らせん(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『らせん』とは1998年に公開された日本のホラー映画。原作は鈴木光司の同名小説。前作にあたる『リング』の続編として同時上映された作品である。監督と脚本は1995年の単発ドラマ版『リング』の脚本を担当した飯田譲治。「呪いのビデオ」に科学的視点からその謎に迫る。前作のオカルトホラーから雰囲気を変え、原作を忠実に再現したSFサスペンス要素の強い作品になっている。解剖室に送られてきたかつての友人高山竜司の遺体。残された暗号。安藤は第一発見者高野舞とともにその謎に挑む。

『らせん』の用語

呪いのビデオ

テープには貞子の念写で移された映像が映し出される。

前作に引き続き出てくるキーアイテム。貞子が怨念を念写したテープであり、これを観ると呪いにより一週間後に死ぬとされている。『リング』では観た後電話が鳴るが本作でそのシーンは見られなかった。

手帳「リング」

浅川玲子が残した「呪いのビデオ」を巡る事件の取材手帳。『らせん』では、ビデオ同様にウィルスに感染する危険があるとされている。

天然痘(てんねんとう)

紀元前より伝染力が非常に強く死に至る疫病として恐れられていたが、根絶に成功していて現代では存在しないウィルスである。「呪いのビデオ」及び、手帳「リング」から感染する本作の新種のウィルス(原作ではリングウィルス)が天然痘ウィルスに酷似していた。

『らせん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

高山「安息が訪れるのはずっと先なんだよ」

ラストシーンで高山が安藤に言ったセリフ。高山も安藤と同じく貞子の呪いにより息子・陽一を亡くしていた。貞子により孝則を復活させてもらった安藤は「おまえも生き返らせたいだろ」と問いかける。だが、高山は「残酷だから引き戻したくない。安息が訪れるのはずっと先なんだよ」と答えた。そして貞子とともにこの世に恐怖を広めるのだった。この作品で一番絶望を感じさせるセリフである。そのうえで孝則との再会を喜んでいる安藤の姿が印象づく。

内臓を取り除かれた高山が起き上がり安藤に話しかける

突然目を開ける高山の死体。

最も衝撃的なシーン。司法解剖で内臓をすべて取り除かれた高山が恐怖に凍り付く安藤の目の前で上半身を起こし、自身の体を見て安藤に「自分の手首も切れないくせによく人の体にこんなことできるよなぁ」と言う。安藤の幻覚だったが背中の皺の寄り方や、ぎこちない高山の動きが生々しく描かれている。『らせん』が度々グロ映画と呼ばれるのはこのシーンのためである。

貞子(舞)とのラブシーン

ビデオを観た直後貞子に襲われる幻覚をみる安藤。

性交の際顎を舐めると言う行為は貞子の癖である。失踪後姿を現した舞が同じ行動をとったのは貞子に肉体を乗っ取られていた証拠であった。ほかのシリーズにはない貞子の妖艶淫靡な悪女としての姿が印象的なシーンである。

高山が舞に送った封書の中身

二人の姿と絵を見比べる舞。

物語中盤で高山から舞へ封書が送られてきた。中には何かの論文と一枚のスケッチだった。安藤と別れた後、舞は遠くから彼と息子が手を繋いで歩いている姿が絵と同じことに気づき、そのまま捨て去った。高山は最初から何もかも知っていたという可能性がこのシーンに思わされる。

『らせん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

二匹目のどじょうではない

作者・鈴木光司は「前作がそこそこ評価を得たのに気をよくし、二匹目のどじょうを狙って続編を書いたのではない。企画自体は『リング』が出版される以前からあり、シノプシスの段階で企画会議が通ってしまったのだ。」(単行本あとがき)などと述懐し、作品間の連続性に力点を置いている。

出典: ja.wikipedia.org

上記で作者が言うように世間ではめっきりリングの人気の影に隠れてしまっていた『らせん』だが、原作的にはリングシリーズは一貫して最初から構成ができていたため決して「売れたから作った」のではないと念を押しているのである。

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