こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』とは、秋本治による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』において1976年から2016年まで連載され、その後実写やアニメ、ゲームなどに展開されている。「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されている。東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉を主人公とし、その周辺の人物が繰り広げるギャグ漫画。連載期間40年間で、一度も休載することなく連載され、2016年6月時点で累計発行部数は1億5650万部を記録している。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の概要

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とは、『週刊少年ジャンプ』において1976年から2016年まで連載されたマンガで、その後実写やアニメ、ゲームなど、数多くのメディアに展開されている。全200巻で「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されている。ストーリーは、東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉を主人公とし、その同僚や周辺の人物が繰り広げるギャグ漫画。劇画に近い比較的リアルな絵柄を用いたギャグ漫画として先駆的な作品で、基本的に一話完結だが、複数話に跨ぐことも時々ある。

連載初期は、警察官として型破りな両津と、その仲間たちの仕事風景が話の中心だったが、次第に原作者の秋本治の趣味や主張、思想などが大きく前面に押し出されていき、うんちくの多いマニアックな話や流行・時事問題を皮肉るような話、人情的な感動話に加えギャグが一切ないシリアスなエピソードも描かれるようになった。連載が軌道に乗った中期以降も、世間の流行やサブカルチャーを積極的に題材として取り入れ、緻密な取材とそれを活用する構成力、背景にまで細やかに気遣う丹念さ、機知に富む台詞回しや実験的なアイディアを特徴とした。

1976年6月20日発売の『週刊少年ジャンプ』29号に、読み切り作品として掲載された後、1976年の42号から2016年42号まで一度の休載もなく連載された。これは『週刊少年ジャンプ』の歴代連載作品の中で最長の連載記録であり、少年誌の最長連載記録である。ジャンプ黄金期と言われる1980年代において数多くのヒット作が連載される中、人気が最上位になることはないが、打ち切りが検討されることもないという安定した人気を保っていた。2016年6月時点で累計発行部数は1億5650万部を記録している。最終巻は最終回を掲載した同誌42号に合わせて発売された。

2001年に第30回日本漫画家協会賞大賞を、2004年に第50回小学館漫画賞審査員特別賞を受賞。
2006年には連載30周年を迎え、『週刊少年ジャンプ』誌上で「こち亀30周年企画」が行われ、2016年に連載40周年を迎えて、それを記念した「こち亀40周年企画」が行われた。一般社会にも影響を与えたことが評価され、浅草神社には単行本総発行部数1億3000万冊突破記念の石碑が建立されている他、JR亀有駅北口には地元の商店街により制服姿の両津の銅像が建てられ、2006年2月11日、作者の秋本、「こち亀」テレビドラマ版の両津役であるラサール石井が出席して除幕式が行われた。さらに南口にも法被姿の両津の銅像が建てられ、2006年11月18日に除幕式が行われた。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のあらすじ・ストーリー

白髭橋の思い出

弟の金次郎と電話で話していた両さん。金次郎は壮大な結婚式を終え、新婚旅行から帰ってきたところだったが、両さんは早々に新居に遊びに行く約束をする。両津の派出所の後輩であり部下でもある中川は、金次郎の奥さんである霧ケ谷景子の遠い親戚ということもあり、半ば強制的に両さんに誘われてしまう。そして、強引に中川を連れて金次郎の新居に遊びにきた両さん。新居で一通り懐かしい話や、窓から見える風景について歓談した後、夕食の買い出しにみんなで行くことになった。4人で隅田川沿いを散歩しつつ、人間方位磁石と呼ばれるほど地域に詳しい両さんの、道案内や街のエピソード聞きながら白髭橋に到着する。両さんがジュースを買いに3人から離れると、金次郎が白鬚橋に深い思い出があると語り出した。

子供の頃1人で紙芝居屋を追っかけてきたら知らない場所に来てしまい、帰り道もわからなくなった時にとにかく川伝いにあるけば浅草に着くと思い、はるばる歩いて着いたのがこの白鬚橋。実はこれは浅草とは反対方面だった。あたりは暗くなっていき、お腹も空き始めて途方に暮れ、泣き出しそうになりながら白髭橋のふもとで座り込んでしまう金次郎。すると両さんが全速力でヒーローのように颯爽と駆け付けてきてくれたとのことだった。金次郎は今でもその感動を覚えていて、かっこいい兄貴像の1つの体験談だということを心に留めているのであった。

