魔女見習いをさがして(おジャ魔女どれみ)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔女見習いを探して』は1999年に放送開始した、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズの20周年を記念して制作された映画。本作は、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』を視聴して成長した3人を主人公としているため、小学生・春風どれみを主人公としたアニメシリーズとは異なる完全新作映画である。大学4年生で進路に悩む長瀬ソラ、仕事が思うようにいかず苦しむ会社員の吉月ミレ、夢のために奮闘するフリーターの川谷レイカ。3人が偶然にも『おジャ魔女どれみ』という共通点で繋がり、ゆかりの地を巡る旅に出かける。

『魔女見習いを探して』の概要

『魔女見習いを探して』とは、1999年に放送開始した東映アニメーション制作のテレビアニメ『おジャ魔女どれみ』20周年を記念して作られた映画である。最高視聴率13.9%を記録した『おジャ魔女どれみ』シリーズの主人公は春風どれみであり、第1シリーズの『おジャ魔女どれみ』では小学3年生として描かれている。全6シリーズの中で一人前の魔女を目指す魔女見習いとして、藤原はづきや妹尾あいこ等の仲間とともに成長し、小学校から高校までそれぞれの道を歩んでいく。劇場版である本作の『魔女見習いを探して』では主人公をアニメシリーズを視聴していた10代後半から20代の3人としており、『おジャ魔女どれみ』をテレビアニメとした世界観で描かれている。アニメシリーズの制作陣が再結集し、主人公である3人のような子供の時に『おジャ魔女どれみ』をみていた大人をメインターゲットにしたことで主人公が設定された。
進路に悩む名古屋の大学4年生の長瀬ソラ(以降ソラとする)、帰国子女という立場から思うように働くことができず苦しむ会社員の吉月ミレ(以降ミレとする)、ダメ彼氏との関係を切れず夢を追いかけるフリーターの川谷レイカ(以降レイカとする)。住んでいる場所も年齢も異なる彼女たちが偶然にも、『おジャ魔女どれみ』という共通点で繋がり、ゆかりの地を巡る旅に出ることになる。その中で見えてくるそれぞれの悩みと、友情や成長を随所に『おジャ魔女どれみ』を彷彿とさせるセリフや演出を交えて描いた作品である。

『魔女見習いを探して』のあらすじ・ストーリー

鎌倉での出会い

左から長瀬ソラ、吉月ミレ、川谷レイカ

名古屋の大学で教育について学ぶソラは4年生になって、教師の道に進むかどうか悩んでいた。教育実習先の小学校で、作文を書く時間に一生懸命絵を描く男子児童へうまく対応することができず、担任の先生に「全体を見るように」と言われたことで自信を無くしていた。そんな時、大好きだった『おジャ魔女どれみ』に登場するMAHO堂のモデルになった洋館を見るために鎌倉へと向かう。

憧れのMAHO堂を前に写真を撮るソラは、もしかして中にも入れるのかと洋館へ近づく。しかし、扉の前には若い女性の先客がいた。ソラが彼女と話していると、後ろからさらに1人見知らぬ女性が洋館の鍵を持って現れた。そこで、3人ともMAHO堂を見るために鎌倉に来たことや、『おジャ魔女どれみ』を観ていたことで意気投合する。

その夜、居酒屋で『おジャ魔女どれみ』の話で盛り上がる中、それぞれが人生に悩んでいることを知る。先客として扉の前にいたレイカは、広島県の尾道出身の19歳。お好み焼き屋でアルバイトをしながら絵画修復士になるための通学費用を稼ぐが、働かないダメ彼氏に振り回させている。洋館の鍵を持って現れたミレは、東京で働く会社員。帰国子女であることから社内で異物として扱われ、仕事が思うようにいかず悩んでいた時、気晴らしに鎌倉のMAHO堂へやって来た。話の中でレイカがおもむろに取り出したのは、青い魔法玉。それを見たソラとミレもそれぞれピンクとオレンジの魔法玉を取り出した。出会いに運命を感じた3人は『おジャ魔女どれみ』のゆかりの地である飛騨高山・京都・奈良への旅行を計画する。

飛騨高山への旅と魔法

高山祭屋台会館でのシーン。左から川谷レイカ、長瀬ソラ、吉月ミレ。

連絡先を鎌倉で交換した3人は、『おジャ魔女どれみ』でどれみたちがどれみの祖父を訪ねた飛騨高山への旅行に出発する。現地では高山祭屋台会館を見学したり、白川郷の合掌造り集落を眺め、民宿に泊まり、美味しい料理を食べて温泉に浸かる。心も体もほぐれて、3人はより深い胸の内を吐露していくようになる。ソラは実習先で出会った少年のことが忘れられず、もう1度彼に会って話してみたいということ。ミレは会社で本当にやってみたい仕事や自分だからできる仕事をすることができないと考え、辞めて別の道を探そうとしていること。レイカは小さい頃に家を出た、絵画修復士を目指すきっかけとなった父親にもう一度会いたいということ。

出典: mantan-web.jp

白川郷の民宿での夕食シーン。左から吉月ミレ、長瀬ソラ、川谷レイカ。

次の日、飛騨山王宮日枝神社に向かった際、ミレの「魔法を信じてみない?」という提案にレイカは乗ってみることにした。ふざけて唱えた魔法の言葉に、笑いながら境内を出た3人に男の子がぶつかった。その時、レイカは握っていた魔法玉を落としてしまう。道を転がる魔法玉を追いかけて、辿り着いたのは病院だった。そこでレイカは、新しい家族と談笑する父親を見つける。名前や面影も昔の父親そのままであった。しかし、父親に自分のことを覚えているか聞くと、父親は少し驚いた後間を開けて、知らないと答えた。レイカは病室を勢いよく飛び出し、追いかけてきたミレに向かって「ミレさんが魔法を信じてみよう言うけぇ」と泣きながら訴えた。その後、レイカは尾道に1人足早に帰ってしまい、罪悪感の残るミレはソラに助けを求める。

仲直りの魔法

レイカに彼氏が金をもらうシーン。左から彼氏(久保聖也)、川谷レイカ。

ソラはミレの「どれみちゃんたちはどうやって仲直りしてたっけ。」と言う発言に、「うちにありますよ。ブルーレイ。」と『おジャ魔女どれみ』の喧嘩と仲直りの回を観せる。本人にちゃんと謝りたいと考えたミレは、夜行バスに乗ってレイカの住む尾道に向かった。

到着早々、レイカの働くお好み焼き屋をあちこち探し出す。そして、やっと見つけたお好み焼き屋のおばちゃんから、レイカの住むアパートの場所を教えてもらう。わざわざ自分の住むアパートまで謝りに来てくれたミレを、快く迎えるレイカはもう怒ってはいないようだった。ミレは謝罪をした後、レイカの部屋にある1枚の絵画について話を聞いた。その絵は父親が昔レイカに描いてくれた絵で、その絵を当時のように蘇らせるためにレイカは絵画修復士を目指していたのだった。しかし、その話を聞いてすぐにレイカにつきまとうダメ彼氏と鉢合わせしてしまう。自分は働かず、レイカに金をせびりに来たその男にレミは激怒した。女を舐めるなと一喝した後、流れるように一本背負いを決め、レイカに自分と一緒に東京へ行こうと誘う。上京を決心したレイカは、ミレの家に居候する形で新しい生活をスタートした。

京都・奈良への旅と勇気

出典: spice.eplus.jp

新幹線での大宮竜一(画像左下)との出会いのシーン。左から大宮竜一、長瀬ソラ、川谷レイカ、吉月ミレ。

無事に仲直りをしたミレとレイカはソラに報告し、3人でどれみたちが修学旅行で訪れた京都・奈良の旅行に行く計画を立てる。当日、新幹線に乗り込んだ3人は4人席に座り、賑やかに話をしていた。そこへ残り1つの席に、予約をしていた大宮竜一(以降大宮とする)がやってくる。席を向き合うままにすることを快諾してくれた大宮に、余ったビールをお裾分けして話をすると、大宮も『おジャ魔女どれみ』を観ていたことがわかった。3人と意気投合した大宮が京都・奈良観光の案内人を買って出たため、ここから行動を共にすることになる。

出典: spice.eplus.jp

ソラが告白前、魔法玉を握って呪文を唱えるシーン。

清水寺や奈良公園を巡るうちに、少しずつ大宮に惹かれていくソラは告白することを決心する。魔法玉を握りしめて、呪文を唱える。嵐山の渡月橋の橋下で、大宮に付き合ってほしいと告白したソラに大宮は、「俺はソラさんが思っているような人間じゃないんです。」と答える。大宮は昔、SNSで炎上したことをソラに打ち明けた。人と長く上手に付き合うことができないと俯く大宮に、ソラは「それでも一緒にいたいと思う人をみつけられますよ。」と励ましの言葉をかける。その夜、居酒屋でソラはミレとレイカに教師の両親を持ったことから、なんの疑いもなくその道を目指したことを話した。そして、今日の告白で自分で何かを決めて初めて行動することができたが、それでも残る悔しい思いを2人に漏らした。ソラを振った大宮を許さないと怒る2人を宥めるソラはもう笑っており、楽しい夜は更けていった。

どれみちゃんの魔法

3人でマジカルステージを行うシーン。左から吉月ミレ、川谷レイカ、長瀬ソラ。

居酒屋からの帰り道に公園を通った3人は、芝生に寝転んで空を見上げていた。『おジャ魔女どれみ』によって繋がった3人は互いが背中を押し、勇気を出して自分自身で新しい1歩を踏み出すことができた。それぞれが魔法玉を取り出し、「どれみちゃんにお礼が言いたい」と呪文を唱える。すると、突然聞き慣れたどれみの声で「そんなところに入っちゃいけないんだよ」と叱られた。驚く3人だが、それは近くを通った親子の女の子の声で、どれみではなかった。「そういえば、結局どれみちゃんって魔女にならなかったんだよね」とミレが言うと、どれみが魔法を使わずに問題を解決していくことにソラは、それはもともとどれみがもっていた魔法なのではないかと答えた。

旅を終えた道の先

出典: spice.eplus.jp

MAHO堂の中で雑貨を作るドレミたち。
左から藤原はづき、妹尾あいこ、飛鳥ももこ、瀬川おんぷ、春風ぽっぷ、手前が春風どれみ。

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