チームファイト タクティクス(TFT)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『チームファイト タクティクス』(TFT)とは、Riot Gamesが開発・運営しているPC向けオンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のゲームモードの一つとして開発されたオートバトル、あるいはオートチェスと呼ばれる、自分だけのチームを作り、その後自動で戦闘が行われるゲーム。プレイヤーはLoLのキャラクター達を模した駒を集め、自分だけのチームを作り他のプレイヤー全員の体力をゼロにすることを目的に戦う。2020年には賞金ありの国際公式大会が開催された。

『チームファイト タクティクス』の概要

『チームファイト タクティクス』(TFT)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ウェスト・ロサンゼルスに本社を置くRiot Games(ライアットゲームス)が、2009年より開発・運営しているPC向け無料オンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下LoL)の中のゲームモードの一つとして、2019年6月に発表したオートバトル、もしくはオートチェスと呼ばれるジャンルのストラテジーゲーム。8人のプレイヤーが、お互いにLoLのキャラクター達を模した駒を集め合い、自分だけのチームを作り、他のプレイヤーのチームと戦わせることで、相手の体力を減らしていき、最終的に自分以外のプレイヤー全員の体力をゼロにすれば勝利となる。

元々オートバトルというジャンルは、LoLと同じジャンルのゲーム『Dota2』のMOD(ゲームに追加要素を付与する非公式のプログラム。MODの使用を禁止しているゲームもある)ととして、2019年1月に登場した『Dota Auto Chess』が始まりとされている。今までのゲームとは類似性が見当たらない新感覚のゲームルールに加え、高い戦略性に富んだゲームシステムが評価され、発表してまもなく大きく流行したゲームである。この『Dota Auto Chess』の人気を受けて、数々のゲーム会社がオートチェス系のゲームに参入し、その中の一つとして『チームファイト タクティクス』が生まれた。Riot Gamesは、『チームファイト タクティクス』のリリースにあたり、『Dota Auto Chess』にインスパイアされたことを公言している。

LoLを運営しているRiot Gamesの開発したオートチェス系のゲームということで、発表から多くの注目を集めており、動画配信サービス「Twitch」では総視聴者数が一時期、LoLや『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)』などの他のゲームを抑えて1位になった。また、2020年5月には、賞金ありの国内公式大会「MIND MASTER2020」が開催され、ほぼ同時に国際大会の開催も発表されている。Riot Gamesの企業規模、開発力、PR力が合わさり、オートチェス系のゲームの中でも特に成功しているゲームといっても過言ではない。

私たちは元々ストラテジーゲームが大好きで、最近では同僚たちと新しいオートバトルのジャンルを遊んでおり、特に「Dota Auto Chess」をやり込んでいました。本当に素晴らしいゲームで、リーグ・オブ・レジェンドの新たなモードを作る上でインスピレーションを授けてくれました。

出典: jp.leagueoflegends.com

Valve社が開発・運営している『Dota Underlord』

『ハースストーン』の新ゲームモードとして登場したBlizzard社の『ハースストーン バトルグラウンド』

オートチェス系のゲームとしては、『チームファイト タクティクス』以外にも、『Dota Auto Chess』のMODの開発元であるDrodo Studioがスマートフォン向けにリリースした『Auto Chess:Origin』や、中国の大企業であるテンセントが開発した同じくスマートフォン向けオートチェス『Chess Rush』、『Dota2』の開発元であるValve社がリリースした『Dota Underlords』、さらに、『ハースストーン』で知られるBlizzard社が、『ハースストーン』の新ゲームモードとして発表した一風変わったオートチェスである『ハースストーン:バトルグラウンド』などがある。

『チームファイト タクティクス』のあらすじ・ストーリー

『チームファイト タクティクス』には、LoLのキャラクター(レジェンド)を駒にしているというのは前述の通りだ。このキャラクター一人一人に、およそ数1000字にも及ぶストーリーが用意されている。そしてこのストーリーは、後述する駒の「オリジン」と「クラス」に大きく関係しているのである。
「オリジン」と「クラス」とは、簡単に説明すると駒一つ一つに設定されている特性である。この「オリジン」と「クラス」が同じ駒を揃えると強力な相乗効果(シナジー)が発生し、特殊な効果を及ぼしてくれる。そしてこの「オリジン」と「クラス」というのは、それぞれの駒であるキャラクターのストーリーに沿って設定されているのである。

『チームファイト タクティクス』のストーリーというものは、実はまだはっきりとしていない。元々がLoLのゲームモードのひとつとして開発されていたので、世界観の肉付けが不十分なのだ。分かっていることは、LoLの世界とは違う別の世界で、リトルレジェンドたちが日夜戦い続けているということだけである。