帰りの車の中で中川がその事を両さんに言うと、実際は、白髭橋で両さんが駆けつけて来たのは違う理由だと言う事が判明する。実は両さんはその日両親に家で無理矢理勉強させられていたのであったが、弟が行方不明という事で、それどころではなくなった。当時流行っていた切手が安売りしているという情報を得ていた両さんは、金次郎を探すふりをして白鬚橋のふもとにあるコイン屋にダッシュで向かっていたところ、たまたま金次郎が橋のふもとにいて助けた。そして金次郎を連れてコイン屋に行き、無事切手も購入。金次郎が大事にしていたカッコいい兄貴のエピソードは、実は偶然だった。
両さんのハチャメチャさが回りまわって功をなしたわけであるが、相手にとって素敵な思い出であれば真実を伝える必要はない。最後に中川の素敵なセリフ。「サンタクロースもいると信じていた方が幸せですからね」。

親愛なる兄弟たち

兄と違って頭の出来が良い弟の金次郎は、ある時公園で出会った弁護士「須田成道」に感化され、弁護士を目指すために国立の難関高校を目指すようになる。両さんに勉強を邪魔されたり、家の外で勉強させられたりという劣悪な環境の中で、金次郎は必死に勉強する。ある日両親に必死で頼み込み、国立高校を受験することになった。金次郎が受験するのはかなりの難関高校。都民の日に都電1日乗り放題の「かっぱのバッチ」を使って都電を乗り回していた両さんと、同級生で悪友の豚平、珍吉はたまたま金次郎の受ける高校の前を横切ると、やはり日頃金次郎をいじめていた両さんも金次郎の受験が心配になっていた。

難関高校の試験当日、金次郎が都電で高校に向かっていたところ、交通事故で都電が止まってしまう。人でごった返す中このままでは試験に間に合わないと途方に暮れていた金次郎だが、そこに颯爽とヒーローの如く自転車に乗った両さんが現れた。事故の情報を知って、自転車を飛ばして助けに来たのであった。金次郎は自転車に後ろに跨って必死で受験会場に向けて飛ばしていた2人だったが、金次郎の不注意で受験票が川に落ちてしまう。また絶望に陥ってしまう金次郎。すると持ち前の行動力を発揮した両さんは、なりふり構わず橋から川に飛び込む。ざわつく周りの大人たちが見守る中、両さんは見事受験票を拾って金次郎に手渡すと、無事会場に到着。「お前なら絶対受かる」と言って金次郎を送り出す両さん。

日頃はいじめられながらも、一番信頼関係にあるのは兄弟というのを肌で感じた金次郎。無事6倍の倍率を突破して難関高校に合格し、その後弁護士として活躍するのであった。
日頃は邪魔ばかりしていながらも、弟がピンチの時は助け、一番弟を信じている両さんであった。

浅草七つ星物語

浅草にある小さな遊園地「花やしき」付近をパトロールする両さんと、その後輩で部下の中川と麗子。子供の頃の花やしきでの思い出を両さんが語り出す。
ある日、両さんと豚平、珍吉は、浅草に来ていた旅一座の1人橘琴音と出会う。旅一座とは、演劇をしながら各地をまわっている劇団で、その娘が琴音であった。同い年くらいであった琴音と両さんたちはすぐに意気投合し、台本やセリフの稽古、立ち回りなどを一緒にしながら打ち解けていった。
出会った当初は芝居に悩んでいた琴音も段々元気になっていき、日本一のスターになって一座で日本中をまわるのが夢だと話す。そして両さんと琴音は、花やしきにもうすぐ完成する、50mタワーの先に6本の支柱があり、衛星カプセルが上下するアトラクション「人工衛星」に一番に乗る約束をする。

