ROOKIES(ルーキーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ROOKIES(ルーキーズ)』とは、森田まさのりによる高校野球漫画である。『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた。二子玉川学園へ赴任してきた新人教師の川藤幸一が、野球部の顧問になって野球部の不良たちと甲子園を目指すストーリーとなっている。川藤が親身になって不良の部員達と向き合うことで成長していくところがこの漫画の面白さである。2008年には同タイトルでドラマ化されている。2009年には『ROOKIES-卒業-』として映画化された。単行本は全24巻のほか文庫版が発売された。

『ROOKIES』の概要

『ROOKIES(ルーキーズ)』とは、森田まさのりによる高校野球漫画である。1998年から2003年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた。二子玉川学園(通称ニコガク)へ赴任してきた新人教師である川藤幸一が、野球部の顧問になって野球部の不良たちと甲子園を目指すところストーリーとなっている。新人教師が親身になって不良の部員達と向き合おうとすることで、川藤及び部員たちが一致団結して成長していくところがこの漫画の面白さのひとつである。作者がプロ野球球団の阪神タイガースのファンであり、登場人物は阪神タイガースに所属したことのある選手名から取られている。主人公の川藤幸一が、新任教師として二子玉川学園に赴任してきたところから始まる。赴任した学校の野球部は、かつて春のセンバツ甲子園出場まで果たしていた伝統のある部であった。しかしある部員が起こした不祥事により活動停止に追い込まれた。現在では部員も減り不良の溜まり場となっていた。喧嘩も含め問題行動に明け暮れた不良の部員たちの中に、川藤は心の奥底に残る情熱を見抜く。川藤は野球部の顧問として野球の「や」の字も知らない不良部員たちに、馬鹿にされながらも親身になって向き合う。その態度に心を動かされたくさんの試練や逆境がありながらも、教師及び部員が一致団結して夢の甲子園を目指していく。2008年には同タイトルでドラマ化されている。2009年には『ROOKIES-卒業-』として映画化された。単行本は全24巻のほか文庫版が発売された。

『ROOKIES』のあらすじ・ストーリー

川藤幸一が二子玉川学園へ赴任

主人公の川藤幸一(かわとうこういち)は、新任教師として二子玉川学園に赴任してきた。川藤は前勤務先である神田川高校で生徒を半殺しにしてクビになった過去があった。一方、赴任する二子玉川学園の野球部は半年前に暴力事件を起こしたことで公式戦への出場停止処分を受けていた。赴任してきた初日にも退学届を出した生徒がいた。小林だ。小林は野球部で真面目に野球をやっていた部員だった。暴力事件の後に、不良野球部員の若菜たちからの暴行を受けて利き腕がだめになってしまう。学校を退学して暴力事件を起こした不良部員たちに復讐をしようとしていた時に川藤と出会う。川藤は小林が高校を辞めて社会人野球に進むことを知る。また小林は甲子園の夢があり、ほんとは二子玉川学園の野球部で甲子園を目指したかったことを川藤は知る。自分達がいた頃の野球部を守りたかった小林。そんな小林の想いを知り、心が打たれる川藤。川藤はここで野球部を守ることを小林に宣言し、川藤は自ら野球部の顧問になることを申し出る。野球部の顧問であった竹之内先生はやめていたため空いていた。川藤が野球部の顧問に就任する。

