インターステラー(映画)のネタバレ解説まとめ

『インターステラー』とは鬼才クリストファー・ノーラン監督が世に放った壮大なSF映画である。最新技術と物理学者の協力によって映像化された、物理法則に忠実で当時最も本当の姿に近いといわれたブラックホール、ワームホールが話題となった。何年も雨が降らず、深刻な食糧問題を抱えた、人類滅亡の危機に瀕する近未来。元宇宙飛行士のジョセフ・クーパーは、居住可能な星を探す計画、「ラザロ計画」にスカウトされることになる。クーパーは娘に必ず戻ると約束し、広大な宇宙へと旅立った。果たして彼は人類を救うことができるのか。

『インターステラー』の概要

『インターステラー』とはクリストファー・ノーラン監督による2014年11月公開のSF映画である。脚本は弟のジョナサン・ノーランとともにクリストファー・ノーラン自身が執筆している。『ダークナイト』シリーズや『インセプション』で話題となったノーラン監督9作目の作品である。宇宙空間の描写や演出は可能な限り正確に再現されており、理論物理学者で2017年にノーベル物理学賞を受賞したキップ・ソーンが科学コンサルタントを務めている。ブラックホールとワームホールの映像などはアインシュタインの一般相対性理論に基づいたもので、当時は最も正確に表現した映像と言われた。
異常気象により植物は枯れ、重大な食糧問題に直面した近未来。人類は絶滅の危機に瀕していた。元宇宙飛行士のジョセフ・クーパーは、ある時娘のマーフィーの部屋で起こった謎の現象に導かれ、解体されたはずの組織NASAへとたどり着く。そこで昔の仕事仲間であるブランド教授と再会し、人類を救うための計画「ラザロ計画」にスカウトされる。彼は娘に「必ず戻ってくる」と言い残し、人類のために広大な宇宙へと旅立った。果たして彼は人類を救うことができるのか。

『インターステラー』のあらすじ・ストーリー

地球の危機と宇宙への旅立ち(幽霊の存在、NASAの計画)

本棚の異変に気付くマーフィー

異常気象により雨が降らず、植物は枯れ、砂漠化する近未来。人類は食糧難を解決できずにいた。元宇宙飛行士で現在はトウモロコシ農家のジョセフ・クーパーは義父と息子のトム、娘のマーフィーとともに暮らしていた。ある時マーフィーの部屋の本棚から勝手に本が落ちるという謎の現象が起こり、それが幽霊によるものだとマーフィーは信じていた。クーパーは本棚の周りに落ちた砂の散らばり方に目をつけ、調査したところ重力を使ったメッセージであることに気付く。メッセージはある場所の座標であることが分かり、クーパーとマーフィーはその地点に向かうことにする。二人は謎の施設にたどり着くが、何者かによってとらえられてしまう。クーパーが目を覚ますとそこには昔の仕事仲間であるブランド教授らがいた。彼からこの施設はかつて解体されたはずのNASAであり、人類を救うために秘密裏に動いていることを知らされる。NASAは突如土星の付近に現れたワームホールを通り、別の銀河に居住可能な星を探すという「ラザロ計画」を遂行していた。ワームホールは「彼ら」と呼ばれる謎の存在によって作られたものであり、すでに三名の宇宙飛行士から居住可能な星を見つけたという信号が発せられていた。教授は本当に移住可能かを確かめるチームのパイロットにクーパーをスカウトする。帰還できるかわからず、帰還できたとしていつになるかわからないミッションへ向かうことに、マーフィーは反対する。マーフィーは本棚の幽霊のメッセージを解読し、「STAY」と言っていることを伝えるが、娘を守るため、人類を救うため、クーパーは行かなくてはならなかった。彼は「必ず戻ってくる」と言い残し、広大な宇宙へと旅立った。

宇宙空間での過酷なミッション(ミラーの惑星、マンの惑星)

宇宙服を着たクーパー

二年後、クーパーはロミリーとドイル、ブランド教授の娘であるアメリア、ロボットのTARS、CASEとともに土星付近のワームホールに接近、通り抜けることに成功する。彼らはまず、ラザロ計画の先駆者であるミラーの待つ惑星を目指す。この惑星は最も近くにあると同時にブラックホールの最も近い惑星であった。ロミリーは、ブラックホールの重力の影響で時間の流れが遅くなっており、ミラーの惑星での一時間が地球では七年に相当すると警告する。クーパーは地球に残した家族を思い、この星への着陸をためらうが、公私の混同を指摘され、着陸は決行されることとなる。

