劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンとは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の完全新作映画。2019年に公開された『外伝-永遠と自動手記人形-』に続く最終章である。
孤児として生まれ戦争中に拾われ、幼い頃から兵士として戦い、人の感情が分からないまま育ったヴァイオレット。
そんな中人として育てられた少佐から最後にもらった「あいしてる」という言葉の意味を知るために、手紙を代筆する自動手記人形を通じて人の心と触れ合い、成長していく物語。

CV:木内秀信
ヴァイオレットの元主でありギルベルトの兄。世間から「辺境伯」の名で知られるブーゲンビリア家の長男。
陸軍への仕官が代々の慣習に嫌気がさし、実家で唯一海軍に仕官して海軍大佐となる。
家督をギルベルトに押し付け家出同然で海軍を選んだため、実家とは絶縁状態となっているが、弟だけとは交流が続いている。
大陸戦争でヴァイオレットに遭遇し、多くの部下の命を奪われた。そんなをヴァイオレットを保護するも持て余し、彼女をギルベルトに押し付ける形で託した。非番では、私服を着崩したり規律やマナーを守らず、軍人とは思えない行動が多いが、優秀で部下からの信頼は絶大。
原作では自分の仲間を殺し、弟を護衛しきれなかったたヴァイオレットへの恨みと、彼女という殺人人形への恐れゆえ辛辣な態度をとる。それでも自分が一番信頼している弟に任せたという複雑な感情を抱いている。

C.H郵便社

クラウディア・ホッジンズ

クラウディア・ホッジンズ

CV:子安武人
C.H郵便社の社長。頭の後ろで括られた緩やかに波打つ赤髪とブルーグレーの垂れ目が特徴的な、彫り深くも愛嬌のある顔立ちの色男。大戦中はライデンシャフトリヒ国陸軍の少佐(アニメでは中佐)だった。
ギルベルトとは士官学校時代からの親友。親から女性の名前をつけられたことを気にしているため、クラウディアと名乗ることを嫌っている。
人好きのする性格で情に厚い性格。実家はライデンシャフトリヒにて商家を営んでいる。
女性との付き合いは幅広くあるようだが、特定の恋人を持とうとはしていない。
職場の同僚、カトレア・ボードレールとは親しい仲を築いているが、アニメ版はホッジンズがまだ見ぬ娘に書いた手紙を、カトレアが読み上げており、彼の子供を身ごもったことがほのめかされている。
原作小説では、仲のいい親子のような関係性になっており、男女の仲にあったようなことを感じさせる描写もない。
大戦中にギルベルトからヴァイオレットのことを頼まれており終戦後はヴァイオレットを家族のように見守っている。
劇場版では、旧敵国領・エカルテ島から来た宛先不明の手紙の筆跡が死んだはずの人物と重なり、真相を確かめるためヴァイオレットと共に向かうこととなる。

ベネディクト・ブルー

ベネディクト・ブルー

CV:内山昂輝
C.H郵便社に勤めている配達員の青年。サンディブロンドにスカイブルーの瞳、ハイヒールブーツが特徴。
原作ではクラウディア・ホッジンズやカトレア・ボードレールと共にC.H郵便社の創設メンバー。
カトレアとは口の悪さも手伝い、挨拶のように喧嘩をしている。いい加減で気心を知らない性格に原因があるも、同じポストマン達から励まされ、日々の郵便配達業務をこなしている。
ヴァイオレットには戦闘能力が高いと評されている。入社して間もない頃に仕事のイロハを教えたり、配達から帰ってこないヴァイオレットを探しに奔走したこともあった。
時には不調な彼女を見かけてなだめたり、兄貴分的な存在として面倒見の良さを発揮している。元々ライデンとは別の大陸で傭兵をしており、拳銃の使い手でもある。
社長のホッジンズとは、C.H郵便社が誕生する前からの付き合いで、時々雑に扱い「おっさん」と呼ぶ。
アニメではホッジンズと共にC.H郵便社を創設した仲で、社長や他の社員に対してタメ口を聞く。また、物語終盤では身体能力を活かしてヴァイオレットを危機から救う活躍も見せる。
劇場版では、副社長を目指していることをホッジンズに伝えるも「副社長になりたいなら、簿記の勉強をするように」と言われる。

アイリス・カナリー

アイリス・カナリー

CV:戸松遥
アニメオリジナルキャラクター。名前の由来は誕生当時に咲き乱れていたアイリス。
C.H郵便社の自動手記人形で、やや褐色がかった肌の色の少女。
ライデンシャフトリヒ北東部の山村・カザリの出身。故郷にはエイモン・スノウという幼馴染がおり、かつて想いを告白したことがあるが、幼馴染としてしか見られないとの理由で振られている。
失恋のショックと働く女性への憧れから、村で一生を終えるよりも街に出て働きたいと字の読み書きやタイピングを猛勉強し、自動手記人形になるためにライデンに上京した経緯を持つ。
C.H郵便社に入社したのは、憧れの先輩であるカトレアに代わりライデンのTOP自動手記人形になるという野望を叶えるためである。
かつては、トラブルメーカーだったヴァイオレットを嫌がり、辞めさせるようホッジンズ社長にかけあったこともあった。その後、仕事のやり取りを通じて関係は改善され、職場の同僚として信頼をおいている。
劇場版では、カトレア・ヴァイオレットに次ぐNo.3扱いに納得しておらず、電波塔誕生により電話が普及し始め、手紙や自動手記人形の出番がなくなるのではないかと危機感を露わにしている。
しかし、ヴァイオレットの代理としてユリスの最後の依頼を任された際、依頼人の気持ちを届けるという自動手記人形の本分を見失うことなく、手紙に拘らず電話を使って彼の気持ちをリュカに届ける助けをし、電話にもいいところがあると態度を変化させた。

