AQUA・ARIA(漫画)のネタバレ解説まとめ

『AQUA』『ARIA』とは天野こずえによる漫画、およびそれを原作としたアニメである。『AQUA』『ARIA』合わせて全14巻。過去3度アニメが放送され、2015年には映画化もされている。
ネオ・ヴェネツィアを舞台として水無灯里が一人前の水先案内人(ウンディーネ)を目指してたくさんの人との出会いを経て成長していく物語である。景色の描写がとても綺麗で登場人物全員がとてもいい人なのが特徴である。また日常のほんのちょっとした幸せに焦点を当てた作品であるため、読む人の心を癒す作品となっている。

『AQUA』・『ARIA』の概要

『AQUA』『ARIA』とは、天野こずえによる漫画およびそれを原作としたアニメである。『AQUA』は2001年3月号から2001年11月号まで『月間ステンシル』にて連載された。『ARIA』は2002年4月号から2008年4月号まで『月間コミックブレイド』にて連載された。単行本は『AQUA』が全2巻、『ARIA』が全12巻の計14巻が刊行された。また2016年から2017年にかけて『ARIA完全版』が単行本14巻分を全7巻に構成して刊行された。2005年にはテレビアニメ『ARIA The ANIMATION』(第1期)、2006年には『ARIA The NATURAL』(第2期)、2008年には『ARIA The ORIGINATION』(第3期)が放送された。また、2007年にOVA作品『ARIA The OVA 〜ARIETTA〜』が発売された。2015年にはテレビアニメ10周年記念として映画『ARIA The AVVENIRE』が放映された。2021年春には映画第2弾『ARIA The CREPUSCOLO』が上映予定となっている。
水の惑星アクアの観光都市ネオ・ヴェネツィア(イタリアのヴェネツィアをモチーフにして作られた町)を舞台に、地球から来た15歳の少女、水無灯里がARIAカンパニーというネオ・ヴェネツィアの観光案内を行う会社に入社し、一人前の水先案内人(ウンディーネ)を目指して修行する物語である。ARIAカンパニーの先輩ウンディーネであるアリシア・フローレンスの指導の下成長していく。また、ウンディーネを目指す同世代の少女藍華、アリスと一緒に練習する中で、ガイドやゴンドラの操縦技術を身につけていく。作風としては1話完結方式で、日常のちょっとした幸せや素敵な出来事に焦点が当てられている。登場人物全員がいい人で優しい気持ちになれる作品のためヒーリング作品として多くのファンから愛されている。

『AQUA』・『ARIA』のあらすじ・ストーリー

ARIAカンパニー入社してから半人前に昇格するまで

正しい方向でゴンドラを漕ぐもうまくいかなくて落ち込む灯里。

火星が改造されて、人が住めるようになった世界。地球に住んでいた少女、水無灯里が火星にある観光都市ネオ・ヴェネツィアに向かうところから物語が始まる。ネオ・ヴェネツィアに到着した灯里は火星猫という不思議な猫に迎えられる。火星猫が灯里の荷物を持って郵便屋のゴンドラに飛び乗ると灯里は慌てて追いかけてそのゴンドラに乗る。ARIAカンパニーに着いた灯里は、先輩ウンディーネのアリシアに迎えられる。また最初に出会った猫はアリア社長というARIAカンパニーの社長であるということをアリシアから聞かされる。ARIAカンパニーでの勤務初日にアリシアにゴンドラを漕いでみるように言われ、事前にビデオを見て勉強していた灯里は自信を持って巧みなゴンドラ捌きを見せる。しかしアリシアにゴンドラを漕ぐ方向が逆であるということを指摘される。灯里は漕ぐ方向を勘違いして練習していたためその間違いに気づかなかったのだ。正しい方向で漕いでみると全く漕ぐことができなかったので、アリシアからこれからいっしょに頑張りましょうと励まされる。
そんな中ARIAカンパニーの様子を覗いていた同年代の見習いウンディーネ、藍華と出会う。この出会いをきっかけに藍華と友達になり、以降練習を一緒に行うなど行動を共にするようになる。
ある朝藍華がARIAカンパニーにやって来て、見習いから半人前になったことを報告する。その日アリシアからとっておきの場所があるからピクニックに行こうと告げられる。目的の場所に着くまでの道は観光地としても有名で船の通行量が多く、難しい道であるため、ゴンドラ漕ぎの力量が試される場所であるという。そこを抜けると風車がたくさんある広大な景色があった。するとアリシアから「合格おめでとう」と告げられる。目的地までの道は見習いから半人前に昇格するための試験に使われる道だったのだ。灯里は半人前のウンディーネになることができたのである。

