キテレツ大百科(漫画・アニメ)のネタバレ解説まとめ

『キテレツ大百科』とは、発明好きの小学生が先祖が残した書物『奇天烈大百科』を基に発明道具を作り騒動を起こす、藤子・F・不二雄原作のSFコメディー漫画作品。1988年からフジテレビ系列でテレビアニメ化版(1987年にも特番アニメとして放送)が、2002年にはNHK総合・教育(現・Eテレ)にて実写ドラマ版が放送された。テレビアニメ版は日曜夜18~19時枠(現在は18時枠のみ)のアニメ放送時間枠を盛り上げ、本編やエンディングテーマを楽しみながらも、日曜日が終わる寂しさを感じた視聴者も多い。
『キテレツ大百科』の概要
『キテレツ大百科』とは、発明好きの小学5年生・木手英一(通称:キテレツ)が、江戸時代に発明家だった先祖のキテレツ斎が残した書物『奇天烈大百科』を参考として、毎回様々な発明品を作り騒動を起こす作品である。家の光協会出版の児童向け雑誌『こどもの光』(現:『ちゃぐりん』)にて、1974年(昭和49年)4月号~1977年(昭和52年)7月号にかけて連載されたのが最初である。またこの際、作者名義は「藤子不二雄」(藤子・F・不二雄と藤子不二雄Aの二名)だが、実際に執筆を手掛けたのは藤子・F・不二雄である。また連載終了後の1977年に、小学館の『てんとう虫コミックス』から単行本が発行され、これまでに五回再出版された。作者の藤子・F・不二雄は『ドラえもん』や『ウメ星デンカ』等、日常生活に異世界からのキャラクターを登場させ、日常とのズレによる笑いを生み出す「生活ギャグ漫画」を数多く執筆し、『キテレツ大百科』はそんな「生活ギャグ漫画」から発展した作品の一つである。またキテレツの発明品作りから、ものを作る喜びが伝えられる。作者の藤子・F・不二雄が工作が趣味だった事からの反映と考えられる。因みにこの作品の舞台は、キテレツの同級生・ブタゴリラが登りに行った山が「城山」である事、キテレツの近所に住む浪人生・苅野勉三が受験したのが「高尾大学」である事から、東京都八王子市であると推測されている。
1987年11月2日に90分の特番として、テレビアニメ放送された。フジテレビ系列としては、本作品が初の藤子アニメ作品となった。そして翌1988年3月27日からはレギュラー放送を開始し、1996年6月9日までの8年3ヶ月(全331話)に及ぶ長期放送となった。作品内容は、『ドラえもん』と類似している点(毎回登場する道具、登場キャラクター等)があるものの、1980年代後期~1990年代初めにかけてのバブル期の日本、また流行していたゲームボーイやミニ四駆等、当時の時代背景を取り入れている。レギュラー放送終了後も、ローカル枠度々再放送され、現在もCS『BSアニマックス』や動画配信サービス『Amazon Prime video』で配信される等、現在も根強い人気を誇っている。また2002年にはNHK総合・教育(現・Eテレ)にて実写ドラマ版が放送され、劇中でコロ助はCGで表現された。

出典: www.nhk.or.jp
更に上記に述べた地方での再放送は、特に静岡県では地元のテレビ局「テレビ静岡」では「キテレツが終わればキテレツが始まる」という感じで頻繁に再放送されていた様である。夕方時間帯にアニメ番組が再放送されていた時期があり、その作品の一つが『キテレツ大百科』である。テレビアニメ終了や再放送していた時期から20年以上程経ったにも関わらず、多くの静岡県民にとって『キテレツ大百科』のイメージは強い様である。そして動画配信サービス『Amazon Prime video』でテレビアニメ版が配信の際は、ツイッター上では下記の様な声等が上がったとの事。
「キテレツ見放題って、静岡県民の気持ちを体感しようってこと?」「一億総静岡県民化計画、始動」

出典: i.pinimg.com
更にツイッター上では、テレビアニメ版の「ブタゴリラがメインの回のサブタイトルがひどい」と話題となっている様である。例えば、第65話『ゴリラとブタゴリラ・どっちがゴリラ』や第251話『ブタゴリラ真っ青!野菜が肉に負けた!』等、近年のYouTuberが投稿する代表的な動画に似たタイトル(「○○をやってみた!」や「○○がスゴすぎる!」等)が面白過ぎると注目されている。
『キテレツ大百科』のあらすじ・ストーリー
小学生の木手英一(キテレツ)は、発明家だった先祖、キテレツ斎が書いて残したとされる書物『奇天烈大百科』を見つけるも、中は全て白紙だった。しかし、後に手に入れた眼鏡・神通鏡(じんつうきょう)で見た場合のみ『奇天烈大百科』が読める事が分かった。キテレツはそれを参考に、発明品第1作として、ロボットのコロ助を作り上げた。
第1話・前編『ワガハイはコロ助ナリ』
キテレツがママから買い物を頼まれて家を出ている間、コロ助は勝手に『奇天烈大百科』に手を出し、見よう見まねで研究を始める。研究道具から着火するも、直ぐにママが駆けつけバケツの水をかける。同時に帰って来たキテレツも驚くが、彼も頼まれた買い物の品を間違えた事でママから叱責された挙げ句、『奇天烈大百科』を没収される。
その後、キテレツとコロ助が大喧嘩をし、キテレツが「顔も見たくない」とコロ助に言ってしまう。するとコロ助は荷作りをした後、家から出て行く。しかし行くあてがなく、持って来た小銭を見つめながら空き地で一人座っていると、配達中のブタゴリラに遭遇する。そして、自転車に積んであった大根を一方的に小銭で買わされ、「毎度あり」と言ってブタゴリラは帰って行く。日が暮れるなか、キテレツはみよちゃんと共にコロ助を探していると、大根を手に橋の上で座り込んでいるコロ助を発見する。キテレツが思わず声を掛けると、コロ助は寂しかったと涙しキテレツに飛びつく。キテレツもコロ助が一番大切なものと気付いたと言い、二人は和解をしたのであった。
第1話・後編『潜地球で宝さがし!』
みよちゃんとトンガリが、キテレツやコロ助を花見へ誘うも、キテレツはコロ助と共に新しい発明品を作っている最中だった。仕方なくみよちゃんとトンガリ二人で城跡山へ向かうが、そこには「立入禁止」の立て札があった。それでも更に先へ進もうとすると、山の上にいた中年の男がみよちゃん達に向け岩を落として来て、やむを得ず一時撤退する。それを聞いたブタゴリラが激怒し、山にいる者をとっちめてやると言い城跡山へ向かう。しかし城跡山へ着いたブタゴリラは直ぐに、そこで小判を探していた男達に見つかり捕まってしまう。その頃、キテレツは新しい発明品『潜地球』を完成させる。

出典: stat.ameba.jp
『潜地球』にて、地中から昔の鎧や武器等を見つけ帰って来たキテレツ。しかしゴミにしか見えないのか、直ぐにママに捨ててくるように𠮟責される(テレビアニメ版第1話後半)。
地底に潜り込み自由に動けるこの乗り物で、先ずみよちゃんやコロ助のいる場所に行き、ブタゴリラが捕まっている事を聞き城跡山へ向かう。そしてキテレツは男達に対し、ブタゴリラを解放しないと魚雷を撃つと地底から警告する。間もなくしてキテレツは魚雷を放つが、一人の男が投げた鎌により潜地球の(地上の様子を見る)スコープが破壊され、動けなくなる。しかしその直後、トンガリの通報で駆け付けた警察官により男達は御用となる。その後キテレツは潜地球で再び地底に潜り込み宝を見つけようとし、見つけ出したのは江戸時代の刀や鎧等だが、見た目はゴミ同然だった。それらを潜地球で持ち帰っていたところをママが見て激怒し、捨てて来るようにキテレツに𠮟責するのだった。
第89話『コロ助のライバル 豆コロでござる!!』
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目次 - Contents
- 『キテレツ大百科』の概要
- 『キテレツ大百科』のあらすじ・ストーリー
- 第1話・前編『ワガハイはコロ助ナリ』
- 第1話・後編『潜地球で宝さがし!』
- 第89話『コロ助のライバル 豆コロでござる!!』
- 第90話『あっぱれ扇子で豆コロ旋風!』
- 第254話『保存版!日本全国つぶれそうな店特集?』
- 第261話『コロ助の逆襲!八百八侍を成敗するナリ』
- 第331話(最終話)『愛のフィナーレ!さよならコロ助大百科』
- 『キテレツ大百科』の登場人物・キャラクター
- キテレツ(本名:木手英一)
- コロ助
- みよちゃん(本名:野々花みよ子)
- ブタゴリラ(本名:熊田薫)
- ブタゴリラの父親(本名:熊田熊八)
- ブタゴリラの母親(本名:熊田小百合)
- トンガリ(本名:尖浩二)
- トンガリのママ(本名:尖貴子)
- 木手英太郎(パパ)
- 木手美智子(ママ)
- 苅野勉三
- 桜井妙子
- 花丸五月
- 豆コロ
- キテレツ斎
- 『キテレツ大百科』の用語
- 『奇天烈大百科』
- 発明道具
- 航時機(こうじき)
- 如意光(にょいこう)
- 潜地球(せんちきゅう)
- 天狗の抜け穴(てんぐのぬけあな)
- あっぱれ扇子(せんす)
- わすれん帽(わすれんぼう)
- 気休めわすれん帽(きやすめわすれんぼう)
- からくり獏(ばく)と夢変更鏡(ゆめへんこうきょう)
- 『キテレツ大百科』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「お前がいなくなって、 キテレツ斎様が夢の中で言いたかった事が分かったよ! 一番大切なのはコロ助だって、言いたかったんだよきっと。」
- 「そんな曲がったキュウリみたいな事が許せるか!」「俺の地引網に不可能という魚は無い!」
- 「コロ助、さよならは言わないからね」「ワガハイも言わないナリ」
- 『キテレツ大百科』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- テレビアニメ版の最終回までの度重なる長期化
- 『キテレツ大百科』のキテレツとの出会いや別れ/原作とアニメの相違点
- 『キテレツ大百科』の主題歌・挿入歌
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