原始人彼氏(漫画)のネタバレ解説まとめ

『原始人彼氏』とは、北福佳猫による純愛少女漫画である。恋がしたい女子高生「神米美大」(かみごめ みと)は容姿に恵まれモテモテなものの草食系で軟弱なイケメン達にうんざりしている。そんなある日農業の女神であるスピカが現れ、婚活斡旋と称して美大をタイムスリップさせてしまう。行きついた先は巨大生物が往来する250万年前の地球、そこで出会った婚活相手はなんと猿人だった。運命の相手を追いかけ時を超えて恋を見つけるタイムスリップ婚活少女漫画であり、無骨な野性味と少女漫画的要素のさじ加減が魅力的な作品である。

『原始人彼氏』の概要

『原始人彼氏』とは、『LaLa』・『LaLa DX』で連載されていた、北福佳猫による純愛少女漫画である。『LaLa DX』2017年3月号(白泉社)より連載をスタートし、『LaLa』(白泉社)へ移籍することが決定した。『LaLa』2017年11月号にて移籍連載がスタートし、1巻の続きから掲載された。王道少女漫画でありながら相手が原始人という思い切った設定でTwitterを中心に「攻めすぎてる」と大反響を呼んだ異色作。全3巻で完結済み。
主人公は、農家の娘としてたくましく育った女子高生の神米美大(かみごめ みと)。周囲はイケメンばかりで自分自身も容姿に恵まれモテモテの毎日を送っているが、草食系男子にうんざりしている。力強く逞しい人が理想だがそんな人になかなか出会えずもしかしたら運命の人はいないんじゃないかと思い始める。結ばれないのが運命なら農業と結婚しようと決意したその時、農業を司る女神「スピカ」が現れる。女神は運命の糸がつながっている力強い魂の婚活斡旋をするというが、美大が斡旋された先は現代ではなく250年前の地球だった。言葉の通じないガルヒ猿人と出会った美大は彼を「ガルヒ」と名付け逞しく優しい彼に次第に惹かれていく。
本作は草食系男子が多いと言われる今の時代に男らしさとは何かを原始人の野性的な逞しさを描くことで提示している。また現代の価値観やコミュニケーションが通用しない時代ならではの純粋な恋を少女漫画らしい可愛さや切なさを用いて表現することにより、外見で判断しがちな読者の偏見を覆し、本当の強さと優しさとは何かを突き付ける作品となっている。

『原始人彼氏』のあらすじ・ストーリー

250万年前~ガルヒ編~

草食系イケメン達に囲まれる美大。

誇り高き農家の娘、神米美大(かみごめ みと)17歳。新鮮な作物で培った美肌と農作業で鍛え上げたスタイルを持て余し、彼氏いない歴絶賛17年。恋はしたいけど言い寄ってくる顔だけ男子に何もときめかない美大。結ばれる運命がないのなら一人で生きて行こうと決意しようとした時、農業の神「スピカ」が現れる。神米の地の作物から美大の働きを聞いたスピカはその貢献をたたえ美大の望む伴侶を探してやろうと言う。スピカは美大の周りのイケメン達の中から選ぼうとするが、美大は周りの軟弱な人ではなく強く逞しい人がいいので焦る。するとスピカは力強くて逞しい魂と運命の赤い糸が1つ繋がっているのを見つけ、現代にいないのであれば時空を超えて探してくるようにと美大をタイムスリップさせる。

女神スピカによる婚活斡旋がスタートする。

美大が飛ばされた先はアフリカのサバンナのような場所。そこで直立二足歩行をするゴリラと出会う。動物の死骸を食べるゴリラから逃げる美大。逃げた先でスピカに元の世界に戻すように願うが何も起きず、大きな蛇に襲われそうになり逃げるも、マンモスに踏みつぶされそうになり絶体絶命のピンチに陥ってしまう。危機一髪のところで先ほどのゴリラが助けに現れ事なきを得る。ゴリラの住処に連れてこられた美大は食べられるのかと身構えるが、ゴリラは果物を差し出し優しさを見せる。落ち着きを取り戻した美大は学校の授業で学んだことを思い出し、目の前のゴリラは「ガルヒ猿人」であり、ここが250万年前の地球だと知る。