部員更生編

まずは不良部員の1人である安仁屋が、屋上で喫煙しているところを川藤は見つけ注意し話すも殴られる。殴ったことは流石にまずいと不良たちとともに逃げる安仁屋。本当であれば安仁屋は処分される可能性もある。ただし川藤は周りに一切告げずに過ごす。不良部員の中でも喧嘩が強い新庄が川藤の行動に対して、今までにいないタイプだと考え警戒する。川藤が部員の名前を覚えているときに、部員の1人である御子柴に声をかける。御子柴はパシリに近い存在だった。皆に見つかると怒られることもあり、陰で野球の練習をしていた御子柴。野球に対する情熱を持った部員がいたことを知り、川藤は御子柴と話す。御子柴は逃げようとするも、川藤の話に心が開き野球部を再建する川藤に力を貸すことにする。
川藤を殴った安仁屋は、川藤の前に勤めていた神田川高校に訪れる。そこでふとしたことで神田川高校の生徒とトラブルになる。その生徒は張本。張本は川藤が半殺しにした生徒だった。張本の友人である末次は安仁屋の中学校時代の友人だった。そこで川藤のことをきくと、2人とも川藤へ嫌な気持ちは全くない。むしろ馬鹿にしたら、俺が許さないと川藤への信頼を表す発言する。川藤が安仁屋を追って神田川高校へ着くと歓迎ムード一色になった。川藤は張本や末次との再会に喜ぶ。安仁屋はここで川藤が処分される原因となった過去の話を聞く。実は張本が常にスパナを持ち歩いていることも含め注意し、臆病者だと張本に話したことで怒る張本を抑えるためのものであった。張本はその事件で、川藤に心を開き今は川藤に教師になりたい夢を語る。安仁屋に夢を馬鹿にされるも一切気にせず、張本は安仁屋に「お前の人生は一生つまらないんだろうな」と言って場面は終わる。その頃部員の1人である関川が、偶然に二子玉川の校長が不良部員の自分たちと過去に暴力事件を起こした川藤をぶつけて生徒を退学させる目論みがあることを知った。川藤はその目論見を知ってもなお、野球をさせてあげたい気持ちと不良部員が打ち込むものをつくりたいことを話す。横で聞いていた関川は自分も卒業する時ぐらい笑っていたいといい、御子柴とともに野球をやり始める。関川は不良部員たちに野球しにいくとこを止められるも、川藤といると面白いことになると話し練習に行った。関川と御子柴が野球をやり始めたことを耳にした新庄が、関川と御子柴を半殺しにする。御子柴と関川を半殺しにしたことを、不良部員の若菜等は新庄に対して不信感をもち対立してしまう。孤立したことにイライラが募ったまま新庄はゲーセンでトラブルを起こしたところを、川藤に救ってもらう。新庄は川藤がきたことで今までの生活が失われたことをいうも、川藤は新庄にいつ嫌われるか怯えながら過ごしていたんじゃないのかと突きつける。裏切り者が許せなかったことも話す。しかし川藤は新庄が誰よりも友情の大切さを知っていることをわかっていたため、人に好かれるには人を好きになった方がいいとアドバイスをする。福沢諭吉を例えに出しながら話す川藤の言葉に涙を流す新庄。新庄に自分は味方であることと野球部にいつでも戻ってこいと告げる川藤。照れ臭そうにさる新庄。
毎年定期的に行われていた練習試合の話がくるも、部員が2人しかいないニコガク野球部。1ヶ月後の練習試合の申し込みを受けてしまう川藤。校長には練習試合までに9人が揃わないとクビにすると告げられるも承諾する。部員を探しているときにやる気のない野球部メンバーを探して「夢にときめけ明日にきらめけ」と話す。若菜はこれに対してサッカーがやりたいと嘘をつく。これを信じた川藤は、サッカー部のキャプテンに頭を下げて入部を頼む。嘘を信じた挙句、自分のクビよりも自分のことを考えてくれた川藤の行動に驚く若菜。そして、若菜は川藤と辻先生が話しているところを聞いてしまいます。自分をクズ呼ばわりする辻に対して川藤は二度とクズなどど言わないでくださいと言い返す。その後若菜は川藤に嘘をついていたことを告げる。川藤と言い合いをしながら、心を開いていく若菜。若菜は3人目として部員になった。御子柴や関川、若菜が野球の練習をし始める。そんな状況を見つめている桧山と岡田と湯舟。彼らも入部することになり6人になった。その後平塚と今岡が加わり8名となる。安仁屋と新庄はまだいない。安仁屋は野球を昔からやっていて、中学時代はすごい選手だった。しかし中学校の最後の大会で川上という投手にノーヒットノーランをやられる。ノーヒットノーランをやった川上も甲子園では初回に大量失点をした。どんなに努力しても手の届かないものがあると思っているんじゃないかと感じているのが安仁屋の幼馴染である八木塔子。八木は野球も詳しいこともあり、野球部のマネージャーになる。適正ポジションに部員を当てはめるとピッチャーだけがいない。安仁屋は子供と2人で野球する。しかし学校ではみんなが野球をやることを馬鹿にして喧嘩になる。殴り合いになってもとめない川藤。そんな中に雨のやまない状況下で1vs1の対決をすることになる安仁屋と川藤。安仁屋は手を抜くも、それを見透かした川藤は全力でやれといい勝負は安仁屋が打って結局勝ってしまう。勝ったことに悔しがる安仁屋。次の日に八木にあった際に部に戻ってきてくれたらキスくらいしてあげてもいいよと告げられるも逃げる安仁屋であったが、放課後のグランドに立っていた。9人目として安仁屋が入った。安仁屋は川藤に練習試合までに野球のルールを覚えろといい、川藤は喜んで了承し9人が揃った。

