僕等がいた(アニメ・漫画・映画)のネタバレ解説まとめ

『僕等がいた』とは、2002年から「ベツコミ」で連載され、第50回小学館漫画賞少女向け部門を受賞した小畑友紀の漫画であり、2006年にアニメ化され、2012年に完結後、実写映画化もされた大人気漫画である。舞台は北海道釧路市と東京で、高校生活に期待を寄せる少し天然で一途な普通の女の子高橋七美と、運動神経抜群でクラスの大半が好きになるが、心に大きな影を抱える矢野元晴の高校時代~社会人までの青春と純愛を描いたラブストーリー作品である。

『僕等がいた』の概要

『僕等がいた(アニメ・漫画・映画)』とは、2002年からベツコミで連載開始され、2006年にアニメ化、2012年には実写映画化もされた少女漫画作品である。2005年には第50回小学館漫画賞少女向け部門を受賞し、小学館フラワーコミックスより出版された単行本全16巻は累計発行部数が1200万部を突破している大人気作品だ。
作者の小畑友紀が北海道釧路市出身のため、同作では主人公らの故郷を北海道釧路市とし、東京と共に舞台として描かれている。
テレビアニメは2006年7月から12月まで全26話の構成で放送。アニメーション制作をアートランドが担当し、監督をテレビアニメ『こどものおもちゃ』『おじゃる丸』『フルーツバスケット』などの少女アニメの監督で知られる大地丙太郎が務めた。作画のクオリティが高く、物語に惹き込まれると評価され、人気を得て原作コミックの売り上げにも繋がった。
実写映画は前篇・後篇の2部作構成とされ全国東宝系で放映。監督は『ソラニン』『アオハライド』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』など多くの恋愛映画を手がけ、廣木隆一や新城毅彦とともに「胸キュン映画三巨匠」とも呼ばれる三木孝浩が務めた。主演を吉高由里子と生田斗真が演じたことで大きく話題となり、公開2日間で興行収入2億9,500万を突破し、動員22万7,000人を超えた大ヒット作品となった。
物語は、北海道釧路市で期待を胸に高校へ入学した高橋七美が、中学時代に運動神経抜群でクラスの3分の2の女子が好きになったという矢野元晴と出会ったことから始まる。共に学校生活を送る中で、次第に心が惹かれ合い2人は付き合う。だが、矢野には彼女にも言えない辛い過去があり、心に大きな影を抱えていた。高校2年生の冬、矢野が両親の離婚により東京へ行くことになり、2人は遠距離恋愛となった。矢野の抱えていた過去や、環境の変化によって2人の仲は何度も裂かれるが、その度に再び結ばれたのは七美の純粋で一途に矢野を想う心があったからだ。そんな2人と周囲の友人らの高校時代から社会人までの青春と恋愛を描いた長編純愛ラブストーリー作品。ストーリーにリアリティがあり、女子中高生だけでなく大人や男性にも人気があり、主人公である高橋の愛する人を信じて真っすぐに想う様子や、その真っすぐな想いを受け止めたいが失うことが怖いという矢野の切ない感情は多くの人を魅了し続けている。

『僕等がいた』のあらすじ・ストーリー

2人の出会い~釧路での高校時代編

出典: ameblo.jp

漫画1巻で矢野と七美の最初の出会いとで、第一印象で七美は矢野のことがキライだと思ってしまうシーン。

新しい生活や恋の始まりへの期待を胸に高校へ入学した高橋七美は、少し天然でドジな普通の女の子。すぐにクラスに馴染めなかった七美は、同級生に対しそっけない態度をしていた。やっと馴染んできたころに周りは、中学時代にクラスの3分の2の女子が一度は好きになったと噂される運動神経抜群なクラスの人気者の矢野元晴の話ばかりしていて、七美も矢野がどんな男子なのか気になり出していた。ある日、矢野と同じ委員会になりたいという女子のため、その子を推薦してあげることになる。だが、七美はその子の名前を忘れてしまい、仕方なく近くにいた矢野に名前を聞くが、矢野は嘘の名前を教えてきたのだ。嘘の名前を教えるなんて失礼だと思った七美であったが、矢野は名前を忘れる方が失礼だと言い合いになった。そんな最悪な出会いから2人の物語は始まる。

出典: comic-review.com

漫画2巻で矢野が元カノ奈々との死別に苦しみ悩んでいたことを知り、見守っているからと励ます七美のシーン。

その一件から、七美は矢野に何かとからかわれるようになる。最初のうちはモテモテな矢野が少しだけ怖くて嫌いだった七美だが、ふと矢野の笑顔を見た時にドキドキした七美は、矢野と仲良くなっていくにつれて少しずつ矢野のことが気になっていった。だが矢野には心に大きな影を抱えていた。それは、元カノである山本奈々との死別である。奈々は矢野にとって初めて本気で好きになった彼女であり、忘れられない人だった。そんな奈々は、矢野との約束を破り、別の元彼とドライブへ出かけた先で交通事故に遭い、帰らぬ人となったのだ。そして、その奈々の妹が同じクラスの山本有里だということを、七美は矢野の親友の竹内匡史から聞く。愛していた人を突然失うという辛い出来事があっても、周囲に明るく元気に振る舞う、でもどこか切なくて闇を垣間見せる矢野に、七美は「何かあったら聞くから」と伝える。

