ホビット 決戦のゆくえ(映画)のネタバレ解説まとめ

『ホビット 決戦のゆくえ』とは、『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』の60年前が舞台となる『ホビット』3部作の最終章で、2014年に公開された映画。原作はJ・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』。ホビット族のビルボが仲間と共にドワーフ王国の再興を目指す冒険物語で、壮大な世界観や臨場感溢れる映像、圧倒的スケールの戦闘シーンが観る者を魅了する。町を襲う竜や闇の勢力との壮絶な死闘に加え、ビルボとドワーフら旅の仲間の絆、エルフの女性とドワーフの若者の切ない恋の行方も魅力の作品。

『ホビット 決戦のゆくえ』の概要

『ホビット 決戦のゆくえ』は、2014年に公開されたアメリカ・ニュージーランド合作のファンタジー映画。本作は、J・R・R・トールキンが1937年に発表した小説『ホビットの冒険』を原作として実写化した『ホビット』3部作の最終章となる。『ホビット』3部作は、『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』の前日譚で、60年前の中つ国が舞台となっており、本作をもって、完璧に『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』につながる。3部作は世界で初めて導入された最新の3D技術である「HFR 3D」で撮影された。従来の映画では毎秒24フレームの撮影を、その倍の48フレームで撮影することにより、アクションシーンなど動きが激しい場面が、より滑らかで鮮明な映像となっている。3部作の総製作費が約800億円という映画史に残る壮大なシリーズの完結編となる本作は、主要キャラクターの見せ場も盛り沢山。竜のスマウグが火を吐きながら町を襲うシーンや最後の全軍の戦闘シーンも圧巻の大迫力。ホビット族のビルボと旅の仲間の絆や、ドワーフ族の王トーリンと闇の勢力の指揮官アゾグとの壮絶な死闘も見逃せない。原作にはないエルフ族の女性近衛隊長タウリエルとドワーフ族のキーリの切ない恋の行方も決着がつく。また、人気キャラクターのエルフ族の王子レゴラスの身体能力と戦闘スキルは『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』と『ホビット』三部作の中でも群を抜いており、観ている者が思わず声を出してしまうほど驚異的である。
映画監督は『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』のピーター・ジャクソンが続投し、主人公ビルボ・バギンズを『ブラック・パンサー』やBBCドラマ『SHERLOCK』のマーティン・フリーマンが演じている。出演は他に、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のリチャード・アーミティッジ(トーリン役)、『アントマン』のエヴァンジェリン・リリー(タウリエル役)、『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』から引き続き、イアン・マッケラン(ガンダルフ役)、ケイト・ブランシェット(ガラドリエル役)、オーランド・ブルーム(レゴラス役)など。
第41回サターン賞で最優秀ファンタジー映画、助演男優賞を受賞した。後にブルーレイ化された『エクステンデッド・エディション』では、約20分間の未公開シーンが追加されている。本記事ではこの未公開シーンの内容も一部含んでいる。
また、J・R・R・トールキンが書いた『ホビットの冒険』や『指輪物語』などの物語は、後の映画やアニメ、小説やゲームなど多くのファンタジー作品に多大な影響を与えたと言われている。肉体的にも精神的にも極めて強靭で、疲れを知らず、病気にもならず、老いることも寿命もない美しいエルフや、背は低いが非常に頑強で、長髪と長い髭を持つ粗野なドワーフ、子供のような外見で平和と食事を愛し、すばしこく動き、精神的な耐久力が高いホビットなど、今では当たり前となった想像上の種族のキャラクターやイメージを確立した。権利上の問題で「ホビット」という種族名が使えなくても、同種族に影響されたと思われる素朴で子供のような人が登場する作品はファンタジー分野のみならずSF分野にも多く存在する。

人間やエルフ族、ドワーフ族、ホビット族などが住む中つ国(なかつくに)。ホビット族の青年ビルボは、魔法使いのガンダルフ、ドワーフ族の王であるトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフと共に出発した旅の目的である、はなれ山にあるドワーフ王国の奪還に成功した。はなれ山は、かつて、第三紀で最大最強最悪であり、火を吐く火竜のスマウグに奪われていたのだ。戻ってきたドワーフたちに王国や王国にある財宝を奪い返され、怒り狂ったスマウグは湖の町エスガロスを襲い、火を吐き、町を焼き払う。しかし、町の船頭バルドが唯一竜を倒すことが出来る黒い矢を命中させ、スマウグを倒した。はなれ山奪還の暁には町民に財宝を分け与えると約束したトーリンだが、「竜の病」という黄金に固執する病となり、財宝を分けようとしなかった。一方、旅の途中で冥王サウロンの復活を確認するために一行と別行動をとったガンダルフは、闇の森の南西部にあるドル・グルドゥアの砦で姿を現したサウロンと懸命に戦うも捕まってしまう。茶の魔法使いラダガストから報告を受けたエルフの国ロスローリエンの奥方であるガラドリエル、裂け谷の領主であるエルロンド、白の魔法使いサルマンの3人によって救出されたガンダルフは、ドル・グルドゥアからオーク軍が進軍したことを知らせるため、はなれ山へと向かった。
はなれ山では財宝の分け前を求めるバルド率いるエスガロスの町民たちと、「ラスガレンの白い宝石」を取り戻そうとする闇の森のエルフの王スランドゥイルが協力し、ドワーフたちと戦をする準備をしていた。竜のいた部屋からドワーフの王家の証であるアーケンストーンを探し出し手に入れたビルボだが、「竜の病」になってしまったトーリンには渡さず、戦をせずにすむようにスランドゥイルに交渉の材料としてアーケンストーンを渡してしまった。それを知ったトーリンは怒り狂い、ビルボを罵り城門から投げ落とそうとするが、ビルボは辛くも逃れる。そこにトーリンの従兄弟である、くろがね山のダインが軍勢を率いてトーリンの援軍として駆けつけ、エルフ軍と戦いを開始した。しかし冥王サウロンの配下として闇の勢力の主力を成す種族であるオークの首領アゾグ率いるオークの大軍が現れたため、ドワーフ軍、エルフ軍は戦いを止め、町民たちの人間軍と共にオークの大軍と戦うが徐々に劣勢になっていく。そんな状況でも王国の中に閉じこもって財宝に固執していたトーリンだが、仲間のドワーフたちの言葉で目が覚め、王国を出て仲間と共にオークの大軍に突撃していった。圧倒的な戦力差がある中、トーリンは敵の頭であるアゾクを倒すしか勝利はないと考え、仲間と共にアゾグの元へ向かった。そこでトーリンはアゾグの息子ボルグに甥であるフィーリを殺されてしまう。駆け付けた闇の森の王子レゴラスと近衛隊長のタウリエルも共に戦うがフィーリの弟キーリも殺されてしまった。レゴラスがボルグを倒し、トーリンはアゾグと相討ちする。トーリンは瀕死の状態のなか、駆け付けたビルボに城門でのことを謝罪し息絶えた。茶の魔法使いラダガストが率いて来た大鷲や「皮を変える者」と呼ばれ大熊の姿になったビヨルンらが、アゾグ、ボルグら指揮官のいなくなったオーク軍と戦い、ドワーフ、エルフ、人間の軍勢は勝利した。はなれ山では新しい王としてダインが即位し、ビルボはドワーフの旅の仲間たちに見送られ、ガンダルフと共に故郷のホビット庄への帰路に就いた。

『ホビット 決戦のゆくえ』のあらすじ・ストーリー

火竜スマウグに襲われ、火の海となったエスガロスの町

人間やエルフ族、ドワーフ族、ホビット族などが住む中つ国(なかつくに)。ホビット族の青年ビルボは、魔法使いのガンダルフ、ドワーフ族の王であるトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフと共に出発した旅の目的である、はなれ山にあるドワーフ王国の奪還に成功した。かつて、第三紀で最大最強最悪であり、火を吐く火竜のスマウグが、はなれ山にある黄金を狙って飛来し、ドワーフたちの故郷を奪ったのだ。はなれ山に戻ってきたドワーフたちに王国や王国にある財宝を奪い返され、怒り狂ったスマウグは湖の町エスガロスを襲うため、飛び立った。

出典: getwallpapers.com

町を襲うスマウグ

はなれ山に近い湖の町エスガロスでは、冥王サウロンの配下として闇の勢力の主力を成す種族であるオークの首領アゾグの息子ボルグ率いるオーク軍が、トーリン一行を捜し回って、出会う町民を攻撃していたところにスマウグが飛来してきた。
スマウグを恐れた町の統領は町民を助けようともせず、部下のアルフリドと共に私財を船に積んで逃げた。エスガロスに来る前にボルグの放った毒矢が刺さり、瀕死の重傷を負っていたトーリンの甥で最年少のキーリは、闇の森のエルフの国の近衛隊長であるタウリエルにエルフの治療を施され一命を取り留めていた。タウリエルは、トーリン一行を追うオークを倒すため、闇の森のエルフの王子レゴラと共にエスガロスに来ていて、キーリが苦しんでいる場面に遭遇していたのだ。キーリとタウリエルは闇の森でお互いを一目見た時から気になる存在であった。闇の森への無断侵入でトーリン一行がエルフに捕まった晩に、牢屋に入れられたキーリと見回りに来たタウリエルはお互いの話をするうち、徐々に惹かれ合っていった。さらにキーリは、自分の傷を治療してくれたタウリエルへの思いが募っていったのだった。
キーリとその兄フィーリ、一行の医者の役割をしているオイン、寝坊してはなれ山に向かった一行に置いていかれたボフールの4人は町の船頭バルドの家にいたが、スマウグの飛来により、タウリエルに促され、バルドの家にいたバルドの息子バインと2人の娘と共に船に乗って逃げた。その間にもスマウグは火を吐きながら飛び、町を焼き払い、町は火の海と化していた。

バルド親子がスマウグを討ち取り、キーリはタウリエルに愛の告白をする

出典: arda.saloon.jp

スマウグに向かって弓を弾くバルド

私財を積みすぎて重くて沈みそうな統領の船では、船を軽くするため、統領がアルフリドを川へ落とした。そこに、統領の部下に捕まっていたバルドが川の上にある牢屋から逃げようと川に向かって投げたロープが、ちょうど船に乗って通りかかった統領の首に引っ掛かった。統領が苦しくて暴れたその勢いでロープが引っ張られ、バルドの牢屋を壊し、バルドは逃げることができたのだった。
逃げたバルドは家に戻って弓矢を持ち、屋根を伝って、鐘のある高い台に辿り着き、スマウグに向かって矢を放った。しかし普通の矢ではスマウグに当たっても簡単に弾き飛ばされてしまう。逃げる船の中から父親の戦う姿を見たバルドの子供たちとキーリたちに、タウリエルは「どんな武器でも竜は倒せない。」と言う。バインはその言葉を聞き、船を降り、父親に頼まれて隠していた、唯一竜を倒すことが出来る黒い矢を取りに行き、父の元に向かった。バルドはかつて、竜に襲われた谷間の町デイルの領主ガリオンの子孫で、ガリオンが竜に向けて放った黒い矢の残り一本を代々受け継いでいたのだった。乗っている台を破壊されても矢を持って向かってくるバルドに、スマウグは「俺様に歯向かう愚か者は誰だ?」と訊く。台が壊れた拍子に弓が折れたが、バルドは台に折れた弓を刺し、弦を張って即席の弓を作った。照準を合わせるためバインが黒い矢を肩で支える。「なぜ歯向かう?お前らに残された道は死だ。」と言って襲ってくるスマウグの左胸に、鱗が1枚はがれた箇所があることをその目でみたバルドは、そこに向かって渾身の一矢を放った。黒い矢は目指す箇所に刺さり、スマウグはのたうち回りながら死んで空から落ちていった。落ちた先にはちょうど統領の乗っていた船があり、統領は私財と共に川に沈んだ。
はなれ山では、町の様子を見ていてスマウグが死んだことを知ったドワーフたちが歓喜に湧いた。

湖の町エスガロスから船に乗って逃げたキーリたちは、バルドの娘たちと別れ、はなれ山へ向かおうとしていた。タウリエルと別れがたく彼女を見つめるキーリに「仲間と行きなさい。」と言うタウリエル。キーリは「君と生きたい。愛している。」とタウリエルに告白するが、断られる。タウリエルはそこに現れた闇の森のエルフの王子レゴラスに「ドワーフに別れを。」と言われる。それを聞いたキーリは母親からもらったお守りの石をタウリエルに渡し、持っていてもらうよう頼み、仲間とはなれ山に向かった。

エスガロスから逃げてきた町民たちは「バルドが竜を殺した。救世主だ。」と称える。統領と共に宝を持って逃げたにも拘らず、今度はバルドを「王の器だ。」と持ち上げるアルフリドは町民から罵られ殺されそうになった。しかしバルドが止めに入り、皆に「これ以上の死は望まない。病人を助け、皆で生き延びよう。」と訴えたのだった。

黄金に憑りつかれたトーリンと父に背きオークを追うレゴラスたち

出典: www.google.com

バルド(画像左)にはなれ山は危険だと忠告するレゴラス(画像右)

はなれ山のドワーフ王国に着いたキーリたちは、トーリンが眠らず何も食べず、ずっと財宝の間にいることをビルボから聞く。事実を確かめに行ったフィーリとキーリらが見たのは、黄金に心を奪われた様子のトーリンであった。トーリンは、ドワーフたちに莫大な財宝の中から王家の証である白く輝く大きな宝石アーケンストーンを探すよう命じていた。しかし実はビルボがスマウグの眠る部屋に忍び込んだ時にアーケンストーンを見つけて手に入れていたため、見つからないままだった。ビルボはスマウグが「トーリンがその宝石に蝕まれて虜になって堕落していく姿を見てみたい。」と言っていたのを思い出し、今でも黄金に心を奪われ、憑りつかれている様子のトーリンに、アーケンストーンを渡したらどうなるのかと思うと恐ろしくなり渡せずにいたのだった。

一方アゾグは闇の森の南西部にあるドル・グルドゥアから闇の軍勢を率いてはなれ山に向かっていた。そこにボルグが来て、闇の森のエルフの王子と女エルフと湖の町で戦闘になったことを報告する。彼らが兵を連れてやってくると考えたアゾグは、グンダバドに行き全軍を連れてくるようボルグに命令した。アゾグは霧ふり山脈の北にあるグンダバド出身のオークで、そこに多くの軍勢を抱えていたのだ。

バルドは逃げた町民たちを連れてはなれ山へ向かう準備をしていた。それを知ったレゴラスは「竜の死はすぐ中つ国に知れ渡り、財宝を求めて誰もが山を目指し戦になる。」とバルドに忠告する。
レゴラスは、エスガロスにいたオークがアゾグの息子ボルグだったこと、ボルグは北へ向かい、手下のオークにはグンダバドの刻印がついていたことなど気になっていることをタウリエルに話す。その時、闇の森のエルフの王スランドゥイルからの使者が来て、息子のレゴラスに戻るよう伝える。しかし、スランドゥイルの命令を聞かずにオークを追ったタウリエルは追放だと聞いたレゴラスは「タウリエルが追放なら私も戻らない。」と言い、彼女と共にオークの動向を探るべくグンダバドに向かった。

ガンダルフの救出とサウロンとの戦い

出典: www.cinemacafe.net

ガンダルフ(画像下)を救出するガラドリエル(画像上)

一方、旅の途中で冥王サウロンの復活を確認するために一行と別行動をとったガンダルフは、闇の森の南西部にあるドル・グルドゥアの砦で姿を現したサウロンと懸命に戦うも捕まってしまっていた。ドル・グルドゥアに幽閉されたガンダルフは冥王サウロンとの戦いで力尽き、弱っていた。ガンダルフはドル・グルドゥアに入る前に、茶の魔法使いラダガストにガラドリエルへの「敵を引きずり出す。」という伝言を頼んでおり、さらに幽閉後もラダガストと魔法の呪文で交信し、現状を伝えていた。
サウロンは強力な魔力を持つ「力の指輪」のうち、エルフの持っている「三つの指輪」を手に入れるためにガンダルフを捕まえたのだった。ガンダルフは「三つの指輪」のうち、「炎の指輪ナルヤ」を持っていた。他の2つは、エルフの国ロスローリエンの奥方ガラドリエルの持つ「水の指輪ネンヤ」、裂け谷の領主エルロンドの持つ「風の指輪ヴィルヤ」である。サウロンの手下のオークが、ガンダルフの指にある「炎の指輪ナルヤ」を手に入れるため、指を斬り落とそうとした時、ガラドリエルが到着し、オークを倒しガンダルフを助けた。ガラドリエルはガンダルフを連れて行こうとするが、冥王サウロンの最強の僕である指輪の幽鬼ナズグル9人に囲まれてしまう。ナズグルは元は9人の偉大な人間の王や妖術師達であったが、サウロンに「九つの指輪」を与えられ、徐々に堕落し、永遠にサウロンに従う指輪の幽鬼であるナズグルとなったのだ。彼らは幽界に存在する実体のない影であり、倒すのは不可能に等しいが、ガラドリエルに遅れて到着した、エルロンドと白の魔法使いサルマンが戦い、ナズグルを追い払った。そこにウサギのそりに乗った茶の魔法使いラダガストが来てガンダルフを連れて行く。残ったガラドリエルたちの前にサウロンが現れるが、エルフの中でも最高の力を持つ光のエルフであるガラドリエルが渾身の力でサウロンに立ち向かう。完全に力を取り戻していないサウロンはガラドリエルの力に負け、東にあるサウロンの国、モルドールの方向に逃げていった。「すぐにサウロンを追って、奴が弱っているうちに止めを刺そう。」と言うエルロンドに対し、サルマンは、すべての「力の指輪」を統べる「一つの指輪」がなければサウロンは完全に復活できないことや、サウロンとの戦いで憔悴しきったガラドリエルの回復を優先すべきと主張してエルロンドの提案を却下する。そしてサルマンは「サウロンは私に任せろ。」と言うのだった。

トーリンとバルドの交渉の決裂と戦いの準備

出典: plaza.rakuten.co.jp

エルフの家宝の宝石「ラスガレンの宝石」を見るトーリン

はなれ山では仲間たちにアーケンストーンを探させるが見つからず、トーリンは苛立っていた。そして「石を見つけた者が隠していたらただではおかぬ。」と仲間を疑うような言葉さえ発した。トーリンの腹心の部下であり、仲間のうちで最長老のバーリンは「竜の病」に侵されたトーリンを見て悲しみから涙を流した。宝への執着心、猜疑心、独占欲など「竜の病」の特徴が現れたトーリンに、アーケンストーンを渡たせば病は治るのかと問うビルボに、バーリンはアーケンストーンは偉大な富の頂点に立ち、持つ者に恐るべき権威を与えるため、さらに病はひどくなると説明する。
その後、一人で座っているビルボが手に何かを持っているのを見かけたトーリンはアーケンストーンではないかと疑い、何を持っているのか詰問する。ビルボが出したものはドングリだった。旅の途中で拾ったドングリを家に帰ったら庭に埋め、大木になれば見るたびに旅を思い出すと話すビルボに、笑顔を見せるトーリン。以前と変わらぬ笑顔を見て、アーケンストーンのことを話そうとビルボが決意したその時、トーリンの腹心の部下でバーリンの弟であるドワーリンが町民たちが来たことをトーリンに報告に来た。

出典: www.iowanazkids.org

はなれ山に来たエルフ軍

バルドに率いられたエスガロスの町民たちは、スマウグに町を焼かれ家を失い避難するため、はなれ山の麓にある谷間の町デイルに来たのだった。それを見て財宝を取りに来たと思ったトーリンは、王国の城門を石で塞ぎ、財宝を奪われないように守りを固めるよう仲間に命令する。キーリは「彼らは町を焼き払われて何もかも失った。助けを求めているんだ。」と訴えるが、トーリンは「竜の炎から逃れられた喜び以上望まぬことだ。」と聞く耳を持たなかった。
バルドが町民に休む場所を探させ、町を見て回っていると、エルフの軍勢がやってきた。竜の死を知った闇の森のエルフの王スランドゥイルが、エルフの家宝である「ラスガレンの白い宝石」を取り戻すために軍勢を率いてやってきたのだ。バルドは財宝の分け前を得るため、スランドゥイルと手を組むことにした。戦いを避けたいバルドは、ドワーフ王国の城門に行き、約束した財宝の分け前を渡すようトーリンを説得するが、武力で脅すような相手と取引しないとトーリンは応じなかった。その会話を聞いていたビルボは「戦だけは避けないといけない。」と言うが、トーリンは「ドワーフを見くびるな。」と言い、はなれ山を守り抜くよう仲間のドワーフたちに命じた。交渉が決裂したことをバルドに聞いたスランドゥイルは夜明けに攻撃することを決め、町民たちも共に戦う準備を開始した。

出典: www.cinematoday.jp

贈られたミスリルの胴着を着てトーリン(画像左)と話すビルボ(画像右)

王国の中で戦う準備を始めたトーリンは、ビルボに友情の証として胴着を送った。それは、ミスリルという白銀で作ったどんな刃も通さないドワーフの先祖代々の宝であった。トーリンはビルボを呼び、「アーケンストーンを誰かが盗んだ。裏切者がいる。」と話す。裏切者はビルボではないと信じており、ビルボだけに話したのだ。とうとう苦楽を共にしてきた仲間まで疑う言葉を言うようになったトーリンに、ビルボが「町民に宝を渡すと約束した。名誉より宝が大事なのか。」と問うが「宝は我らだけのものだ。金貨一枚たりとも渡さない。」とトーリンは宝に固執するのであった。

レゴラスらの偵察とガンダルフのスランドゥイルへの説得

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