恋のツキ(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『恋のツキ』とは月刊『モーニングツー』にて連載された大人の恋愛を描いた作品である。作者は新田章。2018年よりテレビ東京ほかにて実写ドラマが放送された。31歳フリーターの主人公平ワコ。結婚適齢期になる彼女は、同棲中の彼氏との生活や将来に、当たり前の毎日に不満を抱いていた。そんな時、バイト先に現れた男子高校生の事を好きになってしまう。結婚を考える彼氏と、ときめきをくれる男子高校生の狭間で揺れ動くアラサー女性の、人生の選択に迫る崖っぷちラブストーリー。

落ち込みながら街中を歩いていると、以前付き合っていた元彼(土屋)と再会してしまう。浮気をされて別れたときは2度と会いたくないくらい彼を憎んだ。しかし今となれば懐かしい顔と声に安心させられるのだった。
軽い挨拶を交わすと、「今からちょっと飲まない?」と誘われる。
居酒屋に入り乾杯する。昔の面影も少し残しつつ5年経った今、イイ男になったように感じた。昔の話をしたり、仕事の愚痴を聞いて貰い楽しい飲み会に終わる。

すれ違い

土屋から映画のイベントに来ないかと誘われていたので、イコくんを誘ってみたが、映画の撮影があるからと断られてしまったので、1人で行く事にした。
その頃イコくんは、サカキと映画の撮影をしていた。イコくんはサカキのことを友達だと思っていたが、サカキはそう思っていなかった。サカキは不意に「好き」と漏らしてしまう。しかしイコくんは彼女が居ること、その彼女が文化祭にも来ていたワコだと言うことを話した。サカキは激しく嫉妬してワコの事を悪く言い、もう映画は手伝えないと泣いて帰ってしまった。
一方ワコはイベントを楽しんでいた。打ち上げで飲み過ぎてしまったので、土屋にタクシーで送って貰った。

消すことのできない過去

家の手前でタクシーを止め、土屋は帰っていった。家の下でイコくんが待っていて、土屋に送って貰ったのを見られていた。怒っていないフリをしてイコくんは帰ってしまった。また浮気するんじゃないかと不安になるイコくん。サカキに言われた事を思い出し、ワコと付き合っている事に自信をなくし始める。
ワコは同僚との飲み会の帰り、イコくんに電話してみた。機嫌が悪い様子だったが、会いに来てくれた。
イコくんは高校生だから結婚することが出来ない。他にまた結婚したいと思う男性が見つかるまでの暇つぶしにされているんじゃないかと不安だったのだ。
「浮気するわけない」と言っても当然信じて貰えるわけがなかったが、不安になるようなことはしないとイコくんと約束した。必死になっているワコを見て、イコくんは”今”のワコを信じると言ってくれた。

約束

ワコは風邪を引いてしまった。
風邪がなかなか治らず病院に行くと、インフルエンザと肺炎を併発していると言われ、即入院になった。入院の手続きの為に保証人が必要だったが、イコくんは未成年だし、ふうくんは呼べるわけがなかった。上着の中から土屋の名刺が出てきたので、お願いすることにした。
無事退院できたので土屋にお礼の連絡を入れると、退院祝いをしようと言われた。以前参加した、映画のイベントで知り合った人も来るそうだ。男の人と飲むのはイコくんを不安にしてしまうと思ったものの、勢いでOKしてしまった。彼には黙って行くことにした。

ラストチャンス

もう一人は仕事で遅れるというので、ワコは土屋と先に飲んでいた。この先の自分の人生が不安で仕方ないと土屋に漏らす。するとイコくんから当たり障りのない連絡がきたので、怪しまれないように直ぐ返事をした。それを見た土屋は、ワコが不安を感じているのはイコくんのせいでもあるんじゃないかと言う。高校生の彼は責任を持って付き合っているわけじゃないし、と痛いところを突いてきた。

土屋は、弱り切っている入院中のワコを見て「この子を支えて、一緒に年取るのいいなと思った」とプロポーズをしてきた。焦っているワコの手を握り真剣なまなざしを向けてくる。

なんとこの2人の会話をイコくんは聞いていた。イコくんに返事をした後スマホをポケットに入れる際、間違えて通話ボタンを押してしまい、何も知らない彼は電話に出てしまったのだった。