ミラーの惑星に降り立ったクーパー達

クーパーは、ドイル、アメリア、CASEとともに小型シャトルでミラーの惑星に降り立つ。そこは、一面浅い水でおおわれており、ミラーを捜索するも見つかったのはシャトルの残骸のみであった。クーパーは山と見間違うほどの大波が接近しているのに気が付く。アメリアはCASEに助けられ間一髪でシャトル内に戻ることができたが、ドイルは波に飲み込まれ死亡した。シャトルのエンジン内部には水が浸入し、排水するまで足止めを食らってしまう。「時間を数十年無駄にした、なぜ何年も信号が発信されていたのか」と怒るクーパーに、アメリアは「ミラーが着陸したのはこの星の時間で数時間前、死んだのは数分前だったのだと、申し訳ないことをした」と謝った。再びやってきた大波をギリギリのところで回避し、母船に帰還するが、そこには年を取ったロミリーの姿があった。母船では23年が経過していた。クーパーは地球からの受信することしかできないビデオレターにより、23年間の家族の成長、出来事を知ることになるが、あまりに時間が過ぎてしまったために、もう戻ってくることはないのだと思われてしまう。マーフィーはクーパーが地球を旅立った時と同じ年齢に成長しており、ブランド教授とともに重力について研究を行っていた。重力についての方程式を完成させることができれば人類の移住先、スペースコロニーを建造することができるのだ。しかし、実はブランド教授は何年も前に方程式を解いており、スペースコロニーを作るのは不可能であることを理解していたにもかかわらず、その事実をマーフィー達に隠していたのである。彼はこのことをマーフィーに告白し、老衰でこの世を去った。真実を知ったマーフィーは愕然としたものの研究を続け、重力についての新たな方程式を完成させるにはブラックホールの内部の特異点のデータが必要であることが分かった。だが、特異点を観測するためには、光すらもそこを超えたら帰ってくることはできないという、事象の地平面を通過する必要があり、実質入手不可能なデータであった。マーフィーはブランド教授の死をアメリアに知らせるビデオレターを送信した。その中でマーフィーは「教授がついていた嘘を知ったうえで宇宙へと行き、私たちを見捨てたのか」と泣き出してしまう。

アメリアを説得するクーパー

クーパー達は燃料の関係で残り二つの星のうち、どちらを探査するか決めなくてはならなくなった。クーパーとロミリーは現在地からの距離などを考慮し、マン博士の惑星を推したが、アメリアはもう一方のエドマンズ飛行士の惑星のほうがマン博士の惑星よりも見込みがあると強く主張した。クーパーはアメリアの言動からアメリアとエドマンズが恋人関係であることに気づき、公私を混同していると批判する。結果的にマン博士の待つ惑星に向かうことになった。クーパー、ロミリー、アメリア、TARS、CASEは小型シャトルでマンの惑星に突入し、マンの設営したキャンプへと向かった。マンの星は一面が氷で覆われており、雲が凍るほどの気温であった。キャンプに到着し、冷凍睡眠から目覚めたマンは助けに来てくれたことに対して感謝し、この星の有用性ついて話し始めた。マンによると地下には生物が存在している可能性もあるという。その時ブランド教授の死をマーフィーがアメリアに知らせるビデオレターが届き、教授がついていた嘘を知ったうえで旅立ったのかと、見捨てたのかと泣き出してしまう。クーパーとアメリア、ロミリーはこの事実を知らなかったが、マンは事前に知らされていたらしく、ラザロ計画の本当の目的は、プランBである凍結された受精卵を新たな土地で孵化させ種としての人類を保存することだったとクーパー達に伝える。ブランド教授が研究の結果を隠していたのは、真実を伝えることによってラザロ計画の障害となることを防ぐためであった。クーパーが望んでいたのはプランA、つまり地球の人類を移住させ娘を救うことであったため、クーパーはプランAが成功しないのなら地球へと戻り、マーフィーと再会することを望んだ。

探索に出かけたマンとクーパー

クーパーとマンはキャンプの外へ探査に向かった。しかしそれはマンの作戦で、クーパーは谷を覗き込んだ時、マンによって突き落とされてしまう。クーパーも必死に抵抗するものの、マンによって宇宙服のヘルメットを割られてしまう。実はこの星は人類が生きていくことのできない環境で、マンは一人孤独に死んでいくことを受け入れられず、嘘の情報を地球へと発信していたのである。マンは小型シャトルを奪い一人プランBを遂行するため母船へ向かった。クーパーは窒息する寸前のところでアメリアとCASEに助けられるが、キャンプでデータの確認をしていたロミリーはマンの仕掛けた爆弾に巻き込まれ死亡してしまう。クーパーとアメリア、TARS、CASEは別の着陸船でマンを追うが、先に母船にドッキングされてしまう。ドッキングが不完全なままハッチを強制的に開けると急激に減圧し母船が爆発してしまうため、クーパーはマンに何度も警告するが、マンは警告を無視しハッチを開けてしまい、小型シャトルごと吹き飛んでしまう。その爆発の影響で母船は惑星の軌道を外れ、回転しながら惑星へと落下し始める。クーパーは決死の操縦で回転する母船へのドッキングを成功させ、ぎりぎりで機体を押し上げ、事なきを得た。爆発により大きな被害が出た母船は燃料や酸素などを失い、クーパーの望んだ地球への帰還は不可能となってしまう。プランBを遂行するための最後の希望であるエドマンズの惑星へと向かうため、ブラックホールに接近し必要なエネルギーを得ようと試みる。クーパーは母船をブラックホールへと接近させた。重力の影響で五十年が一瞬にして過ぎていく。足りないエネルギーを得るためTARSを乗せた小型シャトル、そしてクーパー自身を乗せた小型シャトルを切り離す。アメリア、CASEを母船に残し彼女にすべてを託したのである。身軽になった母船は無事にブラックホールの軌道から外れるが、クーパーとTARSはブラックホールに飲み込まれてしまう。

ブラックホールとクーパーの帰還(ブラックホール内の真実、マーフィーとの再会)

謎の空間に迷いこんだクーパー

クーパーとTARSはブラックホールへと落ちていく。ここがどこなのか分からなくなった頃、謎の空間にたどり着く。そこは「彼ら」によって創られた無数の立方体が折り重なった五次元の空間であった。クーパーはこの空間とマーフィーの部屋が時間と空間を超えて繋がっていることに気が付く。地球を出発したころのマーフィーの姿を見て、過去の自分を引き留めるため「STAY」とメッセージを送るが、過去を変えることはできなかった。そして彼は過去を変えるためにここにいるのではないことに気が付く。クーパーは未来を変えるためにこの空間に送られたのだ。クーパーはTARSが観測したブラックホールの特異点のデータをモールス信号に変換し、地球を去る時にマーフィーに渡したアナログ時計の針で伝える。大人のマーフィーが旧家に戻った時、幼いころに部屋で起こった幽霊による現象が父親からのメッセージだったことに気が付く。モールス信号を解読し、重力問題の解を発見する。その時、クーパー達のいる空間が閉じられ、クーパーはワームホールを通過し、土星付近へと放り出される。クーパーが目を覚ましたのは土星の軌道に乗った、巨大なスペースコロニーの病室であった。彼はたまたま探査中だった宇宙船に酸素のなくなる直前にTARSとともに救助されていたのだ。スペースコロニーの名前はクーパーステーションでマーフィーの功績をたたえてつけられたものであった。クーパーは病室で年老いたマーフィーと再会する。そこには大勢のマーフィーの娘、息子、孫たちがいた。マーフィーは約束を守り、帰ってきたクーパーに、親が娘を看取ってはいけない、一人エドマンズの惑星へと向かったアメリアのもとへ行きなさいと、優しく言う。エドマンズの惑星には空気があり、アメリアはCASEとともに調査を開始していた。クーパーは壊れていたTARSを修理し、小型シャトルへと乗り込み、ともにアメリアのもとへと向かうのであった。

『インターステラー』の登場人物・キャラクター

ジョセフ・クーパー(演:マシュー・マコノヒー)

今作の主人公。元宇宙飛行士であり、凄腕パイロット。トウモロコシ農場の経営をしながら家族とともに生活していたが、「彼ら」によって導かれ、ラザロ計画に参加する。ミッションを達成して、家族のもとへ必ず帰るという信念が貫かれている。だが、あまりに揺るがない信念を持っているため、感情的になることも多い。

マーフィー・クーパー(演:ジェシカ・チャスティン/幼少期:マッケンシー・スチュワート/老年期:エレン・バースティン)

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