練習試合編

用賀第一高校編

用賀第一高校との練習試合の前にユニフォームが出来上がる。部員は9名だがユニフォームは10枚。余った1枚を新庄に届ける関川。かつて半殺しにされた相手に着てくれと頼む関川に新庄は似合わないという。試合の時間と場所を告げ去っていく関川。新庄は練習試合には参加しない。練習試合が開始する。先攻は用賀第一高校。ニコガクの投手は安仁屋で三者三振でスタートする。後攻は1番の関川が出塁して、得意の脚を使ったプレーで相手を掻き乱す。そして4番の安仁屋が半年間の練習不足からスタミナ不足を痛感するも、場外ホームランを打つ。先制をしたニコガクであったが、次第に安仁屋のスタミナ不足と周りの守備がガタツキ4失点する。安仁屋は自分の力だけで練習試合に勝つことで、野球部を守ろうとしていた。その心理を見抜いた川藤が投手を今岡に変えると、一時的には抑えるもまた打たれてしまう。安仁屋や御子柴以外は素人の集まりである。経験者である自分が何とかしないといけないと思う安仁屋に、帽子に書いてあるONE FOR ALLの意味を理解して「あいつは野球部を守りてーんだよ」と伝える若菜。安仁屋はひとりでは野球はできないし、甲子園に行けないことを感じチームがまとまり始める。5回の守備に全員がついた際に若菜は声を出してチームを盛り立てる。そんな姿をみて頼もしさを感じたひとりの男が登場する。池辺教頭である。試合は続き7回のニコガクの攻撃時に両チームの選手同士で接触プレーが起きた。桧山と用賀第一の投手である。投手は負傷するも続投を指示する用賀第一の国松先生は、罵声を浴びせていた。味方の選手にである。川藤はその状況に怒りを噛み締めながら、国松に声をかけるも聞く耳を持ちません。川藤は試合中でなければ殴っているけど、ニコガク野球部の夢のスタートであるこの試合では軽率な行為はできない。国松は夢は何かと聞いたら、川藤は即答で甲子園と語る。国松はその夢を大笑いしてしまう。川藤はその行為にキレて、国松を叫びながら殴ってしまう。「人の夢をバカにするなー」投手は自分で交代を希望し試合は再開される。審判に国松は没収試合だと進言するもそのまま試合は続く。7点差をおうニコガクは湯舟のタイムリーで反撃開始し、今岡の死球と関川の振り逃げで満塁となり御子柴を迎える。ツーアウト満塁のチャンスでキャプテンの御子柴は頭が真っ白になる。ここで次の打順にいる若菜が大声で気合を入れる。緊張感がとけた御子柴はタイムリーを打つ。若菜もタイムリーで続いて一挙4点取れ、次の打者は安仁屋。ニコガクベンチからはホームランコールがおきる。結果は豪快にスリーラン。しかし8回の用賀第一高校の攻撃で、あっさり点を取られる。これ以上の失点は許されないと安仁屋が再びマウンドに立ち完全に抑える。9回裏になり関川がセフティーバントで出塁し2アウトで若菜の出番。ただし若菜は手が痺れてバットを持てない。テーピングを巻いてでも打席に立とうとする若菜のところに10番のユニフォームを着た金髪のとこが登場する。新庄だ。新庄がきて歓喜が湧くニコガクナイン。新庄は打席に向かい、川藤にグー・パーをみせる。新庄はここで長打を放つ。関川が俊足を生かして、ホームベースでキャッチャーと交錯するもアウトになり試合が終了。ニコガクは敗戦した。敗戦はするも新庄が戻ってきたことに喜びを分かち合う。外からこの試合を教頭と一緒に見ていたのは校長の村山。村山は涙を流しながら自分の後悔を語る。日が立ち川藤に殴られたことを不服と思った国松が二子玉川学園に乗り込む。国松から事情を聞木、辞職という形で責任を取ることになる。辞職するのは川藤ではなく村山校長。村山はかつて甲子園に出場した時のキャプテンだった。村山は自ら川藤の代わりに責任を取った形になった。

