ブラック・エンジェルズ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブラック・エンジェルズ』とは、1981年から5年間『週刊少年ジャンプ』で連載された、平松伸二原作のコミックスで、販売部数累計は800万部。連載前半は、雪藤洋士を中心とするブラックエンジェルが、法で裁けない悪人を抹殺する物語であったが、後半は、超人的能力が多く登場するバトル漫画となった。
連載終了後も多くの関連作が描かれており、『マーダーライセンス牙』とのコラボ作品『マーダーライセンス牙&ブラック・エンジェルズ』や、松田鏡二を主人公とした『ザ・松田 ブラックエンジェルズ』などが連載された。

組織の全容は不明だが、「本部」「支部」「暗殺組織」の存在が明らかとなっている。また、支部の中には孤児院も含まれている。人員構成は典型的なピラミッド構造となっており、発足メンバーをトップとし、以下に幹部・地方の幹部・構成員が存在する。殺し屋は暗殺組織に属するが、酔鬼・斬血鬼・妖鬼のような「本部直轄の殺し屋」もいる。構成員は政財界はもとより、自衛隊、マスメディア、警察、高校と幅広い分野に存在している。
発足は高度経済成長に突入した頃。財閥の息子、政府の高級官僚、社会評論家、自衛隊幹部などから成る8人が発足した。当時のメンバーは全員30歳前後で、「自由と平等を主義とし、大国に頼らない独立した国家」を作ることを理想としていた。大衆はブタのように与えられたエサをただ食らうだけの無能な集団であり、自分たちが主導権を握り、ムチを打っていかないと国家が滅びると考えている。

暗殺組織

竜牙会が持つ暗殺組織で、多数の殺し屋が所属し、竜牙会に敵対する者、及び裏切り者の始末を主な役目とする。目的のためには手段を選ばない非情さや冷酷さを持っており、一般市民を巻き添えにすることは当たり前である。幼少の頃に何らかの形で組織に属することとなり、殺し屋となるべく地獄のような訓練を積まされるため、身体能力は非常に高い。

M計画

竜牙会幹部が理想国家を作る究極の方法として考案した計画。Mとは「Mortality(死ぬべき運命)」の略である。富士山の地下で核爆発を起こすことで東京に大地震を引き起こし、その混乱に乗じて竜牙会の反対勢力を粛清、首都を廃して遷都することで自分たちの理想の都を作るというもの。この計画に反対した鷹沢は会を離脱し、計画阻止のためブラックエンジェルを組織した。M計画提唱から10数年後、計画は成功する段階まで来ているにもかかわらず、未だに実行されないことに業を煮やした発足メンバーの6人の子供がニューリーダー「切人」の命の下、無能な親に代わり自分たちの手でM計画を実行し理想の国家を作ろうと企み、ブラックエンジェルとの抗争を繰り広げる。最終的に核爆弾は雪藤と松田によって停止させられるも、切人の受けた神の啓示通り自然に発生した大地震によって東京どころか関東全体が崩壊する事になる。

八凶星

切人の予言通りに壊滅した関東に出現し、各エリアを治め覇権争いをする者たち。全員が1枚ずつ「金貨」を所有し、関東破滅地帯を恐怖と暴力で支配している。最後は神霊の策略によって全勢力がぶつかり合う一大決戦を起こし、三日三晩の戦いの末に殆どの兵士が死亡。生き残った兵士と八凶星達も妖姫の勢力や牙、雪藤ら全滅させられた。

白い天使(ホワイトエンジェル)

超能力者の集団で、元々は明治時代から代々時の権力者の相談役として仕え、国家を左右する重要な決定を未来感知能力を用いて総理大臣に進言してきた影の存在だったが、長を務める老師の弟子の一部が日陰の存在に終わることを嫌がり、権力を手中に収めようと独立、ホワイトエンジェルを組織した。

新政府

勇気を頂点として、3年間日本を支配していた。国民背番号制を導入しており、国民の情報は全てコンピュータにインプットされている。逆らう者は処刑される恐怖政治が90%以上完成されている。

『ブラック・エンジェルズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

雪藤「地獄へ落ちろ!」

普段は眼鏡を掛けた気の弱い青年、見た見は優男で、争いとはまったく縁のないように見える好青年、雪藤洋士の正体は、法で裁けない悪と戦うブラックエンジェルズの一員である。外道の前では一変し、冷徹な闇の暗殺者に変わる。自転車のスポークを武器として、ブラックスーツを見に纏い、闇夜に外道の前に現れてスポークを突き立てて抹殺する時の決め台詞「地獄へ落ちろ!!」。この叫びは、ブラックエンジェルを象徴する名セリフとなっている。

雪藤「我が心すでに空なり 空なるが故に無……! 無をもってすれば 火もまた涼なり」

卑弥呼が操る悪魔憎涅巣(アマゾネス)5人の1人、黄泉は雪藤を失明させるほどの実力であったが、戦いの中で、逆に雪藤の力がさらに呼び覚まされる。心の力で体の限界を突破した雪藤は、無意識に攻撃できたり、熱湯を浴びても無傷など驚異的な強さを手に入れ、この名セリフを声にした。

松田「いんだよ、細けえ事は!」

松田鏡ニは敵に殺されて死んだと思われていたが、ある日突然、再び雪藤のもとに姿を現した。「死んだはずでは?」と驚く雪藤に松田はこのセリフを口にした。男らしい松田を象徴する豪快なセリフ。有無を言わさない勢いがあり、感動させられる読者も多かった名言。ネット用語としても定着し、多用されている。

『ブラック・エンジェルズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

第1話で警視庁から抗議が来た

闇の処刑人ブラックエンジェルが悪人たちを問答無用で始末するという『ブラック・エンジェルズ』。極悪な外道たちが登場することが魅力でもある。超過激な勧善懲悪作品として600万部を超えるヒット作となったが、第1話では、超悪徳刑事の蛭川が、更生した前科者につきまとい犯罪者に仕立て上げようとしたり、撃ち殺したり、妹の女子高生を暴行したりという過激な内容であり、あまりにも卑劣な刑事であったことから、警視庁から抗議が来たと平松伸二が打ち明けている。

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