BLACK CAT(ブラック・キャット)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』とは、矢吹健太郎による漫画。集英社。週刊少年ジャンプにて、2000年から2004年まで連載。全20巻。通称「ブラック・キャット」と呼ばれ、秘密結社(クロノス)で暗殺者として生きてきたトレインは、ある人物との出会いを経て、現在は掃除屋として相棒スヴェンと活動していた。だが、そんな彼の前にクロノス時代の因縁のある相手、クリードが姿を現す。自分に執着するクリードと過去の因縁を払拭する為に、トレインは掃除屋として闘いに挑む。

道(タオ)

道士と神氣湯を飲んだ者が使うことができる超常的な力。人によって能力は異なる。

神氣湯(しんきとう)

道士のみが生成できる薬。これを服用することで道に目覚めることができるが、絶対ではない。服用したものは一度仮死状態になり、能力が得られれば目覚めるが、得られなかった者はそのまま目覚めず死亡してしまう。

オリハルコン

時の番人たちの武器に使用されている世界最高金属。オリハルコンでできた武器は並の攻撃では破壊されることはなく、高温でも簡単には形状が変化しない。電気エネルギーを貯めることができる。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

トレインの過去 サヤとの出会いと別れ

サヤ(右)の最期を看取るトレイン(左)

クロノスのナンバーズとして生きてきたトレイン。標的を無慈悲に屠っていくその姿にクリードは敬愛の念を抱いていた。トレインもまた、その生き方しか知らなかった。しかし、1人の女性と出会うことで、トレインは何者にも縛られない自由な生き方があると知るのだった。掃除屋であるサヤは、色々な話をトレインに聞かせた。自身の生い立ちや、自分の行ってみたい街、掃除屋という職業、そして自由。最初は仏頂面だったトレインだったが、サヤに感化されて感情を少しずつ表に出すようになっていた。そして、それがトレインの抹殺者としてのあり方にも影響を与える。トレインは、命令の通りに標的を殺さず生かしたのだ。それを重くみたクロノスの重鎮は、トレインに謹慎を言い渡す。

トレインが変わってしまったことに一番戸惑いと憤りを覚えたのはクリードだった。クリードは、トレインが変わってしまった原因であるサヤを魔女と侮蔑し、抹殺しようと行動に移す。サヤの前に現れたクリードは、サヤに愛刀虎徹を向け襲いかかってきた。銃使いであるサヤは、得意の跳弾でクリードに対抗する。そして、銃弾が虎徹の刀身を根本から折ることに成功する。しかし、クリードはまるで痛みを感じていないかのように、折れた刀身を素手で掴んでサヤに迫ってきた。サヤがクリードへの対応に追われている最中、1人の子供が現れる。クリードは、サヤ抹殺に邪魔な子供を切ろうとするがそれをサヤが身を挺して庇う。止めを刺そうとするクリードの前に謹慎から解放されたばかりのトレインが現れ、クリードの横っ面をぶん殴った。クリードは、トレインに刃を向けることを避ける為、その場を去ろうとする。それを追おうとするトレインだったが、他でもないサヤによって止められる。トレインはサヤを医者の元へ運ぼうとするが、サヤはすでに致命傷を受けていた。自分の時間がもう長くないことを悟ったサヤは、トレインに、もうじき引っ越そうと思っていたことなどを告げ、最期に「私のことは、忘れて良いから」と言って息を引き取るのだった。

その後、トレインはクリードを探すが見つけ出すことができなかった。そして、クロノスを抜けて飼い猫から野良猫になったのだった。

スヴェンの過去 予見眼の継承

スヴェン(右)を庇い銃弾を受けたロイド(左)

