GIANT KILLING(ジャイアント・キリング/ジャイキリ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『GIANT KILLING』とは、講談社の『モーニング』で2007年より連載されているサッカー漫画。原案・取材協力は綱本将也、作画はツジモト。2010年にテレビアニメ化された。元スター選手の達海猛が低迷した古巣チームの監督に就任し、強豪チームを相手に"GIANT KILLING"(番狂わせ)を起こしていく。試合だけではなく、サポーターやフロント、スポンサーや日本代表など、プロチームを多面的に扱う。読者からは「サッカー漫画というよりJリーグ漫画」と言われるほど、細部へのこだわりが魅力的な作品だ。

椿 大介(つばき だいすけ)

CV:水島大宙
本作のもうひとりの主人公でETUで背番号7をつける20歳の選手。身長174㎝、体重65kg。ポジションはMF。俊足と運動量を武器に、フィールドの中盤で攻守に活動する。プレイヤーとしてのタイプは違うが、スカウトの笠野から第二の達海猛になりうると言われる。通称は「バッキー」。

無名の中学校から関東にあるサッカー強豪高校へ進学。高校ではレギュラーではなかったものの、途中出場で活躍した試合が偶然スカウトの目に留まり、卒業後はリーグジャパンの下位のリーグカテゴリであるニッポン・フットボール・リーグのFC武蔵野に入団。そこで笠野に見いだされて、ETUへ移籍した。その後はサテライト所属であったが、達海に素質を見い出され、スタメンとして起用されるようになる。
心優しい性格であるが、重度の臆病者で好不調の波が激しい。本人も精神面の弱さによって安定感に欠けることをコンプレックスに感じ「自分を変えたい」と考えている。この想いが同時に能力を最大限生かす原動力になっており、かつて同じ7番を付けた達海を彷彿とさせ、「見る者を惹きつける何か」を持っている。達海率いる新生ETUの中で最も成長した選手であり、ETUの新たな攻撃の核として定着しつつある。
また、シーズン後半からU-22の五輪代表、さらには日本代表としてアジアカップ出場まで成し遂げる。

ETUが強くなるのと比例するように急成長を遂げており、それに伴い決定力の武器が増えたり、精神面での脆さが克服されていく。大舞台でもサッカーを楽しめる性格で、代表の試合中でも笑顔になっていることを度々指摘される。
精神面での弱さは後に克服されていくが、フィールド外の弱気で目立たない性格は相変わらず。

ETUの選手

村越 茂幸(むらこし しげゆき)

CV:置鮎龍太郎

村越はETUのキャプテンを務めるMF。身長180㎝、体重74kg。年齢は32歳で、背番号6を背負う。元日本代表候補。パワフルなプレーが持ち味で、豪快なミドルシュートのほか、中盤でのボール奪取率も高く、そのカットからのカウンターでチームにチャンスを作る。
大学時代は様々なプロクラブからオファーが来るほどの選手だったが、当時スター選手だった達海を慕ってETUに入団。強豪時代からETUに所属しており、わずか1シーズンのみながら現役選手時代の達海とチームメイトとして一緒にプレーしている唯一の選手で、生え抜きの中では最年長。当時は、戦力的にも精神的にも達海に頼りきりになっているチームに漠然と危機感を覚えていた。それでも、入団以来10年間、クラブが2部に降格した時も移籍せず一貫してETUに在籍し続け、余裕のない財政事情ややる気のない指導者に苦心しながら1人ETUを引っ張ってきたことから、「ミスターETU」の愛称でサポーターや他の選手から慕われている。

当初は「チーム事情を1人で背負いすぎだ」と1度キャプテンを剥奪されたが、開幕前に再びキャプテンに就任した。通称は「コシ」、「コシさん」。
妻は歳の離れた元タレントである。

ジーノ/ルイジ吉田(ルイジ よしだ)

CV:小野大輔

ETUのMF。イタリア人と日本人のハーフで、ジーノという愛称で呼ばれている。端正な顔立ちと自由気ままな振舞いから「王子」と呼ばれることもある。日本代表レベルの才能を有しているが、自分の納得のいかない指示や要請には従わず、気まぐれで集中力が切れやすく守備意識が低いという欠点を持つ。

黒田 一樹(くろだ かずき)

CV:伊藤健太郎

ETUのセンターバックを務めるスキンヘッドの選手。DFとして小柄だが、闘志を前面に出した厳しいディフェンスで相手選手に対抗する。当初は「一度ETUを捨てた」として達海猛に反発していたが、彼の情熱を感じてからは吹っ切れた様子。声が大きくチームメイトと衝突することも多いが、ムードメイカーとしてチームを支えてもいる。

ETUのフロント

後藤 恒生(ごとう こうせい)

CV:川島得愛
ETUのGMで、年齢は39歳。達海のチームメイトだった元プロ選手で、引退後にフロント入りした。低迷していたETUを再建させるために指導者として達海が必要と考え、有里と共に渡英。達海を日本へと帰国させた。
10年前の達海の移籍騒動の時は、笠野の勧めでETUから京都へ移籍してプレーしていたため、達海と個人的な親交はあったもののチームの内部事情は全く知らなかった。

彼には全幅の信頼を寄せており、サポーターの監督批判に対しても矢面に立って対話しチームを支える。

永田 有里(ながた ゆり)

CV:浅野真澄
永田会長の娘でETUの広報。子供のころからETUのクラブハウスに出入りし、現役時代の達海の大ファンだった。
強い情熱を持ってETU運営に携わっている。英語に堪能で、イギリスから達海を連れ戻す時や、後にリチャードが代理人として達海のもとを訪れた時には通訳を担当していた。

永田会長(ながたかいちょう)

CV:ふくまつ進紗
ETU会長で有里の実父。昔ながらの頑固親父といった風情で、居酒屋「東東京」も経営している。津川会長時代は広報担当で、クラブが達海偏重となっていることに危機感を抱いてはいたが、有効な手立てがわからず結果として座視するしかできなかった。

笠野(かさの)

ETUの名スカウトマン。全国を回って無名ながら才能のある選手を発掘しスカウト、椿をはじめETUレギュラーメンバーの多くを入団させた。また口が上手くファンに対しても地道で誠実な活動を行っているため、直接関わった人間からは絶大な支持を集めている。
10年前はETUのGMで、達海と互いに強い信頼関係を結んでいた。津川会長がクラブを私物化するようになるとそれに反発、達海に過度な負担を強いて歪んでしまったチームを正常化させることを誓い、彼をプレミアリーグへと送り出した。しかし結果として現役選手としての達海の最期とETUの崩壊を招いてしまい、自責の念からGMを辞任。達海と並ぶチーム崩壊の元凶としてサポーターに憎まれたこともあり、以来クラブハウスにはほとんど戻らず全国を巡って無名選手をスカウトする生活を送っていた。
達海と10年ぶりに再会し、「笠さんのような人間が必要なんだ」「笠さんに任す」という言葉に説得されフロントに復帰した。復帰後はかつてのように地元のサポーターと精力的に交流を重ね、またスポンサー撤退を示唆していた大江戸通運副社長を説得してクラブ存続の危機を乗り越え、永田会長から次期会長就任を打診されるなど、かつて以上の信頼を取り戻す。
口が上手くファンに対しても地道で誠実な人物である。

ETUのマスコット

5qkabyyka
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