赤ちゃんと僕(赤僕)のネタバレ解説・考察まとめ

『赤ちゃんと僕』とは、突然の事故で最愛の母を亡くしてしまった、主人公の小学5年の拓也が、父と協力しながら慣れない2歳の弟の実の子育てや家事に四苦八苦しながら日々を過ごす日常生活を舞台にしたホームコメディ。拓也と実を中心に友人やご近所の人と繰り広げられる笑いあり涙ありの物語の中には、家族のあり方や子育ての大変さ、DVやイジメについてのエピソードも多く描かれているため、人として大切なことを教えてくれる作品になっている。多くのファンからは「赤僕」と呼ばれて愛され続けている作品である。

『赤ちゃんと僕』の概要

母の由加子、父の春美、兄の拓也、弟の実

『赤ちゃんと僕』は、白泉社から出版されている少女漫画雑誌の「花とゆめ」にて、1991年11号から1997年14号まで連載された羅川真里茂の作品である。平成6年に第40回小学館漫画賞を受賞する。「花とゆめ」連載期間には、番外編として「お兄ちゃんの僕」やその他「タイムリミット」などの読み切りが4作品掲載されている。単行本は全18巻まで出版され、後に文庫版として全10巻も出版された。
1996年7月から1997年3月には、漫画を原作としてテレビ東京系列の9局でテレビアニメ化される。製作当初は26話(2クール)で放送をする予定だったが、高視聴率だったこともあり全35話(3クール)まで放送が延長された。その後、2008年7月にDVD-BOXが発売された。
その他、「赤ちゃんと僕おもちゃ箱ひっくりかえした」などの画集や、『赤ちゃんと僕』の世界観やキャラクターで羅川真里茂以外の漫画家による新ストーリーを収録した「赤ちゃんと僕トリビュート35周年花とゆめメモリアル」も発売されている。

放送されたアニメは、主人公の榎木拓也が小学5年生、弟の実が2歳のまま物語が進んでいく。しかし、漫画版では第3巻から拓也が小学6年生に進級し、実も物語途中から3歳になっている。さらにアニメの全35話は、漫画版の物語の中から抜粋されて放送されている。そのため、第17話と第35話を始めとする複数の放送回で、季節やイベントなどを変更し、漫画とは少し違うオリジナルの内容にしている。

小学5年生の榎木拓也は、突然の事故により母親を亡くしてしまう。残された幼い弟の実の保育園の送り迎えや身の回りの世話、家事すべてを父親の春美と協力してこなさなければいけなくなった。母親がいない大変さを強く感じながらも、必死に良き兄として実の母親代わりとして奔走する拓也が、実に愛情を注ぐ一方で、友人とのコミュニケーションを通じて様々な感情と向き合いながら成長していくホームコメディ。また、「こういう人よくいる」と共感できる登場人物や、イジメやDVなどを取り入れたエピソードが多く描かれている。そのため、人として大切なことをもう一度考えるきっかけにもなっている。実をはじめ、登場する子供達の子供ならではの遊び心や感情、父の春美と拓也の実に対するストレートな愛情が感じられる作品。

『赤ちゃんと僕』のあらすじ・ストーリー

榎木家の家庭の事情

出典: gensun.org

保育園から実を連れて帰る拓也

榎木拓也(えのき たくや)は、熊ノ井市で暮らす小学5年生の少年である。2か月前に事故で母の由加子(ゆかこ)を亡くし、その傷も癒えないまま、父の春美(はるみ)と共に必死に前を向いて生きようとしていた。

そんな拓也の最大の悩みが、2歳になったばかりの弟・実(みのる)である。春美が仕事で忙しく、保育園に迎えに行けない時は、必然的に拓也が実の面倒を見るしかない。母を失った実は拓也に依存し、ワガママを言い、一方で心から兄を慕って甘えてくる。自身もまだ幼い子供でしかない拓也は、実に振り回され、友達と自由に遊ぶ時間も奪われ、それでも兄として弟を見捨てられず、悩みながらも家族と向き合っていく。

拓也と友人たち

由加子のいない日々に次第に慣れていく一方、拓也たち榎木家の人々は自身や友人たちにまつわる様々な問題に直面する。それは学校でのイジメであったり、仕事上のトラブルであったりと様々で、その都度彼らは悩み、苦しみ、これを解決していく。

拓也と実の双方がそれぞれに知己となる後藤(ごとう)兄妹。
子だくさん家族の次男で、年齢のわりに大人びたところのある藤井昭広(ふじい あきひろ)。
児童会長の森口仁志(もりぐち ひとし)。
春美の部下で、珍事を巻き起こしては彼を巻き込む江戸前秋生(えどまえ あきお)と大森和美(おおもり かずみ)。
交流を重ね、新たな人間関係を構築していきながら、榎木家の人々は母を失った分だけ強い絆を作ろうと努力を続けていく。

交通事故

拓也を追いかけて、実は車の前に飛び出してしまう。

小学6年生に進級した拓也は、相変わらず実の世話に振り回されていた。母を失った孤独を兄に甘えることで解消しようということなのか、実は拓也を追い回すようになり、自身もまだ幼い拓也はこれを煩わしく感じ始める。
しかしある時、一時でも自由になりたい一心で、拓也は実に「実のことなんか嫌いだ」と言ってしまう。実はこれにショックを受け、走り去ろうとする兄を追いかけて道路に飛び出し、車に轢かれてしまう。
意識を失い、病院へと運ばれていく実。連絡を受けた春美も駆けつける中、拓也は「自分があんなことを言ったせいだ」と己を責め続ける。

春美は春美で、由加子も彼女の両親も事故で命を落としたことを思い出し、実までも同じ運命を辿ってしまうのではないかと悪い考えが拭えない。再び突き付けられた“家族の喪失”の危機を前に、拓也と春美はただ狼狽し、恐怖に身を竦ませる。

再び結ばれていく家族

亡き母の導きで、実は死の淵から生還する。

実の緊急手術は無事に終わるも意識は戻らず、危険な状態が続く。医者からは「数日以内に意識が戻らなければ覚悟してください」と告げられ、拓也と春美は実の回復を祈りながら時を過ごす。
拓也は実の病室に毎日押しかけ、「目を覚ましてくれ、あんな言葉が実とのお別れなんて嫌だ」と願い続ける。しかし実の意識は戻らず、医者から宣告されたタイムリミットが近づいていく。いよいよ実の命が尽きようとしたその時、拓也と春美は不思議な夢を見る。死んだはずの由加子が彼らの前に現れ、「大丈夫だ」とばかりに励ましていくというものだった。

由加子に導かれたかの如く、実は死の淵から生還。目覚めて最初に発したのは、そこにいた拓也に向けての「大好き」という言葉だった。小さな体で奮闘し、家族の下に戻ってきてくれた実を、拓也と春美は涙と共に抱き締める。
その後実は後遺症もなく回復し、退院。それを喜ぶと同時に、家族というものがいつどんな形で唐突に終わってしまうのかを改めて知った拓也は、「だからこそ家族は大切にしなければならないのだ」との思いを胸に、大切な弟との日常を噛み締めるのだった。

『赤ちゃんと僕』の登場人物・キャラクター

榎木一家

榎木 拓也(えのき たくや)

主人公の熊ノ井市立紅南小学校に通う男の子。性格は母に似ていて、まじめで常に一生懸命。誰にでも優しく純粋で温厚だが、怒らせるととても怖い。母を事故で亡くしてから、弟の実の身の回りの世話や、掃除や洗濯などの家事もこなす日々の中で、実のいたずらを許せずに暴力をふるってしまうなど、情緒不安定になることがある。父に似て整った顔立ちから、小学校の女子からの人気がとても高いのだが、本人は全く恋愛や女子には興味がなく、鈍感な一面がある。10月10日生まれのA型。図工と長距離走が苦手。

アニメでは5年2組のままだが、漫画版では第3巻から6年2組に進級する。

榎木 実(えのき みのる)

榎木拓也の弟で2歳の保育園児。自分のことを「みの」と呼んでいる。わがままで泣き虫の甘えん坊。亡くなった母の記憶はほとんどないものの、寂しさから保育園や街中で母親と一緒にいる子供を見かけると八つ当たりをしてしまうこともある。母の代わりに身の回りの世話をしてくれる兄の拓也が大好きでいつもくっついている。成長するにしたがって「にーちゃ」と呼ぶようになるなど、少しずつつたない言葉を話すようになっていく。第二ひまわり保育園のぱんだ組に通っている。発表会でボンキッキ体操(アニメではニャンコ・コニャンコ体操)を踊るも、どうしても阿波踊りに見えてしまう。血液型はB型。シャボンファイブが好き。お化けが大の苦手。同じ保育園に通う後藤浩子や藤井一加から好かれている。

アニメではひよこ組に通っていることになっている。

榎木 春美(えのき はるみ)

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