さまざまな人々との出会い

灯里にとって初めてのお客さんとなる出雲暁(いずもあかつき)。

半人前に昇格した灯里はアリシアの仕事に同席させてもらい、改めてアリシアの凄さを実感する。そんな中灯里の初めてお客さんである出雲暁(いずもあかつき)を乗せて運航することになる。暁は浮島から来ており、半人前の火炎之番人(サラマンダー)で、火星における気温や気候の調整をする仕事をしているという。しかし、思うようにゴンドラの操縦ができない。暁は急いでいないので構わないとのことであったが、仕事のため夕方6時までには帰らないといけないことを把握する。時計を見るとあと30分しかない。灯里は慌てて漕ごうとするが、灯里の力では到底間に合わない。灯里はアリシアに変わってもらおうとするが、暁から「俺はあんたの客だぞ たとえ半人前でも水先案内人だろう?」と叱咤激励される。灯里は自信のある逆漕ぎを使ってなんとか時間に間に合わせることができたのである。最後に暁からお互い一人前になれるよう頑張ろうと伝えられ、水先案内人としての初めての仕事を終えたのである。

サンマルコ広場で灯里はネオ・ヴェネツィアに来て初めての年越しをみんなと過ごす。

ネオ・ヴェネツィアでの日々を過ごす中、灯里はさまざまな人々と出会う。最初のお客さんとなった暁、暁の幼馴染で様々な物資の配達を行う風追配達人(シルフ)の綾小路宇土51世(ウッディー)、火星の重力を人間が住めるように調整を行う地重管理人(ノーム)のアルバート・ピット(アル)との出会いを通じて灯里はネオ・ヴェネツィアの仕事や生活をたくさん知るようになる。そこで出会った人々との日々を過ごすことで灯里は周囲の人々の心を動かしていく。

3人のウンディーネの成長

失敗を乗り切った灯里たち3人は、晃(画像右端)からピザをご馳走される。

灯里は、藍華との合同練習中に出会ったアリス、厳しくも愛のある藍華の先輩晃、天使の謳声を持つアリスの先輩アテナと出会い、ウンディーネとしても一段と成長していく。
ある日晃が灯里、藍華、アリスの3人の指導をしてくれることになった。案内は上手だが、速度を出しすぎる藍華、緊張すると速度が遅くなり過ぎること、仕事中に友人に声をかけてしまう灯里、操縦技術は良いが、終始黙っているアリス、それぞれの欠点を晃から注意される。そんな中、灯里たち3人は潮の状況を見誤り、通れなくなってしまう失敗をしてしまう。この失敗を3人の力だけでフォローするよう晃から言われる。灯里たち3人はまず、地理に詳しい地元の人を探すも見つからず失敗。その後アリスが壁の扉から水の流れがあることを把握する。扉を開けると暗い道があり、藍華が障害物を弾き、藍華は灯里に対して自分の指示通り漕ぐよう伝える。灯里がゴンドラを漕いで暗い道を進んでいくと大きな出口の扉があった。アリスが扉の鍵を開けると広い道に繋がり、無事脱出することができたのである。灯里たち3人は晃からミスしたことに対して怒られると思ったが、晃は「反省している人間を叱っても無意味」と怒るようなことはせず、マルゲリータをご馳走し3人を労った。
夏のバーベキューの日、藍華はある願掛けのために髪を伸ばしており、アリシアから褒められる。しかし、その髪に引火してしまい、大きくショックを受ける。灯里たちが藍華の髪を切って励ます。実はアリシアのような立派なウンディーネになるという願掛けだったのだ。そこに晃が訪れ、「お前はアリシアにはなれない」と言われる。ショックを受けた藍華は部屋を飛び出そうとするが、それを止め「お前はお前しかなれないんだ」「他の誰でもない最高のウンディーネになればいい」と叱咤激励され、藍華は感動のあまり涙を流した。翌日、藍華は髪を短くしてもう一度みんなをバーベキューに誘う。藍華は新しい自分に出会うことができた。

同期社員との間に壁を作ってしまうアリス(画像下)に対して、アテナ(画像上)が「人もまた自分を写す鏡」と伝える。

灯里と藍華がアリスの部屋に泊まりに来た日、アリスが同期社員とのパーティーを不参加にするのを目の当たりにする。灯里たちは「出ないの?」と聞かれるが、アリスは馴れ合いが好きではないと拒否してしまう。アリスは同期社員の羨望や注目を怖く感じていたのだ。しかしアテナから「鏡が自分を写すのと同様に人もまた自分を写す鏡」というアドバイスと、必死に頑張るまぁ社長の姿を受け自分も変わってみようと心を新たにする。翌日、明るくなったアリスは、同期とのパーティーに参加することにしたのである。

