アンという名の少女(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『アンという名の少女』は、カナダのCBCとNetflix共同製作の、ルーシー・モード・モンゴメリの小説『赤毛のアン』を基としたドラマシリーズである。シーズン1から3までの全27話。2017年~2018年にシーズン1、2が、シーズン3が2019年~2020年にかけてカナダCBC放映・Netflix配信された。NHKでも2020年9月からシーズン1が全8話構成で地上波放送され話題を呼ぶ。小説『赤毛のアン』は何度も映像化されて多くのファンを魅了してきたが、ついに「新生・赤毛のアン」が誕生した。

『アンという名の少女』の概要

アメリカ映画『人生はビギナーズ』を制作したノースウッド・エンターテインメントとNetflixの共同製作。製作責任者であるモイラ・ウォリー=ベケットは、『フレッシュ・アンド・ボーン』『ブレイキング・バッド』で知られる脚本家。「アンという名の少女」に現代的な要素を盛り込み、アンの感情を深く掘り下げることで、新しい「アン」に命を吹き込んだ。1890年に設定された今シリーズは、恵まれない境遇を過ごしてきた孤児であるアンが、未婚の年配者の兄妹に誤って引き取られたことで、彼女の高い知性と類いまれない好奇心と行動力で周囲を圧倒し、人々の生き方さえも左右するほどの強い影響力を発揮する物語である。舞台設定・衣装などのリアリティーあふれる映像美は、視聴者に1890年代にタイムスリップしたかのような錯覚を与えた。また、1,800名以上の候補者の中から選ばれた、アイルランド系カナダ人のエイミーベス・マクナルティがアンを演じ、まるでアンがそこにいるかのような素晴らしい演技力は高く評価された。主要キャストである、マシュー・カスバートにカナダ人俳優ロバート・ホームス・トムソン、マリラ・カスバートには、イギリス人女優のジェラルディン・ジェームズが選ばれた。

『アンという名の少女』のあらすじ・ストーリー

シーズン1

第1話 "運命は自分で決める" "Your Will Shall Decide Your Destiny"

孤児院から付き添ってくれているスペンサー夫人と

プリンスエドワード島・アヴォンリー。グリーンゲイブルズに長年住む独身のカスバート兄妹・マシューとマリラは、ノヴァスコシアの孤児院から農場の手伝いをする男の子を養子に迎えることになっていた。老いからくる衰えに加え、心臓の悪いマシューの負担を軽くするためである。孤児院から子どもを引き取る決心をしたと言ってもマリラの心配は尽きない。自分たちの希望どおりの従順な男の子を期待しているが、不愛想な子や怠け者だったら一緒には暮らせないだろうと危惧していたが、マシューを手伝ってくれるのなら他人を雇うよりは、養子を迎えた方がましだと納得していた。
6月のある朝、その子を迎えにブライト・リバー駅へと出発するマシューをマリラが急き立てていた。この期に及んで養子を迎えることを躊躇するかのようなマシューの様子に気づいていたのだ。そのころアンはアヴォンリーへ連れていってくれるスペンサー夫人と汽車の中にいた。これから自分を養子として引き取ってくれる予定のカスバート兄妹のことをスペンサー夫人から聞き出そうとするが、スペンサー夫人からは彼らの私生活に立ち入りすぎだとたしなめられる。アンの心の中では養子になる喜びと、抑えようのない不安が渦を巻いていたのである。

グリーンゲイブルズからの迎えを待つアン

ブライト・リバー駅に着いたアンはスペンサー夫人と別れ、駅のベンチで迎えを待っていた。ようやくブライト・リバー駅に到着したマシューはそこに待っているはずの男の子の姿をさがすが見当たらない。不審に思い駅長に尋ねると、男の子はいないがスペンサー夫人が置いていった女の子なら外にいるという。
ベンチに座っている女の子が「アン・シャーリーです」と自己紹介を始めた時点で、マシューはなにかとんでもない間違いが起こったことを察したが、仕方なく2人で馬車に乗り込む。アンは全財産を入れた、すぐに口が開いてしまう古びたバッグを大事そうに抱えている。アンは自分が間違えてアヴォンリーに来たことをまだ知らない。

