ホリミヤ(堀さんと宮村くん)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホリミヤ』とは、漫画家・イラストレーターのHEROによる漫画『堀さんと宮村くん』を基に、漫画家の萩原ダイスケが描いた青春漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。とある「秘密」を抱えた堀さんと宮村くんを中心に、その周囲の人々の変化や交流を描く。キャラクター達によるユニークな掛け合いや爽やかなテイストの中に混ざった切ない展開などが多くの反響を呼び、2021年にアニメ化に加え、ドラマ・映画化までもが行われることとなった。

『ホリミヤ』の概要

『ホリミヤ』とは、萩原ダイスケが『月刊Gファンタジー』で連載を行った青春漫画、およびそれを原作としたアニメ作品のことである。漫画家・イラストレーターであるHEROが、個人サイト「読解アヘン」にて掲載していたWeb漫画『堀さんと宮村くん』が基となっており、そちらの作画と構成をリメイクする形で制作された作品となっている。なお『堀さんと宮村くん』の本編自体は完結している。その続編として、本編から数年後を舞台とした『おまけ』編が、同サイトにて不定期連載で掲載され続けている。2008年には『堀さんと宮村くん』の本編に、描き下ろしを加えた単行本がスクウェア・エニックスから出版され、『おまけ』の方も自選集『堀さんと宮村くん おまけ』として刊行が行われた。
『ホリミヤ』連載開始1年後の2012年には、メディアミックスとしてOVA『堀さんと宮村くん』が発売。その後もコミックスと共に定期的にOVAの発売も行われるようになる。連載開始から10年が経った2021年には累計発行部数が600万部を突破するまでの人気作となり、同年、満を持してのアニメ化、および実写ドラマ・映画の展開が行われることとなった。なお、アニメのキャストはOVAとは異なっており、全キャラ新たなキャストメンバーに変更されている。
「堀さん」こと女子高生の「堀京子」と、「宮村くん」こと男子高生の「宮村伊澄」は、お互いに決して周囲には言えない秘密を抱えていた。ある日、ひょんなことから互いの秘密を知ってしまった彼らは、それをきっかに次第に友人として交流を始めるようになる。日に日に縮まる2人の距離。それは2人の「人」として成長や変化をつれてくると共に、次第に「友人」と称するには複雑な感情のいりまじるものへと姿を変えていくようになる。そんな2人の日常とその周囲の人々の変化や交流を描く、爽やかで時には仄かに切ない、青春漫画。
なお原作者HEROいわく「色々な友情・恋愛の形が許せる方推奨」の作品とのこと。そのテイストは無論『ホリミヤ』にも受け継がれている。一般的に認知されている形だけではなく、様々な価値観の「友情」「恋愛」が詰め込まれていることもこの作品の魅力の1つといえる。

『ホリミヤ』のあらすじ・ストーリー

堀と宮村の出会い

学校から帰宅してからの主人公、堀京子の姿

クラスで人気者の女子高生、堀京子。普段は明るく派手やかな見目のギャルなのだが、実は彼女には周囲には見せていない「顔」が存在していた。それが弟の世話や家事に勤しむ、プライベートでの姿だ。共働きの両親を持つ彼女は、仕事で忙しい彼らの代わりに家事全般を肩代わりしていた。その為、家では化粧のけの字やギャルのギの字もない姿で過ごしていた。
そんなある日、外で転んだ創太が見知らぬ男を引きつれて帰ってくる。

外から鼻血を出して帰宅してきた弟の創太(右ページ真ん中のコマ)と、創太を心配してついてきたらしい見知らぬ男(左ページ1コマめ)

どうやら男の方は、転んで鼻血を出した創太を心配して家までつれてきてくれたようだ。お礼をする為、彼を家にあげる堀。しかし彼がさらりと「堀さん」と堀のことを呼んだことから、事態は一変する。自己紹介などしていなかったはずなのに名前を呼ばれたことに驚く堀。そんな彼女に彼は自分が同じクラスの宮村伊澄であることを告げてくる。学校で見る暗くて地味な姿とはまるっきり違う宮村の姿に驚く堀。しかし創太が宮村に懐いたことから、この日以来、宮村は堀家に遊びにくるようになる。

共に過ごす中で、どんどん宮村のこと知っていく堀。

他人には決して見せられない「秘密」の時間を共有するようになる堀と宮村。そうしていく内に堀は、宮村のことを色々知っていくようになる。地味な姿とは裏腹に、実はピアスが9つも空いていること、家がケーキ屋なこと、あまり成績はよくないこと、実はよく笑うこと。
これまで抱いていた宮村への印象が、勝手な自分の思い込みだったことを自覚する堀。同時に、彼の「こういう姿」を知る人物はあまりいないのではないか、と考えるようにもなる。
そんなある日、突然の委員会が入ったことで、堀が夕方のタイムセールに行けなくなる事件が発生する。

タイムセールにいけない堀の代わりにセールへ向かう宮村と、彼と遭遇した吉川ユキ(右ページ、4コマめ)

堀の代わりにタイムセールに向かうことになった宮村は、その行きの最中に堀の友人の吉川ユキと遭遇。プライベート時の姿を見られてしまう。その場から宮村が走り去ったことで深い追求がされることはなかったが、その出来事を知った堀は、自分以外に宮村の「こういう姿」を見られたことに嫌な気持ちになる。思わず「私以外の人に宮村のそういう格好とか見てほしくないな」と呟く。
すぐに「なんでもない」とごまかすが、宮村の方は真剣に堀の言葉を受け取る。そうして自分も堀の「そういう格好」をしているところを見られるのは嫌だなと思う、ということを伝えてくる。「この時間は俺だけのものだ──って思うし」とまっすぐに言葉を続けてくる宮村に恥ずかしくなる堀。「なんでこうこっ恥ずかしいこと平気で言えるのよ」と赤面しながらも、他人には見せられない「秘密」の時間を宮村と創太と共に過ごすのだった。

広がる宮村の交流関係と宮村が見せた驚きの一面

堀と「秘密」の時間を共有するようになった宮村。すると彼の交友関係に次第に変化が生まれ始める。
学校でも堀と話すようになったことから堀のことを気にかけている男子生徒、石川透と知り合ったり、彼の友人である井浦秀とも会話をするようになったり、さら修学旅行で同じ班になったことから吉川とも話をするようになる。
次第に知り合いが増えていく宮村。そんななか、ある事件が起こる。

生徒会の仕事を手伝うことになった旨を宮村に話す堀。

人手不足な生徒会の仕事を手伝うことになった堀。勉強と家事と生徒会の手伝いで毎日激しい疲労がたまっていく。それでも「やるからにはきちっとやる」という信念のもと、仕事を手伝い続ける。しかしある日、堀に頼んだ筈の書類が足りないという事件が起きる。「全部渡した」と主張する堀。生徒会役員である綾崎レミに渡したはずだと訴えるが、レミは知らないという。
生徒会長でありレミの恋人でもある仙石翔は、レミの言葉を信じており堀の話に聞く耳を持たない。「本当に渡したの?」と堀を問い詰めてくる。正直なところ疲れのせいで当時のことをよく覚えていなかった堀は、仙石の言葉に窮してしまう。
廊下で言い争っていたせいで、次第に周囲にでき始める人だかり。石川と吉川もその中にまじって堀の様子をハラハラと見守っていた。するとそこへ宮村が通りかかる。石川達から現状を教えてもらった宮村は、堀と生徒会の間にわって入ると、突然仙石へ頭突きをくらわせる。

仙石(1コマめ左)に頭突きをくらわす宮村(1コマめ右)と、驚く周囲

突然のことに誰もが驚き混乱するなか、宮村は生徒会のメンバーに「探し物ってコレ?」と、彼らが探していた書類を差し出す。どうして宮村が持っているのかと驚く生徒会メンバー。実はこの前日、宮村は廊下でレミとぶつかっていた。その時、レミが落とした大量の書類の中に、彼らの探していた書類があった。宮村は落ちたそれを拾うも、レミに「それは乱丁のだからいらない」「捨てといて」と言われてしまう。
その事実を知った仙石と生徒会書紀の河野桜はレミの方へ振り返る。周囲の視線を受け、同時に宮村との出来事を思い出したレミは、泣きながら「ごめんなさぁあいっ」と謝るのだった。
なんとか誤解が溶け、ホッとする堀と喜ぶ吉川。でも誤解を解くだけなら何も頭突きまでする必要はなかったのではないか、と疑問に思った石川は、宮村にその理由を尋ねる。すると「なんとなくムカついたから」と予想外の返答がされる。宮村の意外と暴力的な一面に周囲はドン引くのだった。

宮村の抱える不安と中学時代の話

生徒会との事件以降、生徒会メンバーとも関わりをもつようになる宮村。どんどんと周囲との交流が増えていく中で、宮村は「自分はこの輪の中で俺はちゃんと出来ているのだろうか」という不安を感じるようになる。

和気あいあいとした空気の中で、1人不安を感じる宮村。

その理由は、宮村自身に関わる問題だった。
昔から宮村は人の輪の中に入るのが得意ではない子供だった。周囲はそんな宮村を「暗い」「変」「何を考えているかわからない」と評価してきた。そんな周囲の評価は少しずつ宮村の中に暗い影を落としていく。その結果中学時には、ストレスのはけ口にするかのように、ピンを使って無理やりピアスの穴を開け始めるようになる。高校になった頃には、周囲からの視線や1人で居ることに慣れるまでになっていた。
しかしそんな1人の世界に堀がやってきたことで、宮村の周りは大きく変わることになる。

自分に話しかけてくれる堀や友人達を思い出す宮村。

堀がやってきたことで変わった世界は、今までにない心地の良い時間を宮村に与えていく。しかしだからこそ逆に漠然とした不安が募ってしまった。もしまた昔のように「変」や「暗い」と言われたら、という恐怖が宮村の中には残っていた。しかしそんな宮村の思考とは真逆に、進級してクラスが変わっても宮村を訪ねてやってくる井浦や、授業でグループを組めと指定されれば当然のように一緒に組もうとする堀達に、次第に宮村の不安は紐解けていくようになる。
そんな宮村だが、実は彼に中学時代には一応友人というものが居た。名前は進藤晃一。宮村の中学時代のクラスメイトだった。

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