会長はメイド様!(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『会長はメイド様!』とは2006年から藤原ヒロが『LaLa』で連載しているメイド喫茶で働く生徒会長と完全無欠のスーパー男子高校生との恋愛を描いた学園ラブコメを原作としたアニメ作品。普段は厳しい生徒会長であるため恐れられている主人公の鮎沢美咲には、メイド喫茶で働いている秘密があった。メイド姿で働いていることが広まると、星華高校を改革しようと積み上げてきた努力が無駄になることを恐れていた。そんな美咲の秘密を知ってしまった碓氷拓海が何かにつけて美咲を助け、美咲は徐々に碓氷拓海に惹かれていく。

『会長はメイド様!』の概要

『会長はメイド様!』とは2006年から藤原ヒロが『LaLa』(白泉社)で連載している漫画およびそれを原作としたアニメ作品。単行本は全18巻が刊行されている。第31回白泉社アテナ新人大賞デビュー優秀者賞を受賞。2010年4月からTBSにてアニメが放送されるなど人気が高い。

主人公の鮎沢美咲は星華高校の生徒会長を務める女子高生である。成績優秀な黒髪美人だが、合気道を習っており腕っ節が強く、素行の悪い男子生徒を取り締まる。男子校から共学になったばかりで男子が8割を占める高校で、女子生徒が肩身の狭い思いをしている星華学園を改革しようと、その乱れた風紀を正すべく日々努力している。表向きは逞しくみんなに頼られる美咲だったが、過去に父親が借金を残して家出したことから、男性に対する不信感が強く、家計も厳しい状況である。家計を支えるため学校から少し離れたメイド喫茶「メイド・ラテ」でアルバイトをする。ただ普段厳しい態度を生徒たちに取っている会長として、アルバイトをしていることが明るみになると威厳を失うと考えていた美咲は、これを頑なに秘密にする。そんな時、美咲について回る碓氷拓海にメイド・ラテで働いていることがバレてしまう。校内に広まってしまうと焦る美咲だったが、碓氷は彼女のことを思い、秘密を守る恋愛模様を描いている。こうして、美咲は学業とバイトを両立しながら、日々の会長職に邁進する主人公の成長も描いている。

『会長はメイド様!』のあらすじ・ストーリー

碓氷にアルバイトしている姿を見られてしまう

星華(せいか)高校は、共学になってまだ数年しか経っておらず、元々男子高校だったこの高校の生徒は8割が男子高校生である。
主人公の鮎沢美咲(あゆざわみさき)は、風紀を改善すべく星華高校で初となる女性の生徒会長に就任する。美咲は父親が借金を残して蒸発したことをきっかけに、男嫌いである。
苦しい家計を助けるために、母と美咲は休む間もなく、毎日働いている。学業と両立するために、体力のいる力仕事ではなく隣町のメイド喫茶「メイド・ラテ」でアルバイトをしている。

ある日、美咲がメイド服姿で働いている姿を、星華高校でやたら女子生徒を泣かせている男子高校生の碓氷拓海(うすいたくみ)に見られてしまう。男嫌いで厳しい生徒会長としては、メイド喫茶でアルバイトしていることを公言することができない。

美咲は碓氷に知られたことで学校中に広まると覚悟していたが、碓氷はそのことを誰かに広めることはなかった。碓氷は、男嫌いの美咲がふと微笑む姿を見て、美咲のことが気になり出す。美咲は碓氷が情報を広めなかったのは、興味がないからだと考えたが、碓氷はメイド喫茶に客としてくるようになる。

美咲は生徒会長として忙しく業務をこなしていて、体調の変化に気づけていなかった。碓氷はそんな美咲を危なっかしいと言うが、美咲は碓氷の好意を跳ね除けてしまう。
身体を壊しながらもメイド喫茶でアルバイトをしているところを、同じ星華高校に通う不良3人組に絡まれてしまう。体調不良で力が出ず抵抗ができない美咲だったが、碓氷が美咲を助けてくれる。

偶然秘密を知ってしまった元・生徒会長反発組だった不良3人組も、普段とのギャップにハマってメイド喫茶の常連客となる。

星華の学園祭

碓氷のいるクラス2-2は、学園祭に飛び入り歓迎野球拳大会や、女性モデル撮影会を生徒会に提案する。美咲は碓氷と別クラスの2-1だが、生徒会長としてクラスの出し物の提案を受け入れたりしていた。
2-2の男子生徒は身内だけで盛り上がる出し物を提案してばかりで、美咲は男子生徒の意見を聞こうとせず、女子生徒の意見であるカフェの出し物を勝手に採用する。