マシューに自分を売り込むアン

グリーンゲイブルズに向かう途中で見る景色のすばらしさに感動し、いかに自分が幸運だったかを実感しているようで、ことの成り行きに当惑するマシューの横で、この日をどんなに待ちわびたかを強調する。初めて家族ができることの喜び、2人の言いつけを守り、行儀よくして家の中を明るくするとけなげに請け負うアン。
想像力豊かな子どもが家族に加わればきっと楽しくなると熱意を込めて語るアンのおしゃべりにマシューはとまどうが、予期しない自分の心の動きにも気づく。彼はアンのおしゃべりのおもしろさをうすうす感じ取ってはいたが、この間違いをマリラが知った時の反応の方が心のなかに重くのしかかっていた。

隣人のレイチェルがグリーンゲイブルズの異変を嗅ぎつけて押し掛けてきた

グリーンゲイブルズでは隣人のレイチェル・リンド夫人とマリラがお茶を飲んでいた。噂の種に飛びつく性質のレイチェルは先刻、マシューがスーツを着て馬車で出かける所を目撃して何かがあると確信。いそいでマリラの家に駆け付けたのであった。「仕事を放って昼間から出かけるなんて、医者でも呼ぶのかと気になった」と誘い水を向けるレイチェルにマリラは、ノヴァスコシアの孤児院から男の子を養子に迎える話を聞かせる。
驚いたレイチェルは、正気の沙汰ではないと猛反対。孤児を養子にしたある夫婦が夜中に火をつけられたとか、孤児の女の子が井戸に毒を入れて、一家全員苦しんで死んだ事件を持ち出すが、マリラはうちが引き取るのは女の子じゃないと反論する。そんなことも知らないアンは馬車の上で、寡黙なマシュー相手におしゃべりに夢中。自分は今完璧に幸せだと言えない理由を明かす。長年彼女の悩みとなっている赤毛は一生の悲しみだと嘆く。そして、ここに来る前に働いていたハモンドさんの家で子守をしていたことを何気なく話す。その家には8人の子どもがいた。子だくさんの親はいらついて、アンに八つ当たりをしていたこともあったようだ。

男の子がやってくると思い込んでいたマリラはアンを見て驚く

ついにグリーンゲイブルズに到着。気分の高揚感に包まれたアンにマリラの厳しい一言が放たれた。
「兄さん、その子は誰?男の子はどこ?」それに対し、「駅にはこの子しかいなかった」としどろもどろで言い訳するマシュー。この思いがけない展開に、「違うのね。気づけばよかった。私を欲しがるはずない」と地面に座り込むアン。周囲に重苦しい空気が流れる。
気を取り直したマリラは、ただの手違いだからすぐに孤児院に返しはしないと諭し、アンに名前を尋ねる。「コーデリア。ペネロペでも。悲劇的な響きだから」と答えるアンに、マリラは本当の名前を言うように促す。「私はアンです。ただのアン。つづりの最後に”E”をつけて。そのほうが立派だから」と答える。マシューが馬車を片付けるためにそこを離れると、マリラがアンに今回の件の説明を始める。農場の手伝いのためにスペンサー夫人に男の子を頼んだのだと。

