不思議なメルヘン、衝撃の顛末

今なお読まれ続ける芥川龍之介の名作、『河童』。この作品のあらましについてまとめました。

あらすじ・ストーリー

とある精神病院で過ごす患者・23号が誰にでも語ると言う物語。

彼はかつて山登りをしている最中に、河童に出会った。なぜか分からないが強烈に引き付けられ無我夢中で追いかけるうちに、彼は何時しか人里を超えた場所まで迷い込む。その地は何と、河童が文明や言葉を持つ、〈河童の国〉であった。

特別保護住民として迎え入れられた彼は、河童の持つ独特な風俗に初めは驚くが、次第に慣れ親しんでいくようになる。

しばらくして彼は時機を見て人間の世界に戻ることになるが、もはや常識の反転したその世界は彼にとって狂気そのものであった…

狂気か、あるいはメルヘンか

『不思議の国のアリス』を思わせる風景を展開しながらも、その世界に溶け込んでしまったがゆえの主人公の末路にシニカルさを感じます。

生まれる前に産道から「遺伝と、河童嫌悪からこの世に出たくない」と現世を拒絶した赤子、用済みになった工員は食肉として処理する制度、禁欲ではなく〈旺盛に生きる〉ことを良しとする宗教…

人とは命の捉え方が違い、ある意味合理的な思想が敷かれているのが印象的です。

無料で読める、青空文庫

下記サイトにて、無料で掲載されています。

www.aozora.gr.jp

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