賢者の孫(ラノベ・アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『賢者の孫』とは吉岡剛によるファンタジー小説及びそれを原作とした漫画、アニメ作品である。
小説は2015年1月より『小説家になろう』にて連載されている。小説版は菊池政治がイラストを担当し、ファミ通文庫より書籍化されている。ヤングエースUPにてコミカライズも連載されており、緒方俊輔が作画を担当している。外伝作品に、マーリンとメリダの若かりし頃を描いた『賢者の孫 Extra Story』のほか『賢者の孫SP おじょうさま奮闘記』、『賢者の孫SS』がある。

シンがシシリー、マーリン、メリダに異物排除の魔法を付与した魔石入りのネックレスを贈った際にメリダから発せられた台詞。毒などの異物を排除し、病原菌も排除するため風邪もひかないネックレス。病気になってほしくないからとシンが贈ったことにメリダは感動していたのだが、次の瞬間「は!アンタ、まさか!」と避妊具として使えることにメリダが気付く。この発想がある作者に「発想が気持ち悪い」、さらにこのセリフをメリダに言わせるという事で「盛っているのはシンではなくメリダ」などの評価がされてしまう原因の一つになっている。

トニー「ボール?」マリア「何に使うの?それ…」

コミックで書かれているが、原作の小説にはこの発言はない。

ボールの認識があるが、何に使うのかという疑問は違和感がある。コミックでは同じ場面で、シンが「浮き輪をつくってみたんだよ」と言うと誰かが「すごい何それ画期的!」というシーンがあるが、小説では泳げない人用の道具という説明がある。どちらもコミック版のみに登場する台詞で、ネット上でよくネタになっている。

メイ「エリー姉様の胸は……凶器……」

スイード王国が魔人に襲撃され救援に向かったアルティメット・マジシャンズが無事に帰国した際、アウグストを出迎えたメイがエリザベートとアウグストの間に挟まる形になりメイから出た台詞。この台詞により、エリザベートの胸が豊満であることが明らかになる。
小説版ではメイのこの台詞の後にシン視点で「凶器って……ドレスの上からじゃ分かり難いけど、そんなに凄いのか……?」と書かれているため、コミックのような服装ではなかったことが分かる。コミック版ではリッテンハイム領での合宿でも、メイはエリザベートの胸につぶされている。

マーリンに助けられた赤ん坊のシンのモノローグ

前世の最期は記憶が曖昧なので恐らく事故にでも遭ったのだろう。知らない間に死んでしまったみたいだ。
その事に思うところが無いではないが、両親は既に他界しているし、恋人がいた訳でもない。会社と家の往復で趣味はマンガとラノベを読む事とアニメを観る事。そしてたまにバイクでツーリングに行くことだけ。将来について常に不安を抱いていたし、死んでしまった事がそんなに悲しい訳ではなかった。
……そう思えてしまう人生だった事が少し悲しくなったが……。
それよりも魔法が有る世界に転生し、誰しも一度は思ったであろう、『今の記憶を持ったまま子供の頃に戻れたら』を現実に体験しているのだ。

出典: ncode.syosetu.com

忘れ去られてしまった名場面。小説二話目にある、赤ん坊であるシンのモノローグ部分で、前世の記憶は最期以外しっかり残っていることが分かる。さらに、今の記憶を持ったまま子供の頃に戻れたらを体験している、と言う一文から前世は大人だったことが分かる。しかし、この設定は以降話が展開していく中で様々な矛盾の元となり、大人の記憶があるはずなのに幼稚な発言をしたり、未成年と恋愛したりという事への否定的意見へつながっている。

魔人化したカートを倒した後の生徒たちの反応

そういえば、初めて人を殺したな……相手が魔人だったってのもあるけど……罪悪感とか無いんだな……
やっぱりあれかな? 森で散々動物を狩って来たからか?命を刈り取るという行為に慣れてしまったのだろうか?

出典: ncode.syosetu.com

魔人化したカートの首を落とし討伐した後、カートの死体を見ながらシンの心境は複雑だと書かれている。魔人ではあるが人間を殺したという事への動揺が感じられる。

テンションの高いクラスメイト達。

この時点では、魔人はカートで二人目とされており魔人の討伐される姿を見慣れているわけでもなく、最初の魔人を討伐したマーリン達は今でも辛い思い出として残っている。また、学生達が日常的に魔物の討伐や、人の死に触れているような世界観でもない。
しかし、ここでのクラスメイト達は、魔人ではあるが目の前で人間が首を切り落とされたとは思えない、明るい表情とセリフが描かれている。シンの魔法や剣術が優れていることは強調されているが、カートと中等学院から同級生だった者もいるクラスメイト達が、死体の前でシンの魔法も剣もすごいと喜ぶ姿は、人の死や魔人に慣れているはずのない世界観の中で違和感を感じる場面になっている。そのため読者の中では「人が殺されたことよりも、主人公を絶賛する、主人公をおだて上げるための演出」として扱われることも多い。さらにアリスの台詞が小説では「剣で魔人の腕をスッパリ切り落としちゃった」となっているものが、コミックでは「剣で魔人の首をスッパリ」に変えられていることも、気持ち悪い場面として話題になる要因である。

カートの死体を隠すシン。

コミックでは集まってきた生徒たちの目に触れないようにと、シンがマントを借り死体を隠すという配慮が描かれている。シンの配慮が描かれていることで、クラスメイト達の明るい反応の違和感が際立っている。小説にはこのシーンは存在しない。

アルティメット・マジシャンズが生まれた瞬間

(それと、何かチーム名を考えろ。研究会の名前じゃ不安が残る)
(今かよ!?)
マイクがあるので耳を寄せて小声で呟く。
何かって何を!?
『……皆さん安心して下さい。俺は魔人とは既に対戦し、問題なく倒しています。ここにいる皆はそれと十分対抗出来る力を持っている。俺達……』
えーと、何にしよう?究極魔法研究会だから……ダメだ! これしか思い浮かばない!
『……俺達、『アルティメット・マジシャンズ』が必ず魔人を討伐してきます』

出典: ncode.syosetu.com

アウグストの無茶ぶりによってアルティメット・マジシャンズというチーム名が付いた。
魔法詠唱などを散々「厨二病」と馬鹿にしてきたシンが、究極の魔法使い(手品師)を英語での直訳である名前を付けるシーン。シンは「直訳じゃねえか!何より痛々しいよ!」とモノローグで語っている。咄嗟にシンが付けたチーム名をアウグストは笑っていることから、シン以外の人物にも厨二病というような感覚があることが分かる。しかし発表した場には大勢の国民がいたため訂正や変更は行えず、これ以降究極魔法研究会のメンバーはアルティメット・マジシャンズとして活動していくことになる。

『賢者の孫』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ツッコミどころが多すぎる、クソアニメとして評価されてしまう要因

主人公の発言や態度等を始め、設定や話の進み方に突っ込みどころが多く、ゆえに「クソアニメ」や「くそ作品」として評価されてしまう事もある作品。しかし、その突っ込みどころをネタとして楽しむ人にとっては、非常に楽しい作品とされている。

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