一方『チームファイト タクティクス』の元となった『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)には、140体を超えるキャラクター達とそれに伴って広がり続ける広大な物語が存在する。キャラクター達は、「ルーンテラ」と呼ばれる大陸に住んでおり、それぞれの地域に分かれながら、独自の文化を築いている。前述したように、キャラクター達にはそれぞれ1000文字を超えるストーリーが用意されており、それぞれが戦う理由を持っている。

ヤスオ

ヤスオ:赦されざる者

「死は風のごとし…いつも傍らにあるものよ…」

固い信念を持つアイオニア人のヤスオは風を操って戦う俊敏な剣士だ。高慢な若者だった彼は師匠殺しの濡れ衣を着せられ、無実を証明できぬまま、身を守るために兄を殺めることを余儀なくされた。時は流れ、師匠の死についての真実が明らかとなり、兄が謎に満ちた復活を遂げてもなお、ヤスオが自らの過ちを赦すことはできなかった。自分の剣を導く風だけを頼りに、彼は今も祖国の地を放浪し続けている。

出典: universe.leagueoflegends.com

ヤスオと、その兄「ヨネ」は、アイオニアと呼ばれる地域で生まれ育った。孤児だった二人はソウマ老師に拾われ、道場で剣術を学ぶことになる。みるみる剣の才能を開花させていくヤスオは、ソウマ老師から、風を操り敵を切り裂く「風刃術(ふうじんじゅつ)」の唯一として継承者に選ばれる。ヤスオはそのことを名誉であると感じていた一方で、自分の才能と力を過信し、傲慢になっていった。
そんなある日、大陸全土を支配線とする「ノクサス国」の軍がアイオニアに侵略してくる。ヤスオはヨネから、ソウマ老師の護衛を命じられるが、自分も第一線で戦える、という彼の傲慢さ故に持ち場を離れてしまう。ノクサス国の軍が引き、ソウマ老師の元へと戻ったヤスオを待っていたのは、絶命した老師の変わり果てた姿だった。ヤスオはヨネより、「ソウマ老師を殺したのはお前だ」という冤罪をかけられてしまう。

アイオニアから逃げ出し、安息の地を探そうとしていたヤスオの前に立ちはだかったのは、ヤスオを殺すために追いかけてきた、兄のヨネだった。ヤスオとヨネはともに刀を抜き、その場で戦うこととなる。長く苦しい戦いの結果、ヨネの命を奪ったヤスオは、永遠にアイオニアに戻ることはないと心に誓う。

それから長い月日が流れたある日、ヤスオは、とある場所で行われていた「精霊の花祭り」に立ち寄っていた。人々の熱気に圧倒されていたヤスオは、突如、アザカナと呼ばれる下級の悪魔に襲われてしまう。アザカナの使う奇妙な技に翻弄されていたヤスオは、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。そんなヤスオを助ける者が現れた。二振りの刀を持つ、仮面の男。そこに立っていたのは、殺してしまったヤスオの兄、ヨネだった。そして煙のように消えるヨネ。ヤスオは、ヨネの幻影を追い求めて、今も旅を続けている。

ヨネ

ヨネ:忘られざる者

「人の目に映るは仮面のみ。俺の目に映るのは人々の怖れのみだ」

ヨネは生前、ヤスオの義理の兄であり、村の剣術道場で名の知れた門弟であった。しかし弟の手で命を絶たれた彼は、霊的領域の邪悪な化け物に付け狙われ、その化け物が持つ剣によって化け物自身を切り伏せることとなった。呪いを受けて悪魔のような仮面を被るようになったヨネは今、変わり果てた己を理解するために飽くことなく化け物を狩りたてている。

出典: universe.leagueoflegends.com

ヨネと、その弟「ヤスオ」は、アイオニアと呼ばれる地域で生まれ育った。孤児だった二人はソウマ老師に拾われ、道場で剣術を学ぶことになる。みるみる剣の才能を開花させていくヤスオに比べ、ヨネは堅実に、しかし確実に剣の腕を上達させていった。
ある日、ノクサス国の軍が、アイオニアを侵略せんと攻めてきたとき、ヤスオの類まれなる剣の腕を見込んで、ソウマ老師を守る最後の砦として護衛につかせた。傲慢なところがあるヤスオだが、ヨネはそんなヤスオのことを心から信じていた。しかし、ノクサス国の軍が引き、ソウマ老師の元へと戻ったヨネを待っていたのは、絶命し、変わり果てた姿の老師の姿だった。あの場にいたのはヤスオだけだった。つまり、ソウマ老師を殺せるのはヤスオしかいない。その怒りと、信じていたヤスオに裏切られたことへの絶望が、ヨネを復讐の道へと走らせた。アイオニアから逃げ出したヤスオを追って、一騎討ちをヤスオに申し込む。だがしかし、ヨネはヤスオによって殺されるという結果に終わってしまう。

死後の世界で、長いこと自分を見失いそうになりながら彷徨っていたヨネは、ある時、精霊の道を見つける。誰もいないのに、どこかにぎやかな、人々の熱気を感じるようなその道を訳もなく歩いていたヨネだったが、その時、アザカナと呼ばれる下級の悪魔に襲われてしまう。刀を抜き、応戦するヨネ。思うように動かない体に鞭を打って、間一髪のところでアザカナを切り伏せたヨネは、アザカナが遺した一振りの刀に手を伸ばす。その瞬間、刀からアザカナの邪悪な力がヨネに流れ込み、外すことのできない呪いの仮面という形をとってヨネに憑りついてしまう。さらに、アザカナの一部が現世へと逃げ出してしまった。アザカナを追いかけるために、悪魔の力を使い、ヨネは現世へと生き返る。生き返ったその先でヨネが偶然にも出会ったのは、因縁の相手、ヤスオであった。

しかしヨネは、ヤスオに手を下すつもりはなかった。ただ今は、逃げ出した悪魔を狩るために、現世を彷徨い続けることを選んだ。

ガレン

ガレン:デマーシアの勇士

「この王国とその人々は、俺に何もかもを与えてくれた。ならば男子たるもの、全てを捧げて当然だろう?」

仲間からは好かれ、敵からも尊敬を集めているガレンは誇り高きドーントレス前衛隊の指揮官だ。彼は名門クラウンガード家の後継ぎとして、デマーシアの国家とその理念を守る任務を与えられている。魔力を防ぐ鎧を身に付けて、強力なブロードソードを振りかざし、ガレンはメイジや魔術師たちが待つ戦場に、鋼鉄の勇気の竜巻となって飛び込んでいく。

出典: universe.leagueoflegends.com

デマーシア国の国王に代々使えてきたクラウンガード家の生まれであるガレンは、幼いころから叔父に魔法というものの脅威について聞かされて育ってきた。しかし、その叔父が魔法使いによって殺される事件が発生してしまい、デマーシアに魔法を入れるわけにはいかないと強く心に誓う。デマーシア軍に入隊後、のちの国王となる「ジャーヴァン4世」と親友になり、ともに切磋琢磨する毎日を送るようになる。そして、彼はドーントレス前衛隊の指揮官に任命されるという名誉を授かった。そんな時、ガレンの妹である「ラックス」が魔法使いであるという噂を耳にする。ラックスのことを大切な家族だと感じているガレンは、その事実から目を背けようとするが、ついにはラックスが魔法使いとしての力に目覚めてしまい、国を挙げて彼女と対立することになってしまう。

ラックス

ラックス:光の才女

「この光の力を使えるのは私だけ、だからどこで輝かせるかは気を付けてるの」

ラクサーナ・クラウンガードは魔法の才能を恐怖と疑惑の目で見る偏狭な国、デマーシアで生まれた。意思の力で光を自在に操ることができる彼女だったが、その力を持つことを知られて追放されることを恐れながら育ち、名門一家の権威を守るためにそれを秘密にすることを強いられてきた。しかし、持ち前の楽観主義と負けん気で自らのユニークな能力を受け入れることを決意し、今ではこのような能力に対する寛容さと理解を祖国にもたらす道を模索している。

出典: universe.leagueoflegends.com

本名、ラクサーナ・クラウンガード。貴族の娘であるためか、日々の生活に窮屈さを感じ、外の世界に対して夢を見る普通の女の子だったラックス。ある日、人目を盗んで遠出することにしたラックスだったが、暗い森の中に足を踏み入れてしまい、森の中を彷徨うことになってしまう。その森で彼女は、サーベルウルフの群れに襲われてしまう。その時ラックスは、潜在的に眠っていた魔法の力に目覚め、危機を脱することに成功する。しかし、ラックスは自分がデマーシア国では禁じられている魔法使いであったという事実に悩み苦しむことになる。自分は邪悪な存在になってしまったのか、国に知られれば投獄されてしまうのではないか。そんな恐怖が渦巻いていた。そしてとうとう、事故で魔法を暴発させてしまったことが原因で、ラックスが魔法使いであるということが周知の事実となってしまう。祖国と対立することになってしまったラックスだったが、そんな時、最愛の兄である「ガレン」から、ある二つの選択肢を提示される。このまま魔法使いとして投獄されるか、デマーシアのため、デマーシアの外で力を行使し続けるか。こうしてラックスは国を追われるものの、祖国のため、大陸全土を支配線とする「ノクサス国」や、光無き深淵の世界「ヴォイド」から迫りくる魔物たちと戦うことを決意する。

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