一人前の昇格試験に何度落ちても再チャレンジするという強い気持ちを持つ杏(画像左)

ARIAカンパニーで過ごす日々の中、灯里はさらにアリシアの役に立ちたいと相談する。するとトラゲットをやってみたらと提案される。トラゲットは他社の人ともグループを組むこともあり、オレンジぷらねっとのアトラ・モンテヴェルディと夢野杏、姫屋のあゆみ・K・ジャスミンとグループになる。トラゲットは半人前の修行場でもあり稼ぎ場でもあるという。中には一人前になれずにトラゲットに落ち着く人もいるということを知る。灯里は早くコツを習得し、グループのみんなから褒められる。そんな中、アトラは一人前の昇格試験に何度も落ちてしまい、自信をなくしていた。杏は諦めずに何度も挑戦する姿と灯里から「自分で自分をおしまいにしない限り遅いことなんてない」と励まされ、アトラはもう一度挑戦することを誓う。こうしてトラゲットで出会った4人は仲を深めていく。

プリマ昇格とそれぞれの道

見習いから一人前に昇格となったアリス(画像右)。

ミドルスクールを卒業したアリスは、アテナからピクニックに行こうと誘われる。行先は希望の丘で、希望の丘に着くとゴンドラ協会や会社の人、そして灯里、藍華が出迎えていたのだ。そこでアリスが船謳(カンツォーネ)を披露すると、アテナから一人前昇格おめでとうと告げられた。実はアリスがミドルスクールを卒業するのをゴンドラ協会が待ってくれていたのだ。水先案内人における様々な面での成長が著しかったため異例となる見習いから一人前への飛び級昇格を果たしたのである。アリスは灯里と藍華と喜びを分かち合い、灯里と藍華は一人前になる決意を新たにするのであった。
藍華が後輩のアリスに追い抜かれて落ち込んでいるのではないかと心配した晃は藍華をジェラート屋に誘う。藍華は晃に対してアリスが一人前に昇格して自分も頑張ろうと意気揚々に話す。晃は藍華が辛い気持ちを隠して明るくふるまってるのではないかと感じ、もういいよと慰めようとするが、藍華はよくないと返す。藍華は落ち込んでいるわけではなく今最高に燃えているんだと話す。晃はかつての藍華の姿と重ね合わせながら安堵の表情を見せ、一人前の昇格試験を行うことを伝える。後日見事昇格試験に合格した藍華は灯里との合同練習の時に灯里に一人前に昇格したことを伝える。

昇格試験に合格し、一人前の証として手袋を外される灯里(画像右)。

灯里は藍華が一人前に昇格したことをアリシアに伝える。するとアリシアは明日昇格試験をすると言う。昇格試験の中細く難しい水路に着く。通ったことがないルートであったが、3人で合同練習をしたことや火星で過ごした日々が後押しとなって落ち着いてゴンドラを漕ぐことができた。そしてアリシアから一人前合格おめでとうと伝えられる。そしてアリシアから感謝の言葉を伝えられ、「遥かなる蒼(アクアマリン)」の通り名を授かる。こうして灯里、藍華、アリスが3人揃って一人前に昇格したのである。灯里はもうずいぶん前から一人前としての実力があったとのことで、昇格試験を行わなかったのは灯里との楽しい日々が終わってしまうことが辛く、先延ばしにし続けてしまったこと伝え、そのことを灯里に謝った。
その後、灯里たちはそれぞれの道を進んでいく。同じ道を歩いているようで本当はそれぞれ違う道を進んでいるということを灯里は感じ、変わっていく日々を大切にしようと誓う。ウッディーは実家で鶏を飼い始め、大空を駆け回っている。アルは一人前の地重管理人となり、藍華との仲も進展している。暁は一人前の火炎之番人となり、灯里のところへたびたび遊びに来ている。アリスはオレンジぷらねっとの期待の新星として活躍し、藍華は姫屋の新しく設立された支店、サンタルチア支店の支店長となる。アテナは本業の傍らオペラ歌手としてのデビューを飾った。晃は名実ともに現役トップの水先案内人として活躍している。アリシアは結婚を機に水先案内人を引退し、ゴンドラ協会の要職として活躍している。そして灯里はアリシアから引き継ぎを受けてARIAカンパニーの経営者となる。そこに新しく入社した少女アイとの新しい日々を予感させ、物語は幕を閉じる。

『AQUA』・『ARIA』の登場人物・キャラクター

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