神様はじめました(神はじ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『神様はじめました』とは2008年から鈴木ジュリエッタが『花とゆめ』(白泉社)で連載している人間と妖の恋愛模様を描いたファンタジー少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品。主人公の桃園奈々生を中心とした、廃れた神社の神使の巴衛に助けられながら、様々な神と出会うことで奈々生の成長を描いている。父親が蒸発しホームレスになったり、神様になったりあり得ないシチュエーションに遭遇するヒロイン・奈々生が何があっても前向きにトラブルを乗り越える。人と妖の禁断の恋を明るく丁寧に描く、笑いあり涙ありの不朽の名作。

『神様はじめました』の概要

『神様はじめました』とは2008年から鈴木ジュリエッタが『花とゆめ』(白泉社)で連載している人間と妖の恋愛模様を描いた漫画およびそれを原作としたアニメ作品。単行本は全25巻が刊行されている。2012年10月からアニメ1期が始まる。2014年8月からアニメ2期がスタートし、それと同時に舞台化するなど人気が高い。人と妖の禁断の恋を明るく丁寧に描いた、笑いあり涙ありの不朽の名作である。

高校生の桃園奈々生は、ギャンブル好きの父親が蒸発したところ、家を追い出されてしまった。公園で途方に暮れているところ、犬に怯えるミカゲと出会う。神社の土地神であるミカゲから、土地神としての役割をもらい受けた。この神社には、神使の「巴衛」、鬼火童子の「鬼切」と「虎徹」が住んでいた。奈々生は、ミカゲと出会ったことをきっかけに女子高生として学校生活を送るとともに、土地神として神使の巴衛たちと神社で一緒に生活をする。奈々生は、次第に巴衛に恋愛感情を抱くようになる。奈々生は一度告白し玉砕するも、一途に思い続ける姿と巴衛の心の変化が見事に表現されている。奈々生を中心とし、様々な神と困難に立ち向かう姿を描いている。

『神様はじめました』のあらすじ・ストーリー

出会い(巴衛が奈々生の神使になるまで)

主人公の桃園奈々生(ももぞのななみ)は、ギャンブル好きの父親が借金を残したまま行方をくらましてしまう。家を借金のカタに取り上げられて住む家を無くし公園で頭の中が真っ白になる。そこで、怪しげな男・ミカゲと出会い、ミカゲは奈々生に自分の家を譲る。奈々生は、野宿よりはマシだと思い、ミカゲの家に向かうが、辿り着いたのは廃神社であった。
そこでミカゲが土地神であることが判明した。
ミカゲは、自分の住まいであるミカゲ神社を奈々生に与えると同時に、その代償として土地神の責務も同時に譲っていた。その後奈々生は、ミカゲ社の神使である狐の妖怪・巴衛(ともえ)と出会う。巴衛は、20年間の留守を守ってきたので、人神である奈々生に仕えることに反発する。

巴衛は奈々生がピンチなときでもからかう姿に、奈々生は怒りを感じる。そこで、神使の契約(キス)によって絶対服従の主従関係を結ぶことに成功する。普通の女子高生としての生活を続けつつも、土地神としての生活を始めるようになる。

土地神としての初仕事 「沼皇女のお願い」

新たな土地神として就任した奈々生のもとに、多々良沼を治める多々良沼皇女と側近の青竹がやって来た。沼皇女は10年前、幼い頃に出会った人間の少年(裏嶋小太郎)に恋愛感情を抱き、小太郎との仲を取り持つお願いをする。ミカゲから預かることになったミカゲ社は縁結びの神社であり、奈々生自身も主に縁結びに神力を発揮しようとする。奈々生は、巴衛の変化の術で人間の少女の姿になった沼皇女と小太郎の縁を取り持った。

アイドルKURAMAが編入

奈々生のクラスに、「地獄の堕天使」という異名をもつ大人気のビジュアル系アイドルKURAMA(鞍馬)が編入してくる。そんな鞍馬の正体は、鞍馬山の天狗で、奈々生の土地神の印を奪おうとする。
そのことに気づいた巴衛は、変化の術で鞍馬をダチョウにさせ、奈々生を守る事に成功した。

奈々生、再び家を失う

ミカゲ神社の主の座を企てる鳴神姫が来て、有無を言わさず奈々生の額にある土地神の印を奪う。奈々生を守ろうとした巴衛は、打ち出の小槌で子供の姿にされる。鳴神姫に「元の姿に戻してほしければ自身の神使になるように」と吐き捨てる。居場所を失った巴衛と奈々生は、事情に詳しい鞍馬の家に転がりこむ。しかし、子供の姿になった巴衛は、奈々生を守れない自分に苛立ち、自ら鳴神姫のもとに行く。鳴神姫から巴衛を守るためにミカゲ神社に赴いた奈々生が、見事巴衛との絆を見せつける。鳴神姫はミカゲ神社を手中に収める事をあきらめる。

奈々生が白蛇に誘拐される

鳴神姫の一件で、奈々生は巴衛の事を異性として意識するが、人間と妖の恋はタブーとされている。沼皇女が人間の小太郎との恋を成就させようと頑張る姿に感化され、奈々生は巴衛への恋心を受け止めることに決めた。
そんなある日、学校で奈々生はいじめられていた白蛇を助ける。しかしその白蛇の正体は、ヨノモリ神社の神使だった白蛇・瑞希だった。奈々生は瑞希に気に入られ、誘拐される。ヨノモリ神社はダム建設のために水没しており、人々に求められなくなったために祭神のヨノモリ様は消滅していた。瑞希は奈々生に「ヨノモリ様の代わりにそばにいてほしい」とお願いされる。戸惑う奈々生だが、巴衛が助けに来てくれて問題なく終わった。