スヴェンがIBIにいた頃、ロイドという相棒がいた。ロイドは、予見眼を持っており未来の断片を一瞬垣間見ることができた。その能力を使い、仕掛けられた罠や待ち伏せを事前に察知し対処することができた。ある日、仕事を終えて帰路に着いていたロイドは、まだ幼い子供の為にぬいぐるみをみて衝動的に買ってしまう。買ってしまったことに反省しながらも、待っている子供の元へ急ぐロイドの元に、スヴェンのケータイから電話がかかってくる。しかし、その電話の主はスヴェンではなかった。それは、ロイドとスヴェンに恨みを持つ裏社会の人間で、スヴェンを人質に取ってロイドを誘き出そうとしていたのだ。その電話が切れた後、ロイドは不意に未来のヴィジョンが見えた。その未来の光景に動揺しつつも、ロイドはスヴェンの捕らえられている場所へと向かう。そして、縛られているスヴェンを発見するが、スヴェンの片目は捕らえられた時に潰されていた。ロイドがスヴェンを助けようと縄を解いている時、スヴェンを誘拐した犯人たちが現れる。銃を構える犯人。ロイドは、スヴェンへ持っていた銃を渡しある言葉を言う。それは、「この後一瞬隙ができる。」というものだった。すると、犯人がスヴェンへ撃った銃弾をロイドが身を挺して守ったのだ。そして、ロイドの言った通りにできた隙を付き、スヴェンは銃を撃って犯人たちを戦闘不能にした。スヴェンはロイドに駆け寄り、なぜ自分を庇ったのかを聞く。するとロイドは、「この未来が見えた為、それを曲げることができなかった」と言う。そして、買っていたぬいぐるみをスヴェンへ渡し、「代わりに娘に届けておいてくれ」と言い残し、息を引き取るのだった。

後日、スヴェンの潰れた目には、ロイドの目が移植されていた。ロイドは、予め臓器バンクに自分の目を登録しており、自分に何かあった時はスヴェンに自分の目を託すようにしていた。

トレインとスヴェンのファーストコンタクト

初めて出会った時のスヴェン(左)とトレイン(右)

スヴェンは、掃除屋として1人で活動していた。大物の賞金首の情報を掴み、とある街に来ていた。スヴェンが街を歩いていると一台のバイクが走ってきた。そのバイクには、若い男が乗っており、颯爽とバイクから降りたかと思いきや、「腹が減った」と言いながら倒れてしまった。見るに見かねたスヴェンは、その男にご飯を奢ってやるのだった。その男はトレインと言い、最近掃除屋になったのだが、金欠になり行き倒れそうだったという。スヴェンは、そんなベタな出会い方をしたトレインと別れ、単身賞金首確保に向かった。運良くターゲットを見つけ尾行を開始したスヴェンだったが、罠にかかってしまったのはスヴェンだった。ターゲットは、自分が狙われていることを事前に掴んでおり、手下がいるところまでスヴェンを誘き寄せたのだった。一気に劣勢に追い込まれたスヴェンは、死を覚悟する。そんな中、一台のバイクがその場に乱入してくる。バイクに乗りながら黒い装飾銃を携え、次々敵を屠っていくのは、スヴェンが助けたトレインだった。窮地を救われたスヴェンは、ターゲットの賞金をトレインへ譲ろうとするが、トレインは奢ってもらった借りを返しただけだと言って受け取らなかった。
この出会いを経て互いに好印象を持ったのか、その数日後、2人はコンビを組むことになるのだった。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』は連載当時ネットで叩かれていた

シーンやストーリー等でそのまま他の作品から引っ張ってきた箇所が見受けられる為、連載当時ネットで叩かれた。
『幽☆遊☆白☆書』からは、クリードが石像を剣で切り裂くシーンや狼人間がボコボコに殴られるシーン。『The Matrix』からは、スヴェンが弾丸をものすごいスピードで躱すシーン。『カウボーイビバップ』からは、第1話のストーリー構成とトレイン、クリード、サヤの関係性などが使われている。

イヴは仲間になる予定ではなかった

連載当初、ストーリーが単行本1巻分ほどしか完成しておらず、イヴはトルネオ編で出番が終わるはずだった。作者曰く、ストーリーの流れをキャラクターに任せる形で描いていったところ、イヴが勝手にトレインたちに付いてきたという。初めから強いという少年ジャンプの主人公としてはある意味異質のトレインではなく、生まれたての子供のように外の世界を何も知らないイヴにスポットライトが当たっていき、作品内で一番成長したキャラクターになった。

電磁銃は厳密にはレールガンではない

レールガンとは、物体を電磁気力(ローレンツ力)により加速して打ち出す装置であり、ハーディスに電気を蓄積させて銃弾を発射させる電磁銃はレールガンとは別物である。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』の主題歌・挿入歌

nadal3790
nadal3790
@nadal3790

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