帝一の國(漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『帝一の國』とは古屋兎丸による日本の青春学園漫画である。時代は昭和を舞台としており、物語は主人公帝一が多くの政治家を輩出する超名門校、海帝高校に入学するシーンから始まる。帝一には海帝高校で生徒会長になるという野望があった。生徒会長になるために策略をめぐらし、狡猾なライバルたちと死闘を繰り広げる。主人公だけでなく、個性豊かなキャラクターたちも作品の魅力である。ただの青春漫画にとどまらず、政治漫画でもあり、コメディ漫画でもある作品。

名シーンと言えばやはり、帝一が弾に投票する場面だろう。投票終了十秒前にいきなり弾に投票するという予想だにしない急展開。あれほど生徒会長の座を望んでいた帝一のまさかの行動に驚かされた読者は少ないだろう。しかし、これも帝一の計算の内だと後になってから分かる。野心を捨て成長したかのように思わせておきながら、確実に自分の将来を考えて一手先を読む帝一の名場面。最終的には弾が生徒会長に決まり、帝一は副会長に座に就いた。

ラストシーン

秘書に「総理の人生はずっと戦ってきたんですね」と言われ、「いや、まだまだ。貧困や格差の問題。深刻な少子化問題。山積する諸外国との外交問題。こんなに日本では、安心してピアノが弾けないからな」と返す。帝一は自らの野望を叶え、総理大臣として活躍しているシーンでこの物語は完結する。年を取って一見、帝一とは分からないが、「ピアノが弾けないからね」というセリフで彼が悲願を達成し、総理大臣になったことが分かる。

『帝一の國』の実写映画

2017年には映画が公開された。監督は『世界から猫が消えたなら』でおなじみの永井聡。主役の赤場帝一役を菅田将暉が演じた。その他、竹内涼真、志尊淳、間宮祥太朗、千葉雄大、野村周平など豪華若手俳優陣が脇を固め、キャスティングだけでも話題を呼んだ。興行収入は17.3億円という大ヒットを記録した。内容は原作に忠実で、古屋兎丸独特のシリアスギャグも面白さが損なわれることなく再現されている。二年生の生徒会長選までが映画化された。原作ファンからの評価も高く、また俳優陣たちの迫真の演技も好評を博した。

『帝一の國』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

帝一役の菅田将暉はオールアップの日にキャストにキスをして回った

初日舞台挨拶で間宮祥太朗は「オールアップの日、なぜか菅田くんが全員にキスをして回ったんです」と菅田将暉の奇行を暴露している。これに対し菅田は「撮影から戻ってきて最初に目が合ったのが周平だったのがよくなかった。待っていてくれてありがとう、これまでありがとう、という気持ちがあって、周平を見たら自然とキスしてました」と弁明。そのまま間宮、千葉とも流れですることになったという。千葉雄大は「柔らかかったです」とキスの感想を述べ会場を沸かせた。

映画のキャストに原作者も大満足

映画のキャスティングを聞いた原作者、古屋兎丸は「ファンの女の子が脳内で妄想する帝一の國理想のキャスティングじゃないですか」とコメントしたそう。豪華俳優が多数出演している、映画「帝一の國」。原作者も満足だったようだ。

原作者、絵のこだわり

原作者である古屋兎丸は、シワを描くのが大好きだという。シワを描く時が一番楽しいということだからそうとうだ。人のズボンのシワを見て、「菱形のシワが重なってるのを発見したとき、「あっ」てなります」と語っている。

『帝一の國』の主題歌・挿入歌

映画版主題歌:クリープハイプ『イト』

映画「帝一の國」主題歌として起用されたのがクリープハイプの「イト」だ。この映画のために書き下ろされたものである。作詞・作曲は尾崎世界観。監督である永井聡から「この映画の世界観にハマるバンドはこのバンドしかない」という熱烈なオファーがあって、クリープハイプが主題歌を担当するに至った。

0mcarnot
0mcarnot
@0mcarnot

Related Articles関連記事

ライチ☆光クラブ(ぼくらの☆ひかりクラブ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ライチ☆光クラブ(ぼくらの☆ひかりクラブ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ライチ☆光クラブ』とは古屋兎丸によるマンガ作品、および舞台・アニメ・映画である。2006年に太田出版より発行。ゼラを中心とする「光クラブ」と称した男子中学生たちのある壮大で残酷な計画と光クラブの内部崩壊を描いた作品。この作品は劇団・東京グランギニョルの第三回公演「ライチ光クラブ」を原案として書かれたものである。

Read Article

女子高生に殺されたい(じょしころ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

女子高生に殺されたい(じょしころ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『女子高生に殺されたい』とは、古屋兎丸によって描かれたサスペンス漫画。新潮社の発行していた隔月刊漫画雑誌『ゴーゴーバンチ』で2013年から2016年まで連載されていた。女子高生に殺されたいという願望を持つ高校教師東山の、緻密で異常な犯罪計画遂行までの物語を描いている。ある秘密を持つ16歳の美少女真帆や、東山の元恋人の五月など各登場人物の視点で物語が進んでいく。物語の後半では、東山の計画とは想定外な展開によって少しずつ真実が浮き彫りとなっていく。2022年には、主演田中圭にて実写映画が公開された。

Read Article

目次 - Contents