目黒川高校編

ある日川藤は、池辺から野球部にもう1人いたことを告げる。江夏卓だ。野球部の暴力事件の中心人物だ。自主退学して目黒川高校に転入していた。桧山がバッティングセンターで練習している時に目黒川高校の生徒と一悶着を起こす。そこに江夏もいた。江夏は野球ボールを桧山に投げようとするがそこを川藤がとめる。川藤はここで目黒川高校に野球で決着をつける事を提案し、練習試合が決定した。練習試合が決まり、勢いずくニコガク野球部。池辺教頭が野球部部長に就任し、指導マニュアルをもらって練習をし着実に力をつけ始める。川藤は江夏を倒すことで本当のスタートラインに立てる。こうして目黒川との試合を迎える。スタメン発表して唯一控えになったのは平塚。平塚に教頭は「君は秘密兵器だ、とっておきの」という。目黒川の監督は沢村である。
そしてついに目黒川高校との試合が始まる。1回先攻はニコガク。ランナーが塁にでて、4番安仁屋に回る。ここで投手江夏が本気を出し、安仁屋を三球三振で仕留める。安仁屋が簡単に抑えられたことで驚くニコガクナイン。後攻の目黒川高校は4番河埜が打席に立つ。河埜はホームランをうち先制する。その後はアウトに抑える。江夏の速球に抑えれらていたニコガクであったが、初ヒットを打ったのは若菜のスリーベース。続く安仁屋がタイムリーで同点に追いつく。その後新庄は強烈な打球を放つもアウト。その後は一進一退の攻防が続く。目黒川高校は各選手が中学時代に名のあった選手でだった。一方のニコガクは素人が多いチームだが気合のあるプレーでくらいつく。気合のあるプレーに少しずつやる気が削がれていく目黒川高校。試合中に電話をし始める選手もいた。そんな中で川藤が吠える。「楽しくない野球なんかやめてしまえ」川藤の一言にマウンドに集まった後で殴り合いをしながらも目覚める目黒川高校。ここでノーアウト1,2塁でニコ学の攻撃で目黒川高校はトリプルプレー。各個人は話し合うことはないもののスーパープレーをみせた。後攻の目黒川の攻撃で,あっさり安仁屋の球を捉え始めるも4番河埜がホームラン性のボールを打つも関川がダイビングキャッチで何とか抑えた。その後も安仁屋はカーブを混ぜながら抑えていたが、目黒川にカーブのクセがバレて次々と打たれ始める。次々と打たれる中、ニコガクナインが前半の目黒川のようにヤル気がなくなっていく。今岡にピッチャーを変え一時的にしのぐも、すぐに打たれ始める。9-2で絶望の状況でやる気をなくしたニコガクナインの中で、新庄がやる気のなくなった桧山を殴り吠える。「いつまでも寝言言ってやがるとぶっ殺すぞコラー」次の打順が新庄だ。打席に入る前に気合を入れて打席に立つ新庄。「ニコガクはこんなモンじゃねーよ」気合を入れて新庄が打席に入るのをみる桧山。新庄はスリーベースヒットを打つ。次のバッターは桧山。桧山はミートが下手である。一点を取るためにここで桧山はスリーバントスクイズをやるも失敗する。川藤はアウトになった桧山を迎え「おまえのような奴がいる限りニコガクは強くなれる」といい桧山は涙を流す。続く岡田はデットボールで出塁し、湯舟が猫打ちでヒット。関川と御子柴のコンビプレイも炸裂し、若菜も何とかヒットで出塁し安仁屋を迎える。安仁屋は江夏の球を捉え、タイムリーツーベースで2点差になる。新庄が死球で出塁後、迎えるのは桧山。しかしここでピンチヒッター平塚の決断を川藤は下す。桧山は川藤に抗議し、若菜もそれに続く。川藤は「勝つためだ」といい決断する。川藤もベンチに戻り震えていた。平塚は代打で出るもすぐに追い込まれる。そんな中江夏のボールが暴投となって平塚の顔面付近をおそう。平塚はバットを振り切る。バックスクリーン直撃の逆転満塁ホームランだ。その後江夏に呼ばれた不良たちが乗り込もうとするも江夏が制止する。江夏は打席に立つも安仁屋の前に三振で終わる。次の河埜も抑えられゲームセット。江夏は沢村と話すことでキレながらも甲子園を目指す事を決意する。ニコガクの初勝利で幕を閉じた。