自分は望まれていなかったと分かり泣きそうになる

それを聞いたアンは、女の子である自分にも農場の手伝いはできると力説し、自分をここに置くことを懇願する。夕食にも手がつけられず、2階の自分用の部屋で泣きながら眠りにつく。台所ではマシューとマリラがアンの処遇について議論している。マシューはアンがここにいたがっていると訴えるが、厳格なマリラはおしゃべりで落ち着きのないアンに不安を隠さず、明日孤児院に返すと言い張る。翌朝、自分の部屋の窓から桜を見たアンは少しだけ明るい気持ちを取り戻し、朝食の席に着く。マシューが収穫期にフランス人を雇うことを決めたとマリラに報告する。それはアンをグリーンゲイブルズに残せると思ったからだったが、マリラに一蹴される。
スペンサー夫人の家を訪問するまでの馬車の上でアンはマリラに身の上話を打ち明ける。アンの両親の名前はウォルターとバーサ。アンが生後3ヵ月の時に熱病で亡くなったこと。それ以後、子どもの世話をするために他人の家に預けられて育ったことを告げる。マリラがスペンサー夫人に手違いだったので、アンを孤児院に送り返せるかと聞くとスペンサー夫人は近所のブルエット夫人の家の子守りの話を持ち出す。アンを助ける気遣いからの提案のようだ。3人でブルエット夫人の家に行くと不機嫌そうな顔で出迎えられ、こき使うことを前提にした了解の言葉が発せられる。その様子に不快感を隠せないマリラがアンを自分の家に引き取る意志を表明して、アンとそこを立ち去る。帰りの馬車ではマリラが考え事に集中したいからアンには口を閉じているように命じる。グリーンゲイブルズに帰り着き、アンを連れたマリラにマシューは驚きながらも喜びを隠そうとしている。マリラはアンを試しに1週間グリーンゲイブルズに置き、役立つかどうかを見定めると決めた。

レイチェルからいきなり自分の欠点を指摘され戸惑う

翌朝、またもやレイチェルがやって来て、アンを孤児院に返さないことに不満を漏らす。そこへ手に聖書を持った下着姿のアンがやってきてレイチェルに紹介される。すると、レイチェルからまさかの発言が飛び出す。やせっぽちで不器量、骨と皮、そばかす顔にニンジンみたいな赤毛という、アンにとっては致命的なののしりとも取れる言葉に激高したアンは「絶対に許さない!逆の立場だったら?あなたは太っていて、不器量で想像力のない人と言われたら私を怒っても構わない。傷つけばいいわ。あなたの言葉に私は深く傷ついた。一生許しません。絶対に!」と怒り狂い、外に飛び出していった。

初対面のアンの容姿をけなしたレイチェルは、マリラにアンを養子にするのは止めるように忠告する。

当然レイチェルも激怒。アンを孤児院に送り返すようにとマリラに提言。しかし、レイチェルの心ない言葉にアンをかばう気持ちが湧いたマリラはレイチェルに言い過ぎだったと言い返すが、レイチェルはアンを枝のムチで言い聞かせ、追い出すようにと言い捨てる。怒りを抑えきれず野原を全力で走り、断崖に立つアン。マシューとマリラが心配しているとアンが戻ってきた。
マシューは自分の上着をアンに着せてやる。マリラからレイチェルに謝る気になるまで部屋からでないようにと厳命されたアンは、憤慨して2階の自分の部屋に駆け上がる。夜、マリラが寝室に引き上げてからマシューはこっそりとアンの部屋を訪ねると、アンは窓辺に座っている。マシューはアンに、いつかは謝らなきゃならないのだから、思い切ってレイチェルに謝ってみてはと提案する。「アンが下に降りてこないと寂しいし、静かだと落ち着かん」と励ますのを聞いたアンは、2人のために謝ることを決心する。

レイチェルに昨日の失礼を謝るアン

翌日マリラとレイチェルを訪ねたアンは感情を込めて謝罪し、受け入れられた。グリーンゲイブルズに帰ってみると、納屋でフランス人の男の子ジェリーが藁を積み上げているのを見てひどく驚くアン。マリラにまだお試し期間中ではないのかと聞くと、マリラはどっちにしても農場の仕事はあるからと返事をする。不安に駆られたアンがジェリーに近づき、「いつまでいるの?」と率直に尋ねる。収穫中だけだと弁解するジェリーに、自分の邪魔はしないようにと釘を刺す。アンが柵を直しているマシューと話していると、隣人のウィリアム・バリー氏が馬でやってきて、マリラとアンを翌日の午後のお茶に招待してくれた。アンが自分の娘のダイアナと釣り合うかを見定めるそうだ。

隣家のダイアナの家に招待されたマリラとアン

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