そんな横暴な美咲に2-2の男子生徒は、学園祭当日に反発する。美咲は2-2の出し物を成功させるために、男子生徒に頭を下げて協力するようにお願いする。
碓氷が率先して美咲のサポートするのを見て、他の男子生徒も次々と協力するようになる。この経験を通して、美咲は自分も周りも楽しめるように動くことが大切と言うことを学び、意識が少し変わった。

美咲に弟子5人ができる

ある日突然、「我々の師匠になって下さい!」と5人が美咲に頭を下げる。弟子5人たちは、自分たちを鮎沢塾と呼び、美咲のようになりたいと憧れの眼差しを向ける。自分に憧れる鮎沢塾のメンバーに、メイドのバイトがばれて、失望されることを恐れる美咲。

そんな状況で碓氷は、学校に持ってきていたメイド姿の美咲の写真を、屋上から落としてしまう。碓氷が屋上から飛び降りて写真を取りに行こうとするので、美咲はなんでそこまでするのか、碓氷に尋ねる。
碓氷は美咲にキスをして鮎沢が好きだからと一言言って屋上から飛び降りる。美咲が校舎下に向かうと、碓氷はズタボロになりながらも学校のプールに落ちていた。

駆けつけた鮎沢塾に美咲がバイト先のことを正直に言おうとしたところ、碓氷が美咲の口を塞ぎ、メイド喫茶で働いていることを秘密のままにする。

美咲が雅ヶ丘学園の生徒会勧誘を受ける

夏休みだが生徒会の活動のために、美咲は学校に登校する。すると突然、雅ヶ丘(みやびがおか)学園の生徒会長の五十嵐虎(いがらしとら)がやってくる。五十嵐は、美咲に雅ヶ丘学園の生徒会に入らないかと勧誘する。

五十嵐は紳士的な振る舞いをするときは外面で、実は口が悪く本音を話している時は関西弁を使っている。そんな五十嵐は、裏で美咲のアルバイト先がメイド喫茶だと調べ上げる。
彼は美咲に罠を仕掛け、彼女の服を汚し、メイド服を着ざる得ない状況に仕向ける。そして目論見通り、美咲が雅ヶ丘学園内でメイド姿になった美咲に、五十嵐が本性を表す。
五十嵐はアタッシュケースに入った大量の紙幣を美咲の前にばら撒くと、美咲の不意をついて美咲を押し倒してしまう。

そこで美咲は雅ヶ丘学園の生徒会への加入を断ることを伝えるために来た、とはっきりと言う。美咲が五十嵐の手を振り払おうにも力が強く苦戦していると、扉を蹴破って碓氷が登場して助けてもらう。

ネットアイドルAOIがメイド・ラテに来店

ある日突然、メイド・ラテにネットアイドルAOIが来店する。ネットアイドルAOIは、店長さつきの兄の子どもだった。
14歳の葵(あおい)は、さつきの兄(葵の父)に勘当されて、行き着いたメイド・ラテで働きたいと言い出す。さつきは、中学生だから働けないと断る。
勘当されて行き場のない葵は、叔母にあたる店長さつきの家に一時的に居座ることになる。

そして葵は碓氷に目をつける。葵は碓氷を振り向かせようとするが、碓氷は一向に葵に興味を持とうとしない。葵は女の子っぽい服装と髪型をしていたが、本当は女装をしている男子中学生だった。
葵は男装するのが好きだが、それを揶揄われたことを気にしていた。しかし美咲に説得されて無事家に戻った。

怪しい男・叶が接近

ある日の放課後、美咲が生徒会の活動中に眠気を誘う放送が流れている。美咲が放送室に向かうと、フードを被りマスクをした男子生徒がいて、美咲の前に5円玉をおいて催眠術をかける。