夏の甲子園予選編

春になってニコ学野球部に多くの入部希望が集まる。その中の1人が平塚に憧れる濱中大陽だ。濱中以外の部員は、野球をすることが目的でなかった。かつての不良時代のニコガク野球部に憧れての入部希望だった。そんな入部希望の新入生を笑い始めるニコガク野球部。今は野球に夢中なため、目も暮れない野球部はいつものように練習をし始める。納得のいかない新入生は、野球部を倒して乗っ取ることを決意。そんな中新入生に中学時代に有名な選手であった赤星奨志がいた。赤星は入部届は出すものの、甲子園に出場することに興味はなかった。彼の目標はメジャーリーグに出場することだった。安仁屋は赤星に不信感を持つも、新庄は赤星が陰で努力していることを見抜く。野球部は変わらず練習を続ける中、授業中に事件が発生する。野球部に入部希望の新入生が乗り込んできた。新入生の中に赤星を狙う男がいた。的場だ。的場は赤星が膝にボールを投げつけられたことに恨みをもっていた。バットをもって赤星を襲うも御子柴や真弓先生に止められた。赤星は助けられたこともあり、メジャーに行く前に甲子園に出場することを決めて入部した。赤星が加入すると練習試合でも連勝を重ねていく。エース争いを安仁屋と赤星でおこなうも、安仁屋が年功序列もありエースナンバーをもらった。そしてついに甲子園の予選が始まる。初戦の用賀第一高校戦はクリーンアップの3連続バックスクリーンでコールド勝ち。2回戦、3回戦も勝利。そして4回戦に笹崎高校との対戦を迎える。

