吾峠呼世晴短編集のネタバレ解説・考察まとめ

吾峠呼世晴短編集とは、大ヒット作品である『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴の読切作品をまとめたものである。鬼滅の刃の前身となった漫画賞受賞作品『過狩り狩り』や、週刊少年ジャンプに掲載された金未来杯参加作品『肋骨さん』など計4作品が収録されている。本記事では、それらの読切作品についてまとめていく。

長くて美しい黒髪に異常なほどの執着を見せる女。その欲望を邪気につけこまれ、邪気憑きとなった。髪の美しさを永遠に保ちたいという理由で長くて美しい髪を持つ女性たちを攫い、髪を最高の状態にしてから殺して髪を保存しようとしていた。その欲望の心がこぼれたものをアバラが街の中で見つけ、痕跡を追うことで隠れ家へとたどり着いた。

ハサミを使って攻撃するほか、自分自身の髪の毛をハサミのように変化させて攻撃する能力を持っている。邪気憑きは邪気に染まりすぎることでこういった特殊な能力を手に入れてしまうそう。攫ってきた女性たちも巻き込みながら攻撃することでアバラを苦しめるが、異常な精神力で向かってくるアバラに羽衣を巻き付けられ、絞め上げられて敗れた。

みお

邪気憑きのハサミの女に攫われていた少女。身寄りがなく、孤児院の「愛児院」で暮らしている。浄化師のアバラの名前を「消防士の肋骨さん」と呼び間違えた。助けてくれたアバラにお礼を言いつつ、自分の命を軽んじているアバラに対して、自暴自棄になっていた自分がかつて愛児院の職員・マミコに言われた「自分くらいは自分のこと大事にしてやりなさい」という言葉で諭す。愛児院に帰ってきた際、マミコに抱きしめられ声を上げて泣いた。

善而(ぜんじ)

かつて少年時代のアバラを邪気憑きから守った浄化師。しかし、その際に受けた怪我がもとで命を落としてしまう。アバラに対してはぶっきらぼうな態度で「俺の好きにしているんだ」「お前のせいで死ぬわけじゃない」と言っていたが、アバラは善而から漏れ出る優しさを感じ取っていた。アバラは、家族がいるにも関わらず命をかけて孤児である自分を救ってくれた善而、そしてその家族に申し訳なさを感じ、善而の死が無駄なものとならないよう、より多くの命を救う浄化師になることを決意する。また、少年時代の善而が羽衣を用いているため、羽衣は元々善而の所持していた神器であることがわかる。

河童

老人のような喋り方をする、善而の守護霊。守護霊とは、人間を小さな災いから守ってくれる存在だという。しかし、邪気憑きとの戦いでは守り切ることができず、善而は死んでしまう。善而に助けられた少年・アバラについていき、現在では一緒に行動するパートナーのような存在となっている。自分の命の危険を顧みずに戦うアバラの想いを理解しており、戦いの中で涙する。

マミコ

みおが預けられている施設「愛児院」の職員。大柄な中年女性。自暴自棄になっていたみおに対し「人のことなんかみんな全部どうでもいい」「大事にしてもらおうなんて思うんじゃない」「せめて自分くらいは自分のこと大事にしてやりなさい」と厳しい口調で励ましていた。行方不明になっていたみおを心配していたらしく、みおが帰ってきた際には猛然と駆け寄り抱きしめていた。

文殊史郎兄弟に登場していたキャラクターと同一人物だと思われる。

肋骨さんのあらすじ・ストーリー

「助けて」長くて美しい黒髪の女性が小さくつぶやいた。

「…ん?何か言った?」その声に問いかける誰かの声。声の主に黒髪の女性は「いいえ 何も」と答えるが、謎の声はかまわずに「この世で最も美しいものは何だと思う?」と続ける。「わかりません」と答える黒髪の女性に、「正解は人間の髪」と答える謎の声。「綺麗な髪を梳かしている時が一番幸せと感じる 洗髪をしてトリートメントをして 優しく乾かしてまた髪を梳かす 一本一本枝毛を切ってまた髪を梳かす ああ幸せ」髪を触られている黒髪の女性は、ひどく怯えているようであった。

邪気に憑かれると人はおかしくなる。邪気とは毒のようなもの。ぺたりと人に付着するのを好む。この邪気を浄化するのが浄化師である。しかし、邪気は普通人に見えないため、浄化師の存在もまたあまり知られてはいない。

ベンチに座り電話をしている男が1人。むしゃくしゃする、誰でもいいから蹴飛ばしたい、そんな苛立ちを見せる男の背後には、どす黒い邪気が憑いていた。その邪気を、通りすがった奇妙な格好の男がデコピンでビスッと弾く。急に弾かれた邪気はしばらく奇妙な男に悪態をついていたが、やがてその邪気は白くふわふわとした何かに変わり、「しあわせ うれしい たのしい」と言いながら元の男のもとに戻っていく。すると、男も「うん、落ち着いてきた 大丈夫ありがとう」と苛立ちがなくなった。