250万年前の地球の景色は美しかった。

力強い人がいいと言ったが、あまりにもグローバルすぎる婚活斡旋に思わず叫んでしまう美大。だが来てしまったからには生きねばならないと決意を新たにし、助けてくれた運命の人(猿人)をアウストラロピテクス・ガルヒから「ガルヒ」と名付けたのだった。だが種族が違う2人は食べられるものが違う。死肉を食べるガルヒとは違い、美大は火がないので食べることができない。水も食料もない中、美大は倒れてしまう。言葉も気持ちも通じ合えないガルヒに美大は悲しくなったが、ガルヒは倒れた美大を助け、美大の食べられそうな果物のある場所まで連れて行ったのだった。言葉は通じないが思いやりのあるガルヒに美大は嬉しくなる。ガルヒからみれば美大は異質なはずなのにガルヒは美大に歩み寄ろうとする。美大もガルヒに歩み寄ろうとするが、今後への不安に泣き出してしまう。泣き出した美大を抱きしめ慰めようとするガルヒの胸に火のような赤い痣を見つけ、その胸の温かさにガルヒさえいれば生きていけると思う美大だった。

足を滑らせたどり着いた洞窟にはたくさんの猿人の骨があった。

美大が洞窟で大きな獣に襲われそうになっていたところにガルヒは危機一髪で助けに入り、逃げ出すことに成功するがガルヒはけがを負ってしまう。血が止まらないガルヒに自分を責める美大だったが、ガルヒは美大に果物を差し出し安心させようと笑いかける。そこへ先ほどの獣が現れ再び襲い掛かってくる。ガルヒは美大を突き飛ばし、獣と共に崖の下へ落ちていったのだった。美大はガルヒの名を叫ぶが体が消え始め意識が遠のく。次に意識を取り戻した時には自分の家の畑だった。美大は現代に帰ってきたのだ。最後にガルヒがくれた果物の実がガルヒとの日々は夢ではなく真実だと物語っていた。ガルヒの元へ戻してほしいとスピカに願うが、何度呼びかけても叶うことはなかった。また会うことを願いガルヒに繋がる手がかりを探し始める美大。進化の先である現代にガルヒの血が残っているかもしれないと調べ始めたが、アウストラロピテクス・ガルヒは絶滅しており、現代人の祖先はアウストラロピテクス・アファレンシスであることを知る。運命の糸で繋がっているはずのガルヒの血はどこにも繋がっていなかったのだ。ガルヒに会えず落ち込む美大だったが時は淡々と過ぎていく。

3学年合同課外学習でイケメン達と同じ班になる美大。

真面目に博物館を回る美大だったが美大の気を引こうと先輩の魚島牧人が話しかけてくる。真面目にやろうとしない魚島にうんざりする美大だったが、恐竜の化石をみてはしゃぐ魚島に思わず笑顔がこぼれた。いい雰囲気の二人を見ていた可愛い系男子の四丈珊瑚は自分も美大といい雰囲気になるため腕に抱きつき、美大と写真を撮る。美大のことを「キレー」だとほめる珊瑚に美大は「人は見た目だけで決まらないよ」と言いながら悲しい顔を見せたのだった。悲しそうな顔の美大に珊瑚は何か言おうとするが、教師の牛飼護に話しかけられ美大は同じクラスの鳩星累を探しに行くことになってしまう。堂々とさぼる鳩星を見つけた美大。美大の元気がないのが気になると冗談を言いながら鳩星は栄養ドリンクを差し出した。いい雰囲気になる二人を陰から覗くのは魚島と珊瑚、オタク男子の熊追豊光であった。美大は男らしいのが好きだと聞いたイケメン達は木の板のくぼみに木の棒を立て回転させ、摩擦で火を着ける古代の火起こし方法で男らしさを見せようと奮闘するが誰一人として着けられなかった。美大は古代に行った時の経験を思い出しながら挑戦すると火を着けることに成功する。美大は着いた火を見てガルヒの胸の痣を思い出し、ガルヒに会いたい気持ちがあふれ、泣きながら走って部屋の外に出る。

ガルヒがいないのが当たり前の現実だとはわかっていてもガルヒの事を忘れられない美大。

最初から現実にはいないガルヒのことは忘れなくてはと思っていたが、恋をした美大はガルヒに会いたいと強く願う。するとスピカが現れ、たった一つの運命の魂のために過酷な原始生活をおくり命を懸ける覚悟はあるのかと問う。美大は迷わず命を懸けて守ってくれたガルヒを今度は自分が救うと答えた。運命の相手に会えるかは美大次第だが導くことはできるとスピカは言い、婚活斡旋第2弾と称しで過去にタイムスリップさせたのだった。250万年前の地球に戻ってきたと思いガルヒを探す美大だったがそこで出会ったのはガルヒとは違う猿人たちだった。

80万年前~エレク編~

ガルヒを探す美大とついてくる猿人。

猿人たちに囲まれ威嚇されるた美大は思わず逃げ出してしまう。安全な場所を求めて彷徨うが、沢山の生物がひしめく古代の森に安全な場所などなかった。そこへ猿人の子供が現れはちみつを差し出し美大に渡した。猿人は怖い人ではないかもしれないと猿人の子供についていくが野蛮な大人たちを見て怖くなった美大は逃げようとするが毒蛇に襲われそうになり猿人の一人に助けられる。美大は蛇に咬まれてまで助けてくれた猿人の傷口から毒を吸い出し制服のリボンで縛り、猿人の群れで看病することにした。猿人の熱も下がり群れを後にした美大。無事に生きて会えるか不安になりながらガルヒに会うために歩き続ける。川に差し掛かった時、またもや美大は大きなワニに襲い掛かられてしまう。だが食べられそうになったその時、蛇から助けてくれた猿人が現れワニと闘いまたも美大を助けてくれる。猿人は美大に、手当に使っていた制服のリボンを差し出し美大についてこようとする。ガルヒを探す美大は猿人がついてこないように言うが猿人は遊びのつもりなのか美大についてきて危険から守ったり笑わせてくれたりする。それから3日過ぎてもガルヒは見つからず、大けがをしているガルヒを心配し焦る美大だったが、焦りからか周りが見えておらず雷にうたれそうになる。猿人は身を挺して美大を助け、お礼に美大は鹿の毛皮をなめして作った腰巻を贈った。

毛皮を腰に巻きターザンのようになった猿人。

見通しがきかないジャングルを歩き回っていてもガルヒは見つからず、美大は見通しのいい崖を目指すことにした。サバンナがあればそこにガルヒがいるかもしれないと信じて一歩一歩進む。猿人は美大についてきて果物を取ってくれたりするが突然いなくなってしまう。頼りになる猿人にいつのまにか心を許していたことに気付き寂しさを感じる美大の元に猿人は突然帰ってきて温泉に案内する。温泉に浸かりながら美大は初めて猿人に自分の名前を教える。美大はガルヒとどこか似ている猿人に惹かれ始めていたがその思いを確かなものにしないように猿人に名前を付けないことにした。目の前のことに躊躇なく飛び込んで無謀なこともやり遂げる猿人に明るい気持ちをもらう美大。ついに目指していた崖にたどり着きガルヒのいるサバンナが見えると思ったが、着いた先には海が広がっておりここはガルヒのいる250万年前の地球ではなく80万年前の地球だと気付くのだった。ガルヒは自分をかばってそのまま死んだとパニックになる美大だったがそれを猿人は抱きしめ、「ミト」と名前を呼んだのだった。

美大の名前を呼び慰める猿人。

ずっとそばで支えてきてくれた猿人を大切に思う一方でガルヒの事を忘れられない美大。スピカの言う運命とは何なのか。ガルヒが運命の相手のはずなのになぜ違う時代に飛ばされたのか悩み、自分のせいでガルヒが死んだんだと悲しむ美大。名前を呼んでくれる猿人を今まで「あなた」としか呼んでいなかったことに寂しさを覚えた美大は猿人の事をホモ・エレクトスから「エレク」と名付けた。ガルヒを喪った哀しみとエレクに対する愛しさを胸に浜辺で手をつなぎ踊ったのだった。たとえ運命の相手ではなくてもこの出会いと気持ちを無意味にしないようにと願いを込めてエレクが見つけてくれた石をネックレスにしてプレゼントしようとする美大。ネックレスを付けようとした時エレクの首元にガルヒに会ったのと同じ火の形の痣を見つけたがその時火山が噴火し慌てて逃げる二人。今度こそ二人で助かろうと逃げる美大だったがエレクに向かって噴石が飛んできたのを見つけてとっさにエレクをかばう。ガルヒと同じ痣が運命の目印なら探していたのは最初からエレクだったのだ。死の直前スピカが現れ「魂は流転し繋がり続ける。ここで終わりではない」と言い美大を現代へと戻した。

現代の誰かにガルヒの魂が繋がっているかもしれない。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents