ユーリ・プリセツキー(ユーリ!!! on ICE)とは【徹底解説・考察まとめ】

ユーリ・プリセツキーとは、2016年に放送されたテレビアニメ『ユーリ!!! on ICE』に登場するキャラクター。容貌麗しく儚げに見えるため、「ロシアの妖精」と称えられ、ファンクラブ(ユーリ・エンジェルス)まである人気スケーター。見た目に反し性格は非常にきつく、ヤンキーのように態度がでかい。ヴィクトル・ニキフォロフと同門で、ヴィクトルに目をかけられている勝生勇利(かつき ゆうり)をライバル視する。シニアデビューでのグランプリシリーズ優勝を狙っている。

温泉ON ICEでの演目を練習するユーリ

ヴィクトルを追って辿りついたスケートリンクで、ユーリは勝生勇利に会い、「自分のほうが先に振りつけをもらう約束をしていた」と宣言する。勝生勇利は振りつけのことまで考えていなかったが、納得しない様子のユーリに「直接会って聞けばいい」と伝える。リンクへ向かうと、ヴィクトルは自身の来シーズン・ショートプログラム用の曲を練習していた。ヴィクトルは過去の約束を忘れていたが、ユーリは「でも、約束は約束だ。一緒にロシアへ帰ろう!」と催促する。するとヴィクトルが「アレンジ違いの曲をふたりに教えるから、1週間後に勝負をしよう」と提案したため、勝ったほうの言うことをヴィクトルがなんでも聞くという条件で、「温泉 ON ICE」を開催することになった。

アガペー「無償の愛」

ヴィクトルが来シーズン・ショートプログラム用に準備していた曲「愛について」のアレンジのひとつ。ユーリがこの曲で踊ることになる。最初に曲を聴いたとき、ユーリは「俺は嫌だな、この曲」と、自らのカラーに合わないことを主張している。勝生勇利によると、この曲は「すごく透明感があって、純粋無垢で、まだ愛を知らないような」イメージ。ヴィクトルはこの曲について「神からの無償の愛、それは自己犠牲的で非打算的」と説明している。振りつけも難しいが、ユーリは一度見ただけで動きを理解する。

アガペー「エロス」

ヴィクトルが用意した曲「愛について」のアレンジのひとつ。ヴィクトルはこのアレンジについて「性愛がテーマ」、「性的な愛、快楽につぐ快楽、ひたすら溺れる」と説明している。初めて聴いたとき、ユーリは「こちらの曲がいい」と主張したが、ヴィクトルによって一蹴されてしまう。勝生勇利が使用する。

「温泉 ON ICE」へ向けて

ユーリと勝生勇利は、互いに自身の不得意とするイメージの曲を宛がわれ、雰囲気をつかむのに苦労する。練習時、勝利への欲や自信が全面に出るユーリに対し、ヴィクトルはもっと無償の愛を演じるよう、フィーリングで踊れと曖昧な助言をする。ユーリが「アガペーとは何か?」と問うと、ヴィクトルは「寺かな」と答えたため、実際にユーリは寺へ赴き座禅をする。また、ユーリの練習を見たヴィクトルが駄目だしとして「滝かな」と告げたため、ユーリは勝生勇利を伴い実際に滝行をする。滝に打たれている際、ユーリは幼いころに祖父のコーリャ・プリセツキーと一緒に歩いたことを思い出し、アガペー(無償の愛)のイメージをつかむ。ユーリと勝生勇利はともに練習するうちに少しずつ打ち解けていく。夜、一緒にラーメンを食べに行ったり、ヴィクトルのいない時に、勝生勇利に4回転サルコウを教えたりもしていた。

「温泉 ON ICE」当日と勝敗

ロシア大会ショート時の様子

「温泉 ON ICE」は、スケートリンク「アイスキャッスルはせつ」で行われた。スケートリンクを管理する西郡家の三姉妹が大々的に宣伝したことで、当日はカメラや報道陣も押しかけ、テレビで「はせつエキシビション温泉on ICE」として生中継された。勝負への意気ごみを聞かれたユーリは「ユーリはふたりもいらない。ぶっ殺す」と強気の宣言をする。当日の衣装はふたりともヴィクトルが持ちこんだものを借用したが、ユーリが選んだのはヴィクトルがジュニア時代に着用した「透けクロス」だった。
ユーリの演技のジャンプ構成は、トリプルアクセル→4回転サルコウ・3回転トウループ→4回転トウループで、すべて成功する。ジュニアの公式試合では封印してきた4回転を、メディアの前ではじめて披露した。演技後半に難しいジャンプを入れることで、高得点が狙える構成となっていたが、その分難易度も高かった。演技の終盤のスピン時には、あまりの身体的疲労から「早く終われ」と念じていた。アガペーの表現については、イメージをつかめたことで見事に演じ切ったが、本人は出来ばえに納得していなかった。
一方、ジャンプが不得意な勝生勇利は得意のステップシークエンスを使って、見事に曲のイメージである「エロス」を表現してみせる。ジャンプ構成は、イーグルからのトリプルアクセル(成功)→4回転サルコウ(ステップアウト)→4回転トウループ・3回転トウループ(成功)。
ユーリは、勝生勇利の演技に魅入るヴィクトルの表情から自らの敗北を悟り、結果が出る前に会場を去る。会場の外まで追いかけてきた西郡優子(にしごおりゆうこ・「アイスキャッスルはせつ」の管理者)に、ロシアのヤコフコーチのもとで練習を続けること、いずれグランプリファイナルで優勝するのは自分だと告げ、帰国する。

フリー演技の練習

リリア・バラノフスカヤ

アニメ第四話 「第4滑走 自分を好きになって……完成!! フリープログラム」

帰国し、ロシアで練習するユーリの前に、元ボリショイ・バレエのプリマだったリリア・バラノフスカヤが現れる。ヤコフがユーリを鍛えるために呼び寄せた鬼コーチで、ヤコフの元妻でもある彼女は、ユーリのフリーのプログラムを自分が振りつけること、自分とヤコフと一緒に住み、練習をするようにと告げる。リリアの猛特訓にもめげずについていくユーリに、ヤコフは「早めにヴィクトルの元から離して正解だったかもしれん」と述べる。また、昔は練習を嫌がっていたユーリだったが、少年から青年期への特有の繊細さ・美しさを表現できるのは今だけと考え、「今利用できるものは全部突っ込んで、絶対勝つ!」と勝利のために必死に練習する。

グランプリシリーズでのユーリ・プリセツキーの戦績

グランプリシリーズとは前年の成績を考慮し選ばれた優秀選手の中から、世界一位を決める大会のこと。参加選手は世界6か所で行われる大会に、最大2か所まで参加する。各地での戦績を総合し、上位6人だけがグランプリファイナルへ進出する。シニアデビューしたばかりのユーリ・プリセツキーや、日本の勝生勇利もグランプリシリーズに参加した(勝生勇利は前年の成績が芳しくなかったため、国内予選から参加)。

グランプリシリーズ カナダ大会

グランプリシリーズ、カナダ大会に参加したユーリは、満足のいく演技でトップに立つが、後から滑ったカナダの選手であるジャン・ジャック・ルロワ(JJ)に点数を抜かれ、2位となる。銀メダルを手に表彰台へ立ったとき、JJから「ロシア大会でまた一緒に表彰台に上がろうな、ユーリちゃん」と見下され、闘志を燃やす。

グランプリシリーズ ロシア大会 ショートプログラム

アニメ第八話 「第8滑走 勇利VSユーリ おそロシア!! ロシア大会SP」

使用した楽曲は「愛について アガペー」。振りつけはヴィクトル・ニキフォロフ。ユーリはこの曲で表現する「アガペー」を祖父・コーリャのことだと考え、祖父に見てもらうことで演技が完成すると考えていた。演技当日、コーリャは会場に来なかった。緊張から動揺するユーリに、キスアンドクライから勝生勇利とヴィクトルが声援を投げかける。ユーリは「お前らに応援されるほど落ちぶれてない」と怒り、動揺を鎮めて奮起する。
最初のジャンプ、トリプルアクセルは失敗するが、自らの状態を「経験が足りていないだけだ」と冷静に分析し、すぐに立て直した。残りのジャンプをすべて成功させ、ショートプログラムの得点は「98.09」。結果、3位となった。

グランプリシリーズ ロシア大会 フリープログラム

アニメ第九話 「第9滑走 勇利VSユーリ おそロシア!! ロシア大会FS」

使用した曲は「ピアノ協奏曲 ロ短調 アレグロ・アパッショナート」。元ボリショイ・バレエ、プリマのリリア・バラノフスカヤが振りつけをした。スケートの解説者によると、「心臓破りで有名な最高難度の楽曲」。4回転を2本入れた上に激しい振りのため、身体的疲労が甚だしいプログラムとなっている。ユーリのステップを見ていた勝生勇利は「息つく暇もない鬼のようなステップ。よく平気な顔で……」と驚いていた。プログラムでは、さらに後半にジャンプを6本入れ、高得点を狙えるようにしている。ユーリは、JJや勝生勇利に勝つために、それらすべての要素をノーミスで成功させる必要があると考えていた。演技後半にもなると身体的疲労はピークに達するが、カナダ大会でJJに敗れた際の雪辱を思い出し、気合いですべてのジャンプを成功させる。結果、パーソナルベストを更新し、得点は「199.87」、ショートと合わせると「297.96」という高得点をたたき出したが、JJに敗れ、ロシア大会2位となる。この結果をもって、ユーリのグランプリファイナル進出が決まる(4位通過)。

グランプリファイナル

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