電話での会話

ワコは悩んだが、イコくんとの関係を守りたいと断る。しかし土屋は即答しなかったことに、ワコに隙があると思い簡単には諦めなかった。遅れていたもう一人が合流した為、この話はうやむやになってしまった。
飲み会が終わりイコくんに連絡しようと携帯を見ると、通話履歴が残っていた。男の人と飲みに行っていたことが当然バレていた。
会って話し合う。土屋とのことを聞かれたが全て誤魔化した。何とか説得することで、また2人の幸せな時間を取り戻すことが出来たのだった。
2人でいる時間が増えたが、この前まで学校の友達と撮影していた映画のことが気になった。映画への活気を取り戻して欲しくて、今しか出来ないことをやって欲しいとイコくんの映画作りを応援した。

仲直り

イコくんは映画の撮影を再開すべく、勇気をふり絞ってサカキに声をかける。映画の続きを撮りたいとお願いした。サカキはイコくんに未練があったが、熱意に折れて協力してくれることになった。
イコくんはこれまでワコとの年齢差や、それに対する世間の目を一切気にしたことはなかった。しかし、サカキに言われたこと、ある日テレビで報じられていた淫行のニュース、ワコの生活に触れていくことにより、2人の差について少しずつ違和感を持つようになる。更に、映画撮影を再開して楽しい学校生活を送るようになった為、ワコへの気持ちが薄れていってしまう。それに気づかないワコはむしろ順調だと勘違いするのだった。

しっぺ返し

しかし別れは突然やってきた。出掛けようとしていた所、家の下でイコくんにばったり会う。イコくんはワコの顔を見るなり帰ろうとした為なにがあったのか聞くと、神妙な顔で「好きな人が出来たから別れてほしい」と言われた。
イコくんは「さようなら」と言い残し振り返ることなく立ち去って行った。ワコは気力を失い出掛けるのを辞めた。

空いた穴

イコくんを忘れ去るために髪の毛を短く切った。少しずつ彼のいない生活に慣れていった。
土屋からは度々連絡が来ていて、憂さ晴らしにワコの家で映画を見ることになった。イコくんと別れたことをふと漏らすと土屋はとても驚いたが、そこに付け入るように気づけばキスをされていた。そのまま流されてしまうが、最後までは出来なかった。イコくんのことが忘れられなくて出来なかったわけではなく、結婚することを考えると怖くなってしまったのだ。もう誰かのために頑張れる気もなかったし、幸せにできる自信もなかった。土屋に、もう会うのはやめようと連絡した。

喫茶店

ワコは33歳になった。同僚で仲の良い照井が仕事を辞め、デコトラで日本中を走り回るという夢を実現した。トラックの内装を考えたいからと雑貨屋を見て回り、途中でとある喫茶店に入った。イコくんに振られた時期、一度行ったことがあったお店だった。
自分の部屋で珈琲を飲みながら映画を見たいと話した。すると照井が「喫茶店やれば?」と進めてきた。お客さんに珈琲淹れて店内で映画を流せばいいと、ワコが思う小さな願望そのままだった。

ただいま

数年後、家に帰ると猫(サチ)が玄関で待っていた。ご飯をあげて家事をしながらゆっくり過ごすワコ。サチが玄関の方に駆け寄っていき、誰かが帰ってきた。恋人が「ただいま!」と笑顔を見せた。「おかえりイコくん」と返す。

2年前に映画のイベントで再会したのだった。あの頃とは考え方や状況も変わったが、色々考えた上でもう一度付き合うことになった。

2人仲良く寝る準備までしてからビールを飲もうとするがなかった。閉店間際のスーパーに駆け寄り、見つけたガチャガチャを回してから帰宅した。お酒も飲み終わりイコくんに膝枕をしながら、ずっとこのままでいられたらいいなと思うワコ。
昔照井と、転職は賭けだと話をしていた。人生そのものが博打みたいなものだったとしても、イコくんと再び出会いまた一緒に歩んでいこうと思えた未来は、「負けてもいい賭け」だと思えたのだった。生きている間は、幸も不幸も尽きることはないけれど、もし”ハズレ”を引いたとしてもその運命ごと楽しめる自分でいたい。人生は”当たり”が多めだって思えるようにとスーパーで引いたガチャガチャを開けた。

『恋のツキ』の登場人物・キャラクター

平ワコ(通称:ワコ/演:徳永えり)

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