ママはテンパリスト(東村アキコ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ママはテンパリスト』とは、東村アキコによる日本の育児エッセイ漫画。作者の愛息・ごっちゃんの成長していく姿がおもしろおかしく描かれていて、読むと笑える作品。育児の苦労や大変さだけでなくその中にある幸せも感じられる。キャッチコピーは「すいません 育児ナメてました」。 育児漫画として根強い人気があり、出産祝いとしても選ばれている。『月刊コーラス』(集英社)にて2007年8月号から2011年7月号まで連載。2011年に完結し、単行本は全4巻(A5判)。

『ママはテンパリスト』の概要

出産後のママとごっちゃん。

『ママはテンパリスト』とは、東村アキコによる日本の育児エッセイ漫画。作者の愛息・ごっちゃんの成長していく姿がおもしろおかしく描かれていて、読むと笑える作品。ごっちゃん誕生から少し間が空いて2歳頃から6歳までの成長記録である。育児の苦労や大変さだけでなくその中にある幸せも感じられる。育児エッセイではあるが、子育てのハウツーなどはほぼ描かれていないのも特徴である。テンパりながらも育児をする姿が、リアルで母親たちからも共感を呼んでいる。キャッチコピーは「すいません 育児ナメてました」。
ママは、29歳の時に授かり婚をして、息子ごっちゃんを出産した。家事・育児・仕事と忙しい毎日の中、ママはテンパりながらもごっちゃんと共に一人の母親としても成長していく。二人の日常が、とてもリアルに描かれていて、実際にどのエピソードも本当にあったことだと記載されている。現在育児に奮闘している人、これから出産する人、独身の人、幅広い層の人が読んでも楽しめる作品になっている。1巻ではまだ赤ちゃんだったごっちゃんも最終巻では6歳のお兄さんになっていて、漫画を通してごっちゃんの育児に携わったような気持ちになれる。「ごっちゃんが小学校に上がる前まで」という期間限定の連載だった為、6歳のごっちゃんのエピソードで終わりを迎える。ママのおっぱいが大好きだったごっちゃんも、6歳になると「地球はお金でまわっている」と言ったり、発言もだいぶ大人びてくる。しかしそれは仮面ライダーに出てきた話のようで、まだまだかわいいところも残っているようである。
育児漫画として根強い人気があり、出産祝いとしても選ばれている。『月刊コーラス』(集英社)にて2007年8月号から2011年7月号まで連載。2011年に完結し、単行本は全4巻(A5判)。育児漫画は「5万部を超えればヒット」と言われているが、本作は2009年7月時点で1巻が13万5,000部、2巻が11万5,000部、同年末までに50万部を売り上げた。フリースタイル社が発行する『このマンガを読め!』の2009年版で第1位、宝島社発行の『このマンガがすごい!』の2010年版オンナ編で第3位、マンガ大賞にノミネートされるなど、今もなお人気である。

『ママはテンパリスト』のあらすじ・ストーリー

作者でありごっちゃんのママでもある東村アキコは、29歳の時に授かり婚をして、息子ごっちゃんを出産した。ママは、出産時あまりの痛さに一回気絶し、幻覚までみた。その痛みを乗り越えて生まれてきたのが、息子のごっちゃんこと悟空である。出産した日から、ママのテンパり育児始まる。ママは、授乳・寝かしつけ・オムツ替え・離乳食作りなど、育児の辛さや大変さをナメていた。特に授乳や夜泣きでまとまって眠れないのがつらいママは、お金も名声もいらないから眠らせてくれと思っていた。パパとは、結婚当初から別居婚で作品の途中で離婚をしたので、ママの両親やアシスタントさんに助けてもらうことはあるが一人で育児をしていた。そのうち赤ちゃんから少し成長したごっちゃんの大人では思いつかないおもしろい言動から目が離せない日々がやってくる。お風呂や水遊びが好きなごっちゃん。こぼした納豆にダイブするごっちゃん。おっぱいが大好きでなかなか卒乳できないごっちゃん。いつの間にかシレっと嘘をつけるようになるごっちゃん。キムタクのようなイケメン発言をするようになるごっちゃん。ママは、テンパリながらも、全力でごっちゃんと向き合い、子育ての大変な時期を乗り切った。ごっちゃんが6歳になり少し手がかからなくなってくると、赤ちゃんの頃の大変さもなぜか全部笑える思い出になっていた。