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漫画5巻で矢野の親友としてずっと見守ってきた竹内が、これまで七美を悩ませてきた矢野の態度を責め、「おまえの中じゃ奈々さんは死んでない」と告げて、自分が告白すると宣戦布告したシーン。

七美は矢野の些細な優しさや、消極的な姿にどんどん惹かれていき、勇気を振り絞って「矢野、あたし、矢野のこと好きかも」と矢野に告白した七美に、「じゃあ付き合う?」と矢野はあっさりと答える。そんな矢野に「ちょっと待って。矢野ってあたしのこと好きなの?」と七美が問い詰めると、「わかんない」と言う矢野に、好きになってから付き合ってと七美は言った。その後、矢野から「ホントにホントに俺のこと好きなわけ?」と聞かれると、咄嗟に答えられなかった七美は、「お前もその程度なんじゃねえの?」と矢野に言われ振られてしまう。振られたことで余計に想いが募り、七美は矢野に拒まれながらもアタックし続け、矢野もそんな七美のことを意識し、だんだん好きになり、ついに文化祭で矢野から告白し付き合うことになる。しかし七美は、有里が前からずっと矢野のことが好きだということ、さらに矢野と有里が以前1度だけとはいえ体の関係を持っていたという事実を交際後に知り、矢野と素直に向き合えなくなってしまい悩み苦しんでしまう。そんな時でも、矢野は亡き元カノの奈々の事が忘れられず、そのことが余計に七美のことを傷つけてしまい、2人の心は離れてしまい別れることになる。そんな2人のことをずっと見守っていた共通の友人であり矢野の親友の竹内は、これまでの矢野の態度を責め、七美のことは自分の方が矢野よりも大事にできると思い告白する。

出典: eiga.com

実写映画前篇、矢野との別れのシーン。東京へと向かい走っていく電車を、矢野の名前を何度も叫びながら追いかける七美のシーン。

この竹内の思いもしなかった告白に動揺し、離れてみて初めて七美の大切さを理解した矢野は、再度七美へに告白し、2人は再び付き合う。そんなとき矢野の両親が離婚し、矢野は母親と共に東京へ行くことなり、2人は離れ離れに。遠距離恋愛を頑張ると決め、七美が東京の大学を受験し1年後に再会することを約束した。

上京~社会人編

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漫画9巻でこれまでずっと側で見守ってくれていた竹内から、告白され付き合う七美。

数年後。七美は東京のS女子大学へ進学するが、矢野との約束は果たしていなかった。矢野の転校後もしばらくの間は、毎日メールで写真を送り合い、毎晩5分だけ電話するなど、順調に2人の関係は続いていた。だが、数か月後に矢野の母が癌に倒れリストラされたため、代わりに矢野がバイトを始めた頃からお互いに時間が合わなくなり、七美との関係も薄れていったのだ。そんなとき、母の元へ矢野の実の父の現妻であり、かつては親友だった長倉美智子が突然矢野を引き取りに現れる。母は過去に親友の旦那だった矢野の実の父と不倫し、妊娠して未婚のまま矢野を産み女手一つで育ててきた。そんな息子を奪われ、自分との関係を引き裂かれてしまうのでは、と日々恐怖に怯えていた。そんな母の様子を見ていた矢野も精神的に疲弊していったのだ。ある日、焦燥した矢野は「いい加減にしろよ」と母に対し怒鳴ってしまったことが引き金となり、ショックを受けた母は自殺してしまう。
その後、矢野は七美との連絡を絶ち、周囲からも姿を消し行方不明となったのだ。七美は大学を卒業し、社会人になってからも変わらず矢野を想い続けていたが、いい加減にもう前を向こうと心に決め、ずっと自分のことを傍で見守ってくれていた竹内と付き合う。

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実写映画後篇、亜希子から矢野と再会したことを聞かされた七美。

一方で矢野は、過去と決別するために周囲から孤立し、北海道札幌市に移り働いていた。母の死後、大事な人を失ったショックから酷く落ち込み、心を閉ざしパニック障害になっていたのだ。そこにたまたま、かつて関係を持っていた有里が自分を訪ねて来る。これまでのことを有里と話し合い、お互い境遇が似ていたことで同情し放っておけずに有里と矢野は同棲をしていた。その後、矢野は再度東京へ移り住み働きだす。そこで偶然、矢野は東京に転校後同じクラスだった千見寺亜希子と仕事の取材で再会する。亜希子は七美の働く会社の同期でもあったのだ。そのことを聞いた七美は、亜希子から会うよう勧められ、当初は拒んでいたがやはり矢野の本当の気持ちが確かめたく、空港で再会を果たす。だが矢野は、「好きな女が出来た」とだけ素っ気なく告げ、七美が長年待ち望んだ約6年ぶりの再会は呆気なく終わる。

