ケムリクサ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ケムリクサ』とは、2019年1月から放送された、ヤオヨロズ制作のSFファンタジーアニメ。監督は『けものフレンズ』で知られるたつき監督。Twitterやニコニコ動画等に「趣味のアニメ」として投稿された前日譚、後日譚が存在する。水を求めて荒廃した世界を旅する姉妹と、謎の少年・わかばが世界の謎を解き明かす冒険、そして姉妹の四女りんが自分の「好き」を見つけるまでを描く。タイトルである「ケムリクサ」は作中に登場する不思議な葉。色ごとに様々な機能があり、姉妹たちが旅する世界とも密接な関わりがある。

『ケムリクサ』の概要

『ケムリクサ』とは、2019年1月から放送された、ヤオヨロズ制作のSFファンタジーアニメ。Twitterやニコニコ動画、YouTubeに「趣味のアニメ」として公開されている前日譚、後日譚が存在する。
放送中に日清食品のカップ麺「どん兵衛 天ぷらそば」とのコラボCMやHPが公開され、話題となった。その他にも一番くじやコラボカフェなどが企画され、好評を博した。

赤い霧と荒廃した建物しかない世界。猫耳のりつ、まとめ髪のりん、ツインテールのりなの姉妹は水を求めて旅をしていた。赤い光を帯びた「あかむし」に襲われながらの旅はとても危険で、はじめは6人姉妹だったりん達は3人に減ってしまっている。見つかる水は極端に少なく、水がなければ生きられない姉妹は死の危機に瀕している。
りんとりなが「一島」を探索中に水を発見し、回収していると、突如として謎の少年が現れた。彼はわかばと名乗ったが、名前以外何も覚えていない。わかばは負傷すると赤い液体を流したため、姉妹は彼をあかむしの一種と思い、処理しようとするが、あかむし退治に使うケムリクサ「ミドリ」がわかばには通用せず、傷が治ってしまう。これまでにない事態に困惑するりん達を、大型のあかむしが襲ってきた。姉妹が応戦する中、末っ子のりながあかむしに食べられそうになったところをわかばの勇気と機転で脱する。
りんはわかばを不審に思いながらも、その言葉と行動に背中を押され、「このまま一島で死を待つよりは、危険でも水を求めて新天地を目指そう」と決意する。
こうして、姉妹とわかばは水を求めて旅立つのだった。

主要な登場人物のほぼすべてが世界の成り立ちや背景についてほとんど知らない、謎だらけの状態でストーリーが進行する。可愛らしいキャラクター造形に反して複雑なアニメとなっている。
姉妹の半分が死亡した状態で始まる、過酷な旅路を描いた物語だが、姉妹やわかばがいつでも「好きなもの」を大切にする姿勢を貫いているため、全体を通した雰囲気は明るい。姉妹とあかむしとの戦いや世界の謎を解く過程を経て、主人公である四女のりんが自分の「好き」を見つける物語でもある。

『ケムリクサ』のあらすじ・ストーリー

りんとわかばの出会い

水を見つけたりん。本物の水か調べている。りんが視力を発揮するときは、目が緑色に光る。

赤い霧に覆われた、瓦礫と廃墟ばかりの世界で、3人の姉妹が水を探していた。
耳がいい姉のりつ、丈夫な体と優れた視力を持つりん、廃材を食べる妹のりな。彼女たちは本来6人の姉妹だったが、赤い霧の中に浮かぶ島々を旅する中でひとりまたひとりと命を落とし、今は3人だけになっている。彼女たちが生きるには水が必要で、今いる「一島」で水が見つからなければりつ、りん、りなもここまでの命だった。
島を探索するりんとりなが崩れた壁の向こうに水を見つけ、喜んだのもつかの間、「あかむし」が現れた。あかむしは赤い光を帯びた機械のようなもので、姉妹たちを執拗に狙って攻撃してくる。りんはりなをその場に残してあかむしと交戦し、討伐するが、ひとりで水を守っていたりなが別のあかむしと交戦して命を落としてしまった。「りんねぇねはもうちょっと好き放題したらいい」とりんに言い残し、りなは消えていく。

ミドリちゃんから葉(緑色のケムリクサ)を回収するりな達。

落ち込むりつとりんを、4人のりなが慰めた。りなは廃材を食べて溜め込むことで分身する能力を持っており、あかむしとの戦闘で命を落としたのは5人目のりな、通称「りなこ」だった。残ったりなは「りなっち」「りなじ」「りなよ」「りなむ」の4人。「たくさん食べて飲んで、また増やせばいい」と笑うりな達。
姉妹は後方が壊れた車両を拠点として使っており、その天井を突き破るようにして一本の大きな木が生えている。りつは木を「ミドリちゃん」と呼んで可愛がっており、水をあげて大切にしている。ミドリちゃんは緑色に光る葉、ケムリクサをつけており、姉妹はケムリクサを使ってあかむしと戦闘するのだ。

溺れるわかば。後方で緑色に光っているのは、水を回収しているミドリちゃんの根。りつはミドリちゃんの根を自在に操ることができる。

りんとりながミドリちゃんからケムリクサを回収していると、水を回収している水槽から大きな音がした。中では見知らぬ少年がもがいている。あっけに取られるりんをよそに、りな達が「むしだ!」と叫んで一斉に襲い掛かり、少年は頭を打って昏倒した。その額から赤い液体が滴るのを見て、「あかむしだ」と判断するりん。
意識を取り戻した少年は「わかば」と名乗る。わかばは水槽に落ちる前の記憶がなく、攻撃的な姉妹に怯えているが、りんが持つケムリクサには興味津々の様子だった。喋るあかむしを初めて見るりん達は困惑するが、わかばを処理することに決める。
わかばは自分が外敵として排除されると知ると、「皆さん怪我はありませんでしたか。騒がせて申し訳ない、自分と似た何かが迷惑をかけたなら、それもごめんなさい」とりん達を気遣う。りんが困惑しながらもケムリクサを打ち込むと、わかばは全くの無傷のままで、擦りむいた額の傷まで消えている。姉妹がますます困惑する中、りつの耳が大型のあかむしを察知する。
わかばを警戒したりんは彼を抱えたまま、りなじ、りなよ、りなっちと共にあかむしの討伐に向かう。

あかぎりの中に潜むあかむしを発見したわかば(画面上)。りんが手にしているのはミドリちゃんの葉(緑色のケムリクサ)だ。

一島の開けた一帯が、赤い霧で覆われていた。姉妹が「あかぎり」と呼ぶそれは島の外を覆いつくしており、島の中であかむしが出るときに発生することもある有害な霧だった。姉妹の中で最も丈夫なりんでなければあかぎりの中には入れず、りん以外の姉妹が入ると体が溶けてしまうほどに熱い。
りん、りなっち、りなじ、りなよは芋虫に似た大型のあかむしと戦闘になる。あかむしはあかぎりの中に身を隠しながら姉妹を撹乱し、りなよを呑み込んでしまった。あかむしの位置が特定できずにりんが苦戦していると、わかばがあかぎりの中に熱が集中した場所があると言う。わかばを信用できないりんは、わかばの示した場所にあかむしがいるのか信じ切れず、しかしあかむしに連れ去られたりなよを案じて焦りが募る。
りんが妹を心配する姿を見たわかばは、自ら有害なあかぎりの中に入っていき、熱さと痛みに耐えながらりなよを救い出した。
すぐさま後を追って姿を現したあかむしを、りんはケムリクサのエネルギーをぶつけて討伐した。

原因もわからず赤面するりん。マフラーごしに透けて見えるのは彼女の本体だ。

あかぎりを怖がりながらもりなよを助けに飛び込んだわかばは、「りんさんがすごく心配そうな顔をされてたんで、つい」と気の抜けた顔で笑っている。
りんは「念のため周りを見てくる」と言ってその場を離れ、自分の顔が熱くなることに混乱を覚えるのだった。

新しいことが見つかるかも

わかばの近くにいるときだけ体の調子がおかしくなる、とりつに話すりん。

わかばの見張りをりな達に任せて、りつとりんはこれからどうするかを話し合っていた。
水が見つかる前は、一島で旅を終わりにすると決めていたが、ある程度の量の水を手に入れた今は、一島から離れて水を探しに行く余裕ができている。留まるにしろ動くにしろ、あかむしとの戦いの負担はりんが多く背負うのだがらりんが決めるべき、とりつは言った。りんは「少し考える」と答え、議題はわかばの処遇に移る。わかば自身は今のところ姉妹の脅威にはならないという点ではふたりの意見は一致したが、りんがひとつの懸念事項をあげる。それは、りんがわかばの近くにいるとき体の調子がおかしい、というものだった。顔が熱くなったり、胸がどくどくしたり、視界が眩しくなったりするという。りん自身はじめて体感するもので、原因はわからないが、死んだ姉妹の「りょく」が話していた「毒」というものではないだろうか、というのがりんの見解だった。今のところ行動に支障はないから様子を見る、と結論付けて、りんは「キイロ」を取りに出かける。

黄色のケムリクサと、好奇心いっぱいに見つめるわかば。

「キイロ」とは姉妹が明かりに使っている黄色のケムリクサで、一定時間発光しつづける性質を持っている。わかばを警戒したりんは、わかばを同行させてキイロの回収へ向かった。
道中、島に張り巡らされたミドリちゃんの根に興味津々なわかばは、青いケムリクサが生えているのを見つけてポケットに入れる。青いケムリクサはミドリやキイロと違ってあまり光っておらず、姉妹には使えない。
キイロを回収するりんに、わかばは姉妹のことを尋ねた。水を探して6人で旅をしていたこと、その中でむしの倒し方を見つけたり、ミドリちゃんを発見したり、役に立つことがたくさんわかったこと。残された時間、りつとりなには好きなことをしてほしいと思っていること。りつはミドリちゃんが好きで、りなは食べることが好きなこと。淡々と話すりんに、わかばはりんの好きなことは何かと問うが、りんは、好きなことはない、りつとりなを守ることが最優先だと答える。りんは3人の姉妹を失ったことを強く悔いており、残された自分が姉妹を守らなければならないと思い詰めている。一島に残るか、水を求めて移動するか、りんは決めなくてはならない。
わかばは、姉妹を守りきったら好きなことをすればいい、自分も何でも手伝う、と笑顔で言う。りんはわかばの前向きで強い気持ちに戸惑い、熱くなる頬を押さえた。

わかばが拾った青いケムリクサ。見つけたときは光っていなかったが、わかばが手にすると光った。

りんがキイロを集めて拠点に戻ると、りつの耳がわかばのポケットの中から知らない音を感知した。わかばがポケットを探ると、拾った青いケムリクサが発光して小さな音をたてている。ミドリちゃんの葉以外で明るさの変わるケムリクサを初めて見て驚く姉妹。持っているわかばにも何故光ったのかわからず、混乱するうちに光は収まった。
ケムリクサに興味津々のわかばは、りつからキイロの使い方を聞いてしきりに感心している。それを見たりなが、わかばは何も知らない、と言うと、わかばは「何も知らないってことは、新しいことをたくさん覚えられるから、最高に楽しい」と答える。それを聞いていたりんは決断した。
「姉さん、外に行こう」。妹の言葉を、りつは笑顔で聞いている。「もう一回やってみよう。何か新しいものが見つかるかもしれない」。
姉妹は出発の準備を進め、りつとりんは地図を見ながら進路を相談した。姉の「りく」が残した「六島の向こうに湖がある」という言葉を信じて、橋を渡って「二島」から「三島」「四島」へと進み、湖を目指すことになった。道中にはあかむしが多く、道が残っている場所も少ないため、危険な道のりとなる。それでも姉妹で力を合わせてやってみようと励ましあい、一行は出発した。
りんはわかばに、今回の行動のきっかけとなったこと、りなよを助けてくれたことの礼を言う。わかばは「大したことはしてないが、りんさんにいいことがあったならよかった」と笑うのだった。

二島

車体の後ろから伸びているのはミドリちゃんの根。これで車体を押して線路を進む。車体の上には水を溜めた水槽が積んである。

りつがミドリちゃんの根を使って車体を持ち上げ、りなが敷設した線路の上に移動し、根で車体を押しながら進む。りんは車体の上から周囲を見張り、線路上に障害物があればりなに指示してどけさせる。島の外には霧が広がっており、あかぎりも多い。線路を進み、壊れた青い壁を超えると二島のエリアに入る。島と島の間には青い壁があり、島を移動するには壁を超えなくてはならないのだ。
二島に入ると、姉妹は「アイちゃん」を確認する。小さな鉢に水を張って浮かべた藍色のケムリクサで、水のある場所に反応するものだ。アイちゃんが何の反応も示さないことから、二島の水はすべて回収してしまったとわかった。一気に移動したことで体の弱いりつが疲労してしまったので、一行は二島で休憩をとることにする。姉妹は大きな桶いっぱいの水を飲むことで10日は動くことができるが、わかばは体の仕組みが違うのか、それほど飲まない。
珍しい建造物に食欲を刺激されたりなたちが周囲のものを次々に食べていくのをわかばが見ていると、その体内に光る葉があることに気付く。それは姉妹たちひとりひとりが持つ「本体」で、本体の葉さえ無事なら死ぬことはないという。りなはもう一種類、「モモちゃん」という葉を持っており、たくさん食べることで分身することができる。りんは、本体の葉、死んだ妹・りょくの葉、そして「さいしょのひとの葉」の3枚を持っている。

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