ママのテンパり育児が始まる

ごっちゃんを出産して、ママのテンパり育児がはじまる。

妊娠中のママのお腹は、胎水が普通より多かった為ものすごく大きかった。しかし特に問題があるわけではないのでいつも通りの日常を送っていた。そして迎えた10カ月目、ごっちゃんが予定日を過ぎても生まれなかったのでバルーン&促進剤で出産することになった。バルーンというのは、子宮口に風船のようなものを入れて中でふくらませて子宮口を開いて陣痛を促すというものである。初めはたいした痛みではなかったので、ママは陣痛を甘くみていた。陣痛による痛みは次第に強くなり一度気絶して、たいして仲良くもない知り合いが尋ねてくるという幻覚までみたほどの辛さだった。いよいよ出産もクライマックスを迎えたが、ごっちゃんはなかなかでてこなかった。へその緒が短かったため出てこれなかったのだ。なので、ごっちゃんの頭にスポッと吸引をかけて無事に出産。ママは、吸引したごっちゃんの頭の一部がポコッとなっていてビックリしてしまったが、その後すぐ戻った。そしてこの日からママのテンパり育児がはじまった。ママはまだ授乳、げっぷ出し、寝かしつけ、沐浴、離乳食作り、おむつ替えなどの赤ちゃんの世話が丸2年以上も続くとは考えもしなかった。育児をなめていたのだ。

ゴルゴ13断乳大作戦~鶴光にならないで!!~

ママは、おっぱいにゴルゴ13の顔を描いてごっちゃんのおっぱい依存をどうにかしようとする。

ごっちゃんはほぼ母乳で育った。ママは、1歳を過ぎたあたりから断乳を検討して育児書を読んでみたが、それぞれ書いてあることが違く何歳まで授乳していいのか悩んでいた。決められないまま2歳になったごっちゃんにとっておっぱいは、完全にエロいものと認識されてきた。それまでは人前でも普通に飲んでいたのに、周りに人がいるとママを別の部屋に呼び出しおっぱいを飲むようになる。このままでは鶴光のようなエロい大人になってしまうと心配したママは、ついに断乳を決行することにした。本に、おっぱいにマジックで顔を描いて、子どもにおっぱいとバイバイさせるとあったので、ママはおっぱいにおもいっきり怖い顔を描くことにした。こうして東村家の一大プロジェクト「ゴルゴ13断乳大作戦~鶴光にならないで!!~」が始まる。初日、ごっちゃんはおっぱいに描かれたゴルゴ13を怖がっておっぱいを飲まずに大人しく寝た。作戦成功かと思われた次の日、昨日のことをすっかり忘れたごっちゃんがおっぱいを要求してきた。ママは急いでまたおっぱいにゴルゴ13を描いた。前日と同じく怖がって泣いたが、ごっちゃんは強く目をつぶりおっぱいを飲むという方法でこの作戦を攻略したのだ。そしてゴルゴ作戦は失敗に終わる。その後もママはあの手この手を使って断乳を試みるが失敗し、結局ごっちゃんは4歳頃までおっぱいを飲み続けたのである。