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漫画16巻で七美が駅の階段から転落したシーン。

2人の再会後、七美は同棲していた竹内からプロポーズされる。だが、七美はどうしても矢野のことが忘れられずそれを断った。矢野が有里と同棲していることを知り、ショックを受けるが矢野のことを想ったまま生きていこう、そう心に決めた七美だった。その後すぐに七美は、矢野との電話中に仕事の疲れや寝不足が原因で体が限界を迎え、階段を上っていた途中で転落。その際、転落した音を矢野も電話越しに聞いていた。

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漫画16巻で怪我をして病院へ運ばれている七美へ、留守電にメッセージを入れる矢野。

七美の事故を知った矢野は、「これ以上大切な人を失いたくない!」と出張先の神戸から急遽七美の元へと新幹線で駆けつける。新幹線の中で、矢野は恐怖で手が止まらず、竹内に電話し状況を伝え、自分の代わりに病院へ行ってくれと頼む。竹内は「おまえらは俺の犠牲の上で成り立っている。友情を無駄にするな、失った時間を取り戻せよ」と泣きながら言う。それを聞き矢野も「おまえに出会えてよかった。女だったらおまえと結婚するのに」と泣きながらも笑って冗談を言った。その後、もう1度七美に電話し「おまえを迎えにいくから頑張れ。今度はオレ、お前のために全部捨てられる。おまえ以外なにもいらない。だから今度こそオレのこと待ってて」と留守電に伝言を入れた。

6年越しの再会~復縁編

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漫画16巻で七美の無事を確認し、安堵して大笑いして泣き崩れる矢野の様子。

翌日病室に到着すると、七美は点滴を打ちながらベッドの上で朝ごはんを食べられるほど、予想外に元気な様子で、「下に元柔道部の人がいて、ガシーって受け止めてくれてね?貧血起こして倒れたけど過労なだけで問題ないって!」と身振り手振りを交えながら状況を説明した。その姿を見て矢野は安堵し、その場に崩れ落ち大笑いし、「おまえってそういうヤツだよな」と言い泣き出した。そこでこれまで七美が自分へくれていた一途な想いを思い返していた。そんな矢野に「メッセージ聞いたよ、ありがとう、わたし約束守ったでしょ?」と七美は言い、矢野の頭を撫で同じく泣き出した。これまで貫いてきた2人の変わらぬ想いを噛み締め合う。矢野と七美は、お互いの辛かった期間や、環境や距離の変化が生んだ苦しみを越え、再度寄り添い2人で一緒に幸せを掴みたいと思うようになった。

その後、矢野の提案で思い出作りとして、デートをすることになる。お互いの仕事が終わり合流し、矢野が以前仕事を手伝っていて、今は行きつけだという店へと向かった。店に入ると、店員が2人の姿を見て一瞬驚いた後、久しぶり!と矢野との再会を喜んでいた。そして店員からあなたは矢野が初めてこの店に連れてきた女だと七美は聞かされる。2人は照れ合いながらお酒を飲み、大人のデートを楽しんだ。帰り際に、七美は誕生日プレゼントだと言い、矢野に釧路への飛行機のチケットを渡す。来月にある中学時代の友人の結婚式のついでに同級生で集まるから、以前共に過ごした釧路へ一緒に帰れないかと尋ねた。矢野は、「考えるからチケットは預かっておく」と言い、2人は別れる。結婚式当日、矢野からの返事はないまま、七美は1人で故郷へと帰ってきた。七美は友人たちと久しぶりの再会を懐かしんでいたが、母校の釧路第一高等学校が廃校になることや、共通の友人から矢野が有里と別れた事を聞かされても、「そっか」と素っ気ない反応で平然としていた。ふと、新郎側の男性が席を立ったのが目に入り、その人物の雰囲気が、長年七美に寄り添い支えてくれていた元彼の竹内に似ていると思い、ここには来るはずのない矢野のことを考えてしまっていた。気付けば式は終盤になりブーケトスが始まり、花嫁から投げられたブーケは後方へと飛んでいき、そのまま誰もいない地面に落ちた。その落ちたブーケを拾ったのは、七美が来るはずないと思っていた矢野であった。矢野は拾ったブーケを七美に手渡し、遅れたことを謝罪し、実は自分も新郎側の友人で結婚式に呼ばれていたことを伝えた。そしてどことなく雰囲気が竹内に似ていると思っていた人物は想像通りに竹内で、今後は海外研修でニューヨークへ1年間行くことを知らされる。そして「これを機にもう2人からは卒業し、2人のことを陰ながら応援する」と七美の目を見つめながら言った。それを聞き、七美は竹内に出会えて本当に良かったと改めて思った。その後、七美の友人である水ちんが、お酒を飲みながら勢い余って矢野に対し、「よくのこのこと七美の前に現れて。七美が許しても私は許さない」と矢野を戒める。矢野は「誰にも高橋にさえ許されると思ってなかった。今こうしてここにいさせてもらえることが奇跡で、高橋に感謝している」と告げた。式が終ってから、七美と矢野は2人だけで他愛もない話していると、突然矢野が七美の手を握った。そして「酔っているのかも」と言い七美を強く抱きしめ、「さっき言った言葉は全部本当で、七美と出会えただけで最初から人生幸運だった」と伝えた。

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