サバイバル(さいとう・たかを)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サバイバル』とは、原作・原案さいとう・たかを、作画さいとう・プロダクションによるサバイバル・ファンタジー漫画(劇画)作品である。
1976年から1978年にかけて『週刊少年サンデー(小学館)』にて連載されていた。
ある日、突如として世界中に発生した巨大地震を生き残った日本人少年・鈴木サトルが、文明の壊滅した世界で己が生存をかけて抗う姿を描く。
大自然に放り出された人間が、人類原初の生活に戻り、そこから創意工夫と勇気をもって少しずつ元の文明を取り戻そうとしていく様が読者を大いに惹きつける。

サトルの母と姉

画像左から、姉、父、母の順。右下はサトル。

母40歳。父と違い、名前が判明していない。
作中にはサトルの想像の中で幾度か登場するが、最終回まで人物としては描写されない。

姉17歳。恵という名前が判明している。
母と同じく作中においてはサトルの回想に登場するのみで、人物としては描写されない。
米軍人ロバートとの会話で存在が言及されている。

『サバイバル』の用語

DANGER-○

『サバイバル』における話数表記。○の部分には該当のアルファベット数字が入る。
サンデーコミックス版(絶版)文庫版(リイド文庫)、ワイド版(SPコミックス)で使用。

リイド廉価版(いわゆるコンビニコミック。基本的に再版される性質のものではなく、中古品のみとなるが流通量が少ないために入手は困難)においては「MIRACRE-○」が、用いられている。

地殻変動

『サバイバル』において、世界中に大地震を引き起こした原因とされている。

生きる

『サバイバル』のテーマであり、ほぼ毎回語られる単語。
その意味は単純に「死なずにいる」ことであり、含みは無い。人間を含めた生命の目的を再確認させられる言葉となっている。

食料・飲料

『サバイバル』において、他のあらゆる物資に優先されるもの。これひとつをめぐって、人々の間では時に助け合いがあり、時に殺し合いが起きる。それと同時に、自然がタダ同然に恵んでくれるものであり、容赦なくすべて奪っていくものでもある。

住居

文明が壊滅したため、当然、電気や水道などは通じない。
それでも雨露をしのげ、寒暖の変化から内部の者を守ってくれる場所がどれほどありがたいのかがありありと描かれ、作品を通じて読者(豪邸をうらやんだり、狭かったり古くなった家など嫌だとわがままを言う現代人)をハッとさせるようになっている。

また同時に、そのような場所は住居を所持していない者にとって襲撃・略奪の対象でもあることが、作中ではたびたび描写されている。

イーグルス

辰野が所属していたプロ野球球団。楽天イーグルスとは無関係(『サバイバル』連載の当時、同球団は存在しない)。
戦前に同名の球団が実在したが、こちらとも無関係。

東京流民

辰野の畑を襲撃しにきていた暴徒の通称。
その名の通り、東京都民の生き残りだが実態は過激なエゴイスト集団に過ぎず、文明を失った人間のなれの果てといった姿である。

『サバイバル』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

島に造った住居で、わずかなくつろぎの時を過ごすサトル。

「これだけが俺の生きていくための"道具"ってわけだ! ……心細いかぎりだけど……たよりにしてるぜ諸君!」

サトルが被災後、身を落ち着けた場所で確認した所持品を前にしての独白。
懐中電灯やカメラ、肥後守(小型ナイフ。1970年代は鉛筆削り用などに少年でも持参していた)程度しかなかったが、各種の持てる能力を最大限に動員して被災初期を生き延びた。
創意工夫こそ人間がもてる最大の力であることを、読者はこの後、目の当たりにしていくことになる。

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