笹崎高校編

ニコガク野球部と笹崎高校の試合が始まった。笹崎高校が先攻でツーアウトランナー1塁で迎えるのが、4番別所真澄だ。別所は通算ホームラン68本の強打者だ。ここでいきなり別所はツーランホームランを打つ。あまりにも大きい声援に戸惑いを見せるニコガクナイン。そんな中赤星がファールフライをフェンスに登ってキャッチするスーパープレーをみせる。赤星の活躍でスリーアウトになり、後攻のニコガクが攻撃となる。相手のピッチャーは川上貞治。かつて中学校時代に安仁屋を圧倒した選手だ。川上はキレのあるフォークを武器に、ニコガク打線を連続三振で抑える。次は3番赤星。赤星はキャッチャーに声をかけて動揺させながら出塁。そして川上vs安仁屋となる。安仁屋は空振りするも、キャッチャーがミスをしたため振り逃げになるも走らず静止する。そのまま1回が終了。安仁屋は自分の甘えた行為に対して川藤に気合を入れ直して欲しいと頼み、裏で一発ずつ殴りあう。安仁屋はここから奮起し笹崎打線をおさえる。2回裏のニコガクの攻撃は新庄がセーフティバントで出塁し、若菜が繋げようとボールを打った時に人差し指を負傷する。新庄は三塁に出塁し、湯舟が外野へフライを打つ。新庄はホームへダッシュするもボールはキャッチャーのミットへ。ここで新庄はキャッチャーと接触。キャッチャーは吹っ飛ばされてボールを落とし1点を返す。3回に向かう前に、若菜が人差し指を骨折していたことが判明する。濱中は自分が代わりに出るかと提案するも若菜はキレる。濱中は練習に真面目に取り組んでない選手だった。若菜は濱中に対して「てめーがどれだけ甲子園に行きてーと思ってんだよ」と涙を浮かべて話す。怪我を隠したまま出場する若菜。若菜のプレーがおかしいことにニコガクナインは気づきながらも続けるが、若菜の投げたボールに血がついているところを見つけた新庄。若菜に黙っててほしいと言われるも「迷惑だ」といって交代が必要だと川藤に告げる。若菜は怒るも新庄は「そいつは俺たちニコガクのキズだ。だから退ってくれ」と話し甲子園を行こうといわれたことで若菜は涙を流しベンチに退く。赤星が代わりにキャッチャーとなる。若菜の無念を知ったニコガクナインはさらに団結して笹崎高校に挑んでいく。関川が三塁まで出塁し、赤星がバッター。スクイズを試みるもファールになった時に、笹崎のキャッチャーは関川がホームベースのところまできたスピードに驚愕する。赤星は次の球を空振るも、突っ込んでくる関川にキャッチャーはタッチを試みるも関川は横に飛んでキャッチャーを交わしながらホームベースを触る。ニコガクに追い詰められていく川上と笹崎高校の監督千葉。川上は昨年の甲子園のことを思い出しながら必死に投げ込む。千葉は笹崎高校の英雄で、絶対優勝を誓い監督になった。千葉は川上を中心にしてチームを作ろうとした。しかし川上には問題があった。川上は入部当初、自己流で練習をするといってチームメートには目も暮れず1人で練習をしていた。見下していたのだ。そんな中で甲子園までは抑えることができたが、甲子園では何点も取られる。抗体が必要な状況でも替えない千葉。千葉は川上に今の状況をわからせるために、何点取られても替えなかった。性格を改善させるためにこの試合を捨てることを選んだ千葉。3年生は千葉に抗議するも頭を下げる。川上はここで自分が間違っていたことを痛感して涙を流す。そのまま試合は敗れ夏は終わった。川上はその時の思いを胸に必死に投げる。それに応えるように別所が安仁屋から逆転のホームランを放つ。安仁が打たれ続けたため、投手を交代する。赤星が投手で捕手は御子柴になる。赤星は最初順調に投げるも、別所にホームランを打たれ突き放される。ニコガクナインは2点を追加されるも諦めずに笹崎に挑む。御子柴がフライを取ろうとして負傷退場し、関川は足に傷を負い怪我人が続く。それでも諦めない姿に笹崎応援一色だったスタンドの景色が変わり始める。8回の攻撃で1点を返すも笹崎高校の好プレーもあり、笹崎の1点リードで最終回に突入。9回笹崎高はミートのうまい代打森が登場。9回は安仁屋がマウンドに立つ。全く空振りをしない森。ここで安仁屋はボールが浮くほどのスピードボールを投げ三振を取る。その後川上がバッターとして立つも川上はスタミナ温存のためわざとバッドを振れといわれていたが、それを無視してボールを打ちに行こうとする。千葉の命令を無視した。川上と千葉の様子を見て納得いかない川藤は笹崎ベンチへ抗議しにいく。その後試合はニコガクの攻撃。2アウトになるも湯舟が催眠術にかかった状態で出塁し、代打で出た平塚が同点弾を打つ。延長戦も一進一退の攻防は続くも10回裏に2アウトランナー2塁で、安仁屋を迎える。敬遠と思われる中、千葉が川上に声を掛ける「勝負しろー、笹崎魂を見せてやれ」それに応えるように安仁屋を2ストライクまで追い込む川上。安仁屋は長年焼き付けてきた川上のフォークを打ち、サヨナラホームランで幕を閉じニコガクはベスト16に進出した。