カトレア・ボードレール

カトレア・ボードレール

CV:遠藤綾
C.H郵便社の自動手記人形。原作ではクラウディアやベネディクトと共にC.H郵便社の創設メンバーであり、年齢もクラウディアと同世代。
天真爛漫な性格をしており、クラウディアのことは社長と慕い、親子のような関係。
ベネディクトに恋心を抱いていることが外伝にて明らかとなるが、相手が鈍感なためその気持ちを理解されていない。
ヴァイオレットについては可愛い服が似合いうらやましいと思っているが、口には出さない。
神秘的で底が見えない印象もあり、プライベートには関わろうとはしない。
元拳闘士で、握力だけなら男性よりも強く、噴進砲を投げ飛ばす腕力の持ち主。恋文に関してはヴァイオレット以上の実力者といわれている。
アニメではオリジナルキャラクターのエリカとアイリスに、喜怒哀楽ややベネディクトに対する気持ちを割り振られたため、面倒見の良さと自由奔放な性格を併せ持つ大人の女性として登場している。
黒髪に紫の瞳、小麦色の素肌に豊満な容姿、人々を魅了する文章力で絶大な人気を誇り、指名が絶えない大人の女性として描かれている。
本人曰く入社以前は踊り子だった模様。原作同様クラウディアに迫っており、アニメ版第2話で、過去に男女の関係があったことが示唆された。

エリカ・ブラウン

エリカ・ブラウン

CV:茅原実里
アニメオリジナルキャラクター。C.H郵便社に所属するアイリスよりも少し先輩の自動手記人形。丸眼鏡とおかっぱの髪型が特徴。
ヴァイオレットの入社直後、彼女の起こしたトラブルに巻き込まれてしまい厄介な人物と思う。
幼い頃に読んだ物語に感動したことがきっかけで小説家になりたいという夢を持つ。
自動手記人形になったのも誰かの心を動かす文章を書くための勉強の意味合いが強かったのだが、控えめな性格が災いし依頼主とのやり取りが苦手で、思うように仕事をこなせない日々が続くうちに自信を失う。
その夢さえ諦めかけていたが、交流を深めていく中でヴァイオレットがたとえ向いていなくても自動手記人形になることを諦めないという彼女の姿勢を見て、エリカも初心を取り戻した。

ヴァイオレットの「愛しているを知りたい」と強く願う彼女の気持ちに動かされる。依頼人と揉め事を起こす問題を理由にヴァイオレットをC.H郵便社から辞めさせようという動きがあった際は、エリカからヴァイオレットを辞めさせないで欲しいとホッジンズに強く頼んだ。
実は配達員のベネディクト・ブルーに片思いしているものの、彼が鈍感すぎるためその気持ちに中々気づいてもらえない。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ではC.H郵便社を退社、ヴァイオレットの紹介で人気劇作家・オスカー・ウェブスターに弟子入り、自作の脚本を小さな劇場で上演するまでになっている。

依頼人とその関係者

ユリス

ユリス

CV:水橋かおり
不治の病に侵され、余命いくばくもない少年。
幼いながらも残された時間が多くないことを悟っており、衰えゆく自分の身体を親友のリュカに見せたくないと思い、「見舞いに来たい」という彼の訪問を拒みつづけていた。
両親と弟・シオンに感謝の手紙を書いてもらおうと病院からC.H郵便社に電話をかけ、3か月先まで予約が入っている人気自動手記人形になったヴァイオレット・エヴァーガーデンに代筆を依頼。最初は断られるも、彼の熱意に最終的にヴァイオレットも応え、無事3通の手紙を完成させる。
その間、リュカにも手紙を書くかどうかを悩みつづけるが、ヴァイオレットに「言葉に出せない想いも、手紙なら告げることができる」と諭される。最終的にリュカにもう一通手紙を書くと決意し、仕事を終え帰ろうとするヴァイオレットを呼び止め、必ず書いてもらう約束をする。が、そのとたん、強い発作に襲われてしまう。
それでもユリスは自分が亡くなった日に全ての手紙を届けるよう、ヴァイオレットに強く願う。

ヴァイオレットが孤島へ向かった後日、治療を続けていたユリスの容態が悪化する。
このままでは手紙を書く約束が果たせないと危惧したヴァイオレットは、仕事仲間のベネディクト・ブルーとアイリス・カナリーの2人に代理としてユリスの最後の依頼を頼む。
2人は思案し、電話を使ってユリスの気持ちをリュカに届ける助けをする。
それにより、ユリスは親友のリュカに自分の想いを伝え満足そうに息を引き取った。

リュカ

リュカ

ユリスの友達で、彼が入院するまでいつも一緒に遊び何でも話し合う親友だった。
しかし、ユリスが入院してから衰弱した自分の姿をリュカに見せたくないため、面会謝絶となる。
リュカは何度も病院に行くが、1度も会うことはなかった。

ユリスの容態が悪化し、C・H郵便局のアイリスとベネディクトから連絡を受け、リュカはようやくユリスと話す機会が訪れる。
リュカは電話でお別れの言葉を交わすことができた。
しばらく会えなかったことを怒ることなく、病気で入院していたことを理解していたリュカは、ユリスが面会謝絶していたことを許す。
そして、ユリスは満足そうに最後をむかえる。

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