Spangle call Lilli line(SCLL)とは【徹底解説まとめ】

Spangle call Lilli Lineとは、1999年に結成されたバンド。メンバー全員が他に本業を持ち、音楽を趣味と言い切って活動している。
手数の多さや速さなどのテクニカルさや、誰にでもささるトレンドさには手を出さず、音の配置や空間作りを重視して、可能な限り音数を減らす制作スタイル。
枠にはまらないスタイルで作り上げられた彼らの音楽性は、既存のジャンルでは大別できない。
自分たちの好きなことの表現を第一としており、彼らの作品は国内外問わず多くのアーティストから支持されている。

2009年8月5日に発売されたライブDVD『SCLL LIVE』。
2009年の1月31日に渋谷duoで行なわれた10周年記念ライブのDVDと、Spangle call Lilli lineのメンバーでもある写真家の笹原清明の撮りおろし写真集がセットになった作品。
1,500部限定の作品であり、販売してすぐに完売したため、現在は公式サイトから購入することはできない。

ドラムの椛沢脱退後、第2期のSpangle call Lilli lineのライブ映像。彼ら特有の音楽性から派手で盛り上がることはないが、一本の線がずっと張りつめられているような緊張感のあるライブだ。
特に、1曲目の「mai」は、ギターとドラムとボーカルのみでゆったりとしたテンポで始まり、会場の緊張感がひしひしと感じられる。
とはいえ、殺伐とした空間にならずに、楽曲や演奏から感じられるけだるさや浮遊感により、どこか緩い隙間を残したライブ映像となっている。

『SCLL LIVE2』

【『SCLL LIVE2』の収録曲】
1. zola
2. eye
3. rio the other
4. crawler
5. crawl
6. inc.
7. piano
8. “telephone”
9. nano
10. Veek
11. E

2011年11月16日にリリースされたライブDVD『SCLL LIVE2』。
2010年6月5日に恵比寿LIQUIDROOMで行ったワンマンライブの映像を記録したDVDと、2011年までにリリースされたSpangle call Lilli lineの全楽曲の歌詞集がセットで販売。
バンドサウンドが作り出す張りつめた空気感、その中を泳ぐように漂う大坪の歌声。音源だけでは味わうことのできない雰囲気をまとった作品に仕上がっている。

なお、ギターの藤枝は過去にSpangle call Lilli lineの詞についてこのように語っている。

藤枝:すくなくとも、ダウンロードだけで聴いてる人は、スパングルに関しては損してると思う。もうひとつ上のレイヤーからの景色を感じられるのに、って。そこには、より難解な迷宮が待ってるわけですが(笑)。

出典: www.cinra.net

歌詞集から「piano」。詞だけでなく笹原の写真も収録されている。

全楽曲の歌詞集を眺めながら楽曲を聴けば、藤枝の言う「もう一つ上のレイヤー」から彼らの音楽に触れることができるとも考えられる。
Spangle call Lilli lineの楽曲をさらに深くまで触れたい人には、おすすめの作品ともいえるだろう。

Spangle call Lilli lineの名言・発言

藤枝「3年に1枚アルバムを出すくらいのサイクルがちょうどいい」

ギターの藤枝は、以前インタビューでこのような発言をしていた。

それに、3年に1枚アルバムを出すくらいのサイクルがちょうどいいって最近思っていて、タイミング的にもかみ合ったというか。

出典: www.cinra.net

「好きなことを追求したい」
その独自の音楽スタイルを20年以上貫き通しているSpangle call Lilli line。
コンスタントに作品を発表するよりも、表現したいものを作品に残すために1つの作品ごとに時間をかけるほうが彼らのスタイルに合っているのだろう。

「迷いがなければ絶対それをやるべきだし、迷いがあれば変えればいいと思う」

ギターの笹原は、以前インタビュー記事にてこのように語っている。

「好きなことを仕事にするべきかどうか?」っていうことを悩んでる読者って結構いると思うんですね。そういう人に何かアドバイスをいただけますか?

笹原:悩まないことですよね。「それしかないじゃん」って思わないと、好きなことを仕事にはできないと思う。僕はカメラマンになるしかないと思ったし。「デザイナーになりたいけど、どうしよう? なれるかな?」って悩んでる人はやめた方がいい。退路がチラチラ浮かぶ人は、退いた方がいいと思います。

出典: www.cinra.net

自分たちの表現したいことを追求してきた、そして今後も追求し続ける姿勢を見せるSpangle call Lilli line。
そんなスタイルの彼らだからこその発言である。

バンドで音楽を続ける以上、苦難は多々あったに違いない。
しかし、「表現したいものがある」という信念があるからこそ、悩みや迷いに振り回されずに彼らは20年以上も自分たちのペースで活動を続けられているのだろう。

笹原・大坪「演奏力が課題」

ギターの笹原とボーカルの大坪は、2011年のインタビュー記事にて、このようなことを語っている。

ーじゃあ逆に、今のスパングルが抱えてる課題ってありますか?
笹原:…演奏力かな。
大坪:それは今に限らず、永遠のテーマでしょ(笑)

出典: www.cinra.net

「可能な限りサウンドを減らして残ったものが本質」と過去に藤枝が語っていたように、絶妙な音の配置によって作られた空間がSpangle call Lilli lineの魅力。
決して、テクニックで勝負するバンドではないのは確かである。

とはいえ、彼ら自身が演奏力を課題に掲げているということは、今後は演奏力の高さを武器にしたライブが行われる可能性もある。
今後の作品やライブからは彼らの演奏力にも注目できるような一言だったと推測できる。

Spangle call Lilli lineの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

メンバーにとって「音楽はガス抜き」である

ギターの藤枝は、過去に「音楽はガス抜き」と語っている。

——藤枝さんも、音楽と仕事を両立させてて、忙しいんじゃないんですか?

藤枝憲 : 僕の場合、音楽はガス抜きですね。12時間仕事でモニターを観てるんで。僕、郁子ちゃんはなんとなく分かるんですよ。彼女って、結構実態がある所をよりどころにしてる気がする。ミト君のようにインターネットとかヴァーチャルな所をアクティブに使いこなしているってよりかは、リアルに会って話をして、実態がある所で繋がることを糧にしてる感じがする。基本的に身体一つみたいなね。

出典: ototoy.jp

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@neruchandayo1122t5

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