奇妙な格好の男の名はアバラ。普通の人には視えないものが見えるアバラは、その力を活かして浄化師をしていた。アバラには、人がどんな感情を抱いているかが文字で見える。小さい子供を抱く母には「優」「思いやり」「愛」の文字が、子供には「幸福」「愛」の文字が見える。

「愛情というのはなぜあんなに美しいのかな あのきらきらを一身に受けて生きる人はどんな気持ちなんだろうか」そう感じたアバラは、少し考え「お風呂に入っている時みたいな感じだろうか」と例えたが、それに対し「いや違うと思うぞ お風呂は気持ちええがちょっと違うと思う」と応える声が。河童であった。アバラは小さな河童と一緒に歩いていたが、その河童の姿は他の人間には視えていない。また歩き出したアバラは、人からハラハラと落ちる「気持ち」に気づく。抑えきれずに溢れた気持ちは道にぽとぽとと落ちており、アバラはそれも視ることができるのであった。「幸福」「嬉」「楽」道にぱらぱらと落ちている気持ちの中に、アバラは「髪」と書かれた邪気に満ちた大きな気持ちを見つける。しかもその気持ちは無数に落ちていた。相当強烈な気持ちを持っており、その気持ちは邪気に満ちている。危険を感じたアバラは、その気持ちの落ちている跡を辿っていくことにした。

気持ちの跡を追って辿り着いたのは、怪しい雰囲気の一軒家。その周辺に大量の「髪」と書かれた気持ちの他、「助けて」「怖い」「誰か」「恐怖」などの気持ちを見つけたアバラは、複数の人間がこの一軒家に監禁されているのではと推測する。まず、家のインターホンを鳴らしてみるアバラ。しかし応答はない。そこで、アバラは上から家を見てみようと、異常な跳躍力で屋根に飛び乗る。屋根を歩いてみると、中の様子を見れそうな天窓がある。アバラがそれを覗き込むと、室内では体にハサミを何本も刺された短髪の人が苦しんでいた。即座に天窓を破り、室内に入るアバラ。中には数人の少女がおり、突然の来訪者にみな怯えていた。

「失礼 怪しいものではございませんよ 浄化師のアバラという者ですよ」と自己紹介をするアバラ。ハサミを刺されている人のもとにかけよるが、それは黒い髪を短く切られた少女であった。涙を流し怯える少女の体に刺さったハサミを見て、この場での処置はせずにまずは「邪気憑き」を倒すことが先だと判断したアバラ。邪気に憑りつかれた人間が邪念を持っていた場合、その邪念が増幅して異常な能力を身に着けた「邪気憑き」になることがある。この監禁には、邪気憑きが関わっているとアバラは感づいていた。

「犯人は少し前にどこかへ出かけていきました」そうアバラに話しかける長い黒髪の女。他の少女たちと同じく監禁されているように思えたが、それにアバラは「嘘はよくない 邪気憑きは君だ」と返す。アバラの目には、その女の「髪」「邪」と書かれたどす黒い気持ちが視えていた。女はとぼけるが、アバラがなぜこんな酷いことをするのかと問うと次第に本性を現していく。女は、綺麗な黒い髪に異様な執着心を持っていた。しかし、髪は老いると美しさを失う。かといって切ってしまうと美しさは半減する。ではどうやって髪の美しさを保てばいいか。そこで思いついたのが「髪を最高の状態にしてから人間の方を殺す」という方法だったと語る。そうすると髪は美しいまま時が止まる、と。ハサミを刺された少女は、髪への執着を断ち切らせるためかわざと自分で髪を短く切っており、さらに逃げようとしたために刺されたのであった。

女はそれを「髪への愛情」だと言い張ったが、アバラはそれを否定する。女の感情には「髪」「欲」「邪」しか見えない。どこまで行っても、単なる女の勝手な欲望にすぎなかった。女の独りよがりな考えを「悲しいな」と評したアバラに、女は「なら死ねばいいんじゃない 悲しいも苦しいもなくなるから」と返し、アバラはそれに「一理ある」と返す。そこで、女はアバラが身に着けている布について聞く。布は、アバラが動かさずともフワフワと漂っていた。「これは僕の神器『羽衣(はごろも)』 君ほどになるとデコピンぐらいじゃ浄化できないからこれで捕まえてギッ!ってやって浄化をします」と答えるアバラ。それに女は「布なのかしら?だったらざくっと切って雑巾にしましょう」と返し、戦闘が始まる。

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【最終回】鬼滅の刃の子孫・転生者まとめ【現代・未来】

『鬼滅の刃』とは、吾峠呼世晴による漫画作品、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。 炭焼きの家の少年・竈門炭治郎は家族を殺され、生き残った妹は鬼となっていた。炭治郎は鬼を滅する「鬼殺隊」へと入隊し、妹を人間に戻すため、そして鬼の始祖「鬼舞辻無惨」を倒すための戦いに身を投じる。 鬼滅の刃の原作最終回では平和になった現代の様子が描かれているが、そこでは登場人物たちの子孫や生まれ変わりと思われる人物が多数登場している。本記事では、それらのキャラクターについてをまとめていく。

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