吾峠呼世晴短編集のネタバレ解説まとめ

吾峠呼世晴短編集とは、大ヒット作品である『鬼滅の刃』の作者・吾峠呼世晴の読切作品をまとめたものである。鬼滅の刃の前身となった漫画賞受賞作品『過狩り狩り』や、週刊少年ジャンプに掲載された金未来杯参加作品『肋骨さん』など計4作品が収録されている。本記事では、それらの読切作品についてまとめていく。

ナガレの師匠

孤児であったナガレを拾い、育てた師匠。山の中に仕掛けた罠を潜り抜ける訓練などをナガレに課し、鬼狩りの最終選別に参加させていた。結果、ナガレは片腕と視力を失う重傷を負い、選別の試験官にも「そいつはダメだろう」と見捨てられてしまうが、師匠はナガレを手当てしながら「この子には才能があった 誰よりも」とねぎらい、試験官に食って掛かっていた。作中の時代でも存命中ではあるが、咳に血が混じるなど病に伏している様子。

ナガレに鬼が出現している場所や指令を知らせてくるカラス。人語を話すことができる。鬼滅の刃に出てくる鎹鴉とほぼ同じ設定。

警察官

殺しが多発している街を担当している警察官。刀を持っていたナガレを職務質問しようとするが、ナガレの腕に刻まれた文字を見て取り締まるのをやめており、鬼狩りについて知っている様子。後に吸血鬼を倒したナガレのもとに現れ、ねぎらいの言葉をかけた。

伊勢尾(いせお)

愈史郎の話の中で名前だけ出てくる、おそらく鬼であると思われる人物。珠世に協力を要請しに来た時川に対し、愈史郎が伊勢尾に頼めばいいと名前を出していた。

過狩り狩りのあらすじ・ストーリー

薄汚れた姿で神社の境内の下に座っていた少年。そこに老人が現れ、にぎり飯と漬物を差し出す。少年はそれに手を伸ばす。

時は移り、ある町の様子。ここ最近、人が惨殺される事件が多発しており、すでに13人が犠牲になっているという。そんな町を歩く怪しい男。刀のようなものを持っていたため、見回りをしていた警官たちは男を呼び止める。片腕がなく目も見えていない様子の男は、歯を使って自身の服の袖をめくる。そこには、「ウー拾壱号」の文字。それを見て何かに気づいた警官は、同僚を諫めつつその男を見逃したのであった。

場面は変わり、ある隠れ家の座敷では白スーツの男と着物姿の女性が話をしていた。男の名は時川、女の名は珠世。2人とも人間とは違う「鬼」という生き物である。時川は、自身の縄張りの中で多発している連続殺人の犯人を捜す目的で珠世に協力を要請しに来ていた。珠世はそれに応じるが、珠世に付き従う青年の姿をした鬼・愈史郎は時川に対し敵意をむき出しにしていた。時川も愈史郎の敵意に不快感を見せるが、珠世がその場を収め、犯人探しに向かう。

また場面は変わり、夜の川沿い。時川の縄張りを荒らしていた西洋風の吸血鬼がまたも人間を襲っていた。そこに、愈史郎の力を借りて吸血鬼の居場所を突き止めた時川と珠世が現れる。吸血鬼は時川らに対し「同族」と言いつつ、日本の鬼を「コソコソと惨めったらしい生き方をしている」と評したが、日本語ではないらしく時川には理解できなかった。戦闘が始まり、珠世が自身の能力「惑血」を発動し、自身の血の匂いで吸血鬼の視覚と嗅覚を狂わせる。それと同時に時川が指を鋭い刃物のように変化させて攻撃をしかけるが、吸血鬼は音を頼りにすんでのところで攻撃を避けていき、逆に時川の動きを誘導してカウンター攻撃を決めた。その瞬間、強い風が吹き珠世の術の香りが霧散してしまい、術が解けた吸血鬼の攻撃によって珠世も傷を負う。

2人がかりでも押されていた時川と珠世であったが、実は2人は吸血鬼とは別に気にしている存在があった。あまり力を出し過ぎるとそいつに気配を探られるため、2人は力を抑えながら戦っていたのだが、それでは勝てないと踏んで全力を出すことにする。しかし、その瞬間に愈史郎が何者かが近づいていることに気づき、珠世にそれを知らせる。それとほぼ同時に、剣士が1人現れた。

それは、町で警官に呼び止められていたあの片腕の男であった。剣士は「悪鬼滅殺」の文字が刻まれた刀を構えるが、吸血鬼はそれを見て高らかに笑う。剣士が鬼を狩るために来た人間であると感づいた吸血鬼は、彼の出で立ちや細い刀を見て油断をしたのである。余裕そうな表情で剣士に襲い掛かる吸血鬼だったが、次の瞬間、吸血鬼の腕は宙を舞っていた。正確には、剣士に斬り落とされていた。一転、動揺する吸血鬼。これはまぐれだと再度襲い掛かるが、残った腕も斬り落とされてしまい、攻撃もまったく通用しない。逃げ惑う吸血鬼の首を剣士は斬り落とすが、その圧倒的な強さを恐れている時川と珠世、愈史郎は既に姿を消していた。珠世を抱えて逃げる愈史郎は、珠世に「先ほどの”彼”は人間なのですか」と問う。珠世は間違いなく人間であると答えつつ、鍛え抜かれ選び抜かれた人間であると付け加え、そして「狩り過ぎれば狩られる」とつぶやいた。一方、川の中に潜んで気配を消していた時川は、しばらくは警戒して姿を隠さねばならないと悔しさを滲ませていた。

時川と珠世が警戒していたのは、この剣士・ナガレである。ナガレは、かつて孤児だったところを老人に拾われ、剣士となるべく厳しい修行を受けた。そして臨んだ選別試験で鬼6体と1人で戦い、片腕と視力を失った。しかし類まれなる才能のもと、片腕・盲目の状態で鬼狩りとして戦っていくことを決めた。その後、老人は病に伏しているのか血が混じった咳をしていたが、ナガレに早く任務に行くように促す。そんな彼を、人語を話す鴉がはやく任務に行くように急かすのであった。

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