目黒川高校編

笹崎高校に勝利するも、川藤は笹崎高校ベンチに抗議したことを高野連から厳重注意を受け、予選終了までベンチに入れなくなる。次に対戦する目黒川高校の試合を観戦した際に、目黒川高校OBと乱闘になって関川と安仁屋は負傷。川藤はメンバーを大きく入れ替え、変則オーダーを組み御子柴に託す。目黒川高校との試合が始まる。初回にいきなり新庄がホームランを打つ。先制したニコガクは赤星が投手でマウンドに立つ。安仁屋は怪我のためファーストにつく。目黒川高校は河野がホームランや後続も続き点差が開いていく。開いていく中でもなんとか1人で抑える赤星。外で試合のラジオを聞く川藤は、偶然見つけた球場の勤務医である小山に痛み止めを安仁屋に打ってほしいと頼む。説得に折れて小山は安仁屋に痛み止めを打つ。ニコガクナインは川藤が近くにいることと安仁屋の甲子園出場の覚悟を知り、再び奮起する。4-1で目黒川高校リードの中、ノーアウト満塁のチャンスを作る。打席は安仁屋。安仁屋は渾身の一振りで打つもライナーでダブルプレー。得点できずに9回を迎える。目黒川高校の攻撃はバッター河埜。ピッチャー安仁屋に交代。静まったムードで川藤がベンチに戻ってきた。活気づくニコガク、そして安仁屋は三振で抑える。川藤はベンチに入るために、交換条件として学校を去ることを決意してベンチに入った。9回は3本のヒットで出塁し2アウト満塁でバッターは御子柴。頭が真っ白になる御子柴は、ど真ん中を見逃しワンバウンドのボールを振ってしまう散々な2球。そんな時に川藤の言葉を思い出して、落ち着きを取り戻して3球目。御子柴がフルスイングして満塁ホームランを打つ。泣きながらホームベースに向かう御子柴。9回の目黒川高校の攻撃は、赤星が抑えてニコガクが勝利。優勝したかのように抱き合って喜ぶニコガクナイン。勝利するも自分の職責をかけてベンチに入った川藤は、その旨を選手に伝え二子玉川学園を去った。次の試合に挑んだニコガクだったが、コールド負けをした。安仁屋や赤星の負傷もあったが、川藤がいないこと一番大きかった。その度緊急審査会でニコガクは1年間の出場停止処分もありえたが、理事は反対する。次の甲子園も目指せることになったニコガク。3年生になったニコガクナインは新監督の元で、部員数も伸ばした。そして、ついに予選を突破して甲子園出場することになった。甲子園1回戦、ベンチの前で選手に声をかける監督。それは川藤だった。

『ROOKIES』の登場人物・キャラクター

二子玉川学園

川藤幸一(かわとうこういち)

演:佐藤隆太
ニコ玉川学園の新任教師。24歳で担当教科は国語。神田川高校の教師だったが、張本を殴り2階から転落させて重傷を負わせ辞職となる。二子玉川学園では小林との出会いをきっかけに野球部顧問になることを誓い勤めることになる。礼節を重んじる真面目な性格で、人を信じ向き合う。夢を持っている生徒を全力で応援するも、夢を馬鹿にする言動に対しては厳しい態度を示す一面がある。幼少期から格闘技に通じており空手二段の腕前。夢に向かう努力の大切さを不良生徒に教えて、感化させていく。ただし自分自身は練習相手高校の先生を殴ったり、相手高校のベンチに乗り込むなど直情すぎる面が災いをもたらしてトラブルを起こすことも。最終話では謹慎2ヶ月で許されたものの、一度学校を辞めてからもう一度採用試験を受けて再度二子玉川学園に就職し野球部顧問になった。モデル人物は川藤幸三選手である。名前の由来は川藤幸三選手と田淵幸一選手。

安仁屋恵壹(あにやけいいち)

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