碓氷は放送室で熟睡している美咲を見つけ、ある男子生徒を不審がる。碓氷は不審な男子学生の叶(かのう)の仕草から女嫌いなのを当てると、美咲を生徒会長の座から引きずり下ろそうと画策していたことに気づく。
叶は碓氷の目を盗んで、美咲に催眠術をかける。催眠術をかけてから24時間の間に美咲が一睡でもすれば、美咲が碓氷をこの世で一番嫌いになる暗示をかける。
碓氷は必死に美咲が眠らないようにし、美咲は叶の催眠術に打ち勝つ。

叶は中学3年生を対象にした学校見学会で雑用係を担う事になる。

夢咲高校のバンドマンとお茶会

メイド・ラテの常連客の3人が、メイド・ラテを1日豪遊全メニュー制覇するためにファミリーレストランでアルバイトをしている。
そこに美咲としず子、さくらが来店する。さくらは夢咲高校のバンドマンたちと、お茶会をすることを提案する。

さくらは夢咲高校のバンドマンのファンで、特にボーカルのくうがに恋愛感情を抱いている。しかしくうがは女性にだらしなく、さくらに好意を向けられていると分かっていて美咲を誘うような言葉ばかりかける。
その様子を見かねた碓氷は、常連客であるクロタツのアルバイトの制服を剥ぎ取り美咲を助けに入る。

フットマン・オーディション

ある日のメイド喫茶の閉店時間近くに、雅ヶ丘学園の生徒会長の五十嵐虎と副会長の真木奏(まきかなで)がやってくる。真木は、真木ダイニンググループという全国的にチェーン展開をする外食産業で力のある企業の、社長息子である。
そして真木はメイド・ラテをビルごと買収して、執事喫茶を開店しようとしている。五十嵐は執事の質が気になるのであれば、1週間後に開催予定のフットマンオーディションに来るよう提案する。

美咲は、自分がメイド・ラテで働いているがために強引な買収を持ちかけられることに責任を感じて、1週間後のフットマンオーディションに男装して出場すると決意する。
高校生以上の男子2人1組が参加条件なので、美咲はメイド・ラテの従業員のすばるとペアで出場する。

このオーディションには、たまたま叶と幸村ペアや途中まで覆面を被って参加していた碓氷と葵ペアも出場している。しかし、早着替えの課題ですばるが女性だとバレてしまい失格、葵は中学生なので失格になってしまう。
オーディションでコメンテーターをしていた五十嵐は残されたもの同士でペアを組むことを提案し、美咲と碓氷がペアになり参加をする。

そのオーディションで二人が見せた絆に、審査員の真木が感化され、執事カフェをメイド・ラテの場所ではないところで開店することに決める。

転校生

ある日、転校生の深谷陽向(しんたにひなた)が美咲と同じクラスに転校してくる。彼は封が切っていない食べ物やお菓子の匂いまでわかる。
深谷は、小学生のときに両親が交通事故で亡くなったため、祖父のいる九州で暮らしていた。

初恋の女の子に会うために、この町に戻ってきたようだ。小学生の頃の深谷は太っていたので美咲は気づかなかったが、深谷の初恋の相手は美咲だと判明する。

夢咲高校の文化祭

夢咲高校の文化祭にさくらとしず子、美咲、碓氷が一緒に行く。最後のつもりでさくらが行ったライブで怪我をしたくうがを見舞うと、態度が変わったようだった。
さくらは本当にくうがが変わったと必死に説得するから、美咲たちにも確かめてほしくて連れてくる。そこでくうがたちのバンドの取り巻きに押されて転んださくらを、くうがが手を差し伸べる様子を美咲たちは目撃する。

バンドのイベントまでに別行動をしている碓氷と美咲は、2人で遊ぶ。
2人ペアで遊ぶイベントで、カップルというより超人タッグとして注目を集める。美咲は今まで碓氷への恋愛感情を誤魔化してきていたが、隠せなくなってくる。
たまたま居合わせたくうがと話した美咲は、くうががさくらのことを本気なのだと理解する。そこでくうがは、美咲は碓氷に我慢をさせているのかと問い、美咲はその問いを気に掛ける。

碓氷と後夜祭で2人になり、美咲は碓氷のことを意識してしまい、ぎこちない態度をとってしまう。そこで美咲は碓氷の前では平常心でいられないことを素直に言うと、碓氷は美咲にキスをして、美咲のことが好きだと告白する。
告白する碓氷に美咲は真っ赤になって嫌いだと言いつつも、手をつないで帰る。

2−2新担任

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