらった健太郎は奈穂子を連れて行きつけの吉野家の牛丼に行く。楽しく食事をする2人。仕事中に奈穂子とのデートを思い出しながら、ニヤつく健太郎。最近、健太郎の様子がおかしい事に気づいた部下の大場は、健太郎を気にかける。しかし、大場の思いを健太郎は無視。そして、健太郎はお昼時間を奈穂子との時間に充てる。2人はデートや電話を重ねる事に親密になっていった。奈穂子と出会い、健太郎の心は少しずつ変わっていく。健太郎は晃にも交際を認めてもらいたいと思い、昇進試験を受ける事を決める。そして、何回かのデートの後、健太郎は思い切って奈穂子に告白をする。奈穂子の答えはもちろんOK。そして、2人は初めてのキスをする。2人のキスシーンをたまたま見てしまった健太郎の同僚、ふなこしはその日、健太郎を飲みに誘う。

晃に見つかり

晃に見つかり、戸惑う3人

ふなこしは、健太郎を誘ってお寿司屋さんに行く事に。酔っ払ったふなこしは、そこで奈穂子とセックスをしたか確認をする。まだしていないと答える健太郎に、大声で童貞か確認をする。答えに戸惑った健太郎は、気まずさのあまりお店を出る事に。酒癖が悪いふなこしは、泣きながら自分が社内でヤリマンと言われているか健太郎に確認をする。健太郎は気まずそうに、ふなこしが社内でヤリマンだと言われている事を伝える。ふなこしは、ヤリマンじゃなくて、好きな人を振り向かせたいという理由でそういう行動をとっていると明かす。ふなこしの暴走に健太郎は唖然としてしまう。
ある日、奈穂子は玲子と一緒に公園に出かけていた。そこで玲子は夕立にあった時に傘を貸してくれたのが、健太郎だという事を告げる。実は奈穂子はお見合いの日、健太郎の声を聞いた瞬間、その事に気づいたのだ。そして、奈穂子が健太郎にもう一度会いたいと思った出来事が傘を貸してくれた事だと言う。玲子は奈穂子に健太郎さんに会いたい時は会えばいいと伝える。その言葉に笑顔になる奈穂子。そして、ついに健太郎と奈穂子は1日中デートをする事になった。いつもはメガネにスーツという地味な出で立ちの健太郎だったが、奈穂子と1日デートという事で、メガネからコンタクトに変え、オシャレをしていた。健太郎は奈穂子が楽しめるように、ジャズバーに連れていく事に。その後2人は公園で楽しくおしゃべりをする。奈穂子は、健太郎の事をもっと知りたいと伝え、2人はホテルに。体を重ねる2人だが、健太郎は初めてで緊張しすぎて勃たないという事態になり、行為は失敗に終わる。デートが終わる時間を見計らって、玲子は奈穂子を迎えに行く。しかし、何かを察知した晃は玲子の後をつける事に。そして、健太郎、奈穂子、玲子の3人を見つける。玲子にいつから関係が続いていたか問い詰める晃。2ヶ月前からと答える玲子に晃は怒る。謝る玲子を無視し、奈穂子に健太郎との関係を終わらせるように促す。嫌がる奈穂子。健太郎は、晃に土下座をし、奈穂子との関係を継続させてもらえるように懇願する。晃は、健太郎に掴みかかった後、家に帰らせようと奈穂子の腕を引っ張る。強引な晃の態度に怒った玲子。晃と玲子は激しい口論に発展する。道路で喧嘩をする2人の側を車が近く。奈穂子は両親が喧嘩をしている状況に驚き、車道に出てしまう。車に引かれそうになる奈穂子を健太郎がかばい、代わりに轢かれてしまう。

諦めた恋

ケガもしてしまい、奈穂子との恋もうまくいかずくじけそうになる健太郎

車に轢かれてしまった事を知ったフミは、今まで応援していた2人の関係を反対する。その後、無事に健太郎は退院したが、奈穂子に会いたくないと言われてしまう。そして、フミも奈穂子と会う事を禁止するのだ。しかし、寿男の意見はフミと異なり、健太郎の好きなようにさせるように促す。フミはまた健太郎に何かあったらという心配の思いで奈穂子と会うのを禁止していると告げる。子どもを信じるのが親の役目だと寿男は言い、なぜか家のブレーカーを落としてしまう。
退院した健太郎は、会社に復帰。ふなこしは元気がない健太郎を気遣い、話を聞く事に。健太郎はこの恋は終わった、奈穂子からももう会わないと言われている事をふなこしに伝える。ふなこしは、健太郎に怪我をさせてしまった事を申し訳なく思ってそう言っているだけで、奈穂子の本心ではないと告げる。それを聞いた健太郎は、考え込む事に。その後、無事に怪我が治った健太郎は、奈穂子と出会う前と同じ日常に戻る。会社の昼休みに吉野家に行くとそこには奈穂子の姿が。奈穂子は、健太郎の事が忘れられず、デートをした牛丼屋で泣きながら牛丼を食べていた。それを見た健太郎も、号泣してしまう。

再び動き出した恋

再び会えて嬉しい奈穂子と健太郎

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