そんなある日、琴音から衝撃の事実が発せられた。旅一座なので、各地で興行しなければならず、浅草を近いうちに離れてしまうとのことである。初恋の相手、琴音の前では平然を装っていた両さんであったが、せっかく仲良くなれたのに離れ離れになってしまうことに悔しさを隠しきれない。そして両さんは琴音がいなくなる前に一緒に乗ろうという約束を果たそうと、花やしきの「人工衛星」のカプセルを盗み出して、馬鹿力で転がしていくのであった。まさに浅草を旅立とうとしている琴音を呼び止め、両さんが転がして来た「人工衛星」のカプセルに2人で乗り込み、両さんは最後の浅草案内をする。せっかく仲良くなったのにも関わらず引きさかれる恋心のなかで、琴音は、自分のためにここまでしてくれることに感動し涙を流す。こうして日本一の旅一座になることを約束し琴音は旅立って行く。

別れの後両さんが盗んだカプセルを返却しようとしたところ、そのカプセルが両さんを中に入れたままゴロゴロと坂道を転がり出し、隅田川にドボンと消えた。両さんはかろうじて泳いで逃げ出したが、こっ酷く怒られる事になる。
こうして花やしきはもう一つ新たにカプセルを作る事により現在の「人工衛星」が完成するのであったが、現在の6つのカプセルと、隅田川に沈む両さんのカプセルで本当は七ツ星なのであった。

勝鬨橋開け!

勝鬨橋は船を通すため、橋の中央が開閉する。可動橋の中でも有数の規模であり、その開閉の様は隅田川の名物でもあった。しかし時代は海運から陸運に移り変わりつつあり、橋は閉じられたまま20年以上開閉していないのであった。

両さんたちと同じ中学の同級生だった白鳥純。 お金持ちで頭は良かったが、生まれつき体が弱く体育はいつも見学をしていた。正反対の白鳥くんと仲良くなった両さんたちであったが、ある日白鳥くんは病気療養のため、より環境の良い田舎に引っ越しをするという事を聞く。
転校していってしまう白鳥くんに引っ越す前に一番したい事を聞くと、勝鬨橋が開いたところを一度でいいから見てみたいという。そこで両さんたちは、白鳥くんを連れて勝鬨橋まで見に行くことにした。すると時代が海運から陸運に変わってきていて可動橋の役目は終わり、なんと昨日が最後の開閉だった。大勢の人たちが見物に来ており、もう開いたところを見る機会はないと告げられる。

時代の流れでもう二度と勝鬨橋が開くところを見る事ができないと知った両さん。名残惜しそうな白鳥くんを見て、どうにかして引っ越しをしてしまう前に、勝鬨橋を開いてるところを見せてあげたい。その思いから、両さん達は強硬手段に出ることを決める。
白鳥くんに「勝鬨橋を開けてやるからしっかり見ているように」と伝えると、両さん、豚平、珍吉の三バカトリオは得意のピッキングで鍵を開けて勝鬨橋の捜査室に忍び込む。そして内側から鍵を掛け、捜査室を占拠してしまった。警
察官たちが捜査室を取り囲んで扉を開けるよう言うが、両さんたちはその制止を無視した。今しかチャンスは無いと、パネルを操作して電源を入れ、レバーを操作する。すると勝鬨橋橋は音を立てて開きだした。大騒ぎになる群衆とすぐにもとに戻すように叫ぶ警察官たち。

橋が突然開き出したせいで、通行中の車は隅田川へ落ちてしまう。目的を達成した両さんたちは警察官たちから逃げるため、勝鬨橋を開きっぱなしにしたまま捜査室から隅田川へダイブ。メチャクチャな状況になったが、これもすべて強い絆で結ばれた友情がなせる技だった。
町中の人々が混乱することになり、両さんたちはこの後こっ酷く怒られることになる。一方の白鳥くんはその時の感激が忘れられず、後に工学博士になり、橋の研究についての著書を出版するまでになるのであった。

ボーナス争奪戦

派出所の冬の風物詩といえば、一年間のツケを精算させるために両さんのボーナスを狙う商店街の店主たちと、それを死守しようとする両さんのボーナス争奪戦である。ある年両さんは毎年ボーナス支給日にやってくる借金取り達の裏をかく為、署長にボーナスを一日早く支給してもらうように交渉にやってくるが、認めてもらえなかった。

