罠ガール(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『罠ガール』とは、電撃マオウで2017年7月号より連載が始まった罠猟をする田舎のJKを主人公としたマンガ。若い女性の猟師が増えた昨今の「狩りガール」ブームにあやかって作られた作品である。山間部の農家であり、罠猟免許を所持している朝比奈千代丸を中心にした女子高生たちが、農作物に対する鳥獣被害の対策のために奮闘する姿を描く。キャラクターや舞台などは架空のものだが、農業従事者の高齢化や、山間の農地の鳥獣被害の深刻さ、猟師や役所の鳥獣被害対策などは現代日本の農業の姿をありのままに描いている。

旅館山吹荘の女将でつむじの母の姉。やっぱり見た目がキレイで千代丸やレモンに驚かれる。

千代丸の父(ちよまるのちち)

稲作農家。獣害駆除に詳しく、千代丸が罠猟を始めたきっかけを与える。しかし本編では詳しい解説などをせず、専門家の夏芽に任せる。箱罠を借りてきたり、トレイルカメラを買い与えたりと、千代丸の罠猟を応援する。

千代丸の母(ちよまるのはは)

獣害駆除には詳しくないが、農家の嫁らしくネズミ退治や処分など平然とこなす。ただし蛇は苦手な模様。千代丸がイノシシの捕獲に動いている時にも、千代丸がケガをして農作業の人手が足りなくなることを心配した、農家の嫁らしいセリフがある。

『罠ガール』の用語

くくり罠

罠猟免許に使用される罠。日本の法律で許可されている法定猟具。脚一本にかかるものなので、シカやイノシシなどの大型獣捕獲用でも器具は小さく、値段も安い。設置も簡単で扱いやすい。反面、捕獲後の動物が暴れやすく、かかりが浅いと抜け出すことが可能なので危険である。

箱罠

罠猟免許に使用される罠。日本の法律で許可されている法定猟具。動物の全身を収めるものなので、捕獲する動物によって中型獣用・大型獣用などの種類がある。値段も高く、作中では中型獣用でも1万円かかるような描写がある。また大型獣用は購入せずに役所から借りて使用している。鉄の箱で重さもそれなりにあり、設置も複数人で行わなければならない。
捕獲が成功すると脱出はほぼ不可能であり、止めを刺すのも簡単にできる。しかし中で暴れたイノシシが鉄の棒を曲げてしまうなど、油断は禁物である。

囲い罠

罠猟免許に使用される罠。日本の法律で許可されている法定猟具。箱罠の天井が開いているものをいう。
なお、日本の法定猟具として許可されているのはくくり罠、箱罠、囲い罠、はこおとしの4種類しかなく、使用法によっては違法となるものもある。
(はこおとしは、箱の中に獣が入り込むと、重りを載せた箱が落下して捕獲する猟具。作中では登場していない)

天橋立

京都北部にある観光名所。日本三景のひとつ。千代丸がレモン、つむじと共に観光に行った場所であり、このマンガで唯一出てくる地名となっている。

『罠ガール』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

千代丸「イノシシを飼うために罠を仕掛けたわけじゃないだろ? 作物に被害が出てる以上これは必要なことなんだ。みんな野生の動物のために野菜を作ってるわけじゃないんだから」

イノシシが罠にかかった現場に来た千代丸とレモン。千代丸がイノシシに止めを刺そうとした時、レモンがかわいそうと言いだす。それを遮り諭すために千代丸が口にしたセリフ。
千代丸と作者の罠猟に対するスタンスがうかがえる名シーン。

つむじの祖父「…お嬢ちゃん、ワシを呼んだんは正解やで。雄鹿の角は危ないけんのぉ。仕留め損ねて角が刺さって死んだいう話もあるけんな」

くくり罠に雄鹿がかかった時、はじめ千代丸は自分で止めを刺そうとする。しかし雄鹿の迫力におされて、怖気づいて断念。役所に連絡して来てもらった猟師さんに言われたセリフ。
このマンガでは野生動物との遭遇や止めを刺すシーンは淡白に描かれているが、雄鹿の捕獲から止め刺しまでの流れは緊迫した空気がよく描かれている。

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