奈々生は、主を亡くしても、主を思い続け、1人で寂しく過ごす瑞希を陰ながら支えていく事を決める。一方で巴衛は、人神というか弱い身でさまざまなトラブルに巻き込まれる奈々生が気掛かりである。
ついに巴衛は奈々生の護衛として「御景巴衛(みかげ ともえ)」という偽名で奈々生のクラスに転入してくる。奈々生と共に登校した巴衛は、校内でどんどん濃くなっていく妖怪が放つ瘴気に、胸騒ぎを覚える。

奈々生がデートに誘う

巴衛はすっかり学校に馴染み、容姿端麗であるため校内で話題になる。女子にモテる巴衛を見ているうちに、巴衛の気持ちが知りたくなった奈々生は、放課後、巴衛をデートに誘う。勇気を振り絞って巴衛に告白した奈々生だが、神と神使としての主従関係を恋愛感情と勘違いしているだけだと、巴衛は相手にしてくれない。

巴衛がさらわれる

巴衛に振られて憂鬱な奈々生は、気分転換で海へ遊びに行く。巴衛が海に入ると、龍王・宿儺に巴衛をさらわれてしまう。龍王に、かつて巴衛が龍王から奪った右目を取り戻したら巴衛を解放すると言われる。奈々生は、瑞希の協力を得て、時廻りの香炉を使って巴衛の過去に行く。

過去で、奈々生は自分の体の中に龍王の右目がある事実を知る。途中、奈々生の体内から龍王の右目を取り出してくれた妖怪・磯姫に龍王の右目を持ち逃げされそうになる。

奈々生の巴衛を思う気持ちに心を打たれた瑞希が、奈々生の神使となる。瑞希が力を貸し、磯姫の騒動を抑えたことで、龍王の右目は龍王のもとに戻すことに成功する。巴衛を取り戻した奈々生は、求めるばかりでなく、巴衛を思うだけで幸せな今を大事にしようと思う。
廃神社の噂がたつミカゲ神社に人を呼び込もうとした結果、奈々生は夏祭りの開催を決意する。祭り当日、奈々生は、ミカゲ神社をきれいに保ってくれる巴衛に感謝を込めて、舞いを踊る。遠くで見守るミカゲの気配を感じながら、奈々生は見事、土地神として立派に神楽を舞い終えるのだった。

奈々生、式神を育てる

夏祭りで見事、土地神としての役割を終えた奈々生の前に風神・乙比古がやって来る。乙比古が出雲で開催される神議りへの出席を提案する。乙比古に、「出席すればミカゲの居場所を知る神がいるかもしれない」と言われた奈々生は出席を快く承諾した。しかし、奈々生は出雲に行くのに神格が不足しているとして、式神の卵を孵化させる試練を受ける。乙比古が奈々生を追い詰めるために現人神と呼ばれる霊能者・柊香夜子をライバルに用意する。奈々生の式神の卵は、トラブルで割れてしまう。慌てる奈々生だが、生まれた式神は退魔結界を張る優秀な式神・護へと成長する。香夜子は、奈々生を越える式神を育てようと躍起になり、宇治上高校に瘴気がはびこる事態を引き起こしてしまう。護のおかげで学校の瘴気を浄化させる事に成功し、立派な式神を育て上げた奈々生は、無事神議りへ出席できることとなった。

出雲編(奈々生が神議りに出席する)

神議りに出席するために奈々生は、瑞希を従者に選ぶ。7日間一人でミカゲ神社で留守番することになった巴衛は非常に機嫌が悪く、鬼切と虎徹は怖がり、奈々生の帰還を心待ちにするのだった。出雲大社に到着した奈々生は、祭主である大国主神に、人神ならではのお願いをされる。毎年、神議り開催中の7日間、黄泉国の入り口の門番不在で警備が薄くなるが、今年は相当な手練れの妖怪に襲われ、門を破壊されてしまう。黄泉国に向かい、事態を落ち着かせて欲しいと言われた奈々生は、さっそく黄泉国へ赴くが、ちょうどその場に居合わせた人間の毛利霧仁と共に、黄泉国深くまで落ちてしまう。霧仁は人間の姿をしているが、その正体はかつて巴衛と共に数々の悪行を犯して来た妖怪・悪羅王だった。

黄泉国編(奈々生と霧仁が黄泉国に落ちる)

黄泉国に落ちた奈々生と霧仁は、黄泉国の主・イザナミのもとへたどり着く。奈々生にもとの世界へ帰るように言うイザナミは、霧仁を捕らえる。イザナミは、霧仁の体は、肉体はすでに死んでいるため黄泉国に在るべきだと主張する。奈々生は、囚われていた霧仁を救出し元の世界に帰ろうとするが、イザナミの神使・緋王に追われてしまう。奈々生は白札を使い、逃げきろうとするが、緋王による炎の攻撃でピンチに陥る。その時、奈々生が黄泉国に落ちたことを人伝てに聞いた巴衛が助けに現れ、凄まじい攻撃力で緋王を退ける。奈々生と霧仁は、現実世界に戻ることができたが、巴衛は、黄泉国に入るために自ら奈々生との神使の契約を解約し、妖怪となっていた。奈々生と神使になる再契約を結ぶものの、巴衛は奈々生を異性として大事に思っていることを自覚し、どのように奈々生に接すればいいのか分からなくなるのだった。

鞍馬山編

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