そして署長室を出て借金取り対策を考えながら麻里愛と一緒に署内を歩いていると、大量のパソコンが廊下に置いてあるのを見つけた。「新しいパソコンを購入したから古いのは捨てるのでしょう」と麻里愛が言うように、両さんはその中から使えそうなパソコンを探すが、どれもガラクタばかりで中古ショップに持って行っても売れないような代物ばかりであった。
するとその中に、初めて見るような少し変わった型のパソコンを発見する。両さんが起動させてみると、なんとそれは署員の給与を管理する「かつしか署給与管理プログラム」という専用のパソコンで、しかも不用心な事にデータも全て入りっぱなしだった。どうせ本物ではないと思った両さんは、データを書き換えてボーナス額を変更しはじめる。

まず両さんのボーナスは本来の額の1000倍にして約8億円にしたが、「流石に多過ぎる、警視総監になっても無理だ」と一旦半額にし、更に10分の1の約4000万円に変更。麻里愛は200万円。寺井は家のローンを抱えていて毎日通勤地獄を味わって可哀想、という理由で1千万円。署長は申し出を断ったので、2桁程下げて3万25円。麗子はいいご縁があるように5円。中川は何でもナンバーワンが好きだから1円。部長は3桁減らして980円。
そこに部長が通りかかるが何とか誤魔化しながら難を逃れる。実はそのパソコンは廃棄品の中に誰かが間違えて紛れ込ませてしまった本物であり、ボーナス日には各人にその金額が本当に振り込まれてしまうのであった。

ボーナス支給日、両さんは銀行にお金をおろしに行く時に、借金取りであるプラモ屋の店主の尾崎と一緒に行く羽目になった。どうせ少ないと愚痴をこぼしながらボーナス額を確認すると、4000万円が振り込まれている事に二人は驚愕。両さんは銀行のミスだと思い込み、お金を持って店主から逃亡した。一方、ボーナス振り込み額が変更されていて大混乱の署員。事情を知る麻里愛から、真実を知ったかつしか署員たちも総動員で両さんを追いかける。しかし逃亡する際にお金をばら撒いたり、交通機関の利用に散々お金を使った挙句、ボーナスは全て無くなってしまうのであった。

両さんと麗子の恋愛

『こち亀』のヒロインと言えば、連載初期段階から登場している秋本麗子巡査。本作の主人公である両津勘吉と同じ派出所に勤務している、美人でお金持ち警察官の麗子。両津勘吉の事を「両ちゃん」と呼んでいたり、よく一緒に行動していたりと一緒にいる時間がとても長い。頭のいい麗子は両津の行動パターンや考えていることなど熟知していて、普段から単純でおバカな両津の行動パターンを読み取って、上手におだてている。
上司と部下の関係と言うよりは同僚のような関係で、破天荒な両さんに振り回されてしまうことも多いが、内心は両さんのことを慕っており実は恋心を抱いているようなエピソードも多い。同じく同僚の中川圭一も、両津の思考を熟知している麗子は両さんの事を好きなのではないかと思っているようである。

『わたしの両さんの巻』では、麗子のお見合い相手として、安井財閥の御曹司が現れる。しかし麗子はそのお見合いを断ってしまう。父親はこれ以上ない相手という事で強く勧めたが、断る理由として麗子は「憧れている人がいる。名前は両さん」と打ち明けるのであった。両津の事を慕っていて仲がいいことは分かっていたが、上司としてでなく恋愛対象として見ているようなシーンであった。

『夏便り…の巻』では、夏の暑い日、両さんと麗子はヨット遊びへ2人で行く。海へ向かう運転中の車の中で、両さんが麗子に、自分とばかりつるんでいると婚期や出会いを逃すのではないかと心配していると麗子に話す。そんな両さんに麗子は、「いきそびれたら両ちゃんのところにでもいこうかしら」と返した。冗談なのか本気なのか真意はわからないが、両さんを憧れの対象として見ている事を伺わせるエピソードであった。

『MATOIアンドRYOSAN?の巻』では勘違いから纏が妊娠をしており、両津勘吉と纏が結婚するのではないか、と葛飾署内に噂が広がる。実は纏は妊娠しておらず両さんと結婚することはなかったのであるが、結婚の噂を聞いた時の麗子は纏に「おめでとう」と言いながらも悲しそうな複雑な表情をしており、「やはり両さんの事が好きなのでは?」と思わせるエピソードであった。