ごっちゃんオムツ卒業

ママは、シールという素晴らしいトイレトレーニング方法をみつけた。

ごっちゃんは、3歳になりオムツを卒業した。しかしオムツ卒業も道のりは困難であった。おもらしをしたごっちゃんは、「牛乳こぼしちゃった」と嘘をついてみたり、「おしっこ出ない」となきわめいてみたりと、ママはこれならオムツの方がラクなのではないかと思う日もあった。しかしたまには自発的にトイレに行っておしっこをすることもできていたのでママはごっちゃんのトイレトレーニングを気楽に考えていた。ある日、ごっちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんが遊びに来た。おばあちゃんは、ごっちゃんがまだオムツを卒業できていないことを知ると「3歳になってもトイレのしつけが終わってないなんて」とスパルタなトイレトレーニングを開始。トイレに行くことを無理強いされたごっちゃんは、トイレに近づかなくなった。おばあちゃんはおもらしをするごっちゃんにイライラし、ごっちゃんはトイレを無理強いされることにイライラし、ママはおばあちゃんからのプレッシャーで「私ってダメ母かもモード」に突入しそうになり、家の中が殺伐としてきた。そこでママは、ネットでトイレトレーニングについて色々と調べてみた。調べてみたがこれといった解決策は見つからず、最終手段の物で釣る作戦を決行。トイレでおしっこできたらおもちゃを買ってあげると言われたごっちゃんは、はりきっておっしっこをする。作戦成功と思われた次のおしっこタイムの時には立場が逆転していて、またおもちゃ買ってくれたらおしっこするけど、という流れになってしまいこの作戦は失敗に終わった。その後もママは情報を探し続けてついにお金も時間もかからないいい方法を発見した。子どもたちが大好きなシールを利用したトレーニング方法である。ネットからプリントアウトしたシールを貼れる表をおまるの前に貼り、トイレができたら一枚貼り、徐々に表のゴールを目指したごっちゃんはついにゴールをして表を完成させた。ついにオムツを卒業したのだ。こうしてごっちゃんは、一段お兄さんへの階段を登ったのである。

飴が喉に詰まる

飴が喉に詰まり本当は苦しいのに、たいしたことない感じて報告してくるごっちゃん。

ある日、仕事をしているママのところにごっちゃんがやってきて「ごっちゃんアメたべたいんだけど」と言った。1個だけならいいよという許可が出てアメを口に放り込むごっちゃんに、ママは「のどに詰まったら死んじゃうんだからね」と注意した。ママが、アメは喉に詰まらせることもあるから目を離すのが怖いので、家にアメを置くのやめようかなと考えていると、見たこともない顔をしたごっちゃんが現れた。アメが喉に詰まってしまったのである。アメが喉に詰まって声がでないごっちゃんは、ママにジェスチャーで伝えた。ビックリしたママは、とりあえずごっちゃんに水を飲ませてみたら大丈夫だった。ごっちゃんは、アメが喉に詰まってしまい本当はビビっていたのだが、ママに事前に注意されていた通りになってしまったので怒られると思い極力たいしたことない雰囲気を出そうとがんばっていたのである。

連載6年間で一番最初に思い出すのはノロウィルス感染

保育園から帰宅したごっちゃんが吐いたのをきっかけに次々と感染者が出ることになる。

ママは、『ママはテンパリスト』の連載が終わりを迎えるにあたり様々な思いでを振り返っていた。6年間色々なことがあったが、一番最初に思い出すのは、ごっちゃんが保育園から帰宅した途端にマーライオンのように吐いた日のことである。ごっちゃんは、ノロウィルスに感染していて吐いたのだ。その日ママやアシスタントさんたちは、24時間後の史上最大の締め切りがあったため忙しくしていた。アシスタントさんたちが、時間差で次々にノロウィルスで倒れていき最終的には全滅してしまった。締め切りに間に合わなくなって慌てて近所に住む漫画家の石田拓実に手伝いにきてもらうことにした。そしてやはり彼女も24時間後に感染してしまった。結局ノロウィルスにかからなかったのは、昔から体と心が丈夫なママだけであった。

『ママはテンパリスト』は、ごっちゃんが小学校に上がる前まで

連載は、ごっちゃんあ小学校に上がる前までと決めていた。

ごっちゃんは、6歳になりあと1年で小学生になる。連載を始めた当初は、ごっちゃんが小学生になるなんて遠い未来のことのように感じていた。しかしいつの間にか月日は経ちもう少しで小学生。成長したごっちゃんのおもしろ発言の内容も変わってきている。この間もごっちゃんが、「ママこのよはなんでまわってるかしってる?」とママに問題を出してきた。ママが壮大なことを言うようになったと驚いていると、なんと問題の正解は「おかね」であった。そんな言葉をどこで覚えたのかと思ったら、テレビで見た仮面ライダーの中で言っていたらしい。ごっちゃんは、買い物に行った際ママがかわいいと言った指輪を自分のお小遣いで買ってくれようとしたり、ママが行きたい焼肉屋さんに付き合ってくれたりと、優しい子に育っている。ママは以前から担当さんに、「テンパりストは小学校に上がるまでで終わりますんで」と伝えていた。さすがのごっちゃんも小学生になる頃には、ママの仕事のことや自分が題材になっていることも分かってくるからである。

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