メイちゃんの執事(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『メイちゃんの執事』とは、少女漫画雑誌『マーガレット』にて2006年から長期連載された宮城理子による漫画であり、ドラマ化や舞台化、さらにゲーム化もされた大人気作品である。また、2013年より続編やスピンオフが3作品連載された。単行本累計発行部数は750万部を突破し、幅広い世代から支持されている。物語の主人公・東雲メイは両親の死をきっかけに突然大富豪の後継者となり、淑女教育を受けるためにお嬢様学校に入学する。そこで新しい学園生活を執事と送りつつ友情を育んだり、恋をしながら成長していく学園物語だ。

『メイちゃんの執事』の概要

『メイちゃんの執事』とは2006年より少女漫画雑誌『マーガレット』にて2012年までの6年間連載された宮城理子による漫画作品である。様々なメディア展開もされており、2009年からフジテレビにて全10話構成のテレビドラマ化された。ドラマの主演を水嶋ヒロと榮倉奈々が務め、その他キャストも人気俳優が多く出演したことで大きく話題となり、平均視聴率は14.1%、最高視聴率は16.6%を記録した。ドラマの影響もあり、放送開始直後の2009年1月時点で原作漫画累計発行部数は240万部を突破した。また2011年には宝塚歌劇団星組選抜メンバーにて舞台化され、星組トップスター紅ゆずると星組娘役スター音波みのりが主演を務めて話題となった。さらに、2011年からモバゲー、GREEにてソーシャルゲーム化もされるなど、大人気の作品である。2013年からは本作の登場人物の中の1人の少年時代を描いた冒険活劇であるスピンオフ作品『ミカド☆ボーイ』を本作と同じく『マーガレット』にて連載、休載を経て2014年から本作のタイトルを変更した続編『メイちゃんの執事DX』を連載開始、2019年からは休載している。また2019年から、執事側の物語を描くスピンオフ作品として『真夜中の執事たち-メイちゃんの執事 side B-』を2020年まで連載した。原作漫画のシリーズ累計発行部数は、2020年11月時点で750万部を突破する未だに人気の衰えない作品である。物語は、田舎で平穏に暮らしていた中学2年生の主人公・東雲メイが両親の事故死をきっかけに自身が実は大富豪「本郷家」の後継者であると知るところから始まる。そして、一夜にしてお嬢様となったメイは、淑女教育を受けるためにメイ専属執事の柴田理人と共に、全寮制で究極のお嬢様学校である聖ルチア女学園へ入学する。これまでの生活環境とは全てが一変したメイが、苦悩しながらも、自身の立場や運命にひたむきに向き合い、困難を乗り越えて成長していく姿や、執事との恋愛模様を描くラブコメディ作品である。物語は2部構成となっており、第1話から第49話までは中学2年生の東雲メイが様々なお嬢様と対峙する「ルチア編」、第50話から第139話はメイが高校3年生へと成長し、祖父が選んだ留学生の花婿候補者から自分の夫となる人物を決める「婿選び編」となっている。本作の続編である『メイちゃんの執事DX』は2019年に作者の宮城理子から一時休載が発表され、現在も多くの謎を残したまま未完結であり、今度の展開も期待されている。

『メイちゃんの執事』のあらすじ・ストーリー

一変した生活

主人公の東雲メイ(しののめメイ)は、四国の田舎に住むごく普通の中学2年生。実家はうどん屋を営んでおり、両親と平凡に暮らしてきた。そんな「ごく普通」の暮らしが、両親が事故死したことで一変する。ある日、メイを「お嬢様」と呼ぶイケメン執事の柴田理人(しばたりひと)がいきなり現れる。そして、実はメイの父・周太郎(しゅうたろう)が大富豪「本郷家(ほんごうけ)」の長男であり本郷グループ全社の後継者だったこと、周太郎の死によりメイが正式な後継者となったという衝撃の事実が伝えられた。
突然のことに現実を受け入れられないメイ。理人は、メイの気持ちが落ち着くまでそばにいることにした。両親の事故死という悲しみを懸命に隠し、学校では明るく振る舞ってきたメイだが、理人の優しさに触れ、メイは初めて人前で号泣する。それを見ていたメイの幼馴染・柴田剣人(しばたけんと)は、複雑な気持ちを隠しきれなかった。実は、理人と剣人とは兄弟であり、剣人は理人に対抗心を燃やしていたのである。そんな剣人を差し置き、理人はメイの身の回りの世話を完璧にこなし、メイの悲しみを少しずつ癒していく。献身的に接してくれる理人にメイが惹かれていくのは自然なことだった。そんな中で、本郷グループの現代表・本郷金太郎(ほんごうきんたろう)との初対面を果たしたメイ。「もう平凡な生活には戻れない」と不安を煽る言葉を口にする金太郎に対し、メイは頑なに元の生活に戻りたいことを伝える。しかし、頭では、もう今までのような日常に戻れないことは理解していた。金太郎の言葉を受け、淑女を養成するための全寮制のお嬢様学校「聖ルチア女学園」へ入学することになったメイ。そこでは、理人が常に執事として傍に仕えることになる。メイのことを心配した剣人は自らも執事になることを決め、聖ルチア女学園に併設の執事学校に入学、執事見習いとなった。

波乱の学園生活

聖ルチア女学園が究極のお嬢様学校と聞いていたメイだったが、彼女が実際に案内されたのは今にも壊れそうなボロボロの寮だった。この学園では生徒が4つの階級にランク分けされており、入学したばかりのメイは当然もっともランクが低い「陰(オンブラ)」寮からスタートする。翌日、教師から転入生として紹介されたメイのことを生徒たちが馬鹿にしていた。しかし、執事の理人が登場すると教室の空気が一変。理人は胸にSランク執事を示す金バッジを付けており、これが生徒たちの目に留まったのである。その金バッジは、100人に1人しか卒業できない超難関執事学校でも、さらに10年に1人出るかどうかといわれている最高級のSランク執事のみが持てるものだった。田舎者の冴えないメイがそんな最高の執事を仕えさせていることに対し、良い印象を持つ生徒が少ないはずはない。その中の1人、華山リカ(かやまリカ)が、突然メイにデュエロを申し込んでくる。容姿端麗でプライドが高いリカは、自分の執事である青山(あおやま)よりも理人のランクが高いことが気に入らなかったのである。デュエロとは、お嬢様の代理として執事同士が決闘をすることであり、負けた方は相手に自分の執事を差し出さねばならない。決闘当日、メイの心配をよそに、理人は青山に圧勝。青山はリカの元を離れなければならないことに怯えていたが、そんな青山の心情を察した理人は、メイの執事は自分1人だけであることを青山に伝え、リカから離れないようにした。一連の光景を見守っていた生徒たちは、理人のSランク執事としての強さだけでなく、メイと理人の信頼関係にも感心する。以後、メイは少しずつクラスに馴染めるようになり、友人も増えていった。

詩織の登場

メイが学園にも馴染んできた頃、学園の階級が一番上位である太陽ランクの中でも、トップの「ルチア」と呼ばれる称号を持つ本郷詩織(ほんごうしおり)は執事の忍(しのぶ)からある報告を受けていた。忍は「東雲メイはルチア様を亡き者にし、本郷家の財産と権力を我が物にしようとしているのです」と、根拠のない嘘を詩織へ伝えた。詩織は「あの子がおじい様にとり入って、私から理人さんを奪ったの?」と勘違いをした。詩織は病弱であり、施設で暮らしていたところを金太郎に引き取られ養子として育てられた過去がある。精神的に弱っていた時期に理人が1ヵ月間だけ執事として仕えていたため、理人に対して異常な執着を見せていた。そこに突然現れた金太郎の本物の孫・メイ。そんなメイに理人まで奪われたと考え、メイのことを非常に嫌っていたのである。
学園で開かれた舞踏会。メイをダンス相手として指名してきたのは、詩織の執事である忍だった。詩織は理人を指名し、2人で一緒に踊り始めてしまう。想定外の展開に驚き、理人と詩織の方ばかり気にしてしまうメイ。それに対し、忍は「ご存知でしたか?彼は昔、ルチア様の執事をしていたんですよ」と言い、2人は誰も邪魔できない強い絆で結ばれていると伝えた。詩織と自分とのあまりの違いに自信を失くしたメイは、理人に冷たくしてしまう。涙を見せるメイに理由を尋ねる理人に、メイは自分が理人を好きであることを告白した。そんなメイに、理人は「今だけは執事ではない」と告げてキスをする。慰めかと思ったメイだが、理人は慰めではないという。しかし、お嬢様と執事との恋愛は御法度。2人の許されざる恋愛が、ここに始まろうとしていた。
舞踏会の後、メイのクラスに詩織がクラスメイトとして入ってくる。そして、メイが自分と同じ本郷家の人間であることを暴露してしまった。メイ自身は自分の身の安全を考え、本郷家の跡取りであることは隠してきた。驚くクラスメイトたちを前に、詩織はメイに理人を巡ってのデュエロを申し込む。決闘の日、忍の作戦に動揺した理人は敗北し、詩織の執事になってしまった。メイが戸惑う中、メイの新たな執事として剣人が現れ、メイは剣人とともに生活することになった。理人に会いたいメイの気持ちを利用した忍は、理人と詩織の生活の場をメイに見せる。そこには、仲睦まじく過ごす理人と詩織の姿があった。誰も入り込む余地のない2人の世界に、メイはすっかり落ち込んでしまう。そんなメイを剣人が懸命に励ますが、メイはつい理人と剣人を比べてしまっていた。剣人自身も、理人や他の執事と比較され、自信を失くしてしまう。その後、友人たちの計らいで少しずつ会話をするようになったメイと剣人。ある日、ついに剣人は自分の気持ちを抑えきれなくなり、メイにキスをする。メイは驚いたものの剣人を拒むことができなかった。ここからメイ、理人、剣人の三角関係が始まる。

理人を巡って

ある日、社会科見学で香港を訪れることになったメイ。香港には、クラスメイトの夏目不二子(なつめふじこ)の祖父が経営する豪華なホテルやカジノがあり、メイは初めての体験に目が眩んでいた。そんな中、メイと剣人が香港マフィアに拉致されてしまう。2人を助けるため、お嬢様たちは自分の財力や権力を駆使し、2人の居場所を特定する。その場所を爆破した騒ぎに紛れて、マフィアがメイに発砲。これを庇った剣人がケガを負ってしまった。不二子の祖父の登場で騒ぎは収束したが、剣人は入院を余儀なくされてしまう。執事不在のまま帰国したメイに対し、詩織は理人を期間限定で貸すという。このことで詩織に好印象を抱いたメイだったが、実は一連の出来事はすべて詩織が裏で仕組んだことだった。何も知らないメイは理人との日々を喜び、改めて自分の気持ちを確認する。そこへ、剣人が回復して戻ってくる。剣人はメイが理人を想う気持ちが強くなっていることに劣等感を感じていたが、本人の前ではそれを見せなかった。
一方の理人はというと、剣人にメイを取られたように感じており、それをそのまま詩織に話してしまう。メイに怒りを感じた詩織は、理人を本格的に自分のものにするため、メイにデュエロを申し込む。自分に自信があった詩織は、自分が負けたらルチアの座を降りるとまで言い出した。理人と剣人とのデュエロでは、どう考えても剣人が理人に勝てるはずはない。デュエロ当日、メイの心配は的中し、剣人は理人にやられ続けていた。その時、メイはふと、この勝負に負けた時のことを考える。自分が負けても失うのは理人だけだが、詩織は理人もルチアの座までも失うことになる。メイは「ルチアではないあなたに何が残るの?」と詩織に現実を突きつけた。すると、突然詩織が発狂し、暴れ出した。その様子を見て理人は負けを認め、剣人が勝利する。実は、ここまでの戦いは理人が仕組んだもので、自分に対する詩織の想いを断ち切らせるために取った行動だった。もはや手が付けられないほどに暴れ狂い、精神に異常を来してしまった詩織は、両目を自らナイフで刺してしまう。詩織は自分の耳までをも削ぎ落とそうとしたが、メイが庇ったことで事なきを得た。そんな詩織の姿を見ていられなくなったメイは、詩織は火事で死んだことにすると理人に命じた。詩織は忍のことを理人だと思い込んだまま、2人で静かに学園を離れていった。剣人はこの出来事で自分の執事としての未熟さを痛感し、修行のためにイギリスへと発つ。

婿選び開始

一連の出来事から4年後、メイは17歳の高校3年生になっていた。メイにもだんだんお嬢様としての品格が身に付いてきた頃、祖父の金太郎がメイの婿候補として留学生数人を学園へ招待する。メイは18歳の誕生日までに、その中から婿を選ばなければならなくなった。婿候補の中に、イギリスに留学していたはずの剣人の姿があった。剣人はこの4年間ですっかり背も伸びイケメンになっていた。その上、イギリスの公爵家のSランク筆頭執事に弟子入りしており、執事としても立派に成長していた。
候補者の中に、中田彼方(なかたかなた)という人物がいた。彼方はメイ、剣人と同郷で、一緒に野球を楽しむような仲であった。なぜ彼方がメイの婿候補として学園にやって来たのか。その答えは、もしメイが彼方を婿に選べば、メイは再び四国で平凡な生活に戻ることができるからである。四国の田舎を愛するメイだ。その道を選ぶ可能性もゼロではない。メイの覚悟を試す意味もあって、彼方が婿候補に選ばれたのだった。剣人と彼方は野球で勝負することになり、結果は彼方が勝利した。彼方はメイに四国へ一緒に帰ることを提案するが、メイはすでに自身の使命を自覚しており、その申し出を断る。彼方の挑戦が終わり、学園にも再び平穏が訪れるかと思われたその時、メイが何者かに拉致されてしまう。
メイを拉致したのは婿候補者の1人石油の国のイル王子で、彼は自家用飛行機で砂漠にある別邸へとメイを連れて行ってしまう。家庭問題でゴタゴタを抱えていたイル王子が、どんな時でも明るく振る舞うメイに惹かれていくのは自然なことだった。そこに理人と剣人、そしてクラスメイトたちがメイを助けるために砂漠まで追いかけてくる。イル王子の執事たちとの激闘の末、辛くも勝利した理人。一方の剣人は、メイとイル王子を砂漠の中から探し出し、無事に救出する。それも束の間、砂漠の暑さと疲労でメイが倒れ込み、剣人とイル王子が途方に暮れてしまう。その場に現れたのは、理人だった。無事に生還した一行は日本へ帰国。理人と剣人はケガの治療のため入院することになり、メイが理人の病室を訪れた。理人はイル王子の執事たちとの激闘を経て、自分のメイに対する想いを確かなものにし、その気持ちをメイに告白する。一方の剣人は、理人とメイが良い仲になっていることなどつゆ知らず、メイがお見舞いに来てくれることを病室でひたすら待ち続けていた。

詩織との再会

その後も、メイの婿候補である東条やダミアン・アダムズによる騒ぎはあったが、ひとまずその件も落ち着いた頃。剣人はメイの気持ちが自分ではなく理人に向いていることを悟り、メイの前から姿を消すことを宣言する。その時、謎の人物が突如として現れた。その人物とは、メイの婿候補としてやって来たはずの中国人の揚飛(ヨウフェイ)と揚翔(ヨウシャン)だった。この2人はメイの新しい執事としてその場に現れたのだったが、その正体は、なかなか婿を決められないメイに痺れを切らして金太郎が本郷家から送り込んできた審判だった。飛と翔がメイの婿として選んだのは剣人で、理人は彼らによって執事を解雇されてしまう。ショックを受けた理人はメイの同意のもと、メイを拉致して姿を消してしまう。剣人は当然これに激怒し、2人を追いかけた。ホテルの部屋で休むメイと理人。目覚めたメイに理人は「すぐ戻る」と言い残して出かけてしまうが、理人はなかなか帰ってこなかった。メイの不安が募る中、ようやく迎えが来る。理人だと思って喜んでいたメイだったが、実はそれは理人ではなく、理人に扮した忍だった。そうと気付いた時にはすでに遅く、メイは港に停泊していた豪華客船に誘導されるがままに乗ってしまう。船内には、4年前に忍とともに行方をくらませた詩織の姿があった。あの騒動の後、詩織は理人に扮した忍とともにこの船内で幸せに暮らしていたのである。その記憶の中にメイは存在しておらず、失明しているためにメイの顔もわからない。詩織は、メイの顔を手で触りながらまるで初対面のように話しかけるのだった。そこに、本物の理人が現れる。理人も忍に呼び出されていたのだった。忍によると、この4年間ずっと自分は詩織の前で理人として生きてきており、理人の存在はこの世に1人でいいとのこと。忍は、本物の理人を殺そうとしていたのであった。その殺意が嘘ではないことを察したメイは、詩織にデュエロを申し込む。その内容は、忍と本物の理人が詩織の名を呼び、どちらが理人かを詩織が選ぶというものだった。結果として、詩織は忍を選ぶ。その後、忍はメイの執事の飛と翔に電話をかける。実は、飛と翔の本当の狙いは「世界一のお嬢様を探す」というもので、詩織を欲しがっていたのだった。それを知った忍は詩織を奪わせないために学園とメイの存在を教え、忍が金太郎と掛け合って飛と翔を審判者として送り込んだのだった。そして理人を解雇させ、殺すという計画になっていたのである。
事の全容を知らされても、メイは毅然としていた。その態度に、理人はメイへの想いを強くする。そこへ、飛と翔、メイたちを追いかけてきた剣人が到着する。理人と剣人、兄弟対決が勃発するかに見えたが、実はこれは理人と剣人が仕組んでいたことであり、2人は共闘して飛と翔の正体を暴こうとしていたのであった。4人の激闘が始まる中、どさくさに紛れて忍が詩織と脱出。直後に客船が爆発し、炎上してしまう。その際、翔はメイを庇って海に飛び込み、そのまま2人は無人島に流されてしまった。

翔の想い

無人島で過ごすうち、メイの優しい心に惹かれていった翔は、正式にメイの婿候補者として立候補することを決める。そこへ2人を救助にやってきた理人と剣人だったが、翔はメイが自分と結婚してくれないなら死ぬと騒ぎ始める。そんな翔を止めるため、メイは翔と結婚すると言い出す。メイとともにメイの故郷の四国へ向かった翔は、田舎特有の雰囲気に圧倒され、調子が狂ってしまう。穏やかな環境に心癒される翔だったが、そこへ理人と剣人が2人を追いかけてくる。それを知ったメイは、翔とともに逃亡を決意する。もし理人と剣人と翔が遭遇すればまた決闘になり、翔が殺されてしまう可能性があったからだった。
理人と剣人から逃げ回る日々を送る中、メイと翔はかつてメイの婿候補者だったイル王子のもとへ向かう。翔が自分の命を人質にメイに結婚を迫っていることを知ったイル王子は激怒。彼はそんな翔を庇って結婚しようとするメイにも腹を立て、イル王子と翔はデュエロをすることになる。2人の決闘中、翔はメイの言葉を振り切って身勝手に行動し、イル王子を死の寸前まで追い詰めてしまう。間一髪のところで駆け付けた剣人が止めに入り、イル王子は窮地を逃れた。
結果的にデュエロに勝利したのは翔だったが、お嬢様の制止も聞けないようなやつは執事ではないと剣人に冷たく突き放され、落ち込んだ翔は1人で逃亡してしまう。翔を救いたい一心のメイは、理人に電話をかけて助けを求める。メイのお願いを喜んで聞き入れた理人は、翔の母国へと向かう。それは、自暴自棄になった翔が母国の首相を暗殺すると目論んでいるのを先読みしてのことだった。その予想通りに翔が母国に現れると、理人は一瞬で翔を返り討ちにする。万策尽きた翔は、事前に仕掛けていた爆弾の起爆スイッチを押す。その場に剣人とメイが姿を現し、メイを巻き込んでしまうことに顔面蒼白になる翔だったが、これも理人が先読みしていたことで爆弾はすでに撤去されていた。メイを殺さずに済んだ翔は、心からの礼を理人と剣人に述べる。この間、メイの誕生日はすでに過ぎてしまっていた。1年かけて繰り広げられてきた婿選びは、決着がつかないまま終わりを迎える。
この後、剣人はイギリスに戻ることにしたが、目の前で理人がメイにプロポーズしたことでイギリス行きを思いとどまる。その様子を見た理人から「お前は逃げている」と指摘されるが、剣人は剣人で、兄弟2人でメイを巡って争い合うのも楽しいと思っていたのだった。メイ自身は理人が好きだが、剣人のことも大切に思っている。最終的には婿も執事も1人だけを選ぶことはなく、物語は終了した。

スピンオフ作品『ミカド☆ボーイ』

『ミカド☆ボーイ』とは、2013年より少女漫画雑誌『マーガレット』にて連載された宮城理子による全4巻の漫画作品である。漫画『メイちゃんの執事』のスピンオフ作品であり、舞台は昭和12年の4月で『メイちゃんの執事』に登場する柴田理人・剣人の祖父である英人(ひでと)が物語の主人公。本郷金太郎も登場する。シリーズを通しての共通点も楽しめるため、多くの読者から人気の作品である。

続編『メイちゃんの執事DX』

『メイちゃんの執事DX』とは、2014年より少女漫画雑誌『マーガレット』にて連載の宮城理子による漫画作品である。漫画『メイちゃんの執事』の続編物語であり、聖ルチア女学園の最上級生になった18歳のメイが、執事である理人と前作に比べて少し大人なスキンシップを積極的にしている様子から物語は始まる。「理人の最高のお嬢様になる」ことを目指し、さらに成長していくメイの様子を描く物語である。

続編『真夜中の執事たち -メイちゃんの執事 side B-』

2019年より少女漫画雑誌『マーガレット』にて連載された、漫画『メイちゃんの執事』のスピンオフ作品である。本作は「お嬢様の知らない執事たちの日々の物語が始まる」というコンセプトに沿うよう、登場人物は基本的に男性のみである。物語は、理人と剣人の柴田兄弟を中心に、聖ルチア女学園で優雅に暮らすお嬢様たちの裏で、日々奮闘しながら知られざる苦労や努力をしている執事たちの様子を描いている。

『メイちゃんの執事』の登場人物・キャラクター

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