スタンド・バイ・ミー(映画)のネタバレ解説まとめ

『スタンド・バイ・ミー』とは、モダン・ホラーの巨匠スティーブン・キング原作の非ホラー系作品。彼の少年時代の出来事を題材にしたアメリカ映画。監督は『最高の人生の見つけ方』など数々の有名作品を世に送り出したロブ・ライナー。ノスタルジックな世界観で描かれた本作は、作家として大成した主人公が、劣悪な環境、閉塞的な町に育った少年時代のひと夏の出来事を振り返る形で展開していく。絶望しかない未来、死体探しの旅というひと夏の冒険を通して、少年たちが心の葛藤を描きながら大人へと成長していく友情物語である。

『スタンド・バイ・ミー』の概要

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向かって左から主人公ゴーディ・ラチャンス(演:ウィル・ウィトン)、バーン・テシオ(演:ジェリー・オコンネル)、テディ・ドチャンプ(演:コリー・フェルドマン)、クリス・チェンバーズ(演:リヴァー・ジュード・フェニックス)

『スタンド・バイ・ミー』とは、1986年に公開されたアメリカ映画。原作が、あのモダン・ホラーの巨匠スティーブン・キング。彼の作品にはめずらしく非ホラー系の作品『恐怖の四季』の中に収められた秋の物語『THE BODY』がべ-スとなっている。

そして、監督には『最高の人生の見つけ方』など数々の有名作品を世に送り出したロブ・ライナーを迎え、アカデミー脚色賞、ゴールデングローブ作品賞、監督賞にノミネートされた作品である。

また、本作の主題歌、ベン・E・キングが歌う『スタンド・バイ・ミー』は、公開と同時に爆発的な大ヒットとなり、その後も有名歌手がカバーするなど、広く知れ渡った定番の曲となっている。

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1950年代末のアメリカオレゴン州にある小さな田舎町キャッスルロックが舞台。そこに住む4人の少年たちが織りなすひと夏の冒険物語である。大人に成長し作家となった主人公ゴードン・ラチャンスが、ある新聞記事から一人の弁護士の死を知る。それは少年時代ひと夏の冒険を供にした親友の死だった。そのことをきっかけに、ゴードンはその亡くなった親友と過ごしたひと夏の冒険物語を回想し始める。

夏休み、暇を持て余していた4人の少年、ゴーディ・ラチャンス、クリス・チェンバーズ、テディ・ドチャンプ、バーン・テシオ。ある日彼らは、3日前から行方不明になっていた同級生が実は電車にひかれて亡くなり、その死体が見つかっていないという話を聞く。その話に興味津々の彼ら、同級生の死体を見つけに行こうと決意、そして、彼らの“死体探し”、“自分探し”の旅が始まる。

進路選択という、人生においてはじめての岐路に立たされる小学校最後の夏休み、同級生の死体探しの旅という冒険を通じ、単なる少年たちの夏休みの思い出話という側面だけではなく、この時期誰しもが経験し得る家族との軋轢、大人の階段へと昇り始める心の葛藤など、そんな共感できるストーリー展開になっている。そういった部分が、この作品が30年以上たった今も、色褪せず人気の不動の作品となっている所以である。

『スタンド・バイ・ミー』のあらすじ・ストーリ-

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秘密基地でカ-ドゲ-ムに夢中になる4人

作家であるゴードン・ラチャンスは、ある朝、「弁護士のクリストファー・チェンバーズが刺殺される。」という見出しの新聞記事に目を止める。そのクリストファー・チェンバーズとは、彼の小学生時代、小学校最後の夏休み、忘れることのないあの冒険を供にした親友であったことを思い出す。

時は1959年、12歳のゴーディ(ゴードンの子供時代の呼び名)は、オレゴン州キャッスルロックという小さな田舎町に住んでいた。あまり良好とはいえない、どちらかというと、劣悪な家庭環境におかれている貧しい人たちが多く住む、決して治安も良くはない、キャッスルロックはそんな町だった。

文才があり有能なゴーディ、ゴーディの親友で頭脳明晰なクリス(クリストファー・チェンバーズ)、暴力的な父親の元で育ったせいか、どことなく頭のいかれているテディ、頭が鈍くノロマで肥満児のバーン、個性バラバラな4人だったが、なぜか気が合いよくつるんでいた。木の上に作った秘密基地に集まっては、タバコを喫ったり、カードゲームをしたりと、大人の真似事をして遊んでいた。

そんなある夏休み、息を切らしたバーンが、地元の不良グループに入っている兄がグループの仲間と話しているのを盗み聞きしてきたと秘密基地に駆け込んできた。何でもその話の内容とは、3日前から行方不明になっている同級生のレイ・ブラワーという少年の遺体が、30キロ先の森の奥で列車に跳ねられた死体のまま野ざらしにされて見つかっていないという話だった。

彼ら4人は、「死体を見つければ有名になって英雄になれる!!」と興奮し、4人揃って死体探しの旅に出掛けることを決意する。それぞれの両親に「友人の家に泊まる」という嘘をつき、寝袋と、万が一の時に備え、クリスが両親の目を盗んで銃を持ち込み、最後まで旅に出ることに気が乗らなかったバーンをどうにか説得、4人そろっての死体探しの旅が始まる。

4人の死体探しの旅が始まる。

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喧嘩したり、鉄橋の線路にビビるバーンを助けるため、危うく列車にひかれそうになったり、食料調達の店で犬に大事なところを襲われそうになったりと、悪戦苦闘しながらも4人は何とか目的地の半分までたどり着き、夜を迎え野宿を始める。そして、クリスが持参したピストルを持って、交代で見張りをすることになる。

漆黒の暗闇に包まれて眠れないゴーディ、そんなことはお構いなく眠り込んでいるテディとバーンを横目に、見張りをしているクリスと話し込む。文才のあるゴーディだったが、成績優秀、将来を期待されたアメフトの選手だった兄を亡くしてショックを受けている両親に、出来の悪い自分が生き残ったことを申し訳なく思い、さらに彼らに嫌われてさえいると気に病み、将来に希望を持てないことをクリスに話す。

そんなコーディにクリスは、彼の物書きの能力を高く評価、作家になる夢をあきらめないよう助言する。また、一方のクリスも、貧しく劣悪な家庭環境から将来に希望が持てないこと、その環境のせいで給食費を横領した担任の罪を着せられ利用されたことをコディーに打ち明ける。そんなクリスにコーディも頭が良いのだから進学すべきだと勧め、彼らはお互いを励まし合うのだった。

死体を見つける4人

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一方、コーディたちが旅に出た同じ頃、バーンの兄やクリスの兄のいるエースが率いる不良グループたちも、レイ・ブラワーの話を聞きつけ目的の場所へと車で向っていた。そんな中、野宿を無事に成し遂げた翌朝、ゴーディたち4人は、とうとうレイ・ブラワーの死体を発見することになる。

エースはキャッスル・ロックの町一番の手の付けられない不良グループのリーダーで、コーディやクリスたちもその彼の存在に常に怯えていた。

そして、コーディたちの喜びもつかの間、そこにそんなエースたちが現れ、コーディたちに死体を渡すようナイフで脅す。怖くなってバーンとテディは逃げ出すが、クリスは毅然とした態度で、自分たちが苦労して死体を見つけたこと、それを渡さないことをエースに告げる。そんなクリスの態度にエースは怒り、クリスをナイフで襲おうとする。その瞬間、ゴーディが銃を発砲、「立ち去らないと撃つ」とエースに銃口を突きつける。そのコーディの友を守る強い意図を読み取ったエースは、仲間を引き連れて、すごすごと退散してしまう。

それぞれの旅立ちへ

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エースたちが立ち去った後、冒険を通じて少し大人になった4人のひと夏の冒険物語は幕を閉じる。彼らは再び線路伝いに来た道を引き返す。「死体を見つけて有名になる!」、そう意気込んで始めた死体探しの旅。終わってみると案外素っ気なく、そして、目をそらしたくなる日常が戻って来る。

この先に待っている暗闇の将来、いったい自分たちはこの先どんな人生を送るのだろうか。閉塞的で劣悪な環境の町で生涯を終えるのだろうか。そんな彼らに会話はなかった。この夏休みの冒険を通じて彼らが得たものとは何だったのか、その答えはこの先の彼らの生き方に表れてくるのかもしれない。

それから数十年経った現在、夢を叶えて作家となったゴードン。結婚して2人の子供にも恵まれ、町を出て順風満帆な人生を過ごしている。一方のクリスも、その類まれなる頭脳明晰さを生かして猛勉強、弁護士になって町を出る。テディやバーンは結局町に残って家庭を持ち、閉塞的で劣悪な環境での変わらない日常を過ごしている。

ゴーディは、クリスともうかれこれ10年以上会っていなかったが、その新聞記事が語っていたこと、それは、クリスがあの少年時代のままと変わらず正義感が強いがゆえ、その長所が仇となり殺されてしまったことに胸を痛める。

それぞれの劣悪な家庭環境という障害の中で築き上げていった友情、あの12歳の頃のような友情を持てることは二度とないであろう。そんなことをゴーディは思い出し、そして、その物語の幕を閉じた。

『スタンド・バイ・ミー』の登場人物・キャラクター

ゴーディ・ラチャンス(演:ウィル・ウィトン)

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日本語吹替:神藤一弘(フジテレビ版)、土井美加(DVD版)、滝原祐太(Blu-ray版)

本作の主人公。
文才があって作家になることを夢見ているが、将来を期待されていた優秀な兄を交通事故で亡くし、その兄を溺愛していた両親に対して兄より劣っている自分が生き残ってしまったことに引け目を感じている。作家になることをあきらめていたが、このひと夏の冒険と友情を通して、作家になることを再び決意する。

ゴーディ・ラチャンス(大人)(演:リチャード・ドレイファス)

出典: gensun.org

日本語吹替:樋浦勉(フジテレビ版)、野島 昭生(DVD版)、原 康義(Blu-ray版)

作家のゴードン・ラチャンス。物語の語り手。

Sachiko Tanaka
Sachiko Tanaka
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