このように両さんと麗子はただの上司部下の関係に留まらず、同僚以上恋人未満のような関係であったが、連載中ついに恋愛関係になる事はなくまた結婚もなかったのであった。

麗子争奪コンテスト

どうしても麗子を結婚させたい秋本貿易の社長であり、父親の秋本飛飛丸。コンピュータに花婿候補1300人をはじき出させ、麗子争奪コンテストを開催する事になる。実は飛飛丸は大金持ちの中川を勝たせるように仕組んでいるのだが、そのエントリーした候補者の中に、なぜか両津もエントリーされる。
麗子と結婚して逆玉の輿の乗る事で頭がいっぱいの両さんは、争奪コンテストが開始されるとコンピューターも驚く強さで勝ち抜いて行く。両津が勝ちあがっていく事に危機感を覚えた飛飛丸は、コンピュータを操作して、テストを中川が有利な知識や教養が必要なテストに変更してしまう。このテストが続くと、このままでは勝てないと焦った両さんは直接交渉しかないと、麗子の元に近づくと「僕と結婚しよう。幸せにするよ」と口説き始めた。

その様子を見た中川は、「先輩は麗子さんが好きだったんですね」と話すと、両津は「別に。作戦に決まっているだろ、婿入りのための。財産を手に入れるためにはワシは何でもやる男だ」と凄む。「お金より愛の力が強いはずです」と中川は憤るが、「ふざけたことぬかすな」「金が全てだ、金が」と返す。本田も「ナイスバディーも魅力的ですけど……」とツッコミを入れるが、「ナイスバディーよりもナイスマネーだ」と譲らない。さらに「今までは遠回りで金儲けしていたけどな、麗子とくっついて離れるのが一番の金儲けだと今回気づいた」「幸福は金で買える。ワシの座右の銘だ」とうそぶいた。

そして最終対決の相撲で中川に勝利してしまい、金のパワーで麗子と結婚する権利を手に入れた両さんであった。麗子も自分のためにここまで力を発揮してくれる両さんを見て感動していた。
しかし財産目当てで出場したという事を中川が麗子に話してしまい、真相を知った麗子は結婚を断った。飛飛丸も「冗談はここまで」と全てなかったことになってしまった。こうして金に目が眩んで力を発揮し続けた両さんの努力は水の泡と消えたのであった。

両さんの新ビジネス

プラモ作りやギャンブル、ゲーム、パソコンなど多趣味な両さんは、作中でその知識を活かして様々なビジネスをはじめる。その中に登場した奇想天外なアイデアは、時代をを越えて現実のものになっているものも多い。

オンラインコミュニケーション

ある日両さんは、金欠のためある会社にアルバイトに訪れる。全国に散らばっていて、直接会えない人たちにクラス会を提供するため、参加者分のカメラ付きテレビを一箇所に集めて配置する。参加者にはカメラ付きのテレビが配送されており、一斉に映し出す。カメラ付きのテレビを双方に設置することで、遠方の相手と会話することを可能にした。この発想は現在のSkypeやZOOMといった会話システム、そしてオンライン飲み会や会議と同じであり、インターネットはもちろん、携帯電話もなかった80年代にこのオンラインコミュニケーションのアイデアが漫画で発信されていた。

ゲームガチャ課金

ある日本田が購入したパソコン恋愛シミュレーションゲームを始めると、そのゲーム内に登場する女性が「電話をかけて」と懇願し、指定した番号にかけさせる。すると本田は電話をかけ、「声がする」と感動した。さらに女性がショッピングを始めると「洋服欲しいわ」「あなたのキャッシュカードの名前と会員ナンバーを教えて」と要求。本田はなんの疑いもなく電話で教えてしまう。
すると女性キャラのおねだりはエスカレートし、水着やコートを要求する。様子を見ていた両津は「買って買って攻撃だ。本田、現金で金とられてるぞ」と絶句し、中川も「ヤバいパターンですね」と冷や汗をかく。極めつけに女性は150万円の車を要求。これにも「買ってあげる~」と叫ぶ本田に、両津は「誰か本田を止めろ」と焦る。中川も「もう買い物を止めてください」と止めた。

現在スマートフォンのゲームなどでは、課金することで有利になるアイテムを購入し、ゲームを優位に進めていくことが主流となっている。ゲームの高額課金も社会問題化したことがあるが、本作では家庭用ゲーム機が主流だった1996年に高